妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第63話 化神の力

 月光花はザイマノミコとの最終決戦に挑み、睨み合う中で先に仕掛けたのはつばきだった。

 

 つばきが先制攻撃で薙刀から吹雪を出し、ザイマノミコの胸元に斬りかかる。

 

 それでもザイマノミコはつばきの攻撃を受け止め、薙刀を風圧で弾く。

 

「なるほど、弱体化しているとはいえやはり一筋縄ではいかないようだな!」

 

「私の力が弱まったのは汝らが無間地獄で罪魔たちを浄化したせいということですね。ですが人間が死に絶える限り罪魔は増え続けるででょう。現代人はかつての人間ほど罪魔力に侵されていませんが、それでも充分地獄界に堕ちる要素は控えています。その邪魔をするなどさせません」

 

「そうやって破壊を催促させないんだから! みんな! ザイマノミコは罪魔たちの罪魔力を魔力としているはず! 妖魔力と武士道精神を強く持って化神を使おう!」

 

「「「うんっ!」」」

 

 ひまわりの作戦立案で化神を使い、それぞれの神が姿を現して憑依する。

 

 すると武士道精神と妖魔力に反応し、武器も魔力も強化される。

 

 はなとわかばは援護射撃に集中し、るりは近距離と遠距離を使い分け、ひめぎくとすみれで力押しをし、ひまわりとつばきでリーチを利用する。

 

 もみじはザイマノミコの力を鑑定し、ひまわりに耳打ちで伝える。

 

「ひまわり先輩、奴の攻撃パターンは素手による魔力が中心です。私たちが備えてる魔法属性を全て使いこなしますが、一番得意なのは炎と氷属性です」

 

「無間地獄の灼熱と極寒の魔法だね。となれば私とつばきがキーマンって事かな?」

 

「はい、ひまわり先輩とつばき先輩の化神がカギを握っています。ひまわり先輩の頭脳で私たちを導いてくださいね。もちろん私たちもサポートしますし、他にいい作戦があったらお伝えます。ひまわり先輩にだけ負担はかけさせません」

 

「オッケー、ありがとう。じゃあ私の作戦は……もみじのスピードが一番必要だよ! もみじ、二刀でザイマノミコの動きを惑わしてくれる?」

 

「心得ました。るり先輩も呼んでもよろしいですか?」

 

「なるほど、了解!」

 

「るり先輩!」

 

「はい!」

 

 もみじの作戦は両手で武器を持つるりを呼び、二つの武器でザイマノミコの動きを封じ、ひまわりとつばきの化神でトドメを刺す作戦に出る。

 

 そのためもみじはるりを呼び、るりに作戦を耳打ちで伝える。

 

 るりも作戦を理解して頷き、作戦を実行する。

 

「皆さま! わたくしたちがザイマノミコの動きを封じるでございます! 皆さまはダメージを与えることをお願いするでございます!」

 

「るり! いい作戦が浮かんだのね!」

 

「じゃあお任せします!」

 

「任されました! るり先輩、参りましょう!」

 

「はい!」

 

 もみじとるりは二つの武器を握り、ザイマノミコの周りを動き回りながら攻撃をする。

 

 小回りが利く二人なので目線をも惑わし、ひめぎくとすみれの一撃の重さ、はなとわかばの遠距離攻撃で徐々にザイマノミコにダメージを与え続けた。

 

 つばきとひまわりは一か所に集まり、三つの力を溜め込む。

 

「ひまわり、私を指名するとはどういうことだ?」

 

「灼熱には私の炎で、極寒にはつばきの氷で対抗し、それを上回ればザイマノミコのパニックになるはず。その隙に8人全員の化神で合体技をぶつけるんだ。シンプルだけど小手先よりも勝つ確率は高いと思うよ」

 

「なるほど、真っ向勝負で白黒つけるということだな。そういうことならば私も協力しよう」

 

「さすがつばき、私より理解力あるね! よーし、まずはバレないように三つの力を溜め込もう!」

 

「ああ、わかった!」

 

 ひまわりとつばきは三つの力を溜め込むことに集中し、はなたちはザイマノミコに地道にダメージを耐え続けている。

 

 するとだんだん余裕がなくなってきたのか、もみじとるりの牽制についていけなくなってくる。

 

