男のウマ娘とトレーナーシンボリルドルフ 作:段ボールの中の玉ねぎ
3日はあっという間に過ぎてしまった。新しい学校に慣れながら、模擬レースが近いという緊張感もあり、気づけば模擬レース本番だった。
少ない期間だったがやれる限りの調整は行なった。それに普段から、練習を欠かしていない。そう考えながら自分に大丈夫だと言い聞かせる。
テイオー「すごい集中力。本番じゃないんだからそんなに考え過ぎなくてもいいんじゃない」
イオ「そうもいかないんだよ。どうしても緊張しちゃうんだよね」
テイオー「まあ確かに周りの雰囲気はすごいよね。でも緊張し過ぎは逆にいけないからリラックス、リラックス〜」
そう言いながらテイオーは俺の肩を揉んでくれた。明るく話してくれたのもあって、少し緊張が和らいだ気がした」
イオ「そうだなありがとうテイオー」
テイオーが胸を張りながら、どういたしまして‼︎と返してくれると、マックイーンが走ってきた。
マックイーン「テイオー次ですよ何をやっているんですの‼︎」
テイオー「え‼︎もうそんな時間‼︎じゃあもういくねありがとうマックイーン‼︎じゃあ僕の走りをしっかり見ておくんだよイオ、マックイーン‼︎」
そう言ってテイオーはターフへと走って行った。
マックイーン「全く。テイオーも困った物ですわ」
そう言いながら、マックイーンは腕を組む。とてもさっき走ったばかりとは思えなかった。というのもテイオーの一つ前のレースで、マックイーンは走っているのだ。だからマックイーンは、つい20分前までレースで走っていたということだ。いくら、ガチのレースでないとはいえこれから共に、戦っていくと考えると恐ろしかった。
イオ「それにしてもお疲れ様マックイーン。圧倒的だったな。えぐかったぞ」
マックイーン「ありがとうございます。ですがメジロ家として当然ですわ。それよりも、もうすぐテイオーのレースが始まりますわよ」
マックイーンにそう言われてターフに目をやると、テイオーが軽くステップを刻んでスタート地点についていた。さっき笑顔で話していた時の可愛らしい顔は消え去り、その顔からは圧倒的な威圧感が放たれていた。
イオ「すごい雰囲気だ、、押しつぶされそうだ」
ガゴン‼︎その音と共に、テイオーが風のようにスタートした。
イオ「え、、なーマックイーン、テイオーって先行だったよな。」
マックイーン「えーそうですが、、それが何か?」
なんでマックイーンは、今のテイオーの走りを見てその反応ができるのか俺にはわからなかった。
なぜなら、テイオーは始まって10秒ほどで逃げのウマ娘とすでに三馬身ほどの差がついていた。
テイオーはさらに加速し、どんどん後ろを離していく。
イオ「もう第一コーナーなのに全然スピードが落ちないぞ。本当にこのまんまのペースで行くつもりかテイオー」
次第にコースの周りには、多くの人が集まってきた。レースが終わって、休憩しているウマ娘やトレーナーたちその場にいる全員が一心にテイオーの走りを見ていた。
イオ「もう最後の直線か、、」
もうすでに後ろの子とは、もうすでに大差がついていた。そしてテイオーは、そのスピードのまんまゴールをした。するとテイオーはこちらを見て、あふれんばかりの笑顔でこちらに手を振った。
マックイーン「やりますわねテイオー。そして次は確かイオが出走ですわね」
イオ「そうだな。行ってくるわ」
そう言ってマックイーンと別れて、ターフへと移動する。そして、ターフに入り前を見た。
イオ「ひっっ‼︎」
まただ。周りに人がいると、足が震える。足が地についている感覚がない。何か宙に浮いているような。
「大丈夫かい?スタート地点に早く行きなさい。もう君以外準備はできているよ。」
イオ「あ、すいません」
いつの間にか、他の人はもうスタートの準備がもう終わっていた。スタッフのひとに言われて、慌ててスタート位置についた。
ガゴン‼︎レースが始まる。いつものようにスタートダッシュをかけようとするがうまく足に力が入らない。なんでなんでなんで、、、、なんでいつもこうなるんだよ。
〜テイオーside〜
さっきからイオの様子がおかしい。ターフに入った瞬間にいきなり震えるし、調整の時に走っていた時よりも明らかにスタートダッシュが遅すぎる。いくらなんでも緊張の域を超えている。私は、勧誘のトレーナーの人たちをかわしてマックイーンのところに急ぐ
