もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、貴方はとっくに仲間です。

少女たちが水族館を十分に楽しんでいると、帰る頃には外はすっかり暗くなっていた。

 

「うぅん。今日は新しいマップの開拓が出来て、とっても楽しかったです。」

 

「ああ………私も見たことがないことばかりで、新鮮な経験だった。」

 

「えへへっ本当に楽しかったね。また今度みんなで行こうね!」

 

少女たちは、家路につきながらその様に、感想を言い合っていると……

 

三人より、少し後ろを歩いているシロコが、急に立ち止まった。

 

 

「……………………」

 

「シロコ……。どうしたんですか。」

 

 

シロコが付いてきていないことに気付いた少女が、シロコの方に近づき様子を伺った。

 

少女につられるように、ユメとサオリもシロコの方に視線を向け、少し心配そうにシロコを見つめる。

 

三人の視線を受けているシロコは………視線を近寄って来た少女に合わせ、話しかけてきた。

 

「……ん。少女ちゃん………少し二人で話したい………いい?」

 

「……はい。分かりました。ユメ、サオリ、二人は先に帰っていてください。」

 

少女は、シロコの様子が真剣なものであることを悟ると、迷うことなく頷いた。

 

「それは、いいけど…………でも、シロコちゃん………」

 

ユメはシロコのことが心配なのか、若干言葉に迷っている。

 

そんなユメの肩に、サオリが手を乗せて首を横に振るう。

 

「………ユメ、ここは、二人の言うようにさせてやろう。」

 

「サオリちゃん……………うん。そうだね。先に帰ってるからね!少女ちゃん、シロコちゃん。」

 

ユメとサオリは二人を残し、家路について行った。

 

………残った二人も、落ち着いて話が出来る場所に移動し始めた。

 

「ん。………ここだと人も多いから移動しようか。」

 

「はい。マップ移動開始です。」

 

 

 

 

 

 

…………少女とシロコは、昨晩初めて二人が会った公園までやって来ていた。

 

「ん。ここなら、落ち着いて話が出来る。」

 

「はい。周りにNPCの気配もありませんし、秘密の話をするのにピッタリの場所です。」

 

公園内には、二人以外の人影はなく、時折風で木々がざわめく音しか聞こえてこず、静まり返っていた。

 

二人は昨晩のようにベンチに並んで腰かけると、少女がシロコの方を向きながら話しかける。

 

「それで、シロコの話って何ですか。」

 

「………ん。少し聞いてほしいことがある。」

 

シロコは、少女の視線を受けながら、視線を少し下に向けると、ポツリポツリと話し出した。

 

…………話した内容は、自分のことについて…………

 

…………自分がこことは違う……別の世界線のキヴォトスからやって来たこと

 

…………自分が居た世界で、仲間が全員いなくなって、自分だけが残ってしまったこと

 

…………自分がその世界の人々をたくさん傷つけてしまったこと

 

…………最後まで気にかけてくれた人に、銃を向けてしまったこと

 

 

 

……………………そして、この世界のキヴォトスまで滅ぼそうとしてしまったことを…………

 

 

 

シロコは、視線を上げることなく、ゆっくりと話し続けた。

 

…………それはまるで、自身の罪を懺悔しているかのような姿だった。

 

少女は黙って、シロコの話に耳を傾けている。

 

 

 

 

やがてシロコは話し終えたのか………大きく息をついた。

 

…………膝の上で合わせて握られた両手が、少し震えている………

 

 

少女は、シロコが話し終えても黙ったまま動かない。

 

下を向いているシロコには、今少女がどういう顔をしているのか、分からない。

 

もしかしたら、怖がっているかもしれない、もしくはなんてひどいやつなんだと非難の籠った目をしてるかもしれない…………そんな考えがシロコの中に湧き起こる。

 

 

「…………ん。今話したのは………全部本当のこと…………私には、あなた達と一緒にいる資格はない。」

 

シロコはここで、少女達とお別れしようと思っていた………

 

長くいると離れづらくなると感じていたから……………

 

「昨日と今日は本当に楽しかった…………けど、私とはここでお別れした方がいい。」

 

シロコは最後に少女にお礼を告げようと口を開いた。

 

「だから………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お別れなんて絶対にしません!!」

 

 

………しかしその前に、少女が大きな声で、ハッキリと告げた。

 

突然のセリフにシロコは驚き、少女の方に初めて視線を向ける。

 

そこにいたのは、シロコが予想していたような感情など一切なく、変わらず真っ直ぐにこちらを見つめる少女のすがただった。

 

少女はベンチから立ち上がると、震えているシロコの両手をギュッと掴むと更に話を続けた。

 

 

「絶対!絶対!離れたりなんてしません!ずっと一緒にいるんです!」

 

「っん!?は、話聞いてた………私は一緒にいる資格なんて…………」

 

「資格ならあります!だって、シロコは………

 

 

 

 

 

私の大切な仲間ですから!!!」

 

 

 

 

 

 

少女は真っ直ぐにシロコの目を見て言い放った。

 

 

 

「な、仲間………私が………」

 

「はい!そうです!」

 

「いつの間に………」

 

「最初からです!ですから、お別れなんて絶対しません!私のパーティに途中退場も離別イベントも起こさせません!」

 

余りの少女の勢いにシロコはたじろいでしまうが、それでも何処か迷うことがあるのか表情を暗くする。

 

「ん。……でも私は…………」

 

しかし、少女の勢いは止まらない。

 

目の前の仲間が困っているのであれば、、この少女が止まるわけがない。

 

「シロコが別世界の仲間のことを、どれだけ大切に思っているかは、よくわかりました。きっと、私たちから離れようとするのもその仲間の記憶が薄れることが、怖いからですよね。」

 

「…………っ」

 

シロコ自身ですら、自覚していなかったことを言い当てられ、シロコは目を見開いて少女を見る。

 

「それでも私は………シロコと一緒にいたいんです!シロコが忘れるのが怖いなら、私が一緒に覚えておきます。私の記憶メモリーは優秀なので、安心です。」

 

少女は最後に大きく息を吸ってこう告げた。

 

 

 

「だからシロコ、一緒に帰りましょう!」

 

 

 

少女の真っ直ぐな視線と言葉を受けて…………シロコはゆっくりと立ち上がった。

 

『あなたのせいじゃないよ、シロコ…………君は幸せになっていいんだ』

 

 

そんな誰かの、言葉(想い)に背を押され、少女の手を握り返す。

 

 

「ん。分かった………一緒に帰ろう。」

 

「はい!帰りましょう!ユメとサオリも待っています!」

 

 

二人の少女が家路につく…………夜空に輝く五つの星が、二人を祝福するように煌めいた。

 

 




ああ。プレ先見てるか…………あなたの生徒は元気にやってますよ………

シロコちゃん正式にパーティ合流完了

誰のメモロビが見たい

  • 少女ちゃん
  • 梔子ユメ
  • 錠前サオリ
  • 砂狼シロコ(テラー)
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