【オリウマ・オリトレ】へっへっへっ…俺は闇のトレーナー   作:ゴールド@モーさん好き

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オーガナイトの秘密

小学5年頃に参加した舞踏会、当日はオーガナイトの誕生日でもあった為踊る直前にお辞儀をし、手取る所で手の甲にキスをする〝Handkuss〟をされて情緒をめちゃくちゃにされた経験がある

宵月剣人の秘密

Handkussは手の甲に直接キスせず、動作のみというのを後日しり頭を抱えた



17話 走りの〝記憶〟、〝鬼と希望〟

 

 入念に準備運動を行い、体を柔らかくそして暖かくする。シューズを確認し蹄鉄に欠け等はないか、靴紐はしっかりと結べているかを確認する。

 

「あとは……」

 

 私は隅っこにタイマーとスピーカーを設置し、〝全力〟で疾走する。

 

「ハァッハァッハァッ速く、もっと鋭くッ!」

 

 そう願っても彼女の脚はスタートと同時に最高速度へ達しており、ただ永遠とそのままコースを回り続けた。

 しばらくだった後、最初にセットしていたアラームがスピーカー越しになり始め、練習を終えた。

 

 ♢

 

「今日はオーガナイトとユアメモリーに軽い模擬レースをしてもらう、目的はユアメモリーにレース形式で自分の脚がどういう使われ方をするか確認して欲しい」

「とうとう来てしまったか、この時が……」

「私が相手がご不満かしら、メモリーちゃん」

「ありありのありまくりですよ……チーム入りして1ヶ月、まだ期待しないでくださいよ」

「もちろん、それ程せっかちではありませんわ」

 

 2人はそれぞれのトレーナーに入念にチェックを済まし、本番さながらの緊張感を持っていた。

 

「よーい、はじめ!」

 

 佐竹トレーナーの合図と共に私たちは走り出す、ユアメモリーは逃げ、オーガナイトは先行策だ。

 

(初速は中々、でもやはりまだまだ発展途上の段階にようやく入れるくらいといった所かな。そもそもそんなウマ娘が最初からそんな〝一気に全力で走って〟最後までもつのかな?)

 

 距離は2000m、私は〝流すつもり〟で走っていた。だが、違和感を覚え始めたのは中盤に差し掛かった所だ。

 

(…………スピードが落ちないな)

 

 新米の逃げウマ娘はペース配分が未熟で後半になるにつれて〝スタミナが足りなくなり息切れをする〟ものなのだが……

 そこまで考えついて思い出した。最初からずっとロングスパートをかけ、徐々にスピードを上げるという体力をバカ食いする戦法を好んで使用したウマ娘を。

 

(そうだ! ユアメモリーはホープさんの妹! ならばそのスタミナも、受け継がれてても可笑しくない!)

 

 少し、本当に少しだけ自分の口角が上がったのを感じた。

 

「全く、姉妹共々癖のある〝脚〟を持ってるものだ!」

「チィッ流石に侮ったままは無理ですか!」

 

 私は脚に力を加え、ユアメモリーとの差を縮める。

 …………

 ……

 ……

 

「はぁ、本当にしんどい……」

「私と全力で競った癖に息が乱れてない奴のセリフでは、無いですよ」

 

 私は暑くなった体に水をぶっかけながら呟くと、オーガナイトさんに話しかけられる。

 

「少なくとも、私は全力で競走した後にそこまで息が整ったウマ娘を知らない。キミの姉、ユアホープですら莫大な体力があってもレース後は息をよく切らしていた」

「……私が手を抜いたとは、思わないんですか」

「ありえないな」

「なぜ?」

「…………ふっ」

 

 そう聞くとオーガナイトさんは軽く微笑むと私に向き直り、爪のような気迫を心臓に差付けながら語りかける。

 

「キミが〝悔しながらも諦めてない〟顔をしてるからだよ、そんな顔をするウマ娘が走りに手を抜いたなんて思うわけないでしょ」

「は、はは……」

 

 怖い! この先輩やっぱり怖い! マジで呪うぞお姉ちゃん! 責任取って這い上がってこい! 今すぐターフに生き返れ! 

