守月スズミへ愛を込めて   作:Another2

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怪物か、人間か。

未だ学び途中のスズミが持つ数少ない答えの一つ。

白い賢者、後に考古文学の母と呼ばれる者

7/8加筆致しました。


汝は怪物なりや?《白い賢者》

 セリナさんには頭が上がらない日々が続いている、と言うのも彼女から治療を受けて以来様々な事を教えて頂いています、喜怒哀楽の感情を始めとした基礎的な学問や社会的なマナーや簡単な応急手当等、セリナさんは私の知らない事を何でも知っている為尊敬の念を抱かざるを得ない。

 その意を彼女に伝えたのですが当の本人は自分等まだまだ知らないことの方が多いと謙遜していました、今の自分に満足せずに尚も意欲的に学びを得ようとする精神性、そう言う所も尊敬します、そう伝えたら医療箱を押し付けられました、何故。

 

 話を戻しまして、本日はセリナさんと共に書物を読み耽る事になりました、授業や教科書だけでは得られる知識に限りがあるからと様々な書物を読む為に図書館に向かう事になりました。

 図書館……言うまでもなく初めて訪れたのですが本が沢山ありますね、壁一面が本で埋め尽くされるほどの量、全て読み終えるのに一体どれだけの時間を要するのだろうか……セリナさん曰く此処では静かにするのがマナーであるとのこと、出すにしても極力小さな声に抑える事、公共の場では周囲に気を掛けた行動をとるのが望ましいのだとか。

 

 セリナさんは医学の歴史の本を読むらしく私にはまだわからない部分が多いので読んでいても楽しくはないだろうと言う配慮から私自身が読みたい本を選ぶ事を推奨された、他者に委ねるのではなく自身で物を選択し手に取ることこそが意味があるのだとか。

 納得した私はもはや壁と化している本棚の合間を静かに歩きつつも一体どの本を読んだものかと悩み耽っていた、というのも私自身書物に詳しくないしそこまで読んだこともない、今までで一番読んだ本は?と問われたならば授業に使う教科書の類であると即答出来る自信がある、セリナさんは頭を抱えていた。

 とどのつまり、私が持つ本への知識とはその程度な訳で、物凄く簡潔に言うと私は孤立無援を言い渡されたに等しい、頼みの綱であるセリナさんの援助は本人の手で断ち切られてしまっている、他の人を頼ろうにも私にはセリナさんの他に親しい人は居ない、余りの自身の交流関係の無さに物悲しくなるがない物を悔やんでいる暇はない、無いのなら作れば良い。

 然し此処は騒音厳禁の場、私は皮肉な事に訓練の賜物で五感を鍛え上げられているので当然耳もいい、それでも尚聞こえるのは少量の本の頁を捲る際に発生する紙が擦れる音と微かな足音、極力声を抑えられた声──しかもかなり耳をすまさなくては聞こえない程に小さい。

 

 成程、一見静かな空間というのは不安を募らせがちだがこの静かな空間は自然と心が安らぐ、書物独特の匂いがそうさせるのだろうか、本棚に仕舞ってある全ての本の手入れが行き届いており全てきちんと整理されているのが素人目に見ても分かる、確かに自身を取り囲む本の壁は圧巻ではあるけれど、それすらも一つの作品なのではないかと錯覚してしまうほど目を奪われてしまう、果たしてここからたった一冊とは言え本を抜き取ってしまっていいものか──。

 

「どの子をお探しかしら?」

 

──ッ‼︎背後を取られた‼︎気付けなかった⁉︎いや、気配はしなかった‼︎何者⁉︎

 

「はいストップ、此処で荒事は辞めてね、この子達が怯えちゃうでしょ?」

 

 何をする暇もなく動きを制された、恐らく……いやこれは確信だが、今私は間違いなく──

 

「ほら、そんな怖い顔しないの、さっきも言ったでしょ?荒事はごめんなの、この子達と……対話しに来たんでしょ?」

 

 流されるままに私は本棚の壁に連れられる、この人には逆らってはいけない、そう本能で理解させられた。

 改めてこの人の姿を見ると物凄く白い、肌も髪も、なのに一切の不健康さを感じさせない、多分すごく活発的な行動をする人だと思う。

 

「対話してみたい子はある?と言っても分からないわよね……貴女、この子達に触れるの初めてでしょう?」

 

──この子達……とは?

