妖魔使い・月光花 リメイク   作:赤月暁人

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第73話 アイドルオリンピック

 ついに日本武道館でアイドルオリンピックが開催される年末となる。

 

 年末ということで紅白歌合戦に出場辞退したアイドルグループは月光花も含め4グループもいる。

 

 ソロ部門では天才である茶山くるみを破った白銀雪子。

 

 デュエット部門では双子のメイドアイドルの今川メイドリーミング、トリオ部門ではイギリスのアイドルのビートラビッツが優勝をする。

 

 そして一番の花形である4人以上で行われるグループ部門だ。

 

 グループ部門では月光花の花柳小次郎を筆頭に、SBY48を地下アイドルから名門に伸し上げた秋山拓也。

 

 アルコバレーノや白銀雪子、茶山くるみを育て上げた黒田純子。

 

 スマイリング娘。を創り上げ過去の王者に輝かせたるんくと最高のプロデューサーと名高い4人と、アイドルのレジェンドである桃井花恋が審査員となる。

 

 そんな名だたる審査員ばかりでアイドルたちは緊張が漂う中で、ひまわりだけはリラックスしている。

 

「ひまわり、あなたどうしてそんなに平気そうなの?」

 

「これでも緊張しているよ。だけど私たちは実力だけでなく、ファンの支えがあってここまで来れたんだもん。緊張で潰れたらファンに申し訳がないよ」

 

「なるほど、ファンの期待に応えるためにもいつも通り歌うだけ、ということだね」

 

「そういうこと! まあこんな大きなステージで緊張するなって無理だけどね」

 

「そうだな。これだけ大きなステージともなるとプレッシャーもあるだろう。どんなレジェンドでもな」

 

「うん、私たちは京都だけでなく日本の代表でもあるからしっかりやっていこうね」

 

「はい!」

 

 月光花は元々はローカルアイドルという地下アイドルに近いものだったが京都で妖魔使いとしての功績もあり、世界中で和物アイドルとしての実力も知名度も上げ、ローカルアイドルを超える存在となった。

 

 さらに妖魔界からもサポートもあり、人気は欧米を中心に急上昇となっている。

 

 そしてザイマノミコと戦う前にはアイドルワールドカップを制し、欧米人気をさらに後押しした。

 

 ついにアイドルオリンピックが本格的に開催され、最初のチアボールズがステージに立つ。

 

「「「ゴー! ファイ! ウィン! ウィー! アー! チアボールズ! レッド! ホワイト! ブルー! いえーーーーーーーーーい!」」」

 

 チアリーディングを取り入れた元気溢れるダンスと、明るく大きく響く応援のような声で会場は元気になり、アメリカらしいコールアンドレスポンスで最初から飛ばしていった。

 

 2番目のオトメ少女は韓国でもトップクラスのアイドルグループで、動画投稿サイトでも最高再生数1億を誇るハイレベルなグループだ。

 

 クールでセクシーなダンスにファンは魅了され、電子音でダンスしやすいようにしボルテージを上げる。

 

 イギリスのスコットランドから来たメタルアンセムは曲こそヘヴィメタルだが、アイドルらしい可愛さと華やかさを兼ね備えていて、ガールズバンドとは思えない過激なボーカルパフォーマンスでロックな魂を見せつける。

 

 次はシンデレラロードだが姿がなく、スタッフは必死に探し回る。

 

「次はシンデレラロードってあるけど、誰なんだろう?」

 

「突如現れた謎のシンデレラたちって書いてあるね」

 

「一度は灰を被った少女たちの下克上ってのがキャッチコピーでございますね」

 

「うーん、一体誰なんだ?」

 

「ひまわりちゃんでも知らないなんて……」

 

「あら、全く知らないなんてことはございません事よ?」

 

「誰だ!?」

 

 シンデレラロードの正体は誰だと考察していると、そこには金髪のツインテール、赤いリボンをつけた気が強そうな女の子だった。

 

 そこには意外な人物で月光花全員は驚くことになる。

 

「あなたは……高飛車きらら!」

 

「また芸能界を荒すつもりか?」

 

「もう二度と騒動を起こさせないんだから!」

 

「待ってください! きららさんは悪い人ではありません!」

 

「しかしもみじ、いくら更生したからと言ってそんなすぐには――」

 

「紅葉さん、いいですのよ。過去は変えられませんから。わたくしはアルコバレーノや紅葉さんと出会い、パパのやり方に悩んでいましたわ。ですが背中を押され、離反して構成する事を選びましたわ。ですが……そのまま黙って消えるなんて逃げることと同じこと。だからこそアルコバレーノや紅葉さんに恩返しするために、正々堂々とぶつかりますわ!」

 

「なるほど、私の性格を知っての宣戦布告ですね。受けて立ちましょう」

 

「それともう一つ訂正がありますわ。今のわたくしは灰崎きららですわ」

 

「灰崎きらら……」

 

 そこにはかつて芸能界で大きな影響を及ぼし、私物化して様々な世界で著名人を陥れ混乱を招いた高飛車財閥の娘のきららがいて、もう既に親と縁を切り灰崎と名乗る。

 

 もみじとは以前に会ったことがあり、その後もこっそり交流を深めていたのだ。

 

 そこでシンデレラロードを機密裏で結成し、負けず嫌いな性格をしたもみじのことを把握したからこその派手な宣戦布告をし、もみじの闘志に火が着く。

 

「もみじちゃんって結構負けず嫌いだよね……」

 

「だからこそ怠惰とは無縁だったのだろう」

 

「ええ、でも私たちだって黙って見てるわけにはいかないわ。紅葉さんに負けないくらい私たちも頑張りましょう」

 

「皆さん、生まれ変わったきららさんのパフォーマンスを鑑賞しましょう。きっといい刺激になるはずです」

 

 もみじがきららに対して熱くなり、シンデレラロードのパフォーマンスを鑑賞する。

 

 するとそこにはいろんな人種や民族の混ざった国際色豊かなメンバーで、きららをセンターにしつつ、きららはメンバー全員がセンターに来るよう誘導して引き立て役も買って出る。

 

 今までのきららなら自分がセンターでなんぼな方針だったが、きららは本来の秋山加奈子のような引き立て役にもセンターにもなれる万能タイプだった。

 

 そのため審査員は高得点を出し、後に控えている名門グループたちにプレッシャーを与えていった。

 

「すごい……これが生まれ変わったきららさんの……!」

 

「紅葉さん、過去は変えられなくても未来は変えられる。そんな事は平安館女学校のあなた方ならもうお分かりでしょう。これが武士道で言うところの名誉、というものでなくて?」

 

「はい、かつては名誉など捨ててましたが、とても名誉あるパフォーマンスでした。そして未来を変えることの大切さをあなたに学びました」

 

「それでこそわたくしのライバルですわ。これからはシンデレラロードとして、あなた方と今後も正々堂々と勝負しますわ」

 

「負けません、紫吹流だけでなくあなたにも……何より自分自身にも」

 

 もみじときららは固い握手を交わし、月光花に新しいライバルが生まれる。

 

 もみじの闘志を見てはなたちもやる気が上がり、衣装であるミニ浴衣をお直しする。

 

 次はスマイリング娘。の番となるも、なかなかステージに上がれずにいた。

 

 つづく!

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