 

「おつかれメモリー、良い走りだったよ」

「トレーナーさん……ありがとうございます」

「浮かない顔してるな、負けたのが悔しいか」

「ソレは当たり前です、ただ……」

「ただ、なんだ」

「私にはやはり、〝速さ〟の才能が無いのかもなって、そんな風に思っただけです」

「そうか……」

 

 メモリーは莫大なスタミナを内包している、それこそ以前試しにと全力で4000mを走らせた事もあるが、息が乱れていなかった。その代わりと言ってなのか、最大速度が現状かなり頭打ちとなっている。姉のメモリーとある一点が飛び抜けて秀でているという所では似ていると言えるだろう。

 

「お前はまだ本格化が来てないだろ、焦る気持ちも分かるが急いだら元も子もない。もう少しで夏合宿が始まる、お前は強くなってく段階なんだ。心配するな」

「…………はい」

 

 ♢

「夏だ! 海だ!」
「合宿だァ…………」
「メモちゃん、しっかりして……はいポカリ」
「ありがとおにちゃん、てかなんでツルギはそんなテンション高いの?」
「え? 海ってテンション上がるじゃん、2人は違うの?」
「楽しいは楽しいんだろうけどって感じ、合宿だし……おにちゃんは?」
「私は友達と海に来れただけですごく楽しいよ、プライベートビーチとかあるにはあるけどお姉ちゃんのせいで距離あんま縮まない事とか少なくないし」
「なるほど」
「海ではしゃぐのも良いが、学校の事業で使用してるとはいえ海は海だ。緊張感無く赴けば怪我じゃ済まないぞ」
「あ、ナイトお姉ちゃん。それにトレーナーさん達じゃん」
「オーガナイトのいう通りだぞ、舞い上がるのは結構だがあくまで合宿だ。緊張感をもって」
「あ、新しい水着買ってきたので練習終わったらトレーナー見てくれますか?」
「ちょっとお前こっち来い」
「え?」
「あーえっと剣人たちは説教始めるから、俺達は先に練習始めるぞ。まずは準備運動からだ」
「え、なんで説教されるんすかナイトセンパイ」
「さぁ……」
「な、何でだろうねぇ〜。お姉ちゃん何やらかしたんだろうねぇ」
「?」

 

 合宿初日の夕暮れ時、新しい水着とたんこぶを引っさげながらオーガナイトは黄昏ていた。思い出すのは先日のユアメモリーとの模擬レース、久しぶりに感じた少しの〝想定外〟。その積み重ねが私を敗北へと〝誘ってくれる〟。けど‪──‬

 

「足りない、まだ足りない」

 

 〝彼女〟の妹であるユアメモリーでも私を少し驚かせる程度だった。

 

「ダメね、焦っちゃ……あの子達はまだデビューもしていないというのに」

「そうだよナイト、良家育ちだから仕方ないにしても完璧を求める癖はなおってないね」

「え?」

 

 〝聞き覚えがあり、けれども久しい声〟が聞こえた。振り返るとそこには1年間、共に過ごした姿があった。共に恋に焦がれ悩み抜いた仲間の姿があった。私に敗北を刻んだ癖に姿を見せなくした奴の姿があった。

 

「ホープさん!?」

「やっほ、ナイト。ほっひさ」

 

 ホープさんはその両足でしっかりと立ち、おぼつかない足取りではあるがそのままこちらへと歩き隣に座る。

 

「ホープさん!? 療養中の筈じゃ、どうしてここに!」

「んー、リハビリのついでに顔見せをしないとなって。私ってば一気に3人もの後輩ができたし? ここは1つ先輩としてビシー! っと有難い言葉でもと」

「でも、1人でこんな!」

「お父さんならあそこに居るから平気だよ」

 

 ホープさんが指さす方向にはベンチに座る男性、恐らくお父様だろうか。その方がこちらを優しい顔で見守っていた。

 

「で、ですけどこんな危ない事をなぜ?」

「…………私の口から、伝えなきゃって思ったんだ。他でもない、貴方自身に」

「わたし、に?」

「ナイトはさ、筋肉痛ってどうしてなるか知ってる?」

「…………詳しいプロセスはあやふやな所あるけど、ざっくり言えば酷使されて傷ついた筋肉が修復する際生じる物。その結果として筋肉が成長する」

「……うん、そうだね」

「どうしたのホープさん」

「私、もしかしたらもう一度走れるかもしれないの」

「え」

「私の脚は損傷が激しくて、不完全な治癒になってしまったの。それが後遺症の原因、だけどそれは〝一度に一気に治療を体がしようとした〟からそうなった」

「そ、そうか! 不完全な筋肉を少しずつ傷つけて回復して行ったらもしかしたら何時かは」

「そう、何時かはこの後遺症ともおさらばできる」

 

 確かに話してる事はシンプルでわかりやすい、けれどそれは‪──‬

 

「とても、辛い道のりなのではないのですか」

「まぁそれはね」

 

 ホープさんが後遺症を治しターフに戻る、ソレはとても喜ばしい事だ。当たり前だ、そんなの誰だって嬉しいに決まってる。それでも、ソレを成すためには一体どれだけ苦しむというのだろうか。

 

「けど、コレは私が望んでるの。もう一度ターフを走りたいって、もう一度ターフに立って‪──‬今度こそ〝彼〟と喜びを分かち合いたいって」

「ホープさん……」

「それにさ、私がさっさと完治しないと、トレーナーさん……一生自分の事を呪い続けちゃうもん。そんなのは、やだ。好きな人には絶対笑顔で幸せにいて欲しい、自分の不始末は自分でなんとかする」

