男のウマ娘とトレーナーシンボリルドルフ 作:段ボールの中の玉ねぎ
シンボリルドルフに声をかけられた次の日、教室に入るとテイオーとマックイーンにすごい心配された。テイオーたちが声をかけても無視で本当にそのまま死ぬじゃないかと思ってしまうような顔だったという。
イオ「無視したのは本当にごめん。ちょっとあの時は冷静じゃなくて、、」
マックイーン「そんな全く謝る必要はないですわ。私もテイオーも学校に来ないんじゃないかと本当に心配していたんですから」
テイオーの方に目をやると激しく首を縦に振っていた
イオ「そうなのか。心配してくれてありがとな。」
テイオーやマックイーンの様子を見る限り、自分が本当に酷い顔をあの時していたのだと分かった。
イオ「で二人ともトレーナーは見つかったのか?」
テイオー「うん‼︎」マックイーン「えぇ」
まあそんな気はしていた。二人ともこの学園に来る前から知名度はかなりあったそうだし、何より二人は模擬レースでとんでもないレースをやってみせたのだ。その日のうちにトレーナーができても全く不思議ではない。
テイオー「まあでも本当は、シンボリルドルフさんにやってもらいたかったんだけどねー
終わった後すぐに”僕のトレーナーになって”って言いに行ったんだけど断られちゃった」
そう言ってテイオーは少し拗ねていた。シンボリルドルフという言葉を聞いて、昨日のことを思い出す。そのシンボリルドルフが俺にレースのタイムを教えてくれて、俺が走るのを苦しんでいると言ってきた。しかしなんでテイオーの誘いを断って俺のところに来たのかわからなかった。
担任「はーい皆さん席についてください。授業を始めますよ」
そんなことを考えていると先生が教室に入ってきた。俺たちは会話をやめて、それぞれの席に座った。
担任「皆さん昨日の模擬レースはお疲れ様でした。このレースで良い結果や走りができて、トレーナーに声をかけてもらえたりチームに入ることができた人は公式レースに向けて頑張ってください。あまり良い結果が出なかった人は次の模擬レースに向けて日々練習を重ねてください。いいですね」
担任がそんな話をすると何人からか嫌な視線を感じた。まあそうだろう俺の昨日の走りは、最悪も最悪だった。俺の走りをバカにするような視線もあれば、なんであんな走りでトレセン学園に入れたんだというような怒りの視線もあった。
俺は嫌になって顔を机に伏せた。
~放課後~
今日も学校が終わりテイオーたちと帰ろうと思ったが、これからトレーナーと練習だというので一人で帰った。寮に帰ると、制服から体操服に着替えて部屋でできる筋トレを行なっていた。どうしてもこの時間はトレーニングルームは使っている人も多く、後ろ指を刺される様な気がしたからだ
それにターフなんてもってのほかだ。
一通りいつもの筋トレのメニューが終わると時間は7時30分ぐらいになっていた。
イオ「もうこんな時間か 飯食いに行くか」
体操服のまま学園内にある食堂に向かう。いつもこの時間帯にご飯を食べに行く。練習をしない人は放課後になった6時ごろにすぐに食堂に食べに行くし、練習がある人は8時や9時などのもっと遅い時間帯に食べるのでこの時間が最も人が少ないのだ。
イオ「日替わり定食1つ ご飯テラ盛りで」
いつも頼んでいる日替わり定食を頼み席に着こうとすると人にぶつかってしまった。
イオ「すいません大丈夫ですか?」
そう言ってぶつかった人の方を見ると定食の味噌汁が服にかかってしまっていた。それを見て、一気に寒気がした。内心やばいと何度も連呼していると
???「大丈夫だよこれぐらいそれよりもそっちの方が大丈夫か?」
イオ「へ?」てっきりまた何か言われるものだと思っていたが想像と全く違う言葉をかけられて拍子抜けしてしまった。
イオ「大丈夫、、です。」
???「大丈夫なら良かったよ。ところで、、」
そう言って、その男性は俺の太ももをじっと見つめてきた。
イオ「あの俺の足が何かありましたか?」
そういうとその男性は俺の足を触ったり、揉んだりしながら頷き始めた。
