妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第40話 化身召喚

 アクドーの過去を知った月光花は武器を手に取り、アクドーと睨み合いになる。

 

 アクドーも人間を滅ぼすために最初から全力を出し、月光花を葬り去ろうと力づくで攻撃を仕掛ける。

 

「貴様らが人間の味方をするならここで葬り去ってみせよう!」

 

「そうはさせないよ! はな! 援護をお願い!」

 

「わかった!」

 

「そんな矢ごときで我が倒れると思ったのか! この間抜けめっ!」

 

「そうだね、はなの矢はただの囮だしね……」

 

「ほう?」

 

「いくわよっ!」

 

 はなは矢を連射してアクドーを牽制し、威力こそ弱いものの気を引くことに成功する。

 

 その隙にわかばが火縄銃で胸部を打ち抜く。

 

 しかしアクドーは強靭な肉体で弾丸を弾き返す。

 

「悪くない策だが我に通用すると思うか?」

 

「一発逆転でもダメか……!」

 

「それならスピード勝負です! すみれ先輩!」

 

「私たちのスピードについてこれるかい?」

 

 二刀の刀を持つもみじと杖を振り回すすみれはパワー勝負がダメならスピードで勝負と言わんばかりに動き回っては何度も攻撃の隙を窺う。

 

 すみれは力もあるので一発当てることに成功するも、杖では威力不足でもみじの斬撃が頼りとなる。

 

 もみじは左手の刀で攻撃を受け止め、右手の刀でアクドーに斬りかかる。

 

「この男の心の闇は強すぎます……!」

 

「それほど人間を憎むには何か理由がありそうだね……!」

 

「スピードも悪くはないが、我の動体視力は妖怪をも超えているのだ! 簡単に捉えられると思うでない!」

 

 もみじとすみれの自慢のスピードもアクドーには遅く見え、攻撃はことごとく防がれてしまう。

 

 しかしもみじとすみれは希望を捨てておらず、チャンスをうかがっている様子だった。

 

「スピードタイプが私たち二人だけだと思うかい?」

 

「そうだったな……扇子の小娘もいたな」

 

「わたくしを忘れてもらっては困るのでございますよ! 流水の鼓動っ!」

 

「うっ……!」

 

 るりは今まで魔力を溜めており、溺れさせようと川の水がアクドーを飲み込む。

 

 アクドーは最初こそもがいたが、徐々に慣れてきたのか水を弾き返した。

 

「わたくしの渾身の攻撃が効かないのでございますか……!?」

 

「妖怪の力など我の力と比べたらちっぽけなものよ!」

 

「本当に罪魔の将軍というわけだね……!」

 

「まだパワー勝負があるよ! ひまわりの作戦ももみじのスピードも無駄じゃないからね!」

 

「ひめぎくさん!」

 

「アクドー! すまないがお前の野望を止めてみせる!」

 

「自分のエゴで人間を滅ぼそうとするなんて……この世界を地獄界のようにはさせないんだから!」

 

「妖魔大王の娘はもう復習よりも人間界を救う方に行ったか……。我に対する憤怒を乗り越えたようだな」

 

「悪いけどパパの仇である事には変わらない。でもパパだけじゃなく、妖怪たちや人間たちもあなたのエゴで犠牲になってる……。アクドー、あなたに殺されたみんなの仇をここで取ってみせるんだからっ!」

 

「ならばそれを証明してみせるがいい! 忌々しい春日の血を引く小娘はここで根絶やしにしてくれよう!」

 

「そんなことはさせないぞ! 私たちを忘れてもらっては困る!」

 

「貴様の薙刀の腕は確かなものだな。だが……ぬるいっ!」

 

「なっ……!?」

 

 つばきの斬撃も簡単に受け止め、さらに薙刀を強引にへし折ってつばきの腹部に衝撃波を当てて吹き飛ばす。

 

 ひめぎくも金棒を簡単に止められて圧倒的な力で蹴り飛ばし、ひめぎくをも遠くへ飛ばす。

 

「技も力も速さも私たち以上だなんて……!」

 

「人間や妖怪以上のパワー……その代償は大きいはずだよ……?」

 

「代償など既にわかっておる……。この魂が消滅してでもこの人間界を滅ぼすのだから関係ない。我は紙をも超える存在となり、人間が二度と現れぬよう新世界の神となるのだ!」

 

 アクドーの野望は人間界を滅ぼし、人間が現れない新世界の神となりアクドーにとっての極楽浄土を創り上げることだ。

 

