「ただいま戻りました。ぱんぱかぱーん。任務完了です。」
少女が駄菓子屋に戻ってくると、近くにいたユメが少女を出迎えた。
「あっ少女ちゃんお帰りぃ結構時間掛かってたみたいだけど、何かあったの?」
「あ、ユメ。聞いて下さい。」
少女は、ユメを含めたパーティメンバーに先程の謎の声との会話内容を伝えた。
「……ふむ。……少女ちゃんのことを知っていると言う存在に会って欲しいあの子、更には何があるか分からない謎の地図か…………色々と分からないことが多いな。」
話を聞いたサオリが、少し頭を抱えながら考え込んでしまう。
対する少女は、手に持っている地図を広げながら、全く不安を感じさせない声でこう言った。
「はい。なので先ずはこの地図の場所に行ってみようと思います。」
「ええっ!少女ちゃん大丈夫なの!?」
「ん。危険かもしれない。」
少女が地図に記された場所に行くために準備を始める。
ユメとシロコは少女のことを心配して止めようと、声を掛けるが少女の様子は変わらない。
そんな二人におばあさんから声が掛かる。
「諦めなさいな。そうなったお嬢ちゃんは誰にも止められないよ」
「うぅぅ…だったら私も一緒に行くよ少女ちゃん!」
「ユメ、いいんですか。」
「うん!少女ちゃん一人危険なところに行かせられないもん!」
「そうだな、何があるか分からないんだ。一人で行かせる訳にはいかないな。当然、私も一緒に行こう。」
「ん。仲間だから一緒に行く。」
ユメに続き、サオリとシロコも少女ちゃんの探索クエストに付き合うようで、各々準備を始めた。
それを見て少女は、満面の笑みを浮かべながら自身の準備を進めた。
…………準備を整えて、駄菓子屋より出発した少女たちはミレニアム近郊の廃墟区内にやって来ていた。
「マップ移動完了です。これより探索クエスト開始です。」
「サオリちゃん、目的地ってこの近くで合ってるの?」
「ああ…間違いない。印の場所はここから少し奥に入った場所だ。」
「そっかぁじゃあもう直ぐそこなんだね。それにしてもシロコちゃんのワープってホント便利だね〜…此処まで一瞬で来れたもん。」
「ん。でも色々と制約もあるからどこにでも行けるわけじゃない。」
「それでも十分過ぎるくらいすごいです。流石シロコです。」
「少女ちゃんの言う通りだよ!とっても凄いよシロコちゃん!」
「……ん。ありがとう。」
少女とユメが口々にシロコを褒めていき、シロコは嬉しそうに狼耳をピクつかせながらお礼を言った。
そんな三人に向かってサオリが口を挟んだ。
「さて、ルートも把握したし出発するとしよう。中にロボット兵も巡回している……皆注意しろ。」
「はい。ではみんな行きましょう。」
…………サオリの先導で廃墟区内を進んで、少女たちは目的の場所までやって来ることが出来た。
道中巡回していたロボット兵との戦闘が何回かあったが、結果は…………語るまでもないだろう。
「サオリ、ここが印の場所ですか。」
「ああ……そのようだな。」
少女たちがいる場所は、廃墟の地下に広がる工場の一角…………大きめの扉の前だった。
「ううん……廃墟の地下ってこんなに広がっていたんだね。地図が無かったら迷ってたよ。」
「ん。こんなに広い工場なかなかない。いったい何の工場だったんだろう?」
ユメとシロコは各々の疑問を口にしながら、工場内を見渡している。
サオリは辺りにトラップが仕掛けられて無いことを確認している。
……そして少女は何となくデジャブを感じるように、扉に触れた。
(ギギギギギギィィィィィィィィガッシャン!)
