【オリウマ・オリトレ】へっへっへっ…俺は闇のトレーナー 作:ゴールド@モーさん好き
番外編をチョロっと書いてはいるので、もしかしたらそっちを先に投稿するかも
「あ〜、絶対できてるよなぁアソコ」
オレはこの合宿期間中のサタケンとホープセンパイを思い出す、2人は確かに自分らの関係性を〝担当契約している仲〟と称しそれ以上は言わない。けれども2人を包むオーラというか、雰囲気は出来てる男女のソレだ。
「へこむなぁ」
「へこたれてる暇、ツルギちゃんには無いんじゃないかな」
「そう言われても……って、え?! ホープセンパイ!?」
「やっほやっほツルギちゃん、お悩みならセンパイが聞くよ」
(いや、悩んでる殆どの理由アナタです!)
「まぁツルギちゃんが悩みを言い出せないなら私が選択肢を上げる」
「選択肢? ですか」
「そう、自分から言い出せなくても聞かれたら言えちゃう時もあるしね」
「分からなくも無いですけど……」
「じゃあ聞くけどさ……今悩んでるのってさ、もしかしなくとも私とトレーナーの関係性についてでしょ」
「ッ!?」
「その顔はアタリかな? 伊達に恋する乙女してないからね、私たちを見るきみの表情に思う所あったんだよ」
「……白状します、確かにオレはサタケンが、佐竹トレーナーが好きです。そんなオレを、どうするつもりですか」
「え? いやだから相談でも受けようかと」
「へ?………いやいやいやいや、なんで敵に塩送ろうとしてるんですか!?」
「なんでって言われてもなぁ、私自分で自分の脚こんな風にしちゃったからトレーナーの事しっかりと満足させれるか分かんないだよね」
「まっ!?」
「ソレに私がやったって何度も言ってんのに自分のせいだって言うからさ、スキンシップの時も遠慮がちになりかねないのよ……そういう事考えたらなんの気負いもしない相手がもう1人2人くらいいてもいいかなって」
「めちゃくちゃじゃないですか?」
「あっ勿論トレーナーの事をしっかり惚れさせて、認めさせた上でね、あの人頑固だから苦労するかもだけど……ツルギちゃんは良い子で可愛いから応援するよ」
私は、更なる悩みの種が生まれた事により頭が痛くなってきていた。
♢
合宿場の食堂にて、私は元気が無いチームメイトを見つけた。
「ツルギちゃん、隣いいかな」
「メモリー、うんいいよ」
「ありがとう」
合宿故の身体的やつれだけじゃないよな、多分。
「ツルギちゃんごめんね」
「え! な、なに急に」
「いやさ、多分だけどウチのお姉ちゃんに辟易して色々と疲れてないかなって思って」
「えっと〜」
「遠慮しなくても平気だよ、妹である私もめんどくさいと思うし、なんなら何考えてるかわかんない時あるし」
「あ、あははお姉さんには結構辛辣なんだね」
「辛辣にもなるよ」
私は小魚の南蛮漬けをご飯と共に掻っ込む。
「自分の脚を自分の意思で捨てて、家族の事沢山心配させて……かと思えば合宿に着いてきてターフに何時かは戻るとか、こっちの心が持たないっての」
「それは、そうだね」
「だからツルギちゃん、お姉ちゃんに何か言われててもあんまり深く考えない方がいいよ!」
「…………うん、そうするね」
♢
「夏祭り?」
「あぁ、ここから近くに毎年夏祭りしてる所があるんだ。リフレッシュにどうかなって」
夏合宿の期間も残り半分となった頃、佐竹トレーナーから息抜きに夏祭りを提案された。
「夏祭り! 行きたい! 私浴衣持ってきたんだよね!」
「あ、あはは。準備いいね、おにちゃん」
「メモちゃんやツルギんの分もあるよ!」
「「え?!」」
「さぁ! 善は急げ!」
「楽しんでくるんだよ〜コウハイ達〜」
「ホープ先輩も!」
「え? いや私は車椅子だから邪魔になるからってあー待って! 車椅子勝手に押さないで! トレーナーさん! トレーナーさんおにちゃん止めて!?」
「この夏沢山リハビリ頑張ったんだ、お前にもリフレッシュする権利がある」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど私みたいなちんちくりんに浴衣とかはちょっと──」
「ナイト、お前も浴衣に着替えたりするのか?」
「あらトレーナーさん、私の浴衣姿がそんなに気になりますか?」
「もちろん」
「ッ!!! で、では私も着替えてきます……エスコートして下さりますか?」
「俺以外にお前のエスコートなんか許さねぇよ」
「ッ!!!!! 行ってきます!!!」
「な、なんだあいつ? 急に焦って」
「え? お前のソレ、素なの?」
「は?」
「お前マジで何時か俺とオニノヨイヅキから殴らせろよな」
「なんで!?」
俺達は宿舎の外で女性陣の着替えを待っていた。
