男のウマ娘とトレーナーシンボリルドルフ 作:段ボールの中の玉ねぎ
ある街でちびっ子レースが行われていた。たくさんの女の子がターフの上を走っているがその中に男の子も混じっていた。その男の子には、ウマ娘にしかないはずの耳と尻尾がある。
男の子はウマ娘の女の子と何馬身も差をつけて独走している。
「やったーー‼️」
そう言いながら、白いゴールテープを切って男の子が笑顔でゴールする。
しかし男の子が聞いたのは賞賛の声ではなかった。
「何なのあの子」「不気味ねー」
自分の子供が勝てなかったという嫉妬と男のウマ娘というのもあり、周りの親たちがヒソヒソと男の子を見ながら話している。
しかし、ウマ娘である男の子の耳には全て聞こえていた。
男の子の顔から笑顔がスッと消えた。
なんで勝ったのにみんな喜んでくれないのか そんなことを思いながら男の子は立ち尽くし、俯いてしまった。
〜十数年後〜
「ここか それにしてもすげーでかいなこの学校」
170センチほどの身長にスラットした体格、そして周りのウマ娘の履いているスカートと同じ柄のズボンとワイシャツの制服を身につけている黒髪の男性が立っていた。
日本ウマ娘トレーニングセンター学園 通称トレセン学園
トゥインクルシリーズでの活躍を目指してウマ娘が全国から集まってくる学校であり、高い倍率の試験を合格したり、地方などからスカウトされた場合にのみ入学を許される中高一貫校である。
彼、イオレグルスもこの学校にスカウトされて入学することになったのだ
〜イオレグルスside〜
「新入生の方は、あちらでーす」
案内の人の言うとおりに進み体育館に到着する
「えーと オレの席は、、、 あったあった」
指定されたパイプ椅子に座り始まりを待っていると隣の席の子が話しかけてきた
「きみかーーー噂の男のウマ娘っていうのは‼︎名前はなんていうの?ちなみに僕はトウカイテイオーって言うんだ。テイオーって呼んでね‼︎」
いきなりのマシンガントークで困惑したが、自分が静止していることに気がついて慌てて話し始める
「オレはイオレグルスだ。イオって呼んでくれ」
「イオだね‼︎これからよろしくイオ‼︎」
「ああよろしく」
そんな話をしていると入学式が始まった。
「只今より、20XX年度日本ウマ娘トレーニングセンター学園の入学式を始めます。
ではまず理事長のお話です。」
テイオー「理事長ってどんな人なのかな〜怖そうだったら嫌だな」
イオ「本当な 優しそうな人だったらいいよな」
そんな会話をすると、壇上に頭に猫を乗せて、手には祝福と書いてある扇子を持っている女の子が上がってきた」
テイオー・イオ「え?あの人?」
周りのほとんどが同じような反応を見せていた。そしてその女の子が喋り出す。
「諸君‼︎まずは入学おめでとう‼︎私は本校理事長の秋川やよいだ‼︎まずこの場で言いたいのは君たち全員にトゥインクルシリーズで活躍できるチャンスがあると言うことだ‼︎ここには、日本屈指の実力のあるトレーナー、そしてトレーニング器具が揃っている。君たちには、ぜひ担当トレーナーと共にこのトゥインクルシリーズを走り抜けてほしいと思う‼︎私から言いたいことは以上だ‼︎では君たちの健闘を祈る‼︎」
見た目に反してその言葉一つ一つがとても重く感じた。とてもじゃないがもう女の子とはいえない。
テイオー「いや〜見た目に反してすごい迫力あったね」
イオ「あーそうだな」そういえば推薦状にあった推薦者の名前って確か秋川だったような、、
そんなことを心の中で考えながら、テイオーに返事をする。そして式は何事もなく終わり、オレとテイオーは指定された教室へと向かった。教室へ入ると、みんなが一斉にこちらを見た。その目線には、何か嫌な視線が含まれた。
イオ「なるほど中にはオレのことをよく思ってないやつもいるっぽいな」
