もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、お泊りイベントです。

少女とヒフミやアリスとモモイ含めたゲーム開発部のメンバーとの出会いが驚くほど順調に終わり、皆が楽しく遊び友好を深められたことに先生は安堵していた。

 

このまま何事もなく平和に終わってくれれば…っと先生は考えていたが、そういうわけには行かないようで、少し困った事態になっていた。

 

 

 

皆で楽しくゲームをやっており、その場にいた全員が時間を気になどしていなかった為、気付けば時刻がなんと20時を過ぎていた。

 

日もすでに落ちており外は夜の帳が下りていた。

 

流石に生徒達を帰らせなければ不味いと考え、先生は皆に“今日はもう遅いしこの辺でお開きにしよう”と提案していた。

 

先生の言葉に思ったよりも時間が経っている事に気が付いた皆も慌てて、部屋の片付けや帰り支度を済ませていく。

 

…………が、そんな中今まで人一倍はしゃぎまくっていた少女とアリスは固まったまま動かなくなっていた。

 

「うん?どったのアリス、少女ちゃん?」

 

二人の様子に気付いたモモイが声を掛けてきた。

 

モモイに声を掛けられた二人はゆっくりと話し始めた。

 

「もう……お開きって事は………少女ちゃんとは一度、お別れしなければならないってことですよね……」

 

「私は……アリスお姉ちゃんと一時別行動をとる事になりますよね………」

 

「まあそうだけど、また一緒に遊べば「「そんなの嫌です!!!!」」っうわ!?」(ドシーン)

 

少女とアリスの突然の大声に驚きモモイが後ろにすっ転んだ。

 

周りの皆も何事か!?と声を発した少女とアリスに視線を向ける。

 

少女二人は皆の視線何ぞおかまいなしに、勢い良く話し続けた。

 

 

 

「嫌です!嫌です!アリスっ、まだ少女ちゃんと一緒にいたいです!!」(ギュッ)

 

「そうです。そうです。私もアリスお姉ちゃんとまだまだ遊びたいです。」(ギュッ)

 

 

 

少女とアリスが二人でお互いを決して離さないようにギュッと抱き合っている。

 

どうやら二人はこの一日で本当に仲良くなったようで、お互いまだ別れたくない様だった。

 

 

何とも微笑ましい光景であり、出来る事なら彼女たちの要望を叶えてあげたいと思う先生であったが、流石に時間も時間なためこのままここにいさせる訳にも行かず、少女とアリスを説得しようと声を掛ける。

 

しかし、二人の意志が変わることは無く、別れを拒み続けた。

 

他の皆も何とか二人を説得しようと声を掛けるが効果がなく、それどころか互いを抱きしめる力がより強まっている状況だった。

 

 

“うーん?どうしようかな?”

 

 

先生も二人の様子に頭を抱えていた頃、少女が何かを思いついたように声をあげた。

 

 

「そうです。私にいい考えがあります。」

 

そう言いながらアリスと抱き合ったまま立ち上がった少女に、アリスを含めた全員が困惑した視線を向ける。

 

少女は一度アリスを離すと、声高らかに宣言した。

 

 

 

「これからアリス達を私の拠点に招待します。突発イベント開催です。」

 

 

 

「おぉっそれはいい考えです!早速行きましょう!」✨

 

少女の言葉にいち早く反応したアリスが目を輝かせながら少女の提案に賛同する。

 

「いやいや!流石に急すぎるよ!」

 

しかし、モモイ達ゲーム開発部やヒフミは流石に急なこと過ぎるため賛同出来ずにいた。

 

 

対する少女パーティのメンバーは、特に気にする様子もなく、人数が増えたため今晩の夕食をどうするか話し合っていた。

 

「あのっ!何でそんなに落ち着いているんですか!?」

 

余りにも平然としている様子にヒフミがツッコミを入れると「まあ……慣れかな……」っとユメに返された。

 

 

 

 

 

その後、結局二人を引き離すことは無理と判断し、アリスだけ少女の拠点であるアパートに泊まりにやって来た。

 

 

少女もアリスも出来る事ならモモイたちゲーム開発部の皆やヒフミや先生にも来てほしかったが、流石に無理という事とまた次の機会に必ずという約束をしたので今回は渋々引き下がった。

 

「到着です。アリスお姉ちゃんここが私たちの拠点です。さあさあ早く入ってください。」

 

「おお!ここが少女ちゃんの拠点ですか!アリス、新マップの開拓を始めます!」

 

少女がアリスの手を引っ張ってアパートの中に連れ込んでいく。

 

後ろからサオリが「直ぐに夕飯にするから手を洗ってこい。」と声を掛ける。

 

少女二人はサオリの言葉に返事を返したのち、言われたように手を洗った後、サオリ達がいるリビングへと向かった。

 

リビングに着いて早々、アリスが「アリス、少女ちゃんや皆のことを知りたいです!」と声を上げてきたため、晩御飯のできる間少女とユメとシロコの三人が少女との出会いや今までやって来たことなどを話し始めた。

 

ユメとシロコは話しながら懐かしそうに当時を思い出しており、少女は興奮気味で自分たちの冒険の数々を語っている。

 

一方アリスは、話が進むに連れてドンドン興奮していき、終止瞳を輝かせながら少女たちの冒険譚に夢中になっていた。

 

そのように会話を楽しんでいる少女達の下に夕飯の支度を済ませたエプロン姿のサオリがやって来た。

 

「ずいぶん楽しそうだな。何の話をしていたんだ?」

 

「あっサオリちゃん!今ね、アリスちゃんに私が出会った時のこととか話してたんだ!」

 

「そうか…少女ちゃんたちと出会った時の……ああ、まだ数ヶ月しか経っていないと言うのにずいぶん懐かしく感じるな。」

 

「ん。とっても大切な思い出。」

 

「はい。私もシロコと同じです。皆との毎日は私にとってかけがえのない宝物です。」

 

「アリスも聞いてるだけで何だか嬉しくなります!アリスもっと聞きたいです!」

 

「ああそうだな。だが夕飯が冷めてしまうから食べながらな……さっ、運ぶのを手伝ってくれ。」

 

 

 

 

その日少女とアリスは、

 

晩御飯を食べながら話の続きをしたり、

 

サオリと食べ終わった食器の片付けをしたり、

 

一緒にお風呂に入った後、二人でユメに髪をといて貰ったり、

 

何処か真剣な様子で、何かの計画書を作成するシロコを横で眺めたり、

 

何気ない何時もの日常を過ごした。

 

……そして過ごしていると段々と夜も更けていき、そろそろ眠る時間になった。

 

 

少女の部屋で同じ布団に入りながら、少女は目の前にいるアリスに尋ねた。

 

「どうでしたか。私の拠点は。」

 

「はい。とっても暖かくていい場所でした。アリスこの拠点が好きになりました。」

 

少女の問いかけにアリスは迷うことなく応える。

 

少女はアリスの言葉に嬉しそうに頬を緩ませると、アリスの手を取りながら話し続ける。

 

「えへへ、そう言ってもらえて嬉しいです。今日はアリスお姉ちゃんがいてくれたおかげでいつもよりもっともっと快適度が上がっていました。」

 

「そうなんですか?それならアリスとっても嬉しいです。」

 

少女の手を握り返しながら、アリスと少女の会話は続いていく。

 

その晩二人は眠るまで…………いや、眠った後さえ、互いの手を離すことは無かった。

 

「むにゃ……ありす……おねい…ちゃん………」

 

「うぅぅん………しょうじょ……ちゃん…………」

 

 

「「………えへへ」」

 

少女二人の寝顔はとても穏やかだった。

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