 生きたまま罪魔となった代償は魂が完全に穢れ、最終的には消滅してしまうというリスクを犯してでも本気で人間を滅ぼそうとしていた。

 

 はなは苦しみながらも立ち上がり、全員を集めて陣形を取る。

 

「みんな……修行の成果をここで見せる時だよ……?」

 

「あれだね! わかった!」

 

「ダイダラボッチさん、あなたの御力をお借りします!」

 

「急いでいたから練習する暇がなかったけど、ここで使うんだね」

 

「今は緊急事態だ。やるしかないだろう」

 

「はい、覚悟は決めたのでございます」

 

「みんな、いこう!」

 

「ええ! みんなの神通力を一つに!」

 

「「「化身よ! 我らに力を与えたまえ!」」」

 

 はなたちは神通力をようやく使い、背中から甲冑姿のからくり人形のようなものが現れる。

 

 そう、化身とは武士道精神そのものの姿で武士型のロボットのようなものだ。

 

 大きさは成人男性ほどでそれぞれの武器を手に持っている。

 

 化身がはなたちの背中から離れ、はなたちは念じながら化身を動かす。

 

「化身の動かし方は私たちの武士道精神と妖魔力、そして神通力の三つの力のバランスが大事だよ!」

 

「心得た!」

 

「ここから反撃開始よ!」

 

 化身を召喚したはなたちは念じながらアクドーに攻撃を仕掛ける。

 

 アクドーは化身をはじめて見たからか化身の攻撃に手こずる。

 

 徐々に追い詰められたアクドーは目つきを変え、はなの化身の右腕を掴み胸部に殴りかかる。

 

「貴様ら……化身を出せるほどにまでなったとはな! 貴様らの武士道精神は褒めてやりたいが甘いぞっ!」

 

「うぐっ……!?」

 

「どうしたのでございますか!?」

 

 はなの化身が胸部を殴られると、はなも胸部に激しい痛みが生じてしまう。

 

 はなは胸の痛みで息が苦しくなりうずくまってしまう。

 

 そしてはなは重要な弱点に気付く。

 

「化身がダメージを負うと自分にもダメージが伝わるんだ……!」

 

「何ですって……!?」

 

「じゃあ圧倒的力の代償ってことだね……!」

 

「でもそうでもしないとあのアクドーには勝てないのは事実だ」

 

「でも生身でダメージを負うよりは痛みはマシみたい……。もし生身で殴られたら死んでたかも……」

 

「ダメージも軽減させてくれるなんてさすが化身でございますね」

 

「きっと甲冑が私たちを守ってくれたのだろう」

 

「弱点がわかった以上は気をつけながら戦うしかないわ。みんな、いくわよ!」

 

 化身の弱点は痛みこそ軽減されるが、化身にダメージが通ると自分にまで痛みが伝わるという弱点を発見する。

 

 それでもダメージは生身で挑むよりは軽く、はなは自分の無事に感謝をする。

 

 化身を出し続ければ当然力を使うので疲労も激しく、早めに決着をつけなければならないのも弱点でもある。

 

 しかしアクドーにも着実にダメージは与えていて、アクドーも徐々に息が荒くなっているのをひまわりは確認する。

 

「みんな! 確かに化身にもリスクはあるけど、今まで傷一つも付けられなかったアクドーに化身の攻撃でダメージが通っているよ! 化身を使ったことは無駄なんかじゃないんだ!」

 

「なるほどね、それだけでも十分いい情報だよ。ありがとう、ひまわりくん」

 

「えへへ、私だってただのバカじゃないんだよ?」

 

「ひまわりちゃんは学力が低いっていうけど、名紫大学レベルなら首席で入学できるもんね」

 

「そうね、名紫大学も覇世田や帝応と比べる取ってだけで普通の人にとっては学力が高いもの」

 

「それにひまわりさんの頭のよさは学力だけでなく、機転の早さと作戦考案力でございます」

 

「ひまわり先輩の作戦に何度も助けられましたから自信を持ってくださいね!」

 

「みんな……ありがとう! それなら化身を使った作戦があるんだ!」

 

 ひまわりは化身を使い続けたことで作戦を思いつき、はなたちに作戦の様子を話す。

 

 それは罪魔封印の筆で封印の陣を作り、8人の力で地獄界から二度と抜け出せないように封印をすることだ。

 

 そのためには8人の得意分野でアクドーを魔方陣まで誘い込み、完全に封印するのだ。

 

 月光花の作戦はここで遂行される。

 

 つづく!

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