テイオー「ねえマックイーン。イオ絶対おかしいよ。レース前は震えてたし、いくらなんでも遅すぎるよ」
マックイーン「私もおかしいと思っていましたわ。やはりテイオーもなのですね」
僕とマックイーンは走っているイオを見つめていた。
〜イオside〜
確かに走っている。確かに走っているはずなのに、まるで走っている感覚がない。スピードを上げようとするも足に力が入らない。レースはあっという間に最後の直線に差し掛かったが、自分の後ろにはウマ娘は一人も見られない。
イオ「はぁはぁ」
あと少しのはずなのに最後の直線が酷く長いように感じた。この最後の直線はまるで地獄だった。
なんとか走り終えたが、もちろん俺を勧誘するためにそばにくるトレーナーなんて一人もいない。
テイオーたちの元へ戻ろうとすると
「なんだ男のウマ娘って聞いてたから見にきたけどこんなもんか。時間無駄にしたわ」
「なんであれでトレセン学園入れたの。私あんなに苦労して入ったのになんなのあいつ」
そんな言葉が聞こえてきた。慣れてるはずなのに、こんな言葉慣れてるはずなのにこの時はこれらの言葉がとても心に刺さった。
テイオー「イオ‼︎大丈夫?」
テイオーとマックイーンが心配してくれてきてくれたがこの時は何も考えられなかった。だがなぜかテイオーとマックイーンにも同じようなことを言われると思い、無視して逃げてしまった。そのあとは寮に戻ってそのままベットに入った。
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目を開けると、自分は真っ暗な何もない空間に立っていた。声を出して、誰かいないか探そうとしたが声が出ない。何がなんだかわからず、とりあえず走り出す。すると自分の周りにたくさんの人が現れ、一斉にこちらに向けて話し始める。
「気味が悪いんだよ」「なんで勝つのがお前なんだよ」
「お前が勝ったって誰も喜ばないんだよ」
「お前はもうトレセン学園にいるべきじゃないんだよ」
「お前はもう生きてる意味がないんだよ」
やめてくれよ俺はただ他の子みたいに一生懸命走ってるのに、、、、、
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
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イオ「うわあああああああああああああああああああ」
周りを見渡すとそこには真っ暗な空間はもうなく、若干見慣れてきた自室があった。服と布団は汗でぐっしょりと濡れていて、気持ちが悪い。
イオ「また嫌な夢を見た」
布団に入った時には太陽が出ていたがもうすっかり外は真っ暗になっていた。
時計を確認すると時間はちょうど午後9時ごろだった。
イオ「ちょっと走りに行くか。この時間ならターフにも人はいねえだろ」
汗で濡れた服を洗濯機にぶち込んで、新しい服に着替えて部屋を出た。ターフまで走ってたどり着くと予想通りターフには誰もいなく、電気もついていなかった。
ターフの電気をつけて、柔軟をして走り始める。昼頃には、うまく入らなかった力が今はいつもの感覚で入ってくる。スピードをいつものように、ぐんぐん上げていき3000mを走り終える。
イオ「なんでこれができないんだよ、、」
本当に自分が嫌になる。毎回そうだ。レースになったら、足がすくんで、力が入らなくなる。それで毎回レースではほとんど最下位位だった。そう考えているうちに自分自身に腹が立ってくる。
イオ「くそ‼︎」
怒りのままにそばにあった水筒を地面に向かって叩きつける。
すると奥の方から足音が聞こえてきた。
???「荒れているな。しかしさっきの走りは模擬レースとは違っていい走りだったぞ」
そこには、白い流星を持った。綺麗なウマ娘が立っていた。
???「私は君に興味がある。私の名はシンボリルドルフ。私とともにトゥインクルシリーズを走る気はないかな?」
それが俺とルドルフトレーナーとの最初の出会いだった。
今回も見てくださってありがとうございました。改めて文章を書くことの難しさを実感しています。しかし面白い作品を描けるようにがんばっていこうと思います‼︎