「よし・・・行くわよフユリ、マツカゼ」
「おうさ」
「ワン」
静かに気合を入れつつ、マガイマガドの狩猟。今回のプランは大社跡にハモンさんが用意したからくりでマガイマガドを百竜夜行から引き離す。
ただ、百竜夜行自体はそのままカムラの里を襲うのは変わらないのでその百竜夜行はギルドの支援を得て私の居ない穴を埋めて私はひたすらにマガイマガドの討伐をする。
なにせまあ、マガイマガドは基本気性が荒い。餌以外にも喧嘩を売りそうな相手であれば小動物でも襲い、食べてしまうような相手だし何より恐ろしいのは骨まで食らうこと。
多くのモンスターは獲物の骨をのこしたりするのでその痕跡、噛み跡で移動経路やいつ頃食べたかなどがわかるけど、マガイマガドの場合は骨を食べればその骨を鬼火の燃料に扱うようなので被害者捜索や狩猟対象を狩ろうとしていたり、移動の際に不意に襲われるという可能性が非常に高い。
シンプルに危険かつ強いモンスター。今回の百竜夜行以外でも何らかのきっかけでここ以外でもでてしまえばそれこそ余計な騒ぎになりかねない。だからここで私達で仕留めるのだ。
「えーと・・・まずはこことここで・・・うんうん。よし。行けるわ」
そのためには現地でも使えるものと仕込んでおいた物を使い全力を尽くす。前もってハモンさんと頼んでおいたポイントを地図で確認しながら歩いていきましょう。
今誘導されている場所は大社後の高地のエリア。そこで罠がかかっていればおそらくうまく行けるはず。
「いたいた・・・ここばかりは百竜夜行に感謝ね・・・」
声を潜めてあちこちで用意していた道具を集め、猟具生物を用意して飛竜などもよく眠る場所に使う場所に行けばそこではヒプノックの催眠ガスを塗りたくった肉塊を食べて爆睡しているマガイマガドが。
からくりで誘導したマガイマガドの予定エリアには大量の罠肉を設置。そして、その予定エリアで大社、廃屋となっている場所などに大タル、火薬、カクサンデメキンなどをそれぞれバラして置いておくことで一度砦に来て火薬などの匂いをかいでいるマガイマガドに警戒させない。
罠肉の方も催眠ガスが強力なので匂いでさとられないように更に上からオブラート代わりの肉をドン。
こうもぐっすり寝ていれば小型鳥竜種や大型モンスが隙を狙って来るのだけどちょうど今百竜夜行のせいで他のモンスターたちがいないせいで気兼ねなく寝ているこいつに仕掛けられる。
大量の大タル爆弾Gと罠をセット。そして起爆薬にボムカエルをおいていざスタートだ。
「ーーーー!!!?」
「はぁああああ!!!」
いくつも置いた大タル爆弾Gとボムカエルでマガイマガドの巨体でも吹っ飛んでひっくり返りのたうち回る。そこに追撃での攻撃を頭や前足の剣のような甲殻に切りつけていく。
しかこれでも身体への衝撃でのダメージはあれども甲殻とかではかすかなヒビしか入らない当たり本当にこの甲殻は堅牢だ。
だけど、このヒビからでも私の双剣の剣技と切れ味。そしてフユリたちとなら傷もつけていける。体ごと叩きつけるように、そして独楽のように回りながらの鬼神斬りでヒビの入った甲殻から傷口を広げて柔らかい腹、肉球へとダメージをどんどん変えていき痛みでのたうち回らせる。
「ーーー!!!!!」
けれどこちらの攻撃はあっちの大咆哮で止められてその間に起き上がり鬼火をたぎらせるマガイマガド。この程度では倒れない。そしてこの前仕留められなかった相手だと思い出したかギラつく瞳が見据える。負けられない。
尻尾をまるで指をふるように動かして鬼火を放ち、その鬼火を出す際に付けた勢いのまま尻尾の槍のような先での突込。
「っと! はぁ!」
「鬼さんこっちら!」
その攻撃は急いで避けていき、突きこんだ槍尾で薙ぎ払う攻撃も後ろに避けて距離を取る。間にフユリとマツカゼの遠距離手裏剣、ブーメランがマガイマガドの気を引く。
「ふっっ! くあっあ!?」
今がチャンスと斬りかかるが、マガイマガドは前足で踏み潰そうとしてフユリもそれを避けたと思った。だが、そこから鬼火を爆破させながら身体をぐるりと回して動かして私とフユリたちをふっとばす。くそっ。思った以上に鬼火の使用頻度がすごい。
「あぶなっ!?」
鬼火が身体について、でも熱くはない不思議な火を払おうとする前に鬼火が更にマガイマガドのそばに広がり、爆破。翔蟲で回避をしつつ鬼火を外すもその爆風に姿勢を崩してゴロゴロと転がってしまう。
あつつ・・・あれだけボカボカ気軽に爆破できるって・・・噂で聞くブラキディオスもこんな感じなのかしら?
