もう一人の勇者   作:Katarina T

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もう少しだけ先生視点が続きます。


少女を見つけた日(先生視点)

なんとか襲撃してきたヘルメット団を追い返すことに成功した、私含めたアビドス対策委員会だったが、今だ場には若干緊張した空気が漂っていた。

 

「ふむ……そんなに警戒せずともよい、我々は其方たちとことを構えるつもりなど、微塵も無いのでな。」

 

原因は、目の前の三人の生徒…………黄緑色のヘルメットで顔を隠した、少女たちだ。

 

実際は皆も助けられたことは分かっているため、敵意は抱いてないようだが、あの圧倒的な戦闘を見せられたことで、無意識に警戒してしまっているのだろう。

 

ならばここは…………

 

 

“助けてくれてありがとう。”

 

「ん?其方は確か………オペラハウスでかの便利屋と一緒にいた…………」

 

“うん。シャーレの先生だよ。久しぶりだね。”

 

「おお。やはりあの時の軍師か…………久しいな。あと礼には及ばんよ、軍師よ。我々は我々の目的があって其方たちに手を貸したにすぎん。」

 

 

 

「うへ~目的ねえ。良ければ教えてくれるとおじさん助かるんだけどなぁ。」

 

私は、矢面にたち少女と話をしていると、横からホシノが参加してきた。

 

どうやら、彼女たちの目的が気になったらしい。

 

「………おじさん?まあ其方達が知る必要もないことであるからな、気にする必要はない。」

 

「うへ~、それで納得できると思ってるの?」

 

“ホシノ、ちょっと落ち着いて、ここは私に任せて。”

 

若干険悪になりかけたホシノを下がらせ、再度少女に向き合う。

 

 

 

うーん、どうしたら彼女たちと友好的に話が出来るんだろう…………

 

…………待てよ。もしかしたら………

 

 

私は思い付いたことを実践してもらおうと少女に提案した。

 

 

“あの、いきなりで悪いんだけど一ついいかな?”

 

「なんだ、軍師よ。其方には以前、世話になったからな。聞いてやるから申してみよ。」

 

“うん、ありがとう。じゃあ…………口調を裏モードから戻してほしいんだ。”

 

「なに?」

 

 

突然の私の発言に目の前の少女は、少し考え込むように腕を組んだ。

 

「せ、先生、裏モードって、いきなり何言ってんの?」

 

「えっと……今はそう言う冗談を言ってる場合じゃあ……」

 

「ん。先生…どういう意味?」

 

「うーん。どうやら何か事情がありそうですね。」

 

「うへ~先生おじさんも流石に、今言うべきことは考えて言うよ~」

 

対策委員会の皆も私の発言に対し、各々口を出していく。

 

私は、皆の言うことを聞きながら、少女から視線を外すことなくジッと見つめた。

 

………やがて少女が、腕組みをとき話しかけてきた。

 

「ふむ………それは、大丈夫なのか。」

 

“うん。私はもう知っているし、ここにいる子たちは皆いい子たちだから大丈夫だよ。”

 

 

「……………………はい。分かりました。でしたらこれより裏モードを解除します。」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

突然口調と雰囲気が変わった少女に対策委員会の皆が驚き、言葉を失っている。

 

……うん、気持ちは分かるよ。さっきまでのあの蹂躙劇を起こした魔王のようなものから、一変して幼気な少女の雰囲気に急に切り替ったんだからね。

 

 

“あはは。やっぱりその喋り方の方が可愛いよ。改めて助けに来てくれてありがとう。”

 

「先ほども言いましたが礼には及びませんよ。突発イベントに参加するのは、大好きなので…………あ、そうでした…………コホン…ぱんぱかぱーん。アビドス防衛クエスト無事に達成です。忘れるところでした。」

 

少女は、元気そうに片腕を上げて、ガッツポーズを取った。

 

私が微笑ましいものを見るように、その光景を見ていると、横からセリカが話しかけてきた。

 

「いやいやいやいや、おかしいから!何かさっきまでと別人みたいになってるし、先生これどういうこと!?」

 

「セ、セリカちゃん落ち着いて。」

 

「はい。先ほどまでの私は裏モードであり、こっちが本来のモードです。」

 

「いや、だから裏モードって何!?なんでそれが当たり前に通ると思ってるの!?あと何で後ろの二人は何も言わないでそのままにしてるの!?」

 

「別に何もおかしなことはない。自身の情報を隠す上で、自身を偽るのは当然の行動だ。」

 

「ん。少女ちゃっ…………G1の口調カッコイイよ。」

 

「わーい。ありがとうございますG4。」

 

褒められた少女は嬉しそうにはしゃいで、G4と呼ばれた少女に抱き着いていた。

 

セリカは突っ込む気力がなくなったのか、アヤネの方を向きながら肩を落としていた。

 

「ダメだ……絶対におかしいのに……ツッコミ切れない…………もしかして私の方が間違っているの…………あれが正解なの…………」

 

「セリカちゃん!?しっかりして、大丈夫、私も少し可笑しいと思っているから。」

 

「ん。口調を変えて自分だと気づかれ難くする………いい方法かも、今度の銀行強盗計画に組み込むべき。」

 

「うふふふ。あんなに喜んでとっても可愛いですね!」

 

「うへ~おじさんはもう何が何だかサッパリだよ。でも悪い子たちじゃなさそうだし……まぁいっか。…………それはそうとシロコちゃぁん、その計画は破棄しないとダメだよ。」

 

「……ん。残念………。」

 

 

先程までの緊張した空気が完全になくなり、和んだ日常の空気になった所で私は少女にもう一つお願いをした。

 

……それはずっと気になっていたこと、もしかしたらという私の予想の答え合わせだ。

 

 

“ねえ、もう一つだけ………いいかな?”

 

「………?何ですか。」

 

“君の素顔を見てもいいかな”

 

「私のですか。…………別に構いませんよ。もう既に戦場を共にした戦友ですからね。」

 

少女がそう言い被っていたヘルメットを脱ぎ、自身の顔を顕わにする。

 

そこには、自身の身長以上に長く、綺麗な黒髪、パッチリと大きな碧色の瞳、頭の上には複数の大きさがバラバラな碧色の長方形や正方形が集まって浮かんでいる…………

 

 

…………アリスそっくりな…………ずっと探していた生徒の姿があった。

 

 

 

“ふぅ。ようやく、見つかったかな。”

 

私はそう言葉をこぼしながら、肩から力を抜いて少女を見つめた。




セリカちゃん…ありがとう遂にまともなツッコミ役が…

あぁ待って頑張って、負けないでセリカちゃん!

君が諦めたらホントどうすればいいのか分かんないから!!

誰のメモロビが見たい

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