IF 少女、もしもあの時…
少女は、目の前に広がる光景を見渡しながら、街中を歩いて行く。
その足取りは、廃墟区内よりようやく抜け出せたことが嬉しいのか、はたまた目の前に広がる未知の光景にワクワクしているのか、(相変わらず無表情ではあるが)先ほどよりも明らかに軽くなっていた。
街中は、廃墟区に建っていた物とは違い、綺麗な外観をしたビル群が建ち並んでおり、スーツ姿のロボットや犬や猫などの獣人などといった人々が忙しそうに道を歩いている。
よく見ると一見綺麗な街並みのように見えるが、所々建物が崩れていたり、道路に亀裂が走っていたりと、まるでつい最近戦闘でもあった様な空気を感じさせており、人々が忙しそうにしているのは街の復旧作業によるものであるかもしれない。
少女は、そんな街の中を適当に歩き回っていく。
道中すれ違う人々は、少女の見た目に一瞬驚いた様な顔を向けてくる。
まあ、それも当然のことだろう。何せ今の少女の見た目はシーツのマントを羽織っているせいで(下に服は着ているが)完全にてるてる坊主の上、その背には大型の盾とアサルトライフル、果てはグレネードランチャーを背負っているのだ。
しかも体は(一方的な殲滅であったが)先のロボット兵との戦闘で薄汚れている。
おまけとして、少女の見た目はそこらの生徒よりも小柄な体躯をしているため、傍から見れば完全に訳ありであり、そうでなくともそこら辺にいるような普通の格好とはかけ離れているだろう。
そんな少女に通行人が驚くのも仕方のないことだが、それも一瞬のことであり直ぐに気にする様子もなく通り過ぎていく。
何しろここはキヴォトス。良くも悪くも個性的な生徒で溢れかえっているこの世界において、多少見た目の怪しい少女など珍しくもない。
その上、今忙しそうにしているのを見れば、尚更少女の事など気にしている場合ではないのであろう。
少女も過ぎ去っていく人々に対して、特別興味を持つような素振りを見せることなく、足を動かしていく。
まだ目覚めたばかりの少女に特に向かうべき目的地があるはずもなく、かと言ってその場でじっとしているつもりもないのか、少女は只々あてもなく歩き続けた。
果たして、その先の未来に何が待ち受けているのか……それはまだ誰も知らない。
「あっれ~、おっかしいな。確かにアリスを見かけたと思ったんだけどなぁ~。でもアリス、今日はシャーレの当番って言ってたからこんな所にいるわけないし……。ふーーーん…………。まあ!きっと気のせいでしょ!そんなことより、新作のモソアソも買えたことだし!早く部室に戻ってミドリ達とプレイしなくちゃ!!」
――この