妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第41話 絆

 ひまわりの作戦でアクドーを封印すべく化身で魔法陣まで誘い込む。

 

 化身にはダメージを負うと自分自身にもダメージが通るのでそれなりに高いリスクを背負っている。

 

 しかし神通力で少しだけ回復することは可能で、神通力をいかにうまく使うかがカギとなった。

 

 スピードに自信のあるもみじが率先して動き、すみれとひまわりももみじのサポートをする。

 

「アクドー! お前を必ず封印してみせるよ!」

 

「はな先輩やひめぎくさんのご先祖様の分まで、この紅葉もみじ封印の手助けをします!」

 

「あなたを再度地獄界に封印し、世界に平和をもたらしてみせるっ!」

 

「ほう、やれるものならやってみるといい!」

 

 肉体が大きくなりパワーも増したアクドーは力任せに攻撃を続け、もみじたちの動きに合わせて確実に攻撃を当てる。

 

 化身がダメージを軽減させているが、あまりダメージを受けすぎると自分の体にも影響が出る。

 

 そのためにははなとわかば、るりの遠距離攻撃による牽制が欠かせないのだ。

 

 ひめぎくとつばきのパワー型はアクドーに直接攻撃を仕掛け、紅葉たちを見ようとするアクドーに隙を与えようとする。

 

 そしてついにアクドーははなが作った魔法陣へと足を踏み入れた。

 

「今だよはな!」

 

「しまった……!」

 

 魔法陣に入ったアクドーは力が抜け、はなの唱える呪文に反応してアクドーを地獄界に引きずり降ろそうとする。

 

「アクドー! あなたをここで封印するからね! 暗黒の罪魔に支配されし罪深き者よ……自身の行いに懺悔し還るべき場所へと還り――」

 

「させぬわっ!」

 

 アクドーはまだ抵抗を続け、そして圧倒的な罪魔力で魔法陣を強引に破壊する。

 

 そしてアクドーは脱出に成功し、はなは驚きのあまりに動けなくなってしまう。

 

 究極の封印魔法陣に入ったにもかかわらず、パワーアップしたアクドーには一歩及ばなかったのだ。

 

「そんな……!」

 

「貴様らのやろうとしていることなどお見通しなのだ! だが……正直危なかったことだけは褒めてやろう」

 

「あれを返されたら打つ手が……!」

 

「はなさんほどの神通力でもダメでございますか……!?」

 

 はなの究極封印魔法でもアクドーに通じず、月光花に諦めムードが漂ってしまう。

 

 空気が悪い中でもただ一人だけは諦めていなかった。

 

「まだよ! だったらアクドーを私たちの手で倒し、西暦時代からの因縁を終わらせるまでよ!」

 

「わかば……」

 

「しかしわかばよ……はなの封印魔法が効かなければ打つ手は……」

 

「リーダーの私が諦めたら、誰がみんなを士気するの? 私たちは闇に隠れ、夜を照らす月の光。そして闇夜に咲き誇る一輪の花の月光花だから、諦めたら花は咲かないのよ!」

 

「「「っ……!」」」

 

 わかばは絶望的な状況にも関わらず諦めておらず、たった一人でアクドーに向かって何度も銃で攻撃をする。

 

 わかばの諦めない心には武士道にも通ずるところがあり、諦めて何もかも終わらせようとした自分たちが恥ずかしくなった。

 

 武士道を思い出し、はなたちはギリギリの体力でも立ち上がった。

 

「私たちのリーダーが諦めないのなら……私たちだって諦めちゃダメなんだ……」

 

「作戦の一つや二つがダメなら……三つ目の作戦を考えるまでだよ!」

 

「自分の弱さに負けて紅葉流忍術の継承者として失態を犯しましたね……ですがもう負けません!」

 

「わかばくんの諦めない武士の心……しかと受け取ったよ!」

 

「親友が頑張っているのに……私が何もせずにはいられない!」

 

「先輩として情けない姿をお見せしましたが……今度はわたくしが諦めないのでございます!」

 

「パパ、ごめんなさい……。私は復習にとらわれすぎちゃってた……。でも今は……最高の仲間と共に武士道を進めることを誇りに罪魔に勝ってみせる!」

 

 月光花の武士道精神に反応し、化身たちはさらにパワーアップを果たす。

 

 化身たちの刀からはそれぞれの魔法属性のエレメントが現れ、化身に大きな力を引き起こす。

 

 先頭を切ったのは炎の刀を振るひまわりだ。

 

「考えるだけじゃなく、時には突っ込むよ! くらえっ!」

 

「ぐっ……!」

 

「よし! 効いてるよ!」

 

 ひまわりの槍による叩きつけがアクドーにダメージを与え、はなたちも続いていく。

 

 化身の攻撃が通るようになり、アクドーは次第に焦り始める。

 

 アクドーの攻撃はすみれの杖により振り回しとつばきの薙刀による薙ぎ払いで防ぎ、わかばの火縄銃は今まで以上の威力でアクドーを貫通する。

 