 

「貴女達が“本”と呼んでいる物の事よ、無粋なことよね、この子達は過去の偉大な先人達の“声”をこんなにも力強く発していると言うのに、ここにいる人達はそれを分かろうとしない、この子達が存在する本当の理由を知ろうともしない、何故ならここの人達はこの子達をただの記録媒体としてしか認識していないから、お分かり?アリウスからの潜入員さん?

 

ッ⁉︎そんな、バレている⁉︎何故⁉︎どこから情報が漏れた⁉︎そんなヘマはした覚えは……

 

「静かに、ここは図書館、ちょっとした声でもよく響くわ、ここは少し機密性の高い部屋ではあるけれど、どこで誰が聞いてるかわからないわね?まぁ貴女の事はとやかく言う気はないわ、頭の硬いお茶会の人達といざこざなんて起こしたくなんかないし、貴女を突き出して私に得なんて無いもの」

 

──貴女の目的は……?

 

「目的……そうねぇ、強いて言うならアリウスやカタコンベにあるって言う聖徒会の遺産や古代の遺跡について知りたいのだけど……あなた知らないでしょ?カタコンベの出入り口はランダムで法則性は無い、未知の迷宮には心が惹かれるけれど……まだまだ外には知らない物が沢山あるからね、無理強いしてまで知るつもりはないしそう言うのは私自身で調べて確かめたいからね、だからこそネタバレは……厳禁よ?」

 

 こう言うのをミステリアスな女性というのだろうか、まるで正体が分からない、だけどこの情報網、相当な立場の人間であると判断するに容易い。

 

「私は図書委員会委員長、名前は……そうねぇ、エーデルワイズ……とでも名乗っておきましょうか、ワイズでもいいわよ?実名じゃないのはご愛嬌って事で笑って流して欲しいわ、あぁでも本当に声を出して笑わないでね?この子達がびっくりしちゃうから」

 

 私はこくりと頷く、騒音はNG、セリナさんに迷惑をかけない為にもここは従わなくては。

 

「良い子ね、皆も貴方やあの子みたいに素直だといいのだけど……」

 

──あの子?口振りから察するに本、基いこの方達では無いようですが。

 

「この方達、ねぇ?書物に敬意を払えるのは良い事よ?話がズレたわね、私の後継……つまり次期図書委員長の子が居るのよ、その子も私ぐらいにこの子達を愛している、まぁちょっと人見知りな所もあるけれど、とても良い子よ、今はちょっと裏の方で作業をさせているけれどね」

 

 裏作業……本の整備とか補修とかだろうか?気になりますが……いえ、余所者の私がこれ以上首を突っ込むのも違いますね。

 

「気になるんでしょ?折角だから見学して行きなさいな、貴女の様に純真な心でこの子達に興味を持ってくれる人は少ないのよ、それに……私が一方的に貴女の事を知るのも……ね?」

 

 えぇ……私部外者なのですけど、いいのだろうか、いや折角のご厚意なのだから見学させて頂くとしよう。

 

 中に入ればそこには一人の学生が熱心に作業をしていた、それこそ私たちが入室したのにも気が付かない程に集中していた。

 するとワイズさんはそっと静かに近づいてきて小声で話しかけてきた。

 

「この子は古関ウイ、さっき言った次期図書委員長、見ての通り今は古い文献の復元中、この子凄いのよ?本人にはその自覚はないのだけど、古い文献を復元、文字の解読と翻訳、製本作業にあの子達のお世話、委員長はその全てを熟す必要があるのだけど、これは誰にでもできる事ではないわ、まず大前提にこの子達を愛しているのが条件よ」

 

 ふむ、確かに本に関する職務を執り行う以上書物への愛は必須条件と言える、納得の道理だ。

 

「次にどんな困難があろうとも新たな古代文献がある場所に趣き資料を収集する事」

 

 ふむふむ、確かに現存する資料だけでは得られる情報に限りがあるだろう、故に新たな物を得るために現地に足を運びその身で体験するのは理に適っている。

 

「そう……たとえその遺跡や場所が三大校の生徒会や連邦生徒会から立ち入りを禁じられていたとしても文献を収集することを怠ってはいけないわ」

 

 ……ん?

