もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、とっても嬉しいです。

少女とアリスがゲームで決着を付けにオフィスから飛び出して行った後、彼女たちのパーティーメンバーは先程受けた、ある種拷問のような褒め殺しによって赤くなった顔が、ようやく冷めて来たようだった。

 

「ああ……その……なんだ。皆大丈夫か?」

 

「ひぃん…さっき転んでぶつけた鼻が痛い……」(鼻に絆創膏)

 

「アハハ………盛大にすっ転んじゃったもんね………先生は大丈夫?」(おでこに絆創膏)

 

“うん。何とか大丈夫だよ。”(腰にシップ)

 

「うぅまだ顔が熱いです………」

 

「あっあんな、はっ恥ずかしい思いをするなんて…………」

 

「…………ん。少女ちゃんたち言い過ぎ……」

 

「先生……褒め言葉って……時にアンチコメより厄介な物になるんですね」(顔真っ赤&遠い目)

 

“待って!ミドリ!戻って来て!!”

 

 

これは…ひどい…………

 

少女とアリスによる完全無差別攻撃(本人たちに悪意無し)により、その場はやたらカオスな空間になっていた。

 

そんな中何とかサオリが立ち直り、皆の方を向いて話し出す。

 

「……とりあえずさっきのことは皆忘れよう…………これ以上蒸し返されたら今度こそダウンする者が出てしまう。」

 

「さっ賛成です……またさっきみたいな事になったら私………」

 

サオリの言葉に珍しくユズが一番に返事をした。

 

どうやらよっぽど恥ずかしかったみたいだ。

 

他のメンバーやヒフミも同意見なようで、顔を見合わせて頷いた。

 

何やらその場にいるメンバーに絆のようなものが出来たようだ。………理由が理由ではあるが。

 

 

 

 

…………一方、あの惨事を引き起こした少女とアリスはというと、

 

「ううむ。中々勝てません。」

 

「ふっふっふ、アリスは日々経験を積んでレベルアップしていますから、そう簡単には負けません!でも、少女ちゃんの成長スピードは凄まじいです。」

 

「本当ですか。」

 

「はい!もう、モモイには勝てるくらい上手くなりました。熟練度上昇中です!」

 

「おお…ぱんぱかぱーん。私はまた一つレベルアップしました。」

 

二人仲良くゲームで対戦していた。

 

先程までの険悪な空気は何処へやら、もはや何のために対戦しているのかすら忘れたように、並んでゲームを楽しんでいた。

 

 

そんな二人の下に、ようやく復活したユメやモモイの他メンバーたちがやって来た。

 

「あっ皆遅いです。楽しい時間はあっという間なんですよ。」

 

「そうです!既にゲームはスタートしているって言うのに何をやっていたんですか?」

 

 

 

「「「「「「「「誰のせいだと思ってる(んですか)(んだ)(の)!!!!!」」」」」」」」

 

 

 

「「…????」」(こくん)

 

 

“アハハ…………”

 

 

そんなこんなで合流した皆も含めたゲーム大会が開催された。

 

今までゲームなどを触ってこなかったユメやサオリ、シロコの少女パーティはルールどころか操作すらまともに行うことが出来なかったが、ゲーム開発部の皆やヒフミと先生が教えることで、徐々に操作に慣れて行った。

 

少女は、直ぐにルールを覚えると様々なジャンルのゲームをプレイしていった。

 

少女の瞳はプレイ中ずっとキラキラと輝いており、とても楽しそうであった。

 

アリスも少女の横で、少女に操作方法を教えたり、そのゲームに出てくる自分の好きなキャラについて熱弁したり、時に一緒に協力プレイをしたりと、こちらも目を輝かせながら楽しそうにしている。

 

 

そんな二人の様子を眺めていたユメが笑いながらこう言った。

 

 

「ふふふっ、何だか二人とも姉妹みたいだね!」

 

「あっ!本当だ!見た目もそっくりだし、性格も似てるからね!」

 

 

ユメとモモイの言葉に少女とアリスは手を止めて互いの顔を見つめ合う。

 

互いの瞳に移った二人の顔には何やら若干の期待が込められているようだった。

 

 

 

「姉妹ですか。」

 

「アリスと少女ちゃんが………?」

 

 

 

 

「うんうんそうだよ!私とミドリみたいな仲良し姉妹だよ!いい考えじゃない!!」

 

「お姉ちゃんそんな勝手に決めていいの?」

 

「でも……私もいいと思うな………」

 

「ふふっそうですね。お二人ともさっきからずっと一緒ですし、いいんじゃないですかね。」

 

「ふむ。姉妹……家族か………私もいいと思うぞ。」

 

「ん。二人には凄く似合ってると思う。」

 

「そうだね!少女ちゃんとアリスちゃんの仲良し姉妹だよ!」

 

 

少女とアリスは皆の言葉を聞いた後最後に先生の方に視線を向けた。

 

 

「先生、アリスは少女ちゃんと姉妹になってもいいんでしょうか?」

 

“うん!勿論私もとってもいい考えだと思うな!”

 

 

先生の言葉に今までで一番の笑顔になった二人は互いの方を向きながら手を差し伸べる。

 

 

 

「はぁ~~っはい!アリスは少女ちゃんと姉妹になりたいです!!少女ちゃんっアリスの姉妹になってください!!」

 

 

「はい!私もアリスと姉妹になりたいです!!姉妹になりましょう!」

 

 

 

少女とアリスは互いの手を握りながら嬉しそうに飛び跳ねている。

 

 

「なら、アリスがお姉ちゃんになります!」

 

「………?なんでですか。」

 

「それはアリスの方がすでに様々なゲームや冒険を繰り返し、色々な経験を獲得してるからです。ですからアリスがお姉ちゃんになって少女ちゃんに色んな事を教えてあげます!」

 

「わぁ~~それはとっても楽しみです。分かりました私はアリスお姉ちゃんの妹になります。」

 

 

そこで会話を一旦区切った少女とアリスは互いに両手を広げながらこう叫んだ。

 

 

「パンパカパーン!アリスに妹が出来ました!」

「ぱんぱかぱーん。私にお姉ちゃんが出来ました。」

 

 

 

 

 

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