家は没落しましたが私は元気です   作:カニ漁船

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さらっと流されるインターナショナルステークスである。


順調に過ごしたった

 現在欧州でぶいぶい言わせているダスクユートピア。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制した彼女の次走はインターナショナルステークスである。

 ダントツの1番人気は勿論ダスクユートピア。これまでのレース全てを勝ってきたから当たり前だ。というか、クラシック二冠に加えてエクリプスステークスとキングジョージを勝つなど大概おかしいことをやっている。このインターナショナルステークスではどういったレースを見せるのか?と思われていたが。

 

《3番手に控えていたダスクユートピアが最後の直線で抜け出した!単独で抜け出すダスクユートピア!ナサエスが必死に食い下がる!食い下がるがこれはダスクユートピア圧倒的有利!この差を覆すことはできない!》

《いや~、相変わらず強いですね彼女。もう笑うしかないです》

《ダスクユートピア圧倒!ダスクユートピア圧倒!これは強い文句なし!ダスクユートピアがインターナショナルステークスを制した~!2着はナサエスその差は2バ身差!一度抜け出して、差を縮めさせない立ち回り!変わらず彼女は強い!三冠最後の戦い、セントレジャーステークスも期待が膨らみます!》

 

 最後の直線でポンと抜け出し、2番手との差を縮めさせることなく勝利を収めた。王道の横綱相撲にファンは歓喜の声を上げる。

 

「『やっぱり凄いわ!本当に桁違い!』」

「『ダスク家ってアレなのに、あの子強すぎだろ!秘蔵っ子って触れ込みは嘘じゃなかったんだな!』」

「『いやいや、ここまで育て上げたトレーナーもすげぇって!やっぱとんでもねぇ名トレーナーだよあの人!』」

 

 ついでにトレーナーも賞賛され、その声を聞いていた南雲は胃が痛くなっていた。すぐさま懐から胃薬を取り出して飲む。もう胃薬を常備するようになってしまった。

 

(トレーニング公開しても変わらねぇしよぉ!どうなってんだよマジで!もう止めてくれよ本当に!俺ここまでの名声はいらんかったって!)

 

 心の中で悲痛な叫びをあげるが時すでに遅し。南雲の評価は有能で固まりつつあった……彼の身の丈以上に。

 

 

 インタビュー。インターナショナルステークスを勝ったダスクユートピアは報道陣の質問に答えている。南雲は死んだ目をしていた。

 

「『どうしてインターナショナルステークスに出走を?』」

「『そこに取れるレースがあったんで。取りに行くしかないでしょと思い出走しました』」

“キャ~!ユーちゃんカッコいい~!痺れる~!流石は僕のユーちゃん!”

 

 とんでもない発言をかますダスクユートピアだが、南雲は止めない。止めても無意味だと知っているからだ。ダスクユートピアの辞書に謙虚と建前なんて文字はない。

 

「『さて、次走はセントレジャーステークスですが……自信のほどは?』」

「『勝ちますよ。正味4マイルは走れるんで。約3000mぐらい余裕ですヨユー』」

「アッハッハ!『ダスクユートピアさんはユーモアも富んでるみたいですね!』」

 

 この記者もまさか本当のこととは思うまい。その後も順調?にインタビューは進んでいき、インターナショナルステークスは終わった。

 

 

 

 

 

 

 来るミラ子ちゃんへのリベンジのため!ついでに腕前向上のため!今日も元気にワンツース〇ッチ!

 

「現在ミラ子ちゃんに17連敗……!ここらで連敗記録を止めねばならぬ!」

“いけいけユーちゃんがんばれがんばれユーちゃん!”

 

 お芋さんの応援もある!今の私は無敵だぁぁぁぁ!……まぁCPUレベル5にすら負けるんですけどね、私。何故こっちの腕は一向に上達せぬ!?私の才能はレースに極振りしているとでもいうのか!

 

“実際、ユーちゃんの才能ってほぼ全部レースに吸われてるからね。それ以外は微妙だよ”

「今明かされる衝撃の真実!?頭だって悪くありませんよ私は!」

“まぁその辺は努力でなんとかなる部類だし”

 

 身も蓋もないこと言わないでおくれよお芋さん。私傷ついちゃう。ぐすん。

 

“なんて言うんだろうね~。ユーちゃんの才能はレースとそれ以外で分けられてるんだよ”

「……どういう意味で?」

“レースに関しては途方もない才能がある。でもその才能をレース以外で活かすことはできない。そんな感じかな~”

 

 そんな。私自慢の反応速度もレース以外には活かせない、だと!?じゃあこの先ゲームは頑張らないと上達しないじゃんやだー!まぁいいもーん!みんなは小さい頃から似たようなのやってるかもしれないけど、私そんなものやってないしー!ゲームに触れたのだって学園に入ってからだしー!

