【オリウマ・オリトレ】へっへっへっ…俺は闇のトレーナー 作:ゴールド@モーさん好き
『お姉ちゃん、久しぶりにトレーナーさんと会った感想はどうですか?』
「とっても良かった、久しぶりの生トレーナーさん堪能しきったよ。あと3日はこの幸せ状態を維持できそう」
『それはさすがに少し気持ち悪いよお姉ちゃん』
「恋する乙女なお姉ちゃんに向かって酷いこと言わないで!?」
私ユアホープはあの後トレーナーさんとイチャイチャした興奮が収まらず妹のメモリーに電話をしていた。
「そっちこそ、トレーナーさんと何度も会ってるとはいえしっかりと話したのは今日合わせても少ないんじゃないの? トレーナーさんのことどう思った?」
『え? うーん……昔聞いてた話と印象が結構変わってて最初は面食らったかな? コレがお姉ちゃんが言ってたアノ王子様なのかー! って』
「王子様ってそんな大袈裟な」
『そうだね、でもお姉ちゃんにとっては紛れもない王子様でしょ?』
「そ、それはぁそうなんだけどぉ〜〜」
『あーうん話続けるよ? まぁ何だ、あの人がクソ真面目ってのはよく分かったよ。どっかの誰かさんのせいでぶっ壊れる程度にはね』
「うっそれはあんま言わないで」
『はいはい……お姉ちゃんはさ、良かったの?』
「それはどれの事? 貴方がトレーナーさんの担当になる事? トレーナーさんが私の事で悩み苦しみ続けた事? それとも──〝自分で自分の脚を捨てた〟事?」
『…………全部』
「最後以外は全然良くないと思ってるよ、私が傍に居られないのになんで妹のメモリーは担当なのかーとか……私が彼との約束を破らなかったら、彼をあそこまで苦しまずにさせなかったよなーとか」
『なんで……』
「ん?」
『なんで、お姉ちゃんは脚を自分から捨てちゃったの? 自分が大事じゃないの? 好きな人の為ならなんだって出来るとでも言うの?』
「……そうだね、メモリーはさ今私の事普通にめっちゃおかしいと思ってるでしょ」
『うん』
「私もそう思う、客観的に見てめっちゃおかしいと言うか怖いとすら思うかもしれない……」
『それならなんで』
「けどね、あの時思っちゃったんだ」
『…………なんて?』
「勝ちたいって、例えこの脚がダメになって歩けなくなってもいい……今すぐ勝って、彼と喜び合いたいって」
私は生まれつき瞬間的にスピードを上げることが出来ない体質らしい、だからロングスパートで徐々にスピードを上げ続ける作戦を取った。この作戦に変えて練習し始めた際、とある事に私達は気づいた。
それは、〝スピードの上限〟に関してはかなり果てしなく伸びるという事だ。
要するに私が何を言いたいかというと、〝スタミナと距離があればスピードは青天井〟だったのだ。
目を瞑り、あの日を思い出す。
『はぁっ! はぁっ!』
前にはウマ娘が4人、今は最後のコーナーに差し掛かった。私はここまで最大効率で掛からず冷静にスピードをじわりじわり上げて来た、それでも──
(距離が、足らない…………前の4人を抜かす迄にスピードを上げれる、距離がッ!)
脚の性質上、レースの距離が長ければ長い程終盤の最大スピードは上がる。だが、2000mでのロングスパートでは前の4人を抜ける程のスピードは確実に出せない。
(なにか、なにか無いのか……コレを脱却する術は!)
そんな時、私が自分のスピード調整ではなく他のナニカにレース中初めて意識を逸らした。そして、私はソレを認識した。
「──────ッ!」
「とれーなーさん?」
彼がレース中私の事を応援してくれている事を〝知ってはいた〟、知ってはいたんだ。ただ私は不安定な脚の調整に集中しなければいけない為、今まで気づいた事が無かったんだ。
彼があんなにも情熱的に、私の勝ちを想い続けていた事を。彼はレース前、何時だって勝ち負けよりも……いや、勝ち負けについても言及はするし勝ちを信じて見送ってはくれる。だがそれよりも私の体の事を第1の言葉と想いをくれる。
だから、知らなかった──
「そうだ」
愛する人の全力の声援というのは──
「まだ、コレを〝使い切ってない〟じゃないか」
こんなにも、心を踊らせるだって事を。
私の脚の最大スピードはこんなもんじゃない、だから──
【ユアホープ!? ユアホープ! 急にギアが更に入ったぞ! 凄まじい末脚だ!】
脚を捨てれば勝てるんだ!
