【オリウマ・オリトレ】へっへっへっ…俺は闇のトレーナー 作:ゴールド@モーさん好き
月曜日、昼休みの時間に俺はユアメモリーとオニノヨイヅキのいるクラスに向かった
「すまない、ユアメモリーとオニノヨイヅキっていう生徒は居るか?」
「あっサタケンじゃん、練習以外で合うなんて珍し〜」
「ちょっと野暮用でな、それでユアメモリーとオニノヨイヅキはいるか?」
「はいはい居ますよ佐竹トレーナーさん、どうしました?」
「さっちゃんから来るなんてどうかしたの? もしかして私の事スカウトしに来てくれた感じ!?」
「あぁそうだ、お前ら2人をスカウトしに来た」
「「へ?」」
「ひゅ〜、いっろおとこ〜」
「えー! 2人を同時スカウト! すっごーい!」
「良かったじゃんメモっち!」
「え? あっうん……え?!」
「よっちゃん今回はどうすんの? また突っぱねるの?」
「いや、今回は受けるつもりよ! 彼は私の憧れだもの!」
「ゆうくんが? なんで?」
「まぁ色々よ」
「てか佐竹さんトレーナーだったんだ! 知らなかったー!」
「なぁなぁサタケン! オレとかはどうだ! 末脚の瞬間的なキレはオニノヨイヅキよりも迫力があると思うぜ!」
「キクノツルギ、君の末脚は確かに君の強い武器でありトレーナーとして1目を置いている」
「じゃ、じゃあ!」
「でもすまない、今はこの2人を担当すると決めてしまっている。この2人を担当した上で君を抱える技量も器量も今の俺には無いんだ」
「……そうだよな! いや、分かってたぜ? ただ流れで行けないかなって少し思っただけだよ!」
話していると、放心から戻ってきた声を荒らげる。
「ちょっトレーナーさん!? スカウトの条件は選抜レースを見て決めるって言ってたじゃないですか!」
「事情が変わった、お前ら2人に加えてもう1人……既にデビュー済のウマ娘の所と組んで2人トレーナー3人ウマ娘のチームとしてやっていく」
「チーム?」
「先週言ってたのはソレの事ですか」
「詳しい事は放課後俺のトレーナー室で話したい、場所はトレーナー室D棟の1-4だ。一応簡単な地図があるからコレ見ながら来てくれ」
「あっどうも」
「準備いいなさっちゃん」
「それじゃあ、俺は今の内に色々としなきゃいけないことあるから。あとは放課後な」
♢
悔しかった、ただただ悔しかった。
オレの強みを、オレのバレたくなかった弱さを知って、それでもオレの事をバカにせず優しく接してくれた彼が他でもない同じウマ娘をスカウトした事が。
「良かったじゃん2人とも! おめっとさん!」
オレはこの学友らに向かってしっかりと笑っていられただろうか、正直自信が無い。
でも納得しなくては、納得して、たくさん練習して、あの人にスカウトして貰えるようになるんだ、あの人にスカウトしておけば良かったって言わせてやるんだ。
♢
放課後、早速2人にはこれまでの経緯を説明した。
「オニちゃん、オーガナイトさんの妹さんだったんだ」
「そっちこそ、ユアホープさんの妹だったんだね」
「お前らの立場的に積もる話もそこそこあるかもしれないが、とりあえずソレは一旦置いといてくれ。俺らはさっきも言ったようにオーガナイトと宵月剣人トレーナーをメインとしたチームになり、互いに協力しながら強くなる事を目指す」
「あの化け物みたいな方と同じチームに……」
「ナイトお姉ちゃんと同じチームになるなんて、夢見たい」
「そうだな、俺も未だによく何とかなったと思ってるよ……あっちが出した条件は2つ。1つ目はチーム期間をお前ら2人がクラシック級を終えるまでとする事、2つ目は本気のオーガナイトと定期的に本気の併走を行い力を示す事」
「あの人と併走って、本気ですか?」
「あぁ」
「妹である私が言うのもなんだけど、ナイトお姉ちゃんと併走しても勝てっこないよ? 意味あんの?」
「それはお前達次第だ、オーガナイトはお前らに〝オーガナイトにとって、意味ある併走〟が出来るウマ娘になることを望でいる」
「「ッ!」」
「そう出なくともG1ウマ娘の更に上澄みも上澄みのウマ娘と走れるんだ、やるからには〝本気以外認められない〟。だからこそ問う、2人にはあるか? あの化け物、オーガナイトを超えるという目標に向かって走り続けられる覚悟が」
そう、オーガナイトと同じチームになると言うことは少なくともオーガナイトと張り合えるウマ娘になるという覚悟をしなければいけないのだ。
ソレは決して生半可な決意で維持し続けられる物では無い、だからこそ今1度ここで2人に問わなければいけないのだ。
「ナイトお姉ちゃんを超える覚悟っか」
最初に口を開いたのはオニノヨイヅキだった。
