もう一人の勇者   作:Katarina T

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IF 少女、ドタバタ

「くっくっくっ……。待たせたな部長。嘗て交わした盟約に従い、召喚に応じて来てやったぞ!さあ、我を呼び出した理由を申してみよ!其方の願い、この我の力で簡単に叶えてみせようではないか!!フーハッハッハッ!!」

 

眼帯の生徒は、そう言いながら堂々とした足どりで少女たちの方へと足を運んだ。

先ほど起こったことなど、まるでなかったかのように、平然とした態度をとっており、そのままスルーした方が賢明であるのだが……………

 

「いえあの、来てくれた事は有り難いんですけど…………。それよりも、さっき思いっ切り転んでましたが、ぶつけたところは大丈夫ですか?頭から行ってたように見えましたけど、怪我とかしてませんか?」

 

ポニーテールの生徒は違った………。

 

彼女本来のお人好しの性格故なのか、ポニーテールの生徒は心配そう眼帯の生徒に近付くと、怪我をしていないか、ぶつけたであろうおでこを確認しようと手を伸ばしている。

 

眼帯の生徒は、一瞬うっ、っと動揺したように動きが固まるが、直ぐに調子を取り戻して左手を眼帯に近づけながら、薄ら笑いを浮かべた。

 

「くっくっくっ……。案ずることは無い副部長、第二順列(セカンドナンバー)よ。この程度のダメージ、我の漆黒の衣の前では無意味。我には掠り傷一つ与えることもかなわんよ。」

 

「でも、さっき痛がってましたよね。それに足も捻っていたように見えましたし。」

 

「というか、ぶつけたの頭だから、そのマントで防げてないんじゃないかな。」

 

「そ、それは……そうっ!この漆黒の衣は身に付けているだけで、全身に闇のエネルギーを纏っているのだ。今、貴様らに見えているこの漆黒の衣の姿は、所詮仮初めの姿でしかない。本来の姿は、この我の体を巡っている闇そのものなのだ。故に我にはいかなるダメージも全て無意味になるのだ!!」

 

「纏っているのか、巡っているのか………一体どっちなんだい?」

 

「部長!今はそんなこと、どうでもいいんですよ!やっぱりぶつけたのは頭なんですし、念のため手当てした方がいいんじゃ。」

 

「ええいっ!!うるさい!うるさーーい!!とにかく我は最強の闇の使い手なの!!だから怪我もしてないし、着地に失敗もしてないの!!」

 

眼帯の生徒は、そう言うともうこの話は終わりだ!と言うように、次の話題に移ろうとした。

その際、気を取り直そうと二人から視線を外すと、

 

「………………。」

 

「ひゅっい!?」

 

三人のやり取りをぽけ~っと眺めていた少女と目が合った。

少女が今まで一言もしゃべらなかっら為、少女の存在に今初めて気が付いた眼帯の生徒は、まるでお化けにでも会ってしまったかのように、大きく肩をはねさせると、急いでポニーテールの生徒の後ろへ身を隠した。

 

「な、な、な、何かいる!?ふ、ふ、ふ、副部長!な、何かあそこに立ってる!!?お、お、お、お、お化けか!?おばけなのか!?さまよえる黄泉への使者なのか!?」

 

「…………?わたし、おばけですか。」

 

「ぎゃーーーーっ!!?しゃべった!?しゃべったぞ!副部長!!私お化けに話かけられちゃったよ~~!どうしよう……。もしかして私連れてかれるの……。黄泉の世界に連れてかれるの!?いやだーー!?まだ、私やりたい事がたくさんあるのにーー!?まだ行きたくないよーーーー!」

 

「…………?どこにいくんですか。いきたいところ、あるんですか。」

 

「うぅああん!!ごめんなさい!ごめんなさい!!なんにも心当たりないけど!とにかくごめんなさい!!連れてかないでーーー!!」

 

「ちょっと落ち着いて!大丈夫だから!!怖くないから!!」

 

「アーはっはっは!!いつ見ても君たちは元気がいいな!!うむ、実にいいことだ!!」

 

「笑ってないで、この子落ち着かせるの手伝って下さい!」

 

「あの、どこにいくんですか。」

 

「へ?ああいえ、確かにこれから向かおうと思っている場所はあるんですけど、今の話は違くて……」

 

「だ、だめーー!!副部長も連れてったらイヤだーーー!!」

 

「嗚呼もう……。どうしたら良いんですかこれ……。」

 

「やはり楽しいな!!こう言うのわ!!」

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