【1人! 2人! 3人! 一気に突き放しオーガナイトとの一騎打ち!】
【オーガナイト! ユアホープ! オーガナイト! ユアホープ! 2人はもつれ込み今ゴール板を通った〜!!!】
ヤバい、今までこんな走り方なんてしてこなかったから息が……意識が……すえ、くうき……すえ……
けっかを、みないと
【1着は……ユアホープ! ユアホープです! 1着ユアホープ! 2着オーガナイト! 3着バブルシップ!
鬼騎士の暗黒時代はとうとう! 希望の光によって塗り替えられた!】
「かった? かった……ははは、かったぞ!!!」
脳内アドレナリンドバドバで最初こそ平気だったけど、だんだん冷めてきてとうとうライブ中に倒れちゃったんだよな……
「メモリー……私はね、トレーナーさんの事が好きだから脚を捨てれたんじゃないの」
『じゃあどういう事よ』
「私はあの時、〝脚を捨てても良いと思える程にトレーナーさんを好きになった〟の。似てるようで、少し違うの」
『訳わかんないよ……』
「訳わかんなくていいよ、お姉ちゃんのこんな所。あなたは私みたいにならないようにね、あの人かなり魅力的だから気がつくと好きになってるかもしれないよ」
『……そうね、実の姉と恋のライバルだなんて面倒くさすぎて嫌になるもんね』
「あ、ちなみにだけどトレーナーさんが良ければ全然キスどころか〝色々〟していいよ。正室は私だから」
『ごめん今の発言が1番訳わかんなかったよ!? え!? は?!』
「あははははは!」
その後も私達は沢山話して、夜も深けてきたから電話をやめた。
「はぁ〜あともうちょいでメモリーがトレーナーさんの現担当になるのか…………ま、足掻いた所で仕方ないか」
私はすぐそばの机の上に飾ってある、指輪に視線を送った。
キミから脚を奪った事は、コレからの全てを掛けて償わせてくれ。
「トレーナーさんは鈍感じゃないから私の気持ちに気づいてた……」
この指輪には贖罪しかないのか、それとも私に対する好意が少しでもあるのか、それを聞く勇気はあの時の私には無かった。確かな事実として、私は彼に歪ながらプロポーズをされ、私はそれに乗っかってしまったという事。
「貴方との約束を破った私が、こんな幸せになって良い訳無いのにね。トレーナーさん……」
私は微睡む意識の中、〝同室の友人が開いた〟会見を思い出した。
『〝オーガナイトさん〟、ユアホープさんの引退についてどう思いでしょうか?』
『ユアホープさんの引退について? そうですね、ハッキリと申し上げますと泣く程絶望しましたね。
私は今迄負けた事がありませんでした、そんな私を負かした相手にもう勝つ事も負ける事も出来ないのだと。
ですが、現実であるならば受け入れる他ありません。だから私はこうしました……
私を負かしたの彼女が最初で最後にするっと。このたった一つの黒星を誇りとし、また希望とし、私は走り続けると』
オーガナイト的には
私のレースには勝ちしかない!無敗のままG1も制覇するぞ!→負けた、私が、ハナ差で、でもしっかりと負けた……→あぁ、こんなにも負けるって悔しいんだ、こんなにも勝ちたいって思えるんだ、こんなにも清々しいんだ!→…………ホープ?→ホープが居ないレースに、〝負けを知った私〟が負けないレースに何を思って走ればいいのよ→もう負けない為に、走るわ。もう一度負ける為に、走るわ。〝勝負に出会えると信じて〟、走るわ。だって貴方とだって走れたのだもの、希望は何時だって走らなきゃ見つからない。
こういう感じで、中までしっかりよく焼きコースです
ユアホープのお父さんについて
ある意味では最大の被害者、信じて送り出した最愛の娘が脚に傷を負い後遺症☆信頼していた男はドミノ倒しのように闇堕ちというか病み堕ちしてる★
病み堕ちしてる癖に娘の為にその身を捧げようとしている、見てて本当に辛い、実の息子のように辛い、運命許さねぇからなマジで の人
奥さんは存命で、ホープフル以前は普通にイチャイチャしてた、以後はイチャイチャというような軽い物ではなく、傷ついた心を癒し合う逢瀬をして娘達の未来を今まで以上に案じている
ホープが病院に緊急搬送された時は狂いそうだったしトレーナー対してめっちゃ怒りを覚えていた
ただ、『他人であり、担当という関係だけのはずの優斗』が自分よりもズタボロで狂いきって居たところを見て、1人の親として、人生の先輩として強くならなきゃいけないという『ある種の気付け』が作用した
だからこそお父さんはトレーナーと再開した時『貴方のその顔をもう一度見れて、本当に良かった』って心の底から話してた