月光花のみんなはそれぞれ日常を送り、はなとひまわりは神社の支社で手伝いをしながらアイドル活動をする。
つばきはもう一度薙刀部に入部して全国大会を目指しながら活動をする。
わかばは学力向上のために全国模試ベスト4を、もみじは実家の忍術道場の師範候補として忍術の指導、すみれは杖道の全国大会を目指しつつ女優としての活動を、そしてるりは日本舞踊で改革を起こすために奮起していた。
さらに月光花の作詞に
しかし
ここは
「ふう……最近罪魔がよく現れるようになったね」
「アイドルをしながら罪魔を浄化するのも一苦労ね」
「ですがこのまま放っておくと世界が滅んでしまいます」
「けどさ、最近罪魔も強くなってない?」
「うむ、一つの大罪のみならそこまで強くはないが、この頃は複数の大罪を利用し始めているな」
「わたくしたちだけではそろそろ厳しい戦いになりそうでございますね」
「うん、今こうしている間にも罪魔一族は待っててくれない。私に力があれば……」
「ひめぎくちゃんは何も悪くないよ。私たちももっと強くならないと……」
「でもどうやって強くなるのさ?」
「それは……」
はなはもっと強くなりたいと思うも、ひまわりもさすがに疲れてきたのか、いつもの頭の回転にキレがなく、どうすればいいのか迷って詰め寄ってしまう。
はなは元々引っ込み思案なところがあるので言葉が詰まり、自分でもどうすればいいのかわからないので黙ってしまう。
するとはなの父が扉をノックし、入っていいか尋ねる。
「はな、私だ。入ってもいいかね?」
「うん、どうぞ」
「すまないな、我々春日家に力があれば未成年の女の子を巻き込まなくて済んだものを」
「いえ、おじさんは何も悪くないですよ。悪いのは罪魔一族ですから」
「お気遣いありがとうね
「誰なんだろう……? どうぞ」
はなの父が4人ほど客人を連れたと言い、はなは困惑しながらも部屋に入れる。
そこには見た目は普通の人間だが、はなはすぐにその正体が分かった。
「あなたたちは……!」
「久しぶりだね、はなちゃん」
「
「春日さんだけでなく、日向さんもいるわね」
「ええっ!?
「どうやら緊急会議ってところだなあ」
「
「いいのかな? 俺様なんか見ず知らずなのに来てもよ……」
「えっと、どちら様でございますか……?」
そこにははなの名付け親で小さい頃からお世話になっている若いサラリーマンで天狗の天風ハヤテ。
はなとひまわりの担任の先生で雪女の
京都で一番の寿司屋で花柳も通っている河童の
そしてどう見ても極道にしか見えない短髪のパンチパーマの中年男性がいた。
その中年男性が誰なのかわからなかったが、わかばだけはその人の正体を知っていた。
「鬼ヶ島社長!」
「わかば先輩、ご存じなのですか?」
「ええ、月光花のライブの大道具を手伝ってくださる大道具会社の社長よ。名前は
「常盤さんはリーダーとして自ら大道具や音響、照明の協力者を探していたところ、最近会社を立ち上げた俺様を頼ってきたんだ。鬼だったら力仕事は得意だし、意外にも手先が器用だから協力できるはずだぜ」
「まあ、花柳先生のご紹介がなかったら出会わなかったんだけどね」
「それでもわかばはすごいよ! 私たちのために動いてくれたなんて!」
「いつまでも先生に言われたことだけやってても成長しないでしょ? だから私がリーダーとして動いてみたの」
「なるほどな。完璧に動くわかばらしいな」
わかばは裏で大道具や音響、照明の協力をしてくれるスタッフを探していて、花柳の紹介とはいえ見つけることができた。
おかげで月光花としてライブの準備はスムーズにいきそうだ。