 しかしるりももみじも動き回り続けたせいか疲れが目立ち始める。

 

「そろそろ限界でございます……!」

 

「先輩方、どうですか!?」

 

「ひまわりちゃん!」

 

「おっまたせー! これで白黒決着つけてやるよ! おいで、ウケモチ!」

 

「ザイマノミコ! 覚悟するがいい! 出でよ、スサノオ!」

 

「まさか……! ならば灼熱と極寒の地獄を味わい、二重の苦しみを味わいなさい!」

 

 ザイマノミコはひまわりの作戦に気付き、頭に血が上ってしまって炎と氷の究極攻撃を仕掛ける。

 

 ひまわりとつばきは化神を召喚し、最後の一撃を込める。

 

「「いくぞ!」」

 

「そうはさせません!」

 

「みんな巻き込まれないように離れて!」

 

「感謝するぞわかば! ゆくぞ! 氷雪斬!」

 

「くらえ! 煉獄火炎!」

 

「返り討ちにして差し上げましょう! 氷炎落とし!」

 

 ザイマノミコはひまわりに右手で地獄の業火、つばきに左手で地獄の吹雪を繰り出す。

 

 ひまわりとつばきはザイマノミコの罪魔力に圧倒されるも、ひまわりにすみれとるりとはな、つばきにわかばとひめぎくともみじが背中を押して衝撃に備え支える。

 

 はなたちも負担に耐えるべく化神を憑依させ力を溜める。

 

「汝らは地獄の業火に焼かれ、そして吹雪によって凍てつきなさい!」

 

「そうはさせないぞ! 人間の心の強さをあまりなめないほうがいい!」

 

「ザイマノミコの思い通りになって世界を破壊なんてさせないよ! 私たちは……武士道を重んじる月光花だから!」

 

「うぐっ……!」

 

 ザイマノミコは罪魔たちが激減したことで弱体化したことがこの瞬間でようやく実感し、ひまわりとつばきに押され始める。

 

 そこでわかばとはなは背中から離れて射撃でザイマノミコに小さなダメージを与え、集中力を切らさせた。

 

 気を取られているうちに全員で化神に魔力を込め、ザイマノミコに全員で協力技を出す。

 

「みんな! そろそろいくわよ!」

 

「「「百花月光斬!」」」

 

「ぐわぁーーーーーーっ――!」

 

 化神が一つの刀となってはなが刀を取り、ひまわりたちで背中を支えて一刀両断する。

 

 ザイマノミコは刀身に直撃し、真っ二つに斬られ勝利したかに見えた。

 

 しかし真っ二つに斬られたにも関わらず生きていて、そこからまた体が元に戻る。

 

「敵ながら天晴……。しかし残念なことに私はまだ力を隠していたのです。ですがこのような本気の姿は醜く、そして理性が制御出来なくなるのであまり使いたくはありませんでしたが、人間どもを滅ぼすのになりふり構ってられないでしょう……。あなた方は私に本気を出させ、破壊本能に従う私に負けることを後悔することになるでしょう……うっ! うおぉーーーーーーーーーーーっ!」

 

 ザイマノミコは復活したかと思えば額にある第三の目をくり抜き、どす黒い血を流しながら悲鳴を上げる。

 

 その血は身体中を飲み込み、徐々に城が壊れるくらいに巨大化していった。

 

 がれきに潰されかけた時に黄泉馬たちが駆けつけ、はなたちを強引に乗せて外へ避難する。

 

「みんな! もう大丈夫なの!?」

 

(もう大丈夫だ! それよりもいいから乗れ! ここはもう危険すぎる! 振り落とされるなよ! はっ!)

 

 黄泉馬たちははなたちを強引に口で咥えて背中に乗せ、全速力で外へ避難するように走る。

 

 城が崩れ去った後にザイマノミコは黒い巫女服から巨大な戦国の甲冑姿へと変え、顔はドクロになり、体は鬼のように筋肉質、翼はカラスのようでダイダラボッチをも凌ぐ大きさで踏み潰そうとする。

 

 そして破壊衝動に駆られてしまい、城の敷地から出て京都中を破壊しまくった。

 

 巨大化したザイマノミコは罪魔力に完全に支配され、破壊しつくそうと暴れ回ってしまった。

 

 つづく!

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