イオ「何すんだよ‼︎」
びっくりしすぎてついその男性に綺麗な蹴りを決めてしまった。
イオ「やべ すいません大丈夫ですか?」
???「いいぞ ももの作りはいいじゃないか。君は素晴らしいものを持っている」
内心なんでウマ娘の蹴りを受けて無事なんだと思ったが何も言わないでおこう
???「そういえばまだ名乗ってなかったな。チームスピカのトレーナーの沖野ってもんだ」
イオ「はあどうも」
そう言いながら俺は沖野と名乗る男性は顔を若干決めながら俺に名刺を渡してきた。ちなみに格好は俺に蹴られて尻餅ついて壁にもたれかかっているので何も決まっていないのだが
沖野「ところでイオレグルス君はトレーナーは決まったかい」
イオ「トレーナーってことは模擬レースも見ていたでしょう。あの走りでもうトレーナーがついていると思いますか?」
沖野「なら声をかけてくれたトレーナーも一人もいないのか?」
その言葉に当たり前だろと言おうとしたが言葉が詰まってしまう。頭の中には昨日声をかけてもらったシンボリルドルフの顔が浮かんだ
沖野「やっぱり声はかけてもらってるんだな。俺はもう今年はもうチームに一人入ったから君をスカウトする気はないが俺から2つ。俺はさっきももを触って確信したがお前はとんでもないものを持ってると思うぞ。ほとんどのトレーナーは模擬レースの時点で決めつけてたらしいがな。それともう1つお前このままじゃ怪我するぞ」
イオ「怪我するってどういうことだよ。ちゃんと説明してほしい」
沖野「それはその声をかけてもらってるトレーナーにでも聞いたらどうだ。まあそいつが気づいているかは知らんがな」
そう言って沖野さんは食堂を出て行った。俺は沖野さんが言っていた言葉を考えながら冷めた定食をちびちびと食べ始めた。
イオ「このままじゃ怪我するか、、」
自分では、そんなオーバーワークはしていないと思っているし無茶な走りもしていない。本当に何が問題なのかがさっぱりわからなかった。
イオ「食ってるもんが悪いのか?そんなわけないか、、、、ないよな?」
そんな独り言を言いながら俺は定食の冷めた鯖の味噌煮を食べた。
晩御飯を食べ終わり、外に出てみるとまだターフの電気がついていた。
イオ「あれまだついてんのか。いっつも大体この時間になったらもう人はいないんだけどな。まああとちょっとでいなくなるだろ」
ターフに誰もいなくなったらすぐに始められるようにその場でアップを始める。しかしアップの途中で妙なことに気がついてしまった。ターフから全く人の声が聞こえないのである。いつもなら誰かいたらウマ娘の声やらトレーナーの声やらが聞こえるはずだがそれが聞こえてこないのだ。
イオ「おかしいな。ちょっと覗いてみるか」
そういってターフへと降りてみるとそこには練習のウマ娘も指導中のトレーナーもいなかった。
しかしターフのスタート付近に昨日の夜にみた流星を持った一人のウマ娘が体操服を着て、走る気満々の様子でこちらを見つめていた。
ルドルフ「やあ待っていたよ。早速だが私と勝負してもうおうか。」
イオ「なぜですか?あなたが俺と走る理由がわからない」
ルドルフ「一度君のちゃんとした走りを見たくてね。あんな"ふざけた"走りじゃなくてね」
その"ふざけた"という単語に俺は完全にプチンときてしまった。
イオ「ふざけただと?お前に何がわかるんだよ‼︎ちゃんと走りたくても走れないこの気持ちが‼︎
いいぜ、あんたの言う"ちゃんとした走り"ができるかどうか知らんがさっさとターフに入れよ
相手になってやる。元三冠馬かなんだか知らねーけど引退したウマ娘に負ける気はさらさら
ねーよ」
ルドルフ「いい闘争心だ。そこまで言ったからには少しは私を楽しませてくよ」
そう言ってルドルフは潰されそうな程の威圧感を出しながらこちらを見て笑った。
たくさんのお気に入り登録ありがとうございます‼︎お気に入り登録の数が1増えるたび狂喜乱舞している段ボールの中の玉ねぎです。
本当に物語を書くって難しいです。これからも自分のペースで頑張っていこうと思います‼︎