妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第45話 入学式

 4月に入り、アイドルとしても順調なスタートを切って京都で一番の売れっ子アイドルとなる。

 

 さらにるりが生徒会長に就任、わかばとつばきで副会長になるなど学業でも文武両道を貫いていた。

 

 そんな中ではなとひまわり、すみれは高等部の入学式を控えていた。

 

「おはよーはな!」

 

「ひまわりちゃんおはよう」

 

「見て! 高等部の制服だよ!」

 

「紫を基盤とした袴制服だね。似合ってるよ」

 

「はなも大人になった感じがするよ!」

 

「えへへ、そうかな?」

 

「そうだよ! 中等部では桜色の着物にあずき色の袴だったから女の子らしさはあったけど少しだけ幼さがあったからね」

 

「確かにそうかも。今は薄紫の着物に紫紺の袴だと大人になった感じはするよね」

 

「うんうん、私はこの制服好きだな」

 

「私もだよ。それにすみれちゃんも高等部だから会ってみようよ」

 

 高等部の制服はつばきやわかば、るりが着ていた袴制服で、中等部と比べると紫色を基盤としているためか大人の雰囲気がある。

 

 平安館大学のスクールカラーは京紫なので紫は平安館では名誉の証なのだ。

 

 実際に西洋のスポーツのユニフォームはほとんどが紫をベースにしていて、とくに野球部は京紫軍団と呼ばれている。

 

 その平安館女学校高等部の校門をくぐろうとすると、そこにはすみれがいた。

 

「おはようすみれちゃん」

 

「おはようはな君、ひまわり君」

 

「おはよー! やっぱりすみれは紫が似合うなあ」

 

「私の好きな色が藤色だからかもしれないね」

 

「それ関係あるー?」

 

「さあね」

 

「すみれちゃん、高等部の制服だとよりカッコよさが増したなあ」

 

「そう言われると照れるよ」

 

「ふふっ、じゃあ三人で高等部生活をエンジョイしよう!」

 

 はな、ひまわり、すみれは高等部の入学式に参加し、そしてクラスも三人とも同じなので行動を共にしやすくなった。

 

 勉強内容はさらに難しくはなっているが、それでもはなとすみれにとっては問題なくこなしている。

 

 ひまわりは苦戦をしているが、それでもちゃんとついていけている。

 

 実際ひまわりの学力は覇世田や帝応義塾は真ん中くらいだが、名紫や神宮学院、王政レベルでは主席も取れるほどの学力だ。

 

 そのため平安館の授業にもついてこれるのだ。

 

 授業を終えてすぐにつばきたちに遭遇し、会釈を交わす。

 

「ごきげんよう、つばき先輩」

 

「うむ、ごきげんよう」

 

「ひまわりちゃん、一応学校内では礼儀正しくね?」

 

「さすがにアイドルの時と学校の時くらいは使い分けてるよ」

 

「ふふっ、そう硬くなるな。私はアイドルの時と同じ接し方で構わないぞ」

 

「と言ってもつばき先輩、学校の先生の目というものがあって……」

 

「そういえばひまわりは世間の目を気にするタイプだったな。なら学校の敷地内では礼儀正しくし、外に出たらいつも通り友達感覚でいるといい」

 

「承知いたしました」

 

 ひまわりは意外にも周りの目や声を気にする性格で、ちゃんと礼儀もわきまえられる普通の女の子だ。

 

 実際にひまわりの機転のよさは芸能界の礼儀にも取り入れられていて、お偉いさんとの交流も礼節がしっかりしていると言われるほどだ。

 

 花柳も機転のよさによる礼儀正しさを評価していて、自分自身にも最初はそんなだったと思い出すほどだ。

 

 

 はな、ひまわり、すみれは生徒会室へ足を運び、昼食を取って雑談を交わした。

 

 一方こちらは中等部、もみじとひめぎくは中等部の最高学年として中等部を仕切り、ひめぎくは妖魔大王なので生徒会や部長などには就任せず、もみじが生徒会長として仕切っている。

