「えーと・・・これと・・・これを・・・」
「とりあえず、月間狩りに生きる。でのリオレイア攻略法。と教官に質問したうえで用意したものはバッチリ・・・かね?」
「わぅん?」
うーん。とりあえずしっかりバッチリ。多めに用意をしてきているし、今もちゃんとここでの補給をしている。準備はできている。けれどもやっぱり不安にはなる。
相手はハンターにとってクック先生の先にいる一つの壁であり、同時に一匹で村を滅ぼすのも割とあるような怪物。
こそこそと大社から少し後ろにある池のような場所。そこに鎮座するリオレイア。いた。陸の女王。こいつを倒して、私も成果を出さないと・・・!
「まずはご挨拶とクナイを投げて・・・うわっ!」
クナイでこっちに気づかせるけどすぐに咆哮を繰り出すけど、その声の大きさに思わず耳をふさいでしまう。コレがバインドボイス・・・っづ・・・響く・・・!
すぐさま突進をしてくるリオレイアにオニクグツをぶん投げて頭にくっつけ、自分もその走りを加速するようにして思い切り引っ張り、逃げてそのまま頑丈な社跡地に頭をぶっこませる。豪快にバキバキとぶっ壊れて行くと同時に倒れるリオレイア。
瓦礫が重しになって、頭をしたたかに打ったせいでのたうち回るリオレイアの尻尾に思い切り鬼人化切りを思いっきり叩き込みまくる。リオレイアのスゴイのは、足もだけど尻尾に頭に翼と全身凶器と言っていいもの。
その尻尾の毒腺から出る劇毒はハンターやオトモたちじゃないとまず即死するほどのとんでもないもの。しかもこれをぶっとい鋭いトゲで叩き込むんだからたまらない。とにかく尻尾を切り落とす。何度も何度も傷口を広げるように叩き込んでいく。
雑誌の中でリオレイアの尻尾の皮が王都の貴婦人たちが求める超高級財布やバッグとして求められているというのと、金額に思わず欲が動くけど、私はまだそんな実力はない! 傷つけまくろうが倒せばいいのだ!
「!!!!!」
「うわっとと!!」
「そらそら! こいつもおまけしてやるぞ!」
「がルルルルル・・・!!」
フユリとマツカゼの麻痺属性武器も足や翼に打ち込むけど、相手は怒り心頭。口から炎をちらつかせている。怒り状態だ。
すぐさま一度距離を取って互いに水辺で対峙する。足場が水に取られるのは大変だけど、それ以外にもメリットがあるからここにしたつもりだけど・・・
来た。まずは跳んでくる火球ブレスの連発。ただ、これも如何に火竜のブレスといえどもこの膨大な水たまり、ちょっとした池と言えるほどの場所の水は消し飛ばせず、泥と水が衝撃を吸い込んでくれる。
その間に接近して、まるで囲炉裏の直ぐ側に手を伸ばすような熱を感じながら創建で頭を、目を狙って切る。斬りつける。
しかし相手も馬鹿じゃない。すぐに体を捻って翼のトゲ、からの尻尾の振り回し。飛竜の体格とパワーを生かした連撃だ。当たれば今の防具でもただでは済まない。しゃがんで回避するけど頭の上を防風が、ビュンビュン風切り音が響くのがひやりとする。
「っっ!」
そこから私に体の軸を合わせて、バックジャンププレス。それを虫を使って一気に回避するけど、池に炎をぶち込んでも数秒残るほどの炎。これのMRレベルは一体どんなやつなんだろうか・・・本当にすごい火力。
「うわっ!」
更にすぐに近づいてのサマーソルトを横っ飛びで急いで逃げる。地面をぶっ飛ばすほどの抉りと、飛び散る毒。
ちゃんと口、肌の弱い場所に当たらないようにしつつ避けるけど、ふ・・・ヒヤヒヤする。上空からの攻撃もできるのがやっぱりビシュテンゴたちとは違う。