「それにしてもおにちゃんが浴衣を持ってきてたとわなぁ……心配だ」
「心配って、なにが?」
「いや、多分だけど実家から浴衣持ってきたんだろ?」
「まぁそうなんじゃないか?」
「それってつまるところ宵月家の者が着るような着物って事だろ? 万が一汚しでもしたらってな」
「遊びに出かける為に用意した装いだ、汚した位でどうこうしようなんてちゃっちぃ器してる奴は宵月家にゃ居ねえよ。なんなら思い出にって事でプレゼントしてるかもな」
「そういうもんかねぇ」
「そういうもんだろ……お? 来たみたいだぞ」
「トレーナーさん、佐竹トレーナー、おまたせしました」
「あれ? ナイト、なんか珍しい浴衣? 着てるね」
「はい、浴衣ドレスと言う物らしいです。前々から気になってて、合宿中夏祭りがあるのは去年の合宿で知っていたので持ってきちゃいました」
オーガナイトは明るい紫と黒、ピンクを基調に袴がスカートに変わった浴衣を着ていた。
「可愛いよ、ナイト。可愛らしいキミも好きだ」
「あ、ありがとうございます」
「そう照れるな、そんな風に照れられるともっと褒めれないだろうが」
「は、はい……」
「仲いいねホント……他の奴らは来ねぇのか?」
そうすると強ばった表情をしているユア姉妹と楽しそうな顔をしているおにちゃんとツルギがやってきた
「「さっちゃん/サタケン どうこれ!」」
「おう、似合ってるよ2人共」
おにちゃんとツルギはオーガナイトと同様浴衣ドレスをおにちゃんが青系、ツルギが緑系を着ていた。
「それで、お前ら姉妹はどうしてそんなガチガチの顔してるの」
視線の先にはホープが桜色の、メモリーが空色のキッチリとした浴衣を着て黄昏ていた。
「こ、コレ、レンタルかと思って着てみたけど」
「宵月家から持ってきた私物だったらしく……正直値段が怖くて聞けなかったけど肌から伝わる質質で分かるんです……絶対高い奴!」
「ぬぎゃいいじゃねぇか」
「ソレがせっかくだから着て欲しいって」
「着てくれなきゃソレ差し渡すぞって脅されて……」
「変な脅され方してんなお前ら……まぁなんだ、似合ってるよ2人とも」
「ッ! ………………………………アリガトウゴザイマス」
「どーも佐竹トレーナーさん」
とにかくみんな集まった事だし──
「「それじゃあ」」
「「また後で」」
「「「まてまてまてまて!」」」
ん? メモリー達は一体何を慌ててるんだ?
「とりあえず先に姉さんと佐竹トレーナーはどうして2人で行こうとしてるんですか!?」
「いやだって、ねぇ?」
「メモリー? 車椅子ってみんなが思ってるよりもかなり大きくて小回りの効かない物なのよ? これから行く所は人混みもあるだろうし、そう考えると別れた方が楽しいと思うの」
「ホープさんらの言い分はわかりました……お姉ちゃんと剣ちゃんはなんで2人っきりで?」
「デートの邪魔は流石に野暮じゃないかおにちゃん? おじさん泣いちゃうよ?」
「そうよおにちゃん、そこは妹らしくスルーしましょうよ」
「先輩らちっとは遠慮しましょうよ!? 最近オレらに隠さな過ぎですよ!?」
「いいじゃない別に、それに配慮はしてます」
「え? どういう──」
「目の前で親しい間柄の方達が熱いベーゼを交わすのは見たくないでしょ?」
「べ、べべべべべべベーゼ!?」
「ちょっとお姉ちゃん! ツルギんは乙女は乙女でも恋するむっつり乙女なんだから優しくしてあげてよ!」
「おにちゃん!?」
「そうですよナイト先輩! ツルギんは佐竹トレーナーがシャツで汗拭って顔を見せた腹筋を注視する位のむっつりなんですよ! 刺激が強すぎます!」
「メモリー!?」
結局夏祭りにはユア姉妹を佐竹トレーナーが引率する班と、残り3人を剣人トレーナーが引率する班に分かれた。
「けんちゃん私たこ焼き食べたい! 奢って!」
「あ、オレもたこ焼き食べたい!」
「お前はまだ焼きそば食ってる真っ最中だろ!? ったく、ナイトは?」
「うーん、ソース味のキスも考えようによっては乙なものでしょうか」
「いらないのね、並んでくるから」
「あっ待って冗談! 冗談ですからトレーナー!?」
「全く……奢ってはやるけどあんま食いすぎんなよ?」
「ありがとう剣人トレーナー! よっ! オレらの大将!」
「トレーナーが大将なら私は若奥様かな」
「お姉ちゃん」
俺は右手に焼き串、左〝腕〟をナイトにホールドされながら夏祭りを楽しんでいた 。
「てか剣人トレーナーもナイトセンパイも、屋内ならともかく外でそんな事していいんすか? 有名人でしょアンタら」
「んー? まぁそうだな、まず1つに〝ココ〟で生徒らに不利益を招くような奴らは事前にブラックリスト入りされており、ここでやらかした奴も速やかにリストにぶち込まれ、ココに来れなくなる。だからそんな気にしなくても平気だ、あーん」