 

「全くこれだから頭の硬い連中は嫌いなのよ、口を開けば危険だの生徒は立ち入ってはいけないだのそもそも立入許可証が必要だの、そんなもの発行したことない癖によく言えたものだわ」

 

 おおぅ……何とも言えないとはこの事か。

 

「危険を冒さねば人は進展しないと言うのに……臆病は人を確かに長生きさせる強みを与えたけれどその代わり進歩をも止めてしまっている、その事にいつまで経っても気付かないから科学分野でミレニアムに遅れをとるのよ……伝統ある歴史を大事にするなら尚の事考古学には力を入れないといけないでしょうに……‼︎」

 

 う、うぅん……文学に対しての熱意は物凄く伝わった、だけど危険な場所に足を運んで欲しくないと言う上の指示も分かる、もし仮に私がそんなことしようものならセリナさんにとても怒られてしまうだろう。

 でもこの人はそんな事を気にしないのだろう、この人はこの人で自分自身が持つ確固たる信念の元行動しているのだ、まぁ、その方向性が少し、常人とは異なるだけで……

 

「だから卒業したら即座に各地の遺跡を見て回るわ」

 

 なんて行動力がある方なんだワイズさん……その行動力の高さは尊敬に値しますね。

 

「そのための下地作りにトリニティに三年も在籍して我慢したからね、卒業してからも縛られる謂れはないわ」

 

──何処までもこの方達を愛しているのですね、貴女は。

 

「勿論、この子達は私にとって命そのものであり存在理由その物、貴重な文献が日の目を浴びることなく消失される事が世界にとってどれだけの損失か、貴女に分かる?今この瞬間も助けを求めている子が居るのに助け出せない、これ以上の苦しみはないわ……心無い人達は私の事を魔女だの怪人だの宣って爪弾きにするけれど私はアレ等と一緒に()るくらいなら()()()()()()()にだって成れる」

 

──その様な、悲しい事を言わないでください、どのような物であれ、愛し、想うことができるのであれば貴女は立派な人間でしょう、だからどうか、貴女が愛するこの方達の為にも、どうか、貴女だけは人間のままでいてくれませんか?

 

「へぇ……貴女面白い事言うのね?私は怪物ではないと?」

 

──はい。

 

「人生の全てをこの子達に捧げている私が()()()()であると?あなたはそう言いたいのね?」

 

──えぇ、貴女は立派な人間です。

 

「根拠は?」

 

──本当に怪物なのであれば欲求に従い本能のままに動く、貴方の場合は周りの静止も聴かずに遺跡に向かうでしょう、ですが貴女は強靭な理性で本能を抑えつけている、そのような事が出来る方がなぜ怪物と呼べましょうか。

 

 思った事をそのまま伝えてやればワイズさんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして私を見ていた、すると小さい声に抑えつつそれでも尚我慢ならぬと言わんばかりに笑い出してしまった、私は何か変なことを言ったのだろうか。

 

「ふふっ、貴女本当に面白い子ね、まさか私に正面切って意見を貫ける生徒がまだいたなんて、しかも歳下に、ねぇ?」

 

 ウッ、この人のこの目は少々苦手だ、隅々まで見定められている気がしてゾワゾワする。

 

「あ、あのぅ……委員長?復元作業、お、終わりました、よ?」

 

「あらウイ、お疲れ様、今回も完璧な仕事っぷりだわ、何度も言うけれどこれは誇って良い事だからね?」

 

「えぁ、そ、その、私のそれは……委員長と比べれば、その……」

 

「ハイハイ、まずはその卑屈な性格を治しなさいな、全く、この子達への愛は私に匹敵するのに何でそこだけは逆なのかしら……」

 

「委員長も遺跡がスカだった場合大体私みたいになってますけどね……」

 

「ウイ?」

 

「へぁ……な、何でもないです……よ?」

 

 想像以上に慕われているようで何故か安心しました、二人とも私より年上なのに。

 

「さてさて、ちょっと表の方が騒がしくなりそうだから少しここは任せるわね?」

 

「え、は、本当に言ってるんですか、委員長、あの、あなた、私のコミュ力の低さ、知ってるでしょう……‼︎」

 

「いい機会だからこれを機に交流を広げてみなさいな」

 

 そう言ってそそくさと向こうに行ってしまった……見知らぬ人と二人きり……しかも狭所、周りは偉大なる文献に取り囲まれたこの状況、非常に気まずい、と言うか会話の種がない、どうしろと。

 

「あ、あぁ、あの、あなたとは、初めて会うんですけど、その、ありがとうございます」

 

──ありがとう、とは?

