想定外の事態こそあったが、無事にリゾートの防衛システムを起動させることも出来た上、制御室から施設の使えなかった設備を動かすことも可能であったため、一先ずリゾートの復興もひと段落ついた事にアヤネやセリカ、先生は、安堵し息を吐いていた。
「取り敢えずこれで一息付けるわね…………ホント、バカンスに来たってのに何だかいつも以上に疲れた………」
「あはは……セリカちゃんお疲れ様。これからはきっとゆっくり出来るよ。先生もお手伝い頂きありがとうございました。」
“気にしないでいいよ。皆が頑張っているのに私だけサボるわけにもいかないし…………それに何だか皆と片付けするのも楽しかったから”
三人以外の子たちもようやく作業がひと段落したことが分かったので、各々互いの頑張りを労っていた。
そんな少女たちが制御室より戻ってくると、少女がサオリに話しかけてきた。
「サオリ。修復クエストはこれで全部なんですか。」
「まあ………そうなるだろうな。」
「おお…それならここからの時間はフリータイムですね。では皆で遊びましょう。」
「いいね!折角のバカンス何だし、思いっ切り遊ばないと損だよ!」
「その通りですユメ。イベントは精一杯楽しんだもの勝ちだってアリスお姉ちゃんも言ってました。」
「なるほど、アリスちゃんもいいこと言うなぁ……
それじゃあ私が見つけた洞窟に行って見るのはどう?」
「未探索ダンジョンの攻略ですか✨はい。早速行きましょう。」
「よし!そうと決まれば、早速行ってみよう!」
「レッツゴーです。」
「うへぇ…まあまあ二人ともちょっと落ちついたら、
……ってはや!もう行っちゃってる!ユメ先輩!少女ちゃん!待ってください!!」(ダッ!)
少女とユメが二人の間だけで話を完結させると、いつも以上の行動力でユメが見つけた洞窟へと走って行った。
そんな二人の後をホシノは普段の彼女からは想像もできない速度で追って行った。
「……行っちゃいましたね。」
「ああ…相変わらずの………いや、いつも以上の浮かれ具合だったな。」
「ていうかあの二人といる時のホシノ先輩ってたまにキャラが違くなるわよね。」
「ああ…確かにそうだね。さっきだってそうだったし……」
「フフフッ♪ホシノ先輩っとっても楽しそうです♪」
「いや、あれは楽しそうって言うか…ただ振り回されてるだけなんじゃ…………兎に角、私達も折角のバカンス目一杯楽しむわよ!」
「「「“おーー!(♪)(?)”」」」
残されたメンバーも各々のやり方でこのバカンスを楽しむために行動していくのだった。
そして少女とユメ、後から追って来たホシノたち三人はユメが見つけたという洞窟に辿り着いていた。
「おお…ここが未開拓ダンジョンですか。私ワクワクが止まりません。」✨
「そうだよね!いくつになっても、こういうところって何だか胸が踊るよね!
ねっホシノちゃんもそう思わない?」
「えっそうですね。
…………はぁ、なんでこういう時は、あんなに速いんですか………全く、動きまくったせいで、暑いです………」
ユメの見つけた洞窟は海岸に面しており、それなりの大きさで奥もかなり広がっていそうだった。
少女たちは少女が持って来ていたライトで足元を照らしながら洞窟の中へと入っていく。
洞窟内は思っていたよりもずっと広くなっており、少女たちはどんどん洞窟の奥深くまで潜って行った。
「うわ~思ってたよりずっと深いね。どこまで続いてるのかな?」
「ユメ先輩、地面が濡れてかなり滑りやすくなっていますから足元に注意してください。」
「も~ホシノちゃんそのくらい私分かってるって!大丈夫ってうわ!(ズルッ)」
(がしッ!)「ユメ大丈夫ですか。」
「ひぃん…ありがとう少女ちゃん………」
「言ったそばから……………ホント気をつけてくださいね。」
「ひぃーん…分かりました。」
「それにしても、どうやらこの洞窟潮の満ち引きで入れるところのようですね。」
「つまり時間限定ダンジョンですか!おお。益々奥が気になって来ました。どんどん行きましょう。」
そうして進んで行くと少女たちの進んでいる方向に何やら光が見えてきた。
少女は光に気づくと「あれは何でしょうか。」と、いち早くその光の方向へ向かって行き、ユメとホシノも少女の後に続くように光の下へと向かって行った。
少女たちが光の下までたどり着くと、
………とても幻想的な光景が目の前に広がっていた。
そこは少し開けた空間になっており、足元に流れ込んできた海水が溜まっていた。
そしてその海水が何故か青白い光を放ち、洞窟内を薄く照らしている。
またその光が天井の鍾乳石に反射することでどこか神秘的な空間をその場に作り出している。
「……………。」
「うわぁ………すっごく綺麗………」
「これって夜光虫ですよ。…………こんなところにいるなんて……………」
少女は先ほどまでの慌ただしい様子がウソのように目の前の光景に心を奪われ立ち尽くしている。
ユメも少女同様にジッと目の前に広がる幻想的な光景を目に焼き付け、ホシノは光の正体にいち早く気づいた後このような場所が偶然生まれたことに驚いていた。
「………これが、このダンジョンのお宝なんですね…………二人とももう少しここでこのお宝を見ていきませんか。」
「うん……勿論だよ…」
「ええ。賛成です………」
三人は適当な岩場に腰掛けると、それからは黙ってその光景を眺めていた。
少しの間、その様に静かな時間を過ごしていると、突然ホシノが立ち上がったかと思ったら近くに座っていたユメと少女の間に座り直し、何故か二人の手をギュッと握ってきた。
ホシノの行動に二人は少し困惑したが、直ぐに気持ちを切り替えて繋がれたホシノの手を握り返した。
洞窟の中は薄暗く、ホシノが今どんな表情をしてるのか、何故この様な行動をとったのか何も分からないが、この繋いだ手は絶対に離しちゃいけないと少女とユメは思っていた。
実際、ホシノが今どんな気持ちになっているのか誰にも分からないし…………きっと分からなくていいのだろう。
………何しろそれはホシノにとって大切な……
………ホシノだけの大事な
三人は先ほどよりももっと互いに身を寄せ合い密着すると、再び洞窟内の光景をぼんやり見つめた。
…………大切な人達との時間を嚙みしめるように少女たちは、しばらくの間ただその場に居続けるのであった。