死滅回游泳者 南雲ハジメ   作:ありふれの呪霊

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定期的にありふれへの呪詛を撒き散らさなきゃ生きていけない呪霊のワシです
死滅回游編じゃないよん


真人の場合

「…………ちっ」

 

 南雲ハジメは不機嫌だった。同級生共が気に入らないのもあるし、教師に授業中の睡眠を注意されたからだ。

 

 それだけでもうすごくムシャクシャしている。何かに当たり散らさないと気が済まないくらいには。

 

「……ん?」

 

ふと、通りがかった公園に目が止まる。

 

そこには人がいないが、代わりに綺麗な花が沢山咲いていた。とても美しく、見ているものの心を癒すことができるだろう光景だった。

 

「…………」

 

だが、その美しさも今のハジメには忌々しく思えた。普段ならば特に何も思わないが、今はムシャクシャとしている。ただ綺麗に咲いてるというだけで、忌々しい。

 

 だから、それを壊したい。

 

 ハジメはその公園に足を踏み入れた。

 

「ふんっ! このっ!」

 

 ハジメは花を踏みつけていた。何度も足を上げては踏み、時には踏んでそのまま擦り付けたりもした。

 

「……ははっ、ひひっ」

 

 踏み荒らされ、先程までの美しかった花は見るも無惨な姿になった。

 

 花弁は千切れ、色は土に塗れ、ズタズタになっている。

 

 その光景に、ハジメは背徳感を覚えていた。この花を、自分が壊したのだ。それがたまらなく気持ちいい。

 

 またムシャクシャした時はこうやってやろうかと、そう思った時、

 

「ちょっとちょっと〜。ダメじゃん、花を踏み荒らしちゃあ」

 

 声が聞こえてきて、その方向を見る。

 

 そこにいたのは男だった。灰色の髪に変わった黒い服を着ていて、その顔には縫い目らしきものがある。

 

「マナーは守らなきゃダメだろ?」

 

 男は穏やかに笑いながらハジメの方へ近づいてきた。

 

「は? だから何? 僕がマナー破ってようと関係ないだろ? というか、この花は勝手に咲いてるだけだし良いじゃん」

 

「関係あるよー。そんなことしてたら、俺の仲間が怒っちゃうからさあ」

 

「はっ、それも関係ないじゃん」

 

 男に注意されても悪態で流すハジメ。こんな奴は放っておいてさっさと帰ろうと彼の横を抜けようとした時、

 

「"無為転変"」

 

 男の手がハジメの肩に触れた。

 

「あ? あ?」

 

 グニィ。ハジメの身体は歪む。

 

 形容し難い事態がハジメの身には起こっていた。

 

 ハジメの顔が大きく膨らんだかと思えば彼の身体は頭の中に吸い込まれ、そのまま彼は小さくなったのだ。

 

 今や、男の手に収まるぐらいのサイズとなったハジメ。

 

 ……だが、それは到底ハジメには見えない奇形だった。

 

「マナーの悪い人間は改造したーって花御に言っとこーっと」

 

そのまま鼻歌を歌いながら何処かへと去っていく男。

 

彼の名は、真人。

 

人が人を恐れ憎む負の感情から生まれた特級呪霊。

 

彼は人の魂に干渉し、肉体を思うままに改造することができる術式を持っている。

 

そんな彼が、最悪の呪詛師に取り込まれその身を消費されることとなるのは、遠くない未来の話。




このハジメは死滅回游始まってないから呪力も操れないけど呪霊は見えてる感じです
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