もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、外の世界へ

少女は新しい装備を入手した後、適当に廊下を進みながら、部屋を見つけたら入り役に立ちそうなものがないか物色する、まるで “ゲームでアイテムを探すように” 廃墟内を探索していた。

 

 

 

……しばらく廃墟の探索を進めていた少女はとある一室に置かれていたある物に興味を持っていた。

 

その部屋はこれまで見てきた部屋と同じように瓦礫や埃まみれであったが、部屋の奥に大きなディスプレイを持った端末が鎮座していた。

これまで見てきた部屋の中にもパソコンのような(ディスプレイが割れておりとても起動しそうにない)ガラクタは見つけていたが、目の前にあるそれは何故か損失がなく、まだ問題なく使えそうな印象を受けた。

 

少女は目の前にある端末に躊躇なく触れてみると、

 

(ピピッピ………ポーーン)

 

まだ触れただけでなんの操作もしていないというのに、突然電子音と共に端末が起動し始めた。

ディスプレイに電源が入り、文字が表示されると同時に端末より機械音声が鳴り響いた。

 

『AL-2Bの接触を確認……AL-1Sのバックアップデータの転送を開始……該当データ無し…転送失敗………代用としてAI名_Keyの転送を検討中……検証結果…現在AI名_Keyのデータが存在していないため転送不可……内部データを確認中……AI名_Keyのメンテナンスデータを確認……AL-2Bへの転送を提案……』

 

少女は突然起動した端末より告げられた言葉の意味が全く理解出来ていなかったが、これまでにもあった頭の中より感じる不思議な感覚に導かれるようにキーボードを操作し提案を了承した。

 

『……提案の了承を確認……該当データの転送を開始……』

 

その言葉の後、少女の頭に酷い頭痛が起きた。

 

「うっうぅぅーーーーっ」

 

まるで頭を鈍器で殴られたかのような痛みに少女は小さくうめき声を上げながら頭を抱えてうずくまる。

 

『データ転送率……69%…………74%…………87%…………99%…………100%……転送終了……』

 

頭を抱えながら痛みに耐えていると、また機械音声がなり、同時に頭の痛みも噓のように消えた。

 

少女は立ち上がり自身の体や周りに目を向けるが、これといった変化はなく、先ほどと同じようにディスプレイが点いているだけであった。

 

『……内部バッテリーの残量が残り僅かなことを確認……機能停止前にAL-2Bへ支給品の譲渡を実行……』

 

(ピピッピ……ウィーン)

 

ディスプレイがその様に告げると端末の一部が開き、中から銃らしきものとホルスターが付いたベルトがせり上がってきた。

 

少女はその物体を両手に取ると、興味深そうに観察し始めた。

 

物体の大きさは片手で持てる程度であり、大きめのハンドガンの見た目をしており、よく見ると持ち手の部分に“UFG”という記載が彫り込まれていた。

 

「ぱんぱかぱーん……あらたなそうびをてにいれた……」

 

『……支給品の譲渡を完了…………王女よどうかご武運を……』

 

(ヴゥウォン……)

 

ディスプレイはそれだけ告げた後、消灯し動かなくなった。

 

少女は目の前の端末をもう一度起動させようと操作するが、幾ら操作しても動く気配のないことを理解すると、先程せり上がって来たベルトを腰に巻き、UFGをホルスターの中にしまうと、その部屋を後にした。

 

 

 

 

 

少女が先程と同じように廃墟を探索していると長い螺旋階段を見つけた。

螺旋階段はずっと上の方に続いており、薄暗いこともあってか階段の先は終わりが見えず真っ黒に染まっていた。

その上階段自体もかなり老朽化が進んでおり、今にも崩れてしまいそうなくらいボロボロの状態であった。

 

少女は迷うことなくその螺旋階段を上がっていく。

 

(ギィ……ギィ……ギィ………)

 

少女が一歩一歩進むたびに嫌な音が階段より鳴り響く。

 

……暫く階段を上がっていくと、遂に上り切ったのか次の階の入り口が見えてきた。

 

(ギギギッガッッッシャ――ン!!!)

 

しかし、後もう少しで上がり切るところで、不運にも螺旋階段が限界を迎え崩れてしまう。

 

「っつ!!」

 

少女は咄嗟にジャンプし、上の階に飛び移ろうとしたが、距離がありすぎて届かず、少女は空中に投げ出されそのまま落下してしまう。

 

このまま落下し続け地面へとたたきつけられれば、少女は無事ではすまない。

 

 

 

……しかし、少女は慌てる様子もなく……腰に巻いたホルスターからUFGをぬいた。

 

少女は何故か知っていた……この銃の使い方を……

 

 

いや “役割” を……

 

 

少女は、上階の入り口にUFGの照準を合わせると、引き金を引いた。

 

(バッシュン…………グウィィィィィン)

 

少女が引き金を弾くとUFGより光のワイヤーが射出され、上階の入り口にくっつくと即座に少女を引っ張り上げた。

 

(シュン……スタッ)

 

少女は上階へと華麗に着地すると、UFGをホルスターにしまい何事もなかったかのようにまた歩き出した。

 

 

 

……暫く歩いていると強い光が差し込んでくるのが目に入った。

これまでの切れかけの電灯とは違うとても暖かな光に向かい足を進めると崩れた扉が目の前にあった。

少女が扉を通るとそこには、

 

 

……晴れ渡る澄んだ青空が広がっていた。

 

 

少女はようやく薄暗い地下より脱出し、明るい外の世界へ踏み出した。

 

 

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