妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第32話 人妖神社の変

 クリスマスシーズンを終えて年末年始が訪れ、壱年を締めくくった2018年を終えて2019年に入ろうとしていた。

 

 もちろん初詣は支社とはいえ人妖神社ですることになり、はなにとっては集客のチャンスで大忙しだ。

 

 月光花のみんなで初詣をするために鳥居前に集まり、花柳は点呼を取る。

 

「では皆の衆揃ったな。これより月光花の新たな一年を迎える記念として、はな殿の人妖神社で初詣を行う。昨年は過酷な戦いの中で学業とアイドル業、お疲れであった。今年もよろしく頼むぞ」

 

「「「はい!」」」

 

「ひめぎく殿もプロデューサー見習いから編曲担当になり、本当にご苦労であった。よく精進したな」

 

「花柳師匠の教えがよかったからですよ。私はただ必死に頑張っただけですし」

 

「ふっ、それが並の人間では難しいことだ。本当によくやった。では中に入るぞ、神社の作法は知っているな?」

 

「もちろんです」

 

「では参るぞ」

 

 花柳含め月光花は鳥居の前で一礼し、参道の左側を歩く。

 

 清めの水で左手、右手、口の中、左手、そして柄を一度の水で洗い流し、神社の本殿で神さまにお礼を込める。

 

 二礼してから手を二回叩き、そしてお礼を念じてからまた一礼する。

 

 神社の作法はこういったことをする。

 

 おみくじを引こうとすると、巫女姿のはなが姿を出す。

 

「やっぱりみんな来てくれたんだ!」

 

「はな先輩!」

 

「とてもお似合いでございますよ」

 

「はなくんはいつもこの仕事をしているのかい?」

 

「年末年始は初詣に来る人でいっぱいだから繁忙期なんだ。それに受験を控えている人もたくさん来るから大変だよ。でも神さまへの進行がまだ続いてることはうちとしてはありがたいんだ」

 

「だよね、はなの家は神社だもんね。私もはなの神さまにもっと願い事込めちゃおっと」

 

「そうだな、世界平和のためにも神さまにお願い事をしないといけないな」

 

「じゃあもう一度参拝しましょう」

 

 ひまわりを先頭にもう一度参拝することになり、はなは仕事に戻った。

 

 この神社には妖怪たちも妖魔界から訪れ、人間と妖怪の絆がより深まっていく。

 

 花柳は神社の扇子を見ていて、初代妖魔大王のデザインが描かれたことを気に入っていた。

 

 すると上空から黒い霧が現れ、明るかった空を一気に暗くしていた。

 

 あまりにも急に暗くなったものだから人々はざわつき、はなは今日の天気はずっと晴れのはずだと思った。

 

 するとアクドーの声が聞こえ、はなたちを挑発する。

 

「全ての愚かな人間どもに告ぐ。これより我々罪魔一族は人間を絶滅させるために破壊活動を行う。抵抗する者もしない者も容赦なくだ。月光花よ、抵抗するなら我々はこの地で神聖なる場所である我らが陣地にて待つ」

 

 アクドーが年始早々に宣戦布告をし、人々はパニックになって逃げ惑っていた。

 

 はなは巫女服のまま鳥居の外へ行き、そこにはひまわりたちが待っていた。

 

「ひまわりちゃん! みんな!」

 

「はな! どうやら緊急事態だね!」

 

「ついに罪魔一族が動き出したようだね……」

 

「皆の衆、覚悟はよいか? 罪魔一族が自ら赴くということは今までの戦いよりも過酷になるだろう。某は覚悟はできている。本気で世界を救いたいのならついてくるのだ」

 

「ここまで来て逃げるなんて私にはできません! 罪魔一族と決着をつけます!」

 

「これは我が春日家に伝わる因縁だとしたら……私の代で終わらせます!」

 

「それなら私も手伝うよ! 幼なじみだからじゃなく、この因縁を終わらせて白黒決着をつけさせたい!」

 

「ようやく人々も平和と武士道を手に入れようとしている。それに水を差すような罪魔一族を許すわけにはいかない!」

 

「さあ行こう。私たちにはやるべきことがあるからね」

 

「はい、わたくしたちには使命がございます!」

 

「紅葉流として破壊活動を見逃すわけにはまいりません!」

 

「決まりね、じゃあみんな行くわよ!」

 

 月光花全員覚悟を決めていて、とくにはなの面構えは長年の因縁のためか他のみんなとは違っていた。

 

 ひめぎくは覚悟が決まってなかったが、みんなの覚悟を聞いて自分も覚悟を決める。

 

「パパの仇を取るという意味でも、妖魔界の平和を取り戻す意味でも……絶対に逃げるわけにはいかないよね! 戦えるかわからないけど私もついて行く!」

 

「ひめぎくちゃん……わかった!」

 

「皆の衆、参るぞ!」

 

「「「はいっ!」」」

 

 ひめぎくも覚悟を決めて戦うことになり、みんなで人妖神社の本社へ向かった。

 

 花柳がワゴンカーを出して頂上まではなたちを送迎する。

 

 しかし道中で大勢の人々が立ちはだかり、道を邪魔していたのだ。

 

「すまないが急いでいるのだ。そこをどいてはくれぬか?」

 

「ここを通すわけにはいかない。我々は罪魔一族を崇拝する罪魔教だ。人間が存在する限りこの罪は永遠だ。罪を償うためには絶滅してもらう義務がある。よってここを通ろうとするのなら、押し通れ」

 

「こんな時に……!」

 

「みんな……私が相手になるよ!」

 

「ひめぎく無茶よ! あんなに大勢の人々をたった一人で相手だなんて!」

 

「否、ひめぎく殿だけではない。某もひめぎく殿を支援する。某には罪切という伝家の宝刀がある。その刀で罪魔力を断ち切る」

 

「わかりました。お二人ともどうかご無事で! みんな、行きましょう! リーダーとしての命令ではなく、花柳先生とひめぎくの分まで罪魔一族を止めましょう!」

 

「オッケー!」

 

「それじゃあまずは……正面突破といこうか」

 

「心得た! すまないがそこをどいてもらおう!」

 

 月光花はすかさず変身のために笛を吹き、壁になっている信者の人々を強引に薙ぎ払って正面突破する。

 

 ひまわりが的確な指示でみんなを動かし、花柳が斬りかかりながら7人は全員突破することができた。

 

 花柳とひめぎくは残って罪魔教の人々と戦う。

 

 つづく!

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