「正直ナイトお姉ちゃんに背を見せれる自分を想像出来ません、私は傍でずっとあの人の凄さを見てきたから……」
彼女は膝に乗せてる腕は震えながら、それでもしっかりと腹から声を出し宣言する。
「それでも! 私は、そんなナイトお姉ちゃんに勝ったホープさんに憧れたから! 私も、ホープさんのようなウマ娘になりたいから! なってみせます! ナイトお姉ちゃんを超えるウマ娘に!」
「そうか、ユアメモリーはどうだ?」
「私は……」
メモリーは俯きながら自信なさげに話し始める。
「私はぶっちゃけ最初トレーナーやお姉ちゃんを元気づける為に逆スカウトしました、だからオーガナイトさんを超えるとか何とか思いもしなかった。だけど、私が走る上で姉やオーガナイトさんと比べられる事は避けられないのも分かってた……比較上等、見てる人全員が私に釘付けになるようにする! 私の名前はユアメモリー! 文字通り見る人々の記憶に刻んでみせる、私の存在を! 化け物だろうが希望だろうが、私で塗りつぶしてみせます!」
「ありがとう2人共、決意は十分伝わった。それじゃあさっき渡した紙に名前を記入して貰えるかな」
「来る前に書いときました」
「準備万端です!」
「そっか、じゃあこれは俺の方から提出しとくね」
♢
「それにしても、なんかとんでもない事になっちゃったな」
「何がー? メモリー」
「いや、どういう因果か姉のライバルと同じチームになり、その妹とも同時にチームに入る……周りが化け物揃いで私はこの先やってけるか少し不安だよ」
「さっきのアレはなんだったんだよ……」
「アレも本心、コレも本心。心の中に気持ちが1つしか無いなんてある訳ないでしょ? ソレはソレ、コレはコレよ」
「まぁ分からんでもないけど……メモリーだって良い走りするじゃん」
「良い走りじゃ、ダメなのよ」
「え?」
「〝あの2人〟を根本的に真人間にするには、もっともっと凄い走りをしなきゃなの……絶対」
「あの二人?」
「ううん、忘れて身内の話になっちゃうから」
「そう……」
(メモリーさん、貴方はどういう決意の元走るの)
さっきトレーナーさんに話した事は確かに本音ではあるのだろう、けれども根本的な所は別なのだろう。身内というのならきっとホープさん関係だとは思うけど……
「私が踏み込むべき所ではないのは確かか……」
「ユアメモリー、分かってはいると思うがチームに所属する事になるから今週の選抜レースには出られないからな。間違って出走しようとはするんじゃないぞ」
「分かってますよそんな事、でも注意喚起ありがとうございます」
「うん、まぁ一応な」
「さっちゃん、こういう直近での出走取り消しおきた時ってどうなるの? 枠無しでレースやんの?」
「いや、確か前日までにスカウトやらなんやらで出走取り消しが判明したら繰り上がりで抽選結果の次の人がその枠に入るはずだよ」
「へぇ〜、でもこんな直近だとその人……驚いてレース迄に調整出来ず出走とかなっちゃうかもね」
「まぁ、ソレは否定しきれないが出る出ないは本人の希望出し、調整出来ないと思ったら辞退するんじゃないかな?」
「ふ〜ん、そんなもんなのね」
♢
場所は変わり、ウマ娘寮のある1室……
「ただいまー」
「おーおかえりー」
「ツルギ、貴女当てに書類貰ったから見てくんね」
「なんの? 誰から?」
「ほら、えっと最近入ったたづなさんの後輩の……そう! 河川さんから! 何でも今週やる選抜レース、急遽空きが出たからキクノツルギさんに書類を渡して欲しいって」
「選抜レースの!? やるに決まってるだろ!」
「そう言うと思ったから書類貰ってきたんだよ、さっさと書いて明日提出しちゃいな」
「おう! サンキューな!」
「良いってことよ、ツルギはすげー必殺技あんだからしっかりアピールして見初めて貰いなよ〜? それこそいつも言ってる〝サタケン〟にさ」
「言い方おじさん臭いぞ、ソレにサタケンには今日振られちまったよ」
「……はぁ!?」
「同じクラスの奴2人を同時にスカウトしてさ、ついでにオレもって言ったんだけどダメだった」
「話した時、そんな軽くだったの?」
「え? いやまぁ真剣に話してウザがられたら悲しいし」
「ダメに決まってんじゃん! そんなの! 担当を決める時はトレーナーもウマ娘も両方真剣じゃなきゃ!」
「で、でも1度断られちゃったし……」
「私がそのサタケンって言うトレーナーを選抜レースに引き摺り込む」
「えぇー?! 悪いよそんなッ!」
「大丈夫、そのサタケンもトレーナーならスカウトせずとも敵情視察で十中八九見に来る筈。引き摺り込むのは居なかった時の最終手段」
「ホントかなぁ、先輩強引で大雑把だからなぁ」
「まぁまぁ、心配しなさんなって!」
「不安だ……」