でも、こいつの場合は陸の女王。主戦場は陸地なのがまだいい。驀進して、火炎を吐き、更にすぐさま勢いを残して回転薙ぎ払い。
「がぐっ・・・!!」
そこからのサマーソルトと本当に凄まじ連撃、それを避けるも、間に合わずに左腕に深い切り傷をもらいふっとばされる。
「づっ・・・!」
急いで腕後を絞って毒を押し出し、解毒薬をぶっかけて漢方薬で内外から毒を解毒。それでも気持ちの悪さがこみ上げてしまうのが本当にとんでもない毒だ。
回復薬も飲んで、傷口に塗り込みながらはしって急いで回避行動をする。くそっ、こうなると逆に水辺なのが足を取られる。
「おおっと。そうはさせない! チョイサー!」
「!! ナイス! フユリ! マツカゼ!」
まだ追撃が来る。そう思っていたときに積み重ねが光る。フユリの投げたブーメランに塗り込まれていた麻痺毒。それがレイアの気を引くために尻尾に当たれば私が切りつけた傷口にあたり、しかも蓄積分がようやく響いてきたか、しびれて動けない様子。
私は急いで傷口が完治するのをまたずにそばに寄ってきてくれたマツカゼに乗り込んで接近戦。ここからは一気に押し込んでいくつもりで動かないといけない。
「はぁアアア!!」
マツカゼから飛び、螺旋斬で切り込んで頭から背中と切りつけながら伝い尻尾を更に連撃で斬る。切りつけまくる。
血しぶきが飛ぶのもお構いない。急いでこの尻尾にダメージを。だけどその間に合いても復帰して、血が抜ける際に毒も流れたせいで復活できたのだろう。こういうときはやっぱり麻痺毒をちと一緒に出さないハンマーとか狩猟笛のほうがイイのかなあーと思ってしまう。もしくはシールドバッシュとかのできる片手剣。
再びサマーソルトに移ろうとしていたレイアだけど、まだしびれがかすかに残るその状態でその動きは完全に対応可能。
「もらった!」
サマーソルトの勢いをつけつつ、下に視線を合わせた状態の瞬間に投げる閃光玉。相手がサマーソルトをして尻尾を大きく降る際にそれが決まるので、勢いの着いたその巨体は空中で自分の勢いを持って回転しながら後ろにぶっ飛んで社の後に激突。仰向けでぶっ倒れて目を回している。
「ちゃぁーんす!!」
ここまでナイスチャンスはない。墜落場所に追撃の乱舞で尻尾を切り落とし、今度は頭を切り刻む。アゴ下のトゲ、頭の鱗、バッサバッサと切り捨てて、尻尾の振り回しでの応戦も距離が短くなったので避けやすい。
「フユリ!」
「おうさ! パチっとするぜ! 発射!」
一度距離を取るけどまだまだ、ここで逃がすつもりはない、フユリの仕込んでいる狩技。雷やられにする。雷毛コロガシには負けるけど、最初の一撃位には問題のない雷光虫を発電させたまま発射する攻撃手段。
これでバチッと直撃したリオレイアに再び頭を斬りつければその衝撃だけでハンマーや鈍器武器使いが起こすめまい、いわゆるスタンを起こして倒れる。
その間に落とし穴をセット。セット完了後に落っこちたリオレイアに捕獲用麻酔玉を数発傷口と口にぶち込んで、眠ったことで捕獲終了。
危うくサマーソルトの攻撃で片腕をおられるかぶった切られるところだったが、無事にこなせてホッとした。ありがとうフユリ、マツカゼ。あの麻痺は助かったわ。ふふふ。
ところで、捕獲なのだが、これのほうが報酬が高いのはなぜか。という疑問があるだろう。なにせまあ、危険なので依頼が出るほどのモンスター、しかも大型モンスターを。だ。捕まえずに仕留めたほうがいい。というのはまあ道理。