「だから、約束。私は絶対の絶対に、ターフへ帰ってみせる。そして貴方にもう一度背中を見せてあげる、世代最強だかなんだか知らないけど私にとって貴方はルームメイトで、友達で、ライバル。ライバルだけキャーキャー言われてソレに勝った私がキャーキャー言われないのは不公平よ!」

「悲鳴は沢山出てけどね」

「それ全然黄色くないから、まじ真っ青の悲鳴だったから」

「「…………っぷ、あはははは!」」

 

 少し離れた所で〝希望〟と〝鬼〟の導き手はうら若き乙女たちを見守っていた。

 

「お前聞いてたのか、ホープの嬢ちゃんが来るって」

「まぁな親御さんとお医者さん、ソレに学校側の先生方の4者面談よ」

「……毎度の事ながら、ホープの嬢ちゃん周りになると本当に大変になるなお前」

「お前ほどじゃねぇよ、〝3冠〟トレーナー」

「まだ2冠だよ」

「お前らは必ず勝つよ、ホープのお父さんと少し話してくる。皆に紹介するのはその後でいいか?」

「あぁ、行ってこい」

「ありがとよ」

 

 ♢

 

 紹介したい方が居ると言われ、私たちはチーム酔いどれ知らずに渡されている部屋に集まってる。

 

「さっちゃんが紹介したい人って、誰だろうね……メモちゃんはなんか聞いてる?」

「いや、私も聞いてないよ。ツルギさんは?」

「オレも聞いてないな」

「私と剣人トレーナーは先に聞いてるけど、とりあえずは何も聞かずに会ってみて」

「え〜! お姉ちゃんたちばっかりずるい!」

「まぁまぁおにちゃん、すぐ分かる事だから」

 

 そんな風に話していると、扉からコンコンコンッというノックの音が聞こえてくる。

 

「あ、来たんじゃないか? どうぞ〜……え?」

「わぁ!」

「なんで!?」

「ピャっ」

「‪──‬ぽぁ゚」

 

 入ってきた2人組みを見て別々の反応をしめす、何故なら。

 

「どーもどーも! ナイトに剣Tおひさ! 、後輩のみんな初めましてー!」

 

 優斗がユアホープをお姫様抱っこしながら入ってきたからだ。

 

 キクノツルギは、呆然としていた。大好きな男が、他でも無い同じ制服を着用しているウマ娘をお姫様抱っこしているという〝現実〟に押し潰されない為だけに必死に現実を見捨て、他に納得出来る理由を錬成するのに必死だからだ。

 

 オニノヨイヅキは、パニクっていた。自分の人生観をぶち壊した張本人が急に目の前に現れた結果、衝撃で挨拶の仕方を忘れ、初対面の方に対しどうすればいいか分からなくなってしまったからだ。

 

 ユアメモリーは激怒した、散々コッチのこと掻き回しに掻き回した相手が急に好きな人とイチャイチャしてる所を見せつけ始めたからである。そして誓う、かの淫智暴虐(いんちぼうぎゃく)なこのクソ姉を懲らしめてやると

 

「ははは! 皆すんごい顔するねー!」

「だから俺は車椅子で運ぼうって言ったんだよ……」

「それじゃあ意味無いでしょ?」

「あるわ」

「無いよーっだ」

 

 ♢

 

「え〜コホンッ改めまして佐竹トレーナーの第1担当ウマ娘、ユアホープです。今は色々あってターフから退いてますが、戻るつもりバリバリである為担当契約も解除してません。つまるところそこ新参3人のセンパイになる訳なので何かあれば相談してください!」

 

 そんなこんなで唐突に現れたこのウマ娘はオレ達のセンパイで、メモリーの姉貴で、どう見ても〝サタケンの特別〟なのである。

 

「は、はは……よろしくお願いします、センパイ」

 

 胸が痛い……




ここいらでチョロっとオリウマ娘達の特性を

ユアホープ
(➕)スピード上限無し、スタミナ実数値に➕補正
(➖)パワー実数値➖補正、パワー最大値➖補正、パワー練習率➖補正、怪我率上昇補正

ユアメモリー
(➕)スタミナ上限無し、スタミナ実数値に➕補正、パワー出力時間短縮、脚の頑強さに➕補正
(➖) パワー最大値➖補正、パワー練習率➖補正

オーガナイト
(➕)練習成功率確定0、バッドステータスイベント無し、ホイッスル無制限、連続出走可能

オニノヨイヅキ
(➕)オーガナイトの下位互換

キクノツルギ
(➕)パワー実数値に➕補正、パワー練習効率に➕補正、スタミナ実数値に微➕補正
(➖)練習成功率に➖補正、体力回復量に➖補正
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