初めましての方もお久しぶりの方もこんにちわ。
『にじふぁん』で執筆させていただいていたアザトクというものです。
皆様、ハーメルンでは初めて書かせていただきますが、よろしくお願いします。
前略。経緯も略。とりあえず、天国のお父様、お母様、いきなりですが本題です。
妹がヤンデレというものになりました。
八神家の龍也(たつや)・はやては兄妹である。
さて兄妹仲というと、「本物の妹はこんなに可愛いくねぇ」だの「『お兄ちゃん』どころか『お前』すら呼んでくれない」だの「妹を持つ苦労をわかってみろ」などと延々と酷い言葉が出てくるのでここらへんでやめておこう。
しかしそういう補正、つまりは世間一般の妹よりやや従順で、少々可愛い妹であることを抜きにしても、あまりにも仲が良すぎる。超に超がつくほど仲の良い兄妹だった。
一緒にお風呂に入り、一緒に食事をし、一緒に寝て朝を迎える。
生来、はやては足が悪く学校には行けなかったのだが、それでも学校以外の時間は9割以上が二人一緒だった。
街に出ればカップルと間違われ、幼馴染の医者にもカップルと言われる始末。
どこへ行くにも家にいるにも、とにかく離れない。
そりゃあ小学生ぐらいならまだ良い。
しかしこの兄妹、仲がよすぎる。
…………そのことに兄の龍也が気が付いたのは中学生になる頃だった。
このころ、八神家は龍也とはやてを家長として、他に家族が4人居た。
シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ
この四人は三年前、闇の書―――――現在の夜天の書の防衛プログラムとしてはやての下へ召喚された。
当時のはやてと龍也は「家族が増えた!」と喜んでいた。
同時にシグナムたちとの出会いは魔法との出会いでもあり、少年が命を賭けて戦った通称「闇の書事件」の始まりでもあった。
その話はまた今度にするとして、問題はここからである。
実ははやての足が悪かった原因は闇の書の呪いにあり、その呪縛から解かれたはやては普通にあるくことが出来始めた。
そしてそのことが兄妹の仲を一気に進めることになる。
足が自由になったはやては、登下校でも一緒になり、今まで着いていけなかった場所にも付いて行くことが出来るようになった。
さらには第二の妹であるヴィータも加わり始め、三人はいつも一緒だった。
(兄妹でこれは流石にやばいのではないか?)
小学6年生の時から抱えていたその疑問は中学生になる頃には確信へと変わっていた。
愛とか、恋とか、反抗期とか、性欲とかに目覚めるお年頃である。
まだ成長しきっていないとはいえ、はやても6年生。
そろそろ龍也と同じく、色々なものに目覚め、成長もしていくだろう。
その時、この状態が続いてみろ…………うむ、色々とヤヴァイ。
更に悪いことに、この兄妹、止める者が一人もいなかった。
妹であるはやてとヴィータは兄にベタベタイチャイチャしており論外。
シグナムとザフィーラは「主の兄妹仲が良いことはいいことだ」などと言い、シャマルは「あらあら、まぁ」と言っている始末。
両親は6年近く前に他界しており、これもまた無理。
つまりはこの兄妹、イチャイチャしていても誰にも咎められることが出来ない。
駄菓子菓子、いくら世の中に妹モノや妹スキーが流行っていてもリアルでそれはマズイ。
これは、そんな兄妹の、正確には兄にベッタリな妹たちをどうやって兄離れさせるかという、お話…………なのかもしれない。