もう一人の勇者   作:Katarina T

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【番外編】少女、夏休み その2です。

「ほうほう。なるほどね~。つまり風紀委員長ちゃんは、アリスちゃんの誕生日をお祝いしたお礼で、アリスちゃんに街を案内して貰ってる最中なんだね~。」

 

「その通りです!先生から風紀委員長さんへのことを聞いたところ、普段とってもハードなスケジュールでクエストをこなしてストレスゲージが溜まっているそうなので、アリスが街を案内してストレスゲージ回復のリラックスイベントを実施させればいいとアリス、思いついたんです!

幸いアリスはこの地域のマップを隅々まで探索を済ましているので、必ず風紀委員長さんを満足させられます!」

 

「私は、お礼何ていいって言ったんだけど………余りの勢いで、断れなくて。

先生からも偶には休みも必要って言われてたから、丁度いいと思ったのよ。」

 

ヒナはそう言いうと、視線を少女の方に向けて来た。

 

「あなたが、天童アリスの妹の少女ちゃんね。……アリスから聞いていたけど本当にそっくりね。」

 

「はい。私がアリスお姉ちゃんの妹です。名前がないので、少女ちゃんと呼んで下さい。」

 

その様に何てことの無い風に名前がないと言う少女に対して普通なら驚くか動揺してしまうだろうが、事前にアリスから説明があったからか、ヒナは特に驚いた様子もなく、凛とした姿勢を保っていた。

 

「名前がないと言うのもどうやら本当のことらしいわね。…………ええ、ならそう呼ばせて貰うわ、少女ちゃん。」

 

「ありがとうございます。風紀委員長さん。」

 

「私の名前は空崎ヒナよ。ヒナでいいわ。」

 

「分かりました。ヒナですね、よろしくお願いします。」

 

「ええ。こちらこそよろしくね。」

 

少女とヒナはそう言いながら互いに握手を交わしながら、ヒナはアリスとホシノに視線を向ける。

 

「あなた達も私の事は、ヒナと呼んで。ここはゲヘナじゃないし、今はゲヘナの風紀委員長として来ている訳じゃないから。」

 

「はい!分かりました。ならアリスはこれから風紀委員長さんのことをヒナさんと呼びますね!」

 

「なら私もヒナちゃんって呼ぶね~。あっ私の事もホシノでいいよ~。フルネーム呼びは何か落ち着かないからねぇ。」

 

「そう言う事なら、分かったわ……ホシノ。」

 

その様に一通り互いの自己紹介とお互いが出かけている目的の説明をおえると、アリスが少女とホシノに向かって話かけてきた。

 

「あっそうです!少女ちゃんとホシノさんは、新スキンの発掘をしに来たんですよね。」

 

「その通りです。ホシノに適した装備探索に向かうところだったんです。」

 

「だったらアリス達のパーティと合流して、一緒に行きませんか?メンバーは多い方が絶対楽しいはずです。」

 

「え、アリス急に言った所でめいw「合同クエストですね。とってもいい案だと私は思います。」」

 

「ですよね!みんなで行けば、アリス達のイベントのミッションクリアも容易になりますし、報酬も豪華になること間違いなしです!」

 

「私はもっとヒナとアリスお姉ちゃん達とお話ししたいです。ここで、お別れは寂しいです。ホシノはどうです。」

 

「うん?私~。私は別に皆で行くことに反対はしないよ~少女ちゃん達の言う通り折角会えたんだしねぇ。……ヒナちゃんはどうかな?私達と一緒で大丈夫?」

 

「…………。私は皆がいいなら、特に言うことはないわ。」

 

「パンパカパーン!アリスは新たな仲間、少女とホシノをパーティに加えた。」

 

「うわーい。皆で探索出来るのとっても嬉しいです。早速出発しましょう。」

 

「はい!アリスが目的地までナビゲートします、行きましょう!」

 

そう言うとアリスは少女の手を取り、二人してはじけるような活発な笑みを浮かべながら、歩き出した。

ホシノとヒナは、そんな二人を見失わないように追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

少し歩いた所で、ホシノが若干申し訳なさそうに、ヒナに話しかけた。

 

「いや~ゴメンね。突然こんな事になっちゃって。」

 

「別に気にしていないわ。普段に比べたらこんな事、些細な事だから。」

 

「うへ~そう言ってもらえると助かるよ~。少女ちゃん、割と強引だから。迷惑になってないなら、良かったよ。」

 

「心配しなくても、迷惑だなんて思ってないから安心して。…………それにしても、あなた………。」

 

歩いてアリス達の後を着いて行きながら、会話をしていると、突然ヒナがホシノの顔をジッと見つめ始めた。

 

ホシノはヒナの視線に戸惑いつつも、いつもの調子を崩すことなく、話を進める。

 

「うへ?どったのヒナちゃん。いきなり私の事ジッと見つめて来て。私の顔に何かついてるのかなぁ?」

 

「……。ジロジロ見てごめんなさい。安心して何もついていないから。…………ただ以前会った時と、少し雰囲気が違うと思っただけよ。」

 

「以前って………ああ、風紀委員がアビドスに便利屋の皆を捕まえに来た時だっけ。もう随分昔に感じるよ~。」

 

「ええ。そのときよ。…………あの時の貴方は、飄々としているようで、何処か無理をしているようだったわ。まあ、あの後起こった事を考えると、本当に色々と考えこんでいたみたいだけど。」

 

「うへへ~耳が痛いよ~。」

 

「………でも、今の貴方はあの時とは違うわ。」

 

「うえっ?」

 

「上手く言葉にできないけど………少なくともあの時感じた危うさは、ない様に感じる。」

 

「…………そっか。」

 

「…………重りをおろせたの?」

 

「さぁ…どうだろうねぇ。私にも分かんないや。…………でも一つだけ、分かったことがあるよ。」

 

「それは何?」

 

ホシノはヒナの方に視線を向けながら、柔らかな口調でヒナの問いに応える。

 

 

 

「私には、支えてくれる人がいる、傍にいてくれる人がいる…………間違っても連れ戻してくれる人がいる。

 

 

 

…………私は一人ぼっちなんかじゃないってことかな。」

 

 

穏やかな笑みを浮かべながら、そう応えるホシノの姿を見て、ヒナは大切な事を気づかせてくれる人がいるホシノに軽く嫉妬するのだった。

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