もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、不思議?な依頼

「いや……それにしてもビックリだよね。カイザーコーポレーションっておばあさんが言っていたけど、大企業のとこだよね。まさかそんな所から依頼が来るなんてね。」

 

「ああ………最も驚いたというより、何故っと言った疑問の方が大きいがな。」

 

「そうだねぇ………でもチケットは本物だったし、最初から疑うのはどうかと思うから、先ずは話を聞いてみようよ…………だからシロコちゃーんそろそろ機嫌直してくれると嬉しいな~って…………」

 

「……………………。」(むぅっすぅーー)

 

ユメの視線の先には、一目で不機嫌なことが分かるくらい顔をむくれさせているシロコの姿があった。

 

シロコは、先ほどサオリの口からカイザーコーポレーションの名前が出てからずっとこの様に不機嫌な様子であり、それこそ今回の依頼主の事を聞いて直ぐは、狼耳を逆立ててうなり声を上げて今にも暴れ出しそうにしていたくらいだ。

 

その後、シロコを何とか三人でなだめて一時的に落ち着かせることに成功した。

 

今は少女を抱きしめさせることで、膨れっ面ではあるが暴走しない程度に落ち付いている。

 

そして現在シロコに抱きしめられている少女は、時折腕の中からシロコの頭を抱き抱える様に抱き寄せて、頭を撫でる事でシロコの機嫌を良くしようと頑張っている。

 

ユメも定期的にシロコに話かけて、機嫌を取ろうとしており、サオリもヘリを運転している為、直接何かしているわけではないが、未だ機嫌の悪いシロコの事を気にしている。

 

実際ここまで不機嫌なシロコを見たのは、出会ってから初めての事であり、三人は驚きと同時にどうすればいいのか対処に困っていた。

 

(最もこのパーティーメンバー全員、怒ったり、険悪になったりすることがほとんどないのでシロコ以外のメンバーの不機嫌な顔も見たことがないのだが………)

 

そうこうしていると、前方に目的の島が見えてきており、あと数分の内に着くことが予想出来た。

 

……サオリは、一旦シロコの事は置いて先に依頼主のところに向かうことにしようと考え、島にヘリを着陸させる。

 

「皆、目的地に到着したから取り敢えず向かうぞ…………シロコもいい加減少女ちゃんを離してくれ……」

 

「…………分かった………。」(ぱっ)

 

シロコはサオリに言われたので、渋々少女を離しヘリから島に降りた。

 

少女達は持参してきた何時ものヘルメットを被り、各々の支度を整えると、少女とサオリ二人は依頼人の下へ向かう為に島の中を進み、ユメとシロコはそのままヘリの近くで待機することになった。

 

本来なら全員で依頼人の下に行き、仕事の内容を聞くのだが、ただでさえ機嫌の悪い今のシロコを依頼人に合わせるのは危険だと判断したサオリの提案を他のメンバーも同意したことにより、このような別行動をとる形になっているのだ。

 

 

 

 

 

「シロコがあんな風になるなんて………よっぽど今回のクエストの受注が嫌なんでしょうか。」

 

「確かに…あの嫌がり方は異常だな………もしかしたら前にカイザーコーポレーションと何かあったのかもしれないな。」

 

「うーん。それなら今回のクエストは中断した方がいいんでしょうか。」

「いや、相手は規模の大きい組織だ。正当な理由なく下手に断ればこちらの印象も悪くなるだろう…………それに自分のせいで依頼を断ったなどと知れたらシロコが気に病むかもしれないからな。断るにしても先ず話を聞いてからが良いだろう。」

 

「おお………流石ですねサオリ。私そこまで気が回りませんでした。そうですね、何をするにしても情報収集はクエスト達成の基本中の基本です。私、頑張って攻略情報を集めて見せます。」

 

「その意気だ少女ちゃん。………そろそろ目的地に着くな、準備しろ。」

 

少女とサオリが物静かな街中を歩いて、たどり着いたところは、この島では一番大きな建物であり、案内所や受付口のような場所であった。

 

どうやらここが指定されていた場所のようで、入口付近には数体のオートマタが銃を構え辺りに目を光らせており、その内の一体が少女たちの存在に気づくと警戒しながら話かけてきた。

 

「お前たち何者だ!所属とここに来た目的を言え!」

 

「そう警戒する必要はない。我々はここの主より、依頼を受けたものだ。ほら、これがその証拠よ。」

 

やって来たオートマタに少女はそう答えながら、送られてきたメッセージ分を見せた。

 

それを見たオートマタは少女達に「分かった。確認するのでここで待っていろ。妙なマネはするんじゃないぞ………」と告げると少女達をその場に残し建物の中に入って行った。

 

 

 

 

 

少女達が言われた通りしばらくその場で待っていると、先ほどのオートマタが戻って来た。

 

「今確認が取れた。どうやら本当の事らしいな、先ほどまでの無礼な態度を謝罪しよう。

申し訳ない……今オーナーのところに案内するのでついてきてくれ。」

 

少女とサオリはオートマタの案内で建物中を進んで行くと、ある一室に通された。

 

そこにいたのは、今まで見てきたオートマタより一回り二回り大きな体格をしている、何故かアロハシャツを着こなし片手でヤシの実型のコップをもったロボットであった。

 

「ようこそカイザーコーポレーションオクトパスバンク支店へ。私が依頼をしたカイザー営業職員だ。諸君らを歓迎しよう。」

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