 

「言ってて悲しくなるわねコレ」

“ま~あの家なんもなかったしね。暇をつぶすためにしりとりをしてたのは良い思い出だよ”

 

 あの家時間潰せるもん何もなかったからな。基本身体鍛えてばっかだったからそこまで気にしてなかったけど。

 勝てないゲームは中断してベッドでストレッチ。というかちょっと思ったのだが……何故私に農業関係の仕事が来ぬ?

 

「南雲にお願いしているというのに、何故私に農業関係の仕事が来ないのか……!私が目指すのはT〇KI〇だというのに!」

“走って踊れて農業もするウマ娘!これは次世代のトレンド間違いなし!”

 

 早くくれよ!私に農業のお仕事を!広告塔でもなんでもやるからさぁ!地域活性化よ?時代は。農業が次のトレンド。OK?

 

「時計の広告や服のモデルもいいけどさ~。私が求めているものとはちょっちズレてるんだよね~」

“というかデビュー当初からアピールしてるのにいまだに来ないのは何故なのか?コレガワカラナイ”

「私は地方に行く準備もできているというのに……恥ずかしいんですかね?」

 

 生憎だが私は断らない。むしろ喜んでいく。地方の畑で私と握手!

 そういえばママン(秋川理事長)が最近畑の近況報告送ってくれてるわね。たづなさんと交代でお世話しているとか。順調に育っているようでなによりである。

 

「次はいよいよセントレジャーか~。てか凱旋門賞終わったらどうしよう?」

“ユーちゃんユーちゃん、ブリーダーズカップなるものがあるらしいですよ!これに行きましょうこれに!”

「はぁ、ブリーダーズカップとな?」

 

 お芋さんに勧められるまま見てみるが……ほうほう、成程。アメリカレースの祭典とは面白い。色々と種類があるが、中でも人気を博しているのはブリーダーズカップ・クラシック。ダートのレースと。ふむふむ、へ~。向こうでも超人気らしいですやんこれ。面白。出走しよ。

 

「んじゃ、ここにけって~い。凱旋門賞終わったらBCクラシックに出走しましょうや」

“いえいいえ~い!今度はアメリカだ~!”

「……お、てか時期的にはチャンピオンステークスもいけんじゃ~ん。でも流石に止めとくか」

 

 来年にでもとりゃあいいでしょ。とりまBCクラシックに出走しましょうそうしましょう。南雲には……明日言っとけばいいや。

 

「明日はなにしよっかな~。トレーニングして~、トレーニングして~、ゲームして~、ご飯食べて~」

“明日はどんな芋料理が待っているのか……あの男もユーちゃんのトレーナーとして箔がついてきましたからね”

 

 絶対料理のことしか褒めてないだろうけどお芋さんは機嫌良さそうなのでよしっ!明日が楽しみだな~。

 

 

 次の日。南雲に報告した。

 

「南雲~。凱旋門賞終わったらBCクラシックに出るよ~」

「……なんて?」

「いや、凱旋門賞終わったらBCクラシックに出るよって。登録しといてね」

 

 なんでそんなに苦虫嚙み潰したような顔してるんですかね?もしや、私の実力を疑っていらっしゃる!?

 

“ユーちゃんの実力を疑うだと!?なんて不届きな!テメェの目は節穴かオォン!?”

“絶対そんなことじゃないと“あ゛?なんか文句あんの?”何もありません!”

 

 これこれお芋さん。カフェさんのお友だちさんに当たるんじゃありませんよ。南雲は百面相を浮かべた後、絞り出すように。

 

「……分かった」

 

 OKサインが出ました。よしよし、これで出走は確定じゃい。

 

「おーけー。まぁ安心してくだしあ。全部勝っちゃりますので」

「そういう問題じゃねぇんだよ……」

 

 はて?そういう問題とは?私にはさっぱり分かりませぬ。




ユーちゃん レースの才能に極振り系ウマ娘。反応速度はアイ〇ールド21の〇含並。

お芋さん ユーちゃん相手でもマジレスはする。

南雲 現地の薬屋に顔を覚えられた。
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