「へ? ブラックリスト?」
「あ〜むっ……ぅく、そう。ココは市と学園が提携して公開されて使えてるだけで、市の所有する土地なの。だから〝不届き者〟は『市所有の土地』として追い払える」
「それはそれで批判殺到しそうだけど……」
「〝女学生の合宿場近辺に必死で入ろうとする人物〟って聞いて、大衆はなんて思うかな?」
「あぁ〜……なるほどね」
「そうだとしてもお姉ちゃん達はイチャイチャし過ぎ、人の口にとは立てられないんだよ!」
「そんときは正式に発表してお嫁さんになるよ」
「宵月家で情報統制してるから、コイツが卒業する迄は何とかするさ」 「「え???」」
「こんのバカップルがぁ……」
「息合ってんのか合ってないのかよくわかんない人達ッスよね、センパイ達って……」
オレ達はふわとろたこ焼きに頬を緩ませながら、人の流れに沿って歩いていた。
「それにしても……メモリーは良いよなぁ、サタケンと一緒にまわれて……」
「お前はアイツにほの字だからなぁ、そう言いたくなるのも分かるぞ」
「はい……え?」
「ん? どうした?」
「いや、そのオレ宵月トレーナーには何も──」
「お前のこと見てりゃ誰でも気づくわ、朴念仁でもある訳でもねぇし」
「〜〜〜〜〜ッ!?!?」
「まぁなんだ俺からのアドバイス、あいつと一緒に居たいんならホープの嬢ちゃんに遠慮はするな」
「……今カノなのに?」
「どうせお前ホープの嬢ちゃんから似たような事言われてんだろ」
「うぐっ! な、何故それを」
「俺らとあいつらはたった1年しか交流が無かった、けどな同期で担当が同室で仲も良くて、オマケに距離適性も似てるんだぜ? ──そりゃ〝濃い1年〟だったよ」
「宵月トレーナー……」
宵月トレーナーは空に浮かぶ月を憂うように見つめていた、まるで〝思い出を昨日の出来事だと〟思ってるかのように。
「だからまぁどんどんアタックしちまえ、どうせあいつにもお前の気持ちはバレてる。ソレに対し何も無いのであればスルーしてるか、悩んでるかの2択だ! ならもう攻めちまえ! 攻めて攻めてどういう結果にせよ振り向かせちまえ」
「ソレで御破算になっても、ですか?」
「どうせこのままじゃ何も進展無いまま終わる、ソレにあいつは色恋のなんやらでお前ら担当を見捨てる程器用じゃねぇ。ダメでも卒業まではしっかり責任取って貰えるさ、お前が〝逃げなきゃな〟」
「っ!」
「どっちにしろ教育者と生徒の関係だ、お前がインモラルだと思い辞めるのならそれもヨシ。それでも伝えたいのならそれもまたヨシ。〝どうせ何したって何が起こるか分からないんだ、なら後悔せずお前はお前として生きれば良い〟」
「宵月トレーナー……」
『剣人……おれ、おれ……おれみたいなのがここにいちゃ、いけねぇんだよ! もう!』
浮かんだのは、嘗ての友の傷。思うは、夜の無情さと己の無力さ。
「ケツはしっかり俺ら大人が持っててやる、おめぇらは考えながらも自分で選び自分で納得するようにする事だけ考えてろ」
一方その頃、優斗&ユア姉妹サイド。
「ホープとこうやって出かけるのは、本当に久しぶりだな」
「そうですね、トレーナーさん。トレーナーさんとお出かけできてとっても嬉しいです」
「そいつは良かった」
「御二方〜私が居ること忘れないでよ〜」
「忘れるわけないだろ」
「そうだよメモリー、お姉ちゃん達がメモリーの事忘れるわけないでしょ」
「どうだか……あ、じゃがバターある」
「ん? 食いたいのか?」
「え、もしかして奢ってくれんの?!」
「少しだけだぞ、安月給って訳でもないが、高給取りでもないんだから……ホープは?」
「じゃあ私も」
「分かった、メモリー、悪いがホープの車椅子変わってくれ」
「あいあいさー」
「んじゃ行ってくる」
俺は2人分のじゃがバターを買い、トッピングをちょちょいっと掛け速やかに戻る。
「おまたせ〜」
「ありがとうございます佐竹トレーナー」
「トレーナーさんありがとう! ん〜ッ! こういうジャンキーな奴ってどうしてこう美味しいんだろうねぇ」
「分かるぞ、美味しいよなじゃがバター」
「そういうトレーナーさんは何で自分の分買わなかったんですか?」
「え? あ〜、実は晩飯食い過ぎてな。屋台の奴はもう少し後でもいいかなって」
「…………そうですか」
「あぁ、そうだよ。ホープは知ってるだろうけどこの後打ち上げ花火やる予定あるが、どうする2人とも?」
「え!? 打ち上げ花火! 見たいです!」
「私も見たいかなぁ、アレ結構迫力あって凄いし」
「なら決定だな、屋台でもう少し摘めるもん買ったら落ち着ける所に移動すっぞ」
「「はーい!」」