妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第24話 春日家の秘密

 もみじとつすみれ、そしてつばきは必殺技が効く下級罪魔たちを封印するも、中級罪魔たちには通用せず徐々に数に押されていった。

 

 完全に包囲されたもみじたちは武器を振り回すも、あまりの人数にキリがなく徐々に疲れていった。

 

 しばらくするとはなとひまわりが駆けつけ、もみじたちに合流する。

 

「おーい! みんなー!」

 

「はな先輩! ひまわり先輩!」

 

「封印技が効かない中級罪魔たちには上級封印の呪文がいいんだ! はながその呪文を知っているからはなに任せてみんなは罪魔たちを弱らせて!」

 

「しかしどうすればよいかわからぬのだ!」

 

「そんな時こそ我々妖怪を頼るのだ……」

 

「その声は立壁さん……!?」

 

 追い詰められているとはなたちが間に合い、武士道精神が源である封印技が効かない罪魔たちの対策を聞かされるも、どうすればいいかわからない時にすみれの応援しているプロサッカーチームのファン仲間の男性の声が聞こえた。

 

 彼はぬりかべという妖怪で、すみれも正体を知っている。

 

 そのぬりかべが協力してくれると聞き、すみれは安心して妖怪メダルを取り出す。

 

「立壁さん……あなたのサポートに感謝します! 妖怪メダル! ぬりかべ!」

 

 すみれはぬりかべの妖怪メダルを取り出し、光らせることで防御力が上がり、強行突破することに成功する。

 

 すみれは普段は無茶をしない性格だが、いざという時には自分から行動して前を走るので、はなはそれを見て自分も見習わないとと感心する。

 

 もみじとつばきもすみれに続こうとすると、また不思議な声が聞こえる。

 

「もみじ師匠! 僕の鵺の能力で正体不明になり、罪魔に認識されない気配をお使いください! 忍なら簡単なはずです!」

 

「冬野つばき殿、わたくしののっぺら坊には顔がありませんが、妖魔力を使う人間であれば表情を悟られにくくなります。どうかわたくしの能力をお使いくださいませ」

 

「あなたは門下生の鵺野かくれさん……! 心得ました!」

 

「よく私がお世話になっている寺院の和尚さまがまさかのっぺら坊だったとは……。だがあなたのお力をお借りします! いざ参る!」

 

 もみじの門下生である鵺は正体不明にして相手を惑わす能力があり、忍は気配を消すことで罪魔たちに存在を認識されず、気が付けば二刀に斬られて弱っていった。

 

 一方のつばきは薙刀に必要な精神力を鍛えるために座禅や修行をしているお寺の和尚であるのっぺら坊の顔が見えない能力を応用して表情を悟られなくなり、罪魔でさえ動きが読めなくなった。

 

 すみれのパワー、もみじのスピード、そしてつばきのテクニックとバランスのいい戦い方で罪魔たちは一か所に集まった。

 

 その隙にはなは筆で魔法陣を描き、封印の呪文を唱える。

 

「みんな、ありがとう! 魔封陣!」

 

「「「……!?」」」

 

 はなの上級封印呪文で罪魔たちは地面に沈み、地獄界へ封印されていった。

 

 そしてはなは罪魔の気配を探ると、もう罪魔たちは全て地獄界に戻ったことを確認する。

 

 一息ついていると、今度はオニゴロウとドクロノスケがはなを危険だと察知して不意打ちを仕掛けた。

 

「はな! 後ろっ!」

 

「え……!?」

 

「テメエは危険だ! 今すぐぶっ殺してやるぁ!」

 

「こいつの血はやばい感じがするッス! 罪魔の天敵の血を感じるッス!」

 

「そうはさせんっ!」

 

「「うぐっ……!」」

 

 はなが不意打ちで襲われていると、瞬発力のあるもみじとすみれ、そしてつばきは瞬時にオニゴロウとドクロノスケの攻撃を防ぐ。

 

 ひまわりもはなの前に立って守ろうとしていて、それを静観していたオロチマルは不敵な笑みを浮かべていた。

 

「中級罪魔をも地獄界に封印する魔封陣か……。忌々しい妖魔大王もかつて人間時代に使っていた呪文をまだ覚えてる者がいたとはな。だが父上から聞いていた時と比べ、威力は大分落ちているようだな」

 

「はあ……はあ……! さすがに走った後にこの呪文を使うのは疲れるなあ……!」

 

「はな! しっかりするんだ!」

 

「やはり連続で使うには体の負担が激しいようだな。今ここで貴様を殺せばアクドー様もお喜びになられる。ならば貴様を今すぐに……地獄界に堕としてくれるわっ!」

 

「はな先輩!」

 

 オロチマルは疲れきったはなを殺そうと刀を取りだし、はなの首を斬ろうと襲いかかった。

 

 はなもさすがにここで死ぬんだと思い覚悟を決めて身構えた。

 

 するとひまわりだけでなくもみじたちもはなを守りきり、オロチマルは弾かれた。

 

「何っ……!?」

 

「これ以上はなにだけ負担はかけさせない! はなは私たちの大事な仲間だから絶対に守るっ!」

 

「君たちは春日家に随分こだわっているみたいだけど、私たちにとっては大切なんだ。今ここで失うわけにはいかないよ!」

 

「おのれ……! 人間にそこまでの力があったとはな……! やむを得ん、オニゴロウ、ドクロノスケ……戦略的撤退だ」

 

「ちっ、兄貴でさえ攻撃が防がれるなら俺様たちじゃダメか……! 命拾いしたな下等生物ども! だが次はそうはいかねえ!」

 

「ちょっと待つッスよ~! オイラを置いていかないでくれッス!」

 

 オロチマルたちは戦略的撤退をし、疲れきったはなをひまわりは介抱する。

 

 もみじが非常食として持っていたおむすびをはなに食べさせ、少しだけ体力が回復する。

 

 落ち着いたころにひまわりはもみじたちにチャットの連絡を教えた。

 

「みんなは戦闘中で気付かなかったと思うけど、罪魔には格というものがあって今までのが下級罪魔なら今回のはより深い地獄界にいる中級罪魔だよ。それを怪しい笛と太鼓を鳴らしながら行進している集団が通った後に中級罪魔が大量発生していてね、その集団の正体を掴もうとして調査していたんだ。そこでピンチだったみんなに合流して情報を共有しようと連絡を入れたんだ」

 

「そうか、気づかなくてすまなかった」

 

「戦闘中だから仕方ないよ。それにわかばとるりが心配だ。少し休んだら合流しよう」

 

「そうですね。はな先輩、大丈夫ですか?」

 

「もう大丈夫だよ。それじゃあそろそろ行こう。先輩たちにも知らせなきゃ」

 

「はな、私の肩に掴まって歩こう。ひまわりもお願いできるかな?」

 

「もちろん! はな、掴まって」

 

「ありがとう、ひまわりちゃん、すみれちゃん」

 

「わかば……無事でいてくれ……」

 

 回復したはなはひまわりとすみれの肩に掴まり、わかばとるりのところへ向かって行った。

 

 罪魔にも格があること、はなの上級封印呪文が効くこと、それも春日家代々に伝わる呪文であることを知ったひまわりたちは、はなにこれ以上負担をかけたくないと思った。

 

 わかばとるりのためにも急いで妖魔力を察知して向かって行った。

 

 つづく!

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