 ひめぎくの重い一撃はアクドーの頭上を叩きこみ、はなの弓による連射で矢を突き刺した。

 

「おのれぇっ! 下等生物の分際で悪あがきなどしおって!」

 

「人間は罪を犯すかもしれないけど、その分成長することを忘れたら困るよ!」

 

「ならば人間などいなくても地球は美しいことを証明してみせよう! ○△◇□☆~っ!!」

 

 アクドーはあまりにもおぞましい叫び声を発し、はなたちの鼓膜を破壊していく。

 

 しかしひめぎくはアクドーの叫び声に青ざめ、アクドーはひめぎくの顔を見てニヤリと微笑む。

 

「マズいかも……!」

 

「え……?」

 

「あの罪魔の叫びは妖怪を洗脳させる厄介な禁術で、何度も妖怪たちが洗脳されて人間に悪いことをさせてきたものだよ! 幸い中世の人間が強くて退治できたからよかったけど文明が栄えて力が弱まった現代人ではもう対抗できない……!」

 

「そんな……!」

 

「それに妖怪たちが洗脳されたら妖怪メダルも黒くなり、二度と使えなくなるんだ……!」

 

「嘘でしょ……!?」

 

 アクドーの叫び声にひめぎくは絶望し、ついに人間を滅ぼすために妖怪たちを洗脳し始める。

 

 妖怪との絆を深める巫女として役目を果たすはなにとっては非常に痛手となり、このままでは人類は滅びるかと思えた。

 

 しかし妖怪メダルは黒くなるどころか黄金に強く輝き始める。

 

「何っ!?」

 

「わっ!?」

 

「妖怪メダルが光ってる……?」

 

「みんな見て!」

 

 妖怪メダルが黄金に光ったと同時に嵐山にたくさんの人々が駆け寄ってきた様子をひまわりは指をさす。

 

 そこにはたくさんの人間だけでなく妖怪たちも駆けつけていて、はなたちにとって顔見知りの妖怪が月光花を応援していた。

 

「月光花のみんな! 頑張れ!」

 

「みんなの武士道は私たちの心に刻み込んだわ!」

 

「立ち上がれ月光花! 罪魔なんかに負けるでない!」

 

「ハヤテ兄さん!」

 

「寿司屋の大将も!」

 

「まさか雪代先生!?」

 

「それに街のみんなも来てくださったのでございますね!」

 

 人間と妖怪の深い絆を破壊しようとしたアクドーの叫びは届かず、むしろ絆をより深いものにさせていた。

 

 月光花のみんなはその光景に感動して涙ぐんでアクドーを睨む。

 

「あの禁術の叫びを聞いた時は洗脳されかけましたが、二度とそのような禁術に支配されません事よ」

 

「うんうん! 若いお嬢さんたちが頑張ってるのに、俺たち妖怪が負けてたまるもんか!」

 

「はなちゃん! 僕たちも一緒に戦うよ! だから武士道精神、妖魔力、そして神通力を思う存分発揮して!」

 

「はいっ!」

 

「妖怪共も下等生物の味方をするならばもう用はない! 全員皆殺しにしてくれるわっ!」

 

「しばし待つのだっ!」

 

 アクドーは妖怪たちが人間の味方をすることに憤怒し、ついに妖怪をも人間と同時に皆殺しにしようとする。

 

 その瞬間に弱り果てているが勇ましい男性の声が聞こえる。

 

 月光花と街の人々が向けた視線には、傷だらけの花柳と、花柳を介抱する妻の千代とかつての教え子の輝夜だった。

 

「はあ……はあ……!」

 

「「「花柳先生!?」」」

 

「師匠! どうしてここに!?」

 

「話は後だ……。皆の衆、よく聞け……。魂まで罪魔となった人間はもう二度と人間には戻らぬ……。殺生をすることになるが……二度と転生できぬよう……輪廻から解放させるためにアクドーを討伐せよ……!」

 

「しかし先生! アクドーの罪魔力はすさまじいものです!」

 

「ならばアクドーの妻と……初代春日兄弟が遺した最後の切り札を伝授する……。それは……皆の衆の化身を合体させ……最後の一撃である『妖魔月光斬』をアクドーに放つのだ……! 代々花柳家でも……春日家でも……妖魔大王一家でさえも使いこなせなかった究極最終罪魔封印魔法だ……!」

 

「そんな魔法聞いたことないよ!?」

 

「紅葉流にもそのような技は……」

 

「紺野流でも聞いたことがございません」

 

「パパから何も聞いてないなあ……」

 

「私は知ってるよ! 今もずっと修行しているけど今だに使いこなせたことがないけど……」

 

「「「!?」」」

 

 花柳がアドバイスした究極封印魔法は誰も聞いたことがなく幻の罪魔の浄化魔法だった。

 

 しかしはなだけは唯一知っていて、修行を重ねていたが未だに使えたことがなかった。

 

 はなにとってはぶっつけ本番で、とてもプレッシャーが大きくのしかかった。

 

 その究極魔法を果たして使えるのか?

 

 つづく!

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