 

「委員長の事です、真っ向から、あの人の悩み……悩み?を否定してくれて、私じゃ、出来ませんでしたから……」

 

──ふむ……えぇと?

 

「あの人、ずっとあぁだったんです……あの人は周りから魔女だなんて言われたなんて言ってましたけど本当はもっと酷くて……でも本人は否定しませんし、私は……ただお手伝いするので精一杯ですし……あなたみたいにあの人の行いを──在り方を肯定した生徒は誰もいませんでした、だから、ありがとうございます」

 

──私は思った事を言っただけですよ、それに、あの人がずっと折れずに在れたのはあなたの存在も多大に占めていると思いますよ、えぇと……ウイさん?

 

「私が……ですか?」

 

──えぇ、一人で居る時に誰かが側で支えてくれると言うのはそれだけで励みになるんです、それにあなたは自分の能力に謙遜していましたがそれは誰にでもできることではない筈です、正直、私には出来ません。

 

「そう、ですか……」

 

──あ、御礼ついでに一つ尋ねたい事があるのですが……

 

「あ、はい、何なりと……」

 

──じつは私、このようにしっかりとした書物を読むのを初めてでして、何かオススメがあればご教授願えませんか?あの人、結局何も渡してくれませんでした……

 

「え、えぇ……初めて本を読む人をここに連れてきたんですか、何考えてるんですあの人……ええと、初めての読書であればこの子達とかがお勧めですね……」

 

 ふむふむ、やはり経験者の言葉は信頼できる、それはそれとして……

 

──先程の話、どこから聞いてたんです?

 

「この静かで狭い空間に人声がすればいやでも耳に入りますが?」

 

 それは正しく正論であった。

 

 ──素晴らしい。

 

 その一言に尽きる、ウイさんが勧めてくる方達はどれも興味深く、そしてウイさんの説明の上手さも相まって凄まじい勢いで文字の世界に引き込まれていった、この短時間の間に既に3冊ほど読み進めており今は四冊目に当たっている。

 

「失礼、スズミさん?お連れの方が探してたわよ?」

 

 ……しまった、読書の楽しさに身を委ね過ぎていてすっかりセリナさんの事を忘れてしまっていた。

 思い返せばここは図書館を管理している関係者しか入れない場所ではあるのだから公共の場に私の姿がいないのであればセリナさんが探しているのも納得いく、すぐに戻らねば。

 

「そう、もう戻っちゃうのね……残念だわ、貴女みたいに純粋にこの子達との対話を楽しんでくれる子は少ないのにねぇ……もし貴女さえ良ければ図書委員会に入ってくれると嬉しいわね、私が卒業した後ウイが一人にならなくて済むし?」

 

──え、えぇと……すごく魅力的なお誘いではあるのですが、今すぐにとは……

 

「ふぅん……まぁ、いいけど?貴女の事を考えたなら色々折り合いを付けて身軽になってからの方がいいでしょうし、ね?」

 

 私の正体を知った上でこんな事を言う辺りかなりイイ性格をしてるんじゃないだろうかこの人、それにこの人の私を見る目がその……なんて言うか、怖い。

 獲物を定めた肉食獣の様なナニカを感じる、こわい

 

「まぁ此処はいつでも空いてるし、好きな時にこの子達と対話しに来なさいな、貴女なら特別にこの部屋の出入りも許可も、ね?」

 

──あ、はい……それは本当にありがとうございます、それでは

 

 わたしはその言葉を皮切りにその場から逃げ出すように立ち去ろうとした、このままこの場にいると呑み込まれてしまうと感じてしまったから、だけどそれもワイズさんにちょっと待ったと止められる、まだ何か用があるのだろうか。