ただ、ここで捕まえるのは一つは生態観測や、ハンターや地域のギルドの情報だけではなく直に調べること、また、モンスターの種類によってはその毒を調べるための生きたデータとして重宝されるのだ。
例えばだけど、今回狩猟したリオレイアは自身の毒がその地域の食生活によって変化をしているか。もししているのならリオレイア、リオレウスはあちこちで見られるほどに生活範囲が広い飛竜。その対策の解毒剤などを用意したりする。
そして、その生息範囲の違いによる亜種などの変化や行動の変化などなどを見るためにもギルドにこうして送るのはいわゆる情報と調査料金ってこともあって依頼料金上乗せ、あとはギルドからいい素材を都合してもらえるのだ。
今回も逆鱗をもらえたし、うふふ。これでいいものが作れる♪
あとは、棘とか牙とかで、フユリやマツカゼのブーメランとか手裏剣を強化できないかなあ。ハモンさんに聞いておこう。あつつ・・・腕がしびれる。もうちょっと漢方薬と解毒剤飲んでおこう。
「ふーむ・・・切れ味を増すのならいいが、棘は少し難しい、どうしても麻痺毒のほうが薄くなって肉体を蝕む毒の方になりかねないな」
「そうですかぁ。残念」
「まあ、今はお前さんの防具と、それからでてきた端材、後はヒバサの送ってきた素材、リオレウスのものもあるし、とりあえずお前さんと、フユリ、マツカゼの防具を強化してやる。お代も頂いたしな」
見た目お祖父ちゃん。実際にイオリくんのお祖父ちゃんでありギルドも認める製鉄鍛造技術に秀でているか村一番の鍛冶師ハモンさん。竜人族の長い寿命でないと収めきれないはずの技術も十代そこらで手にしたという大天才。
その方に今日はレイアの終了終了と、ヒバサ、モンジュさん立ちの送ってきてくれた素材を合わせて防具のアップデート。
んードレス風で、でも前よりも防御に秀でたいいもの。ふふふ。これをつけられる程の実力者は下位ハンターから少し上の実力者。私も一歩前進です!
「ありがとうございます!」
「ふ。あの小せえ娘っ子があっという間に陸の女王も倒すとは。ウチの孫もそれくらいに強くなればなあ」
「いやいや、イオリくんのオトモ指導術はスゴイですよ? おかげで私のオトモたちも鍛えてもらっていますし」
「ふん・・・まあ、そういうことにしてやらぁ」
「シオンさん。ハモンさん。少し失礼」
まあ、職人らしい頑固っぷりで基本ハンターに向いていないとアイルー、ガルクの指導に頑張るイオリくんに、ハモンさんのガルクへの苦手意識も相まって少し距離があるけど、まあいずれは意識が変わると・・・と思っているとヒノエ姉さんが。
「どうしました? ヒノエ姉さん」
「百竜夜行が始まるようです。モンスターの群れがフクズクとギルドで観測されました。急いで準備を」
いよいよ始まる。百竜夜行が。私が相手してきた大型モンスターが波のように押しかけてくるという獣の波であり大災害が。
「わかりました!」
「シオンさんは最終防衛ラインの指揮を。ハモンさんは今持ち出せる撃龍槍と、バリスタの弾の在庫の持ち運びの指示をお願いします」
「おう・・・今度は負けねえぞ。モンスター共が・・・」
村が殺気立ち、急いで戦いの用意を始めて門を閉める。私の方も急いで武具を用意してから再度防衛ラインの施設を確認。
このときのために私もハンターとして鍛えて、備え続けてきたんだ。リオレイアもみんなと協力して勝てた。少しは自信もある。やってやるわよ。百竜夜行ども!
色々なエピソードや生態情報があるのがいいですよねレイア。レウスは・・・話を聞くだけならまあ? 真面目に剣士だと辛かったですね。
次回は百竜夜行