そんなことを呟きながら、自分の席に座る。そんな目線を向けられることはもう慣れている。絶対自分のことをよくは思わないのが、どのコミュニティーにも一定数いる。特にレースが絡んでくると尚更なのだ。この場所はレースにしか関わっていない。ぶっちゃけテイオーのように、明るく話しかけてくれる方が珍しいのだ。
テイオー「なんか嫌な感じだね」
テイオーがオレの隣に座った。どうやら隣の席らしい。
イオ「もう慣れたさ別に珍しいことじゃないよ。それよりもおれは普通に接してくれるテイオーが隣なことが今嬉しいよ」
テイオー「そうかそうか僕の隣なのがそんなに嬉しいのか‼︎」
さっきまでの少し曇った表情が一瞬にして晴れ、嬉しそうな顔になった。
???「あらテイオーもう喋れる人ができたんですの?」
テイオー「あ‼︎マックイーン‼︎」
マックイーン「あら、そちらの方は確か男のウマ娘の、、、おっと申し遅れましたわ私メジロマックイーンと言いますわ以後お見知り置きを」
イオ「オレはイオレグルスだ イオって呼んでくれ」
マックイーン「よろしくお願いしますわイオ」
イオ「こちらこそよろしくマックイーン」
そういえばテイオーもマックイーンも言ってたが、噂のって何でそんな噂が広まってんだ?
担任の先生「みなさん席につきましたね では最初のホームルームを始めましょう」
そう言って先生が話し始める。主に、授業や学校生活の話があったが授業や普段の学校生活は他の高校とあまり違わないと言うのはかなり驚いた。
担任の先生「さてここまではトレーニング以外のことを喋ってきましたが、ここからはトレーニングそしてトゥインクルリーグのことについて話していきましょう。まず、みなさんには模擬レースというレースに参加してもらいます。その成績や走りによっては、専属トレーナーやチームなどから声がかかり可能性があるので是保頑張ってください。レースは3日後です。しっかりコンディションを整えるように。それではトゥインクルリーグについて話しましょう。トゥインクルリーグは、、、」
先生からの話がやっと終わり、席を立ち大きなあくびと伸びをする。
イオ「それにしても3日後にはもう模擬レースか、、、うかうかもしていられないな」
レースはトレーナーがついていないと出られない。だからこのレースでトレーナーやチームの目に留まらなければ、まずレースにそもそも出ることができないのだ。まあ実際には、実績が十分にあればトレーナーがいなくても、レースに出ることが可能なのだがその例はあまりない。それこそ、少し前に一人いた。もう引退してしまったが。
イオ「よし‼︎気合い入れるか‼︎」
そして、今日はその話をして解散となった。帰りにテイオーとマックイーンに食堂で一緒にご飯に誘われたが、しないといけないと言って断った。模擬レースがあるのでどうしても早く走っておきたい。
〜午後9時ごろ〜
他の生徒はとっくに寮に戻っている時間帯にオレは運動できる服と練習用の靴を身につけて、ターフ入る。この誰もいなくて、暗いターフのに差し込むナイターの光が好きだ。誰も邪魔されず、何も言われず純粋に走るのに没頭できる。それに走っていても、後ろ指を刺されて何か言われることはない、、、
イオ「さすがトレセン学園、めちゃくちゃいいターフだな。楽しく走れそうだ‼︎」
〜???side〜
???「珍しいなこんな時間にターフの電気がついているなんて。消し忘れかな」
そう言いながらターフに近づくと、ターフから力強い足音が聞こえた。まだ走っていたのかと思いながらターフを見下ろしてみる。
???「あの子は確か、、、」
今年の新入生一覧を見て、噂のこともあり目に留まった生徒がそこで走っている。一度人の顔を見ると忘れないという特技があるのですぐにわかった。
???「これは、、、早い」
気づくと笑顔になっていた。現役時代に何度も感じた高揚感を久しぶりに感じ、私はそのでたらめなフォームから繰り出される風のような走りをしばらく見つめていた。
初めまして‼︎段ボールの中の玉ねぎです‼︎これが初めての執筆なので感想などよろしくお願いします。