もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、重大ミッション

「それじゃあ行ってくるから、後は頼んだよぉ。」

 

「はい。おばあさんお店のことは任せて下さい。」

 

ある日の早朝少女とおばあさんが、駄菓子屋の前で何やら話をしている。

 

「はは…そう気を張らなくても大丈夫だよ……ここには滅多に客何て来やしないし、私も古い知人に会いに行くだけだから、ほんの数日で帰ってくるしねぇ。」

 

「いえ、油断は禁物です。このキヴォトスでは、何時何がおきるか分からないってサオリも言ってました。………もしかしたら、突然野生の魔王が攻め込んで来る可能性もあります。

 ………ですが、安心してください。おばあさんの帰る場所は、この私が守り抜いて見せます。」

 

どうやらおばあさんは、少しの間駄菓子屋を留守にするようで、少女にいない間の留守番を頼んでいるようだ。

 

少女にとっておばあさんは、初めて自分に優しくしてくれた人でもあり、数多くのことを教えてくれた恩人………そして少女は気付いていないが、少女の人格形成に大きな影響を与えた人物でもある。

 

その為、少女はおばあさんの事が大大大好きであり、おばあさんの役に立つことが出来るのはとっても嬉しいことなのだ。

 

更に付け加えるならこの駄菓子屋は、少女の帰って来れる場所であり、多くの大事な思い出や出会いなどが詰まった大切な場所でもある。

 

だからこそ、少女がこのお留守番に気合を入れるのは、至極当然のことである。

 

少女は今まで見たことがない程、全身にやる気を漲らせており、気のせいで無ければ、何かオーラ的な物が体から湧き上がっているようであった。

 

そんな様子の少女の頭をおばあさんは一撫ですると、

 

「フフッ本当に頼もしいねぇ。それじゃあ安心して行ってくるよ。」

 

荷物を抱えて路地裏の広場から表の通りに出る道へと向かって行った。

 

「はーい!行ってらっしゃいでーす。」(ブンブンッ!!)

 

少女はそう言いながら、腕全体を大きく振りおばあさんを見送った。

 

 

 

………やがておばあさんの姿が見えなくなると、少女は振っていた手を止めて駄菓子屋の中に入って行った。

 

「さあ。皆これからの長期ミッション、気合い入れて行きますよ。」

 

「おお!少女ちゃんやる気十分って感じだね!」

 

駄菓子屋の中には、フェリクスメンバーが待機しており、皆少女の様子を微笑ましそうに眺めている。

 

「はい。今の私はやる気MAXの無敵状態です。今ならどんなエネミーが来ても返り討ちに出来る自信があります。」

 

「うわぁー……何か今の少女ちゃんとっても凄そうだねっシロコちゃん!」

 

「うん。カッコイイし、強そうだよ、少女ちゃん。」

 

「二人共ありがとうです。俄然力がみなぎって来ました。」

 

少女たちがその様に談笑していると、店の奥からサオリが一枚の紙と大きなバックをもって現れた。

 

「…ふむ、皆揃っているようだな。丁度いい聞いて貰いたい事がある。」

 

「ん?サオリ…改まってどうしたの?」

 

「今回は数日間に渡る依頼………しかもおばあさん直々の依頼だからな………万一失敗しないように色々考えて来たんだ。」

 

サオリは、そう言いながら机の上に持っていた紙を広げて皆に見えるようにする。

 

少女たちはその紙を覗き込んで書いてある内容を確認した。

 

そこにはきっと、今後のお店の店番の割り当てや商品の陳列の注意事項、接客についてのいろはなどがびっしりと書かれているはずだ。

 

 

 

「サオリちゃん………これ、何?」

 

「この店周辺に設置するトラップの内容と配置図……そして、敵が攻め込んできたときの対処法を纏めたものだ。」

 

 

 

………………………???????

 

 

大きめの机いっぱいに広げられた紙の中には、駄菓子屋が立っている広場を上からの目線で見たような絵が描かれており、駄菓子屋であろう建物の周囲には、これでもかと×やら△などのマークが書きこまれている。

 

更に上の方には、サオリが言っていたように仕掛けるトラップがリストアップされ、ざっと数十種類はあることが分かる。

 

また、下の方には敵への対処法と言うスペースがあり、そこには如何にして敵を無力化すれば良いか、細かな注意点なども含めてびっしりとスペース内に書きこまれていた。

 

「へぇ~これサオリちゃん一人で考えたの?」

 

「まあ…な///……私もおばあさんには、随分と世話になっているからな………それに少女ちゃんがこんなにもやる気になっているのだから私も頑張らないとって思ってな。」

 