 

「はいこれ、わたしとウイの連絡先よ、お互いすぐに返事できるかは分からないけれど……何か困ったら連絡して頂戴?」

 

「物凄い勢いで外堀を埋めていってますね……そこまで気に入ったんですか……」

 

「ウイ?」

 

「ヒィッ」

 

──ええと、はい、ありがとうございます、何から何まで……

 

 本当に、色んなものを授かってばかりだ、私なんかがこんなに恵まれて良いのだろうか。

 

「……最後に一つだけ言っておくけれど、自罰的な考えは美徳になり得るけれどずっとそんな考えじゃいつか限界がくるわよ?どんな過去があってもそれはそれ、与えられた“今”を大事になさい、先輩からのアドバイスよ」

 

──……善処します、それでは。

 


 

「はぁ、フラれちゃったわねぇ……」

 

 私は今し方退室したあの子、守月スズミの事を想う、私が過去にここまで人に対して心を揺さぶられたのは何時以来だったかしらね……

 正直あの子に声をかけたのは気まぐれと言う他ない、見たことない生徒がいてその生徒が何処の組織にも所属してないのが分かったから、と言うのもある。

 否、正確には所属していない訳では無いのだけど、その実態がトリニティから爪弾きにされたあの分校だというのだから興味を引かれるのも仕方がない。

 結果から言うならば守月スズミはあの分校の潜入員であると同時に何も知らない子でもあった、そして知らない現状を良しと思わず貪欲に知識を取り入れる気概がある素晴らしい子でとても素直な人物だった、だからこそ本来ならあり得ない事である図書委員会の作業室に招いたりその部屋にある書物を読ませたり、それこそ自分の連絡先を他人と交換するなんていう余程の事まで行ったのだ。

 ウイも言ってたけど確かに私はあの子をとても気に入っている、それは認める、まぁ私に対して真っ直ぐな意見を言ってくる生徒なんてそれこそ両手の指の数で足りる位だし。

 ……相変わらず私が気に入った人は私の元から離れてしまう、この子達は決して私から離れないけれど、思想が合わなくて私から離れた人間は何人も居る、ウイは私の事を知った上で着いてきてくれているけれどこの子の本筋は私と同じこの子達が好きと言う気持ちが大きいから。

 あの子は私の心の内側を聞いた上で尚私を私と認識してくれた、それがどれだけ嬉しかったか、あの子は分からないんでしょうけど、本当に嬉しかったのだ、少なくともこの部屋の出入りを許可するくらいには、だからこそ……

 

「本当に、惜しい事をしたわねぇ……」

 

 逃した友人(獲物)は、余りにも大きい、そんな事はとっくに分かっているのだけど、それでもそう思わずにはいられないのだ。

 


 

 館内に戻ると私の事を探していたらしいセリナさんが安堵の表情を浮かべて歩み寄って来た。

 曰く2、3時間程経過していたらしい、そんなに夢中になって本を読んでいた事実に驚愕する、以前までの私は訓練以外に時間を忘れてまで何かに没頭することが出来ただろうか、そう思える程に素晴らしい経験をした物だと我ながら思う。

 

 その事をセリナさんに伝えると何やら複雑な顔を浮かべた上で私は何もしていないと述べてきた、何やら怒っている雰囲気を感じる、私は何かしたのだろうか、本日に関しては心当たりも身に覚えもない、人の心や考えは難しいとワイズさんやウイさんが仰っていたがこう言うことなのだろうか?




もしかして:嫉妬

簡易プロフ
【エーデルワイズ】
本名:白百合ランカ
身長:ウイより高い
体重:ウイより軽い
特徴:頭の天辺からつま先に至るまで真っ白、ヒマリとかナグサとかと同等レベル、でもめっちゃ健康。

エーデルワイズは心無い生徒が宣った蔑称を掛け合わせて良い感じに改変したもの、本人は至って気に入っている。

すぐに返事できるか知らないとか言っておきながらスズミから連絡が来たら秒で返信するくらいにはお気に入り、次点でウイ。

本人の優先度
遺跡探索≧我々が読書述べる行為>スズミ・ウイ>>思想の違いで別れた過去の女達>>(越えられない壁)>>その他有象無象
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