しかし大手の妖怪が集まったことで妖魔使いとして何か特別なことがあると感じたひめぎくは本題に入ろうとする。
「それで皆さんは彼女たちに何かご用でしょうか?」
「ああ、そうだね。ここのところ罪魔が強くなったと妖怪の間でも噂が広まってね。人間は妖怪と比べて妖魔力が少なく、そして罪魔に対抗する武士道精神も失いつつある。だが妖魔力も武士道精神も強い君たちが戦っているが、徐々に強くなっていて人間だけでは限界かなと思ってね。人間界で暮らす妖怪たちと話し合って決めたんだ。僕たちも月光花の戦闘に協力させてほしいんだ」
「それってどういうことですか?」
「ええ、罪魔程度なら私たちで十分戦えますが、私たち妖怪は罪魔を罰することができても、封印することができないの。人間では罪魔に弱いけど、妖魔力と武士道精神が強い神に選ばれた人間なら罪魔を封印させることができる」
「んで俺たち妖怪の力を君たちに分け与え、それぞれの妖魔力という妖怪の力を借りて戦ってほしいってことさ。たとえば俺のような河童なら水属性の妖魔力が強化されるとかね。この妖怪メダルを篠笛にはめて吹くことで妖怪の力を得ることができる」
「ただし人間が無理して妖魔力を手にする以上、当然リスクはある。身体的、精神的なリスクはないが、使えるのはたったの5分間のみだ。5分過ぎちまったら翌日まで全く使えねえから最後の手段として使うしかねえんだ。もしお前らが熟練して使いこなせれば使用時間も伸びるし、連続して使えるようにもなる。そこまでに時間がかかるのもリスクだがな」
「僕たち妖怪もせっかく人間と仲良くなったんだ。罪魔によってその絆を邪魔してほしくないんだ。罪魔力が上がることでこに美しい人間界を破壊と混乱の世界に変えたくない。はなちゃん、皆さん、僕たち妖怪と共に罪魔と戦おう」
妖怪たちの力を得ると聞いたひまわりは目をキラキラさせ、もみじとつばきはリスクを承知の上で受け入れようとした。
すみれとるりも覚悟を決め、わかばは最初は信じられなかったが、天風たちの目を見て信じることにした。
そして妖怪たちと知り合いが多いはなは、決意を固めて天風たちに頭を下げる。
「皆さん、私たちの戦いにご協力ありがとうございます。最近罪魔は強くなり、正直私たちだけでは限界を感じていました。妖怪の皆さんのご協力があれば、きっと罪魔一族の蛮行を止めることができるでしょう」
「ありがとうはなちゃん。この妖怪メダルは君たちのピンチに各妖怪たちがかけつけ、メダルを届けに来るだろう。だが今みんなは妖怪メダルを作るのに苦労していてね。もう少し時間はかかるだろう」
「それだけでもありがたいです。妖怪の皆さん、彼女たちのサポートをよろしくお願いします」
「これくらい普通だぜ姫様。俺様たちは姫様のためだけでなく、人間たちともっと仲良くしたいだけだからな」
「姫様は妖魔力は一番強いですが、まだ武士道精神は磨いてる途中です。私が勤めてる平安館女学校で武士道精神を磨き、覚醒すればきっと彼女たちのお役に立てると思います。そのために教師である私がいますから、ご安心ください」
「ま、疲れた時には俺の寿司を食べてくださいや。米は人間最大のエネルギー源だからね」
「皆さん……妖魔姫として感謝します」
妖怪たちのサポートが入り、少しは戦闘がしやすくなった月光花は、妖怪メダルの完成を待ちながら人々に武士道精神を思い出させるアイドル活動をする。
ひめぎくもファーストライブに向けて見習いとはいえプロデュースを全力でこなし、花柳もその成長ぶりに驚いている。
そして春が過ぎてついに花柳夫妻による新曲が多く完成し、ライブのレッスンに入りながらそれぞれ日常に入っていった。
つづく!