少女が思ったように、扉は一人でに開かれた。
サオリたちは突然扉が開いたことに驚いていたが、直ぐに周囲を警戒し始めた。
そんな中少女は、開かれた扉をくぐり部屋の中へと進んでいく。
「あっ少女ちゃん待ってよ~」
少女に続くようにユメとサオリ、シロコが部屋へ入っていった。
部屋の中には、一体のロボットが腕に大きめなアタッシュケースを持って佇んでいた。
「な、何かあのロボットこれまで見て来たのと違うような…………」
「はい。特殊個体エネミーでしょうか。」
「皆…気を抜くな。何をしてくるか分からない。……しかし」
「ん。何というか………」
「「「「ダサい(です)(ね)(な)。」」」」
そのロボットの見た目は、子供の工作のような頭部に、ミレニアムの校章がでかでかと描かれたボディ、下半身は戦車そのもので、脚部はキャタピラと……極めて独特かつ前衛的なデザインをしていた。
そんなロボットは少女たちに気づくと話しかけてきた。
『お待ちしておりました。少女ちゃん。』
「………?私のこと知っているんですか。」
『はい。私はここで貴方が来ることを待っていました。』
「少女ちゃんを……あっもしかして、少女ちゃんの力に成る物って貴方のこと?」
少女のことを待っていたといったロボットにユメが期待を込めた目を向けながら話しかけた。
それに対し、ロボットは頭部を横に振りながら応える。
『いえ、私ではありません。私はこれを少女ちゃんにお渡しするためにここにいました。』
ロボットが少女の前まで移動すると、持っていたアタッシュケースを少女に差し出してきた。
『こちらをお受け取り下さい。』
「わーい。ありがとうございます。」
少女は、アタッシュケースを受け取ると、早速開いて中身を確認した。
中に入っていたのは四つの球体、黒を主体に紫色のラインが入っており、先端部には瞳のような紋様が彫り込まれていた。
「…ん?これ何に使うんだろう?」
横から見ていたシロコがこの物体の用途が分からず、首を傾げている。
少女がその球体に触れると……
(ピピッピ…………マスターの接触を確認……起動完了………)
突然球体の瞳部分が光り、機械音声が鳴ったかと思うと、四つの球体はアタッシュケースより浮かび上がり、少女の周りを漂い出した。
「な、なになに急に動き出したよ!少女ちゃん何かしたの!?」
「ユメ、落ち着け……しかしこれは、一体」
突然動き始めた球体にユメ達が驚いているなか……少女だけは何故かその球体の“役割”と“名前”が頭の中に浮かんでいた。。
そんな時突如として、廃墟内に警報が鳴り響いた。
どうやら廃墟の警報装置が侵入者である少女たちに気づいたようで、少女たちの居るエリアに大量のロボット兵たちが押し寄せて来た。
「くっ仕方ない。気になることは多いが此処は急いで撤退するぞ!」
サオリが現状を冷静に把握し、皆に指示を飛ばす。
しかし、ロボット兵たちは既に少女たちのいる部屋の近くまでやって来ていた。
「ちっ、思ったより来るのが早いな!ここは私が対処する…その隙にシロコのワープで…って少女ちゃん!?」
殿を勤めようとしているサオリの前に少女が出ると自信の籠った顔を向けながら、仲間たちに向かってこう言った。
「大丈夫です。ここは私に任せてください。」
少女が目の前のやって来るロボット兵たちを見ながら、やる気の漲った声で、新たな相棒の名前を呼んだ。
「……さあ、行きますよ!“アポカリプス”!!」
少女がロボット兵たちに突撃していく。
それと同時に、少女の意志に応えるように4つの球体が少女に追従する。
(ドガガガッドガガガッ)
ロボット兵達が、少女に向かい銃を乱射する。
少女がロボット兵の攻撃を天井に移動して回避するのと同時に、球体達が先端部の瞳のような箇所から、レーザーを放ち、ロボット兵たちを攻撃していく。
更に、少女もロボット兵に接近し、持っている武器を奪い取り、ロボット兵を攻撃していく。
順調に敵を倒して、数を少なくしている少女に向かって、ロケットランチャーが飛んでくる。
少女はそれを見ると、何と避けることをせず、奪ったグレランを構え、ロケットランチャーが飛んできた方向に撃ち込んだ。
((ド――ンッ))
少女のグレランの一撃にロケランを構えたロボット兵が爆散したが、少女にもロケランの弾が直撃した。
「少女ちゃん!」
ユメが心配そうに少女に向かって行こうとしたが、その前に少女がユメに声を掛けてきた。
「心配無用ですよユメ。今の私にはあの程度の攻撃通用しません。」
いつの間にか先ほどまでロボット兵達を攻撃していた球体の一つが、少女の傍にやって来ていた。
その球体からは、薄い光のバリアが展開されており、ロケランの爆発から少女を守っている。
そうしてロボット兵たちの数もかなり減ってきた頃、奥からこれまでのロボット兵達より数倍大きな個体が入って来た。
一目見て今までの個体より強く、厄介そうな相手を見ても、少女は自信たっぷりに堂々と相手を見据えていた。
そして相手が攻撃を始める前に、少女の周囲に集まった球体達が連結し、エネルギーを溜め始めた。
少女は、エネルギーチャージが完了したことを確認すると、敵を指さしながら大きく叫んだ。
「光よ!!!」
(チュッドォォォォォォォン!!)
少女の声と同時に発射されたエネルギー弾が敵に炸裂し大爆発を起こした。
爆煙が晴れると、立っているロボット兵達はおらず、それどころか前方の廃墟の壁が吹き飛ばされていた。
「すっ…すっごい…………」
間近で見ていたユメやサオリ、シロコはあまりの威力に言葉を失い惚けていた。
少女の周囲に球体……いや、アポカリプスが漂い、それを見て少女は嬉しそうにガッツポーズをしながら、こう言い放った。
「ぱんぱかぱーん!レアアイテムゲットです!私は新しい力を手に入れました!」
誰のメモロビが見たい
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少女ちゃん
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梔子ユメ
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錠前サオリ
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砂狼シロコ(テラー)