 

 昼食ではもみじの招待でこちらも生徒会室でひめぎくが食事を取っていた。

 

「ひめぎくさんは妖魔大王として多忙だと思われますが、副会長を引き受けてお体は大丈夫ですか?」

 

「お気遣いありがとう。でももみじだってヤマタノオロチだから生徒会長までやらなくてもいいのに」

 

「ふふっ、ご心配なく。実は私は剣道部の部長も兼任しているのですよ? それに紅葉流忍術の師範の資格も得ました」

 

「おお、すごいね。剣道と忍術では勝手が違うのによく対応出来るね」

 

「こういったものは常に鍛錬を積むものですよ。長きにわたる鍛錬を積めば多忙でも淡々とこなせるものです。ですが妖魔大王ともなれば妖魔界全てを束ねるので私よりも多忙なはずです」

 

「確かに言われてみればそうかも。本当に気遣ってくれてありがとう」

 

 もみじは生徒会であり紅葉流忍術の師範、そして剣道部の部長と三刀流をしている。

 

 さらにひめぎくも妖魔大王でありながら生徒会副会長を引き受け、プロデューサー見習いから新人プロデューサーへと成長している。

 

 月光花は新たなスタートを切ることとなり、放課後に全員部活がないので事務所へ向かう。

 

 事務所の社長室には花柳がリハビリをしていて、妻の千代が松葉杖代わりになっていた。

 

「「「花柳先生、おはようございます!」」」

 

「うむ、おはよう。皆の衆、新たな学校生活には慣れたか?」

 

「まだ一日目ですよ? 慣れはまだですよ」

 

「うむ、そうだったな。では本題に入る。月光花の今年の目標は……実は8月に行われるアイドルサマーライブの出演依頼が届いた。このライブに参加することは名誉あることだから誇るとよいぞ」

 

「アイドルサマーライブって、あの今売れてるアイドルたちが集まってライブをするやつですよね!? やったー!」

 

「喜ぶのも無理はない。某だって嬉しいのだからな。だからこそ武士道を進むアイドルとして世の手本となり、そして学業もきちんとこなすようにするのだぞ」

 

「「「はい!」」」

 

「花柳師匠、もう一つ私からお知らせがあります」

 

「焔間殿か、よいぞ」

 

 ひめぎくが突然お知らせがあると花柳に報告し、花柳の許可でお知らせを発表する。

 

「実は10月にイギリスのロンドンでアイドルワールドカップが開かれることが決まりました。そこで私のところに『月光花にはシードで出場してほしい』というオファーが届きました。二年に一度の大規模なライブで、かつてスマイリング娘。が三連覇をするなどの伝説もあり、日本代表ということで非常に期待されています。出場するかどうかは皆さんにお任せします」

 

「なるほど……2年目にして世界にまで評価されるほどとなったのだな」

 

「アルコバレーノもSBY48もまだ成し遂げていないアイドルワールドカップに出場できるなんて……!」

 

「ひまわりちゃん、そんなにすごいことなの……?」

 

「すごいも何も、招待されないと出場できないすごく名誉なことだよ! アイドル好きなら誰もが憧れる世界のステージなんだ! かつてはスマイリング娘。も出場していて、3連覇も成し遂げるほどの伝説を残していたんだ!」

 

「そんなすごいライブに出場できるなんて夢のようだね」

 

「だからこそ気を引き締めていきましょう。私たちが日本代表に選ばれたって事なんだから」

 

「うむ、常盤殿の言う通りだ。皆の衆、今年も月光花らしく清く正しく美しい月光浴びし花となるのだぞ」

 

「「「はい!」」」

 

 月光花2年目となる新暦2019年は幸先のいいスタートとなり、月光花にとって大きなモチベーションとなる。

 

 アイドルワールドカップという年に二年に一度行われる世界規模のライブの出演が決まり、気を引き締めつつも日本代表に選ばれたことを誇りにスタートを切った。

 

 こうして2019年度の月光花が始まるのです。

 

 つづく!

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