「サオリ……。」

 

「必ずおばあさんが戻って来るまで、守り抜こう………皆でな。」

 

「~~~ッ!はい、勿論です!」

 

「よ~しっそれなら私も俄然やる気が出て来たよ!!私もおばあさんには、とってもお世話になってるんだからね!」

 

「ん!恩返しのいい機会……皆でやり遂げよう。」

 

「みんなっ!……私、本当にみんなの事が大好きです!」

 

「…それじゃあ全員、早速準備に取り掛かるぞ!」

 

「「「おお!!!」」」

 

………………その掛け声を合図にフェリクスメンバー全員による駄菓子屋要塞化計画が幕を開けた。

 

 

 

先ず第一に取り掛かったのは、サオリの考えたトラップを作成する事であった。

 

少女たちが駄菓子屋の外に出ると、サオリは持っていたカバンと物置の中から、用意していたトラップに必要な道具を取り出し少女たちに作成手順やそのトラップの効果などを詳しく説明していった。

 

初めは、サオリ以外の三人は作成や設置に手こずっており、逐一サオリに確認を取って不備などがないかチェックしていたが、中盤ごろには慣れて来たのか、作業をスムーズに進めることが出来るようになり、お昼時には、サオリが考えて来た全てのトラップの設置準備を整えることが出来た。

 

その後、昼食を取りながら全員で作戦会議をしていると、シロコが銃撃戦になることも想定して遮蔽物があった方がいいと言い出し、それにユメがいつも訓練してる廃墟区内の瓦礫なら遮蔽物とピッタリなんじゃないかと提案してきた。

 

その意見には、サオリと少女も同意し午後からはシロコのワープと少女の怪力によって、複数の瓦礫を広場に運搬、設置していった。

 

瓦礫の設置には、相手の攻撃を防ぐだけでなく、わざと隙を作りトラップの方に誘導するという仕掛けを作り、また少女の機動力を遺憾なく発揮出来るよう絶妙な調整がなされていた。

 

遮蔽物の設置が終わったら、仕上げにトラップの設置と正常に動作することの確認。

 

………そして各地に武器を隠しておく作業に入った。

 

これは、もしも自分の銃が何かのトラブルによって使えなくなった際、丸腰になることを防ぐ為でもあるが、ほぼ少女の為のものである。

 

少女は他の生徒とは違い全ての武器種を使用する事が出来る。

 

その為少女のメイン武器を好きなタイミングで切り替えることが出来、対処する事が非常に難しいのだが、その能力を発揮する為には、多くの武器が手元にないといけないのだ。

 

基本的に相手から奪い取る事で、その難点をカバーしているが、それでは少女の次の手が相手に読まれてしまうリスクもある。

 

よって、このように最初から武器をばらまいて置くことで、相手から奪うことなく少女は好きに武器を切り替えて戦うことが出来、相手側は少女の次の手が予測出来なくなるのだ。

 

 

何とか今日中に全ての作業を終えた頃には、日は完全に沈みきっており、辺りはすっかり暗くなってしまっている。

 

その日少女達は、心地良い疲労感と確かな満足感を感じながら、駄菓子屋で眠りに落ちていった。

 

 

 

翌日の朝、少女達はサオリから準備は無事に完了したが、ここからが本番だと聞かされていた。

 

何でも、事前にいくら準備をしていても、予測出来ない事態というのは必ず起こるものだというのだ。

 

だからこそ日頃の準備が大切になってくるとし、少女たちは駄菓子屋で作戦や、もしもの場合の対処法などを話し合っていた。

 

 

 

…………その様に話し合っていると

 

 

(ドッカーーーーン!!)

 

 

「「「「「きゃぁぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

 

外から爆発音と複数の何者かの悲鳴が聞こえて来た。

 

「まさか本当に敵襲ですか。」

 

「皆、気を引き締めていくぞ!」

 

フェリクスメンバー全員が己の武器を構えて駄菓子屋を飛び出して行く。

 

少女はいち早くUFGを使い、急いでやって来た人物たちの確認をしに行った。

 

 

 

そこにいたのは………この駄菓子屋を攻め落とそうとしている邪悪な魔王………………

 

 

((((グルグル))))

 

 

ではなく、突然の爆発に驚き目を回しているモモイとミドリとユズとヒフミそして、

 

「一体な、なにが起こったんですか~」

 

突然の出来事に困惑している、少女の大好きな姉であるアリス(ゆうしゃ)であった。

 

「アリスお姉ちゃん!?」

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