「・・・・・・!」
「逃げた! いや・・・誘ったか・・・?」
「おそらく・・・追うわよ」
互いに距離を取ってまた見合う状態だけどそこからマガイマガドはすぐに岩壁を登り降りていく。確かサブキャンプからすぐ下に降りられる場所だったか。
百竜夜行と再び合流されてもたまらないし、かといって今はこっちもダメージを抜くために回復薬を身体に塗って、飲みながらフユリとマツカゼもケア。
双剣も研いで・・・と。よし。行ける。それと、確かあそこら辺にはあれがあったし・・・うん。それを使いましょう。
「またせたわねマガイマガ・・・っひえ!?」
私達が高台から降りてあるものを拾いつつ追いかければいきなり飛んでくる鬼火の爆炎。いや熱線。
鬼火の玉が来るとブレーキから横っ飛びに逃げるように構えていたから助かったがあれをもろに喰らえば私も防具に身を包んだフユリたちもダメージは免れな・・・はぁあああ!!?
「どわぁあああっあああ!? いやいやいや! 牙竜種がそらとぶって!」
大きくジャンプしたと思えば、鬼火を起爆剤? 火薬代わりにしてぶっ飛んでくるマガイマガド。急いで避けるけど背中に無数に生えている棘のような甲殻で一部切り傷がつく。
「今度はこっちからのお返し・・・よっ!」
ただ、その攻撃は自重を加速して水たまり。小さな沼となっている場所では少し動きが鈍るほどにドロに身体を埋める。その間にとボムカエルを側にセットして身体に溜め込んだガスを放出するように刺激して爆破。
「ーーー!!!」
爆破の衝撃とダメージは凄まじくたまらずダウンするマガイマガド。その頭に攻撃を仕掛けて兜のような角をへし折り、前足の甲殻のヒビに再度ダメージを入れて右側の刃がついているような甲殻を斬り剥がす。
「こんどはこれ!」
怒り心頭となるマガイマガドにぶつけるのは雷毛コロガシの玉。ジンオウガとかの雷属性を扱う生物の毛などを集めて転がすあの虫の玉に雷光虫を埋め込んで刺激を与えて顔にぶん投げれば雷撃はまさしく強力なもの。
威力はないがその電撃のしびれ具合はブレスを貰ったようなもの。
「こいつもおまけしてやるにゃー!」
「わおー!」
「今度はそっちの方ももらうわよぉ!」
思わず怯むマガイマガドに更に攻撃を連続で叩きつける。斬撃とはいえ刃を頭に叩き込む衝撃は相当に響くようでめまいを起こしてふらつき、更にはその前後不覚の状態の中でフユリたちの麻痺武器の麻痺毒が回ってきたようでめまいとしびれの二重苦。
「はあぁあああああああ!!」
「ーー!!!! っっ~~~!!!」
今の間にひたすらに斬る、斬る、斬る。左足側の剣のような甲殻を斬り剥がし、追撃を絶やさない。今のうちにダメージを。押せる。このラッシュで・・・ぐふっ!?
「ぐ・・・か・・・!」
「!!!」
「うわっ・・・っは・・・!!」
気合を入れたマガイマガドの頭突き、特に固い額の部分でくらいこっちが動きを取れない間にしびれの取れたマガイマガドが復活して、追撃の体全体、そこからの前足での甲殻での切りつけ。それを避けたと思えば更に身体を回しての尻尾での攻撃。
どうにか身体を内側に寄せて剣のように鋭い部分を避けることはできたがそれでも鞭のようにしなる樹木のような尻尾でふっとばされて砂利側まで転がされる。
「ぐふっ・・・つつ・・・やるじゃ、ないの・・・でも、まだまだ!」
でもまだ立てる。立ち上がれる。ならば負けてやるわけには行かない。お前を倒して村の援護も考えなきゃいけないのが私の立場なのだから。
「!!!!」
「そぉら! その勢いで自爆しろ!」
尻尾を引き絞りまるで刺突のように構えながら身体でつっこみ放つ尻尾の突きを閃光玉でひるませて、勢いのついたままのマガイマガドの頭にオニクグツを付けて引張り岩山に頭から激突。ズドォン! とまるで大タル爆弾が爆発したような音とともにダウンするマガイマガドに鬼神化でのラッシュを仕掛けてダメージを稼ぎ、一度退避。
落とし穴をセットして一個だけ持ち込んでいた回復薬Gと強走薬を飲んで準備万端。
ダウンから復活したマガイマガドは歩いてこちらを様子見しようとしたらすぐに落とし穴に引っかかり、さんざん頭を切りつけられ、電撃を貰い、爆破を何度も貰い、更には自分の鬼火ガスの爆破加速を利用されての岸壁への激突。
頭へのダメージはたっぷりと蓄積しておいてある状態での落とし穴は混乱と消耗も相まって抜け出すには時間がかかるはず。最後のダメ押しに鬼神化状態での乱舞を息が続く限り切り刻み続け、私の顔に返り血が。いや防具にもかかりしばらくしたあとに。
ようやくマガイマガドは息絶えた。
「・・・・・はー・・・はぁー・・・よ・・・よし・・・やった・・・マガイマガド、無事討伐、成功!」
百竜夜行の問題の一つの牙獣種。それを無事討伐できた。これで・・・あとはカムラの里が無事ならいい。剥ぎ取りをして、諸々を拾ってから、急いでカムラの里にもどろっと。
無事マガイマガドの討伐終了。