ガールズ&パンツァー 転生した独裁者の陸戦道戦記   作:くろがね四駆

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第八話「陸戦道の初訓練 歩兵道模擬戦後編」

 秋山隊長が善戦の最中、ジュール指揮官の司令部は危機に直面していた。

 目前にまで慶喜側の敵歩兵部隊が進軍していたのだ。

 どうして此処まで侵入を許してしまったのか、正面には未だ歩兵部隊同士の銃撃戦が続いている。

 実は慶喜は特殊歩兵部隊「赤心隊」を密かに敵司令部へ向かわせていたのだ。

 赤心隊は軍服を草や土で擬装させて着実に敵司令部に接近することに成功していた。

「撃てぇ! どんどん撃てぇ!」

 

 赤心隊の仁義勇八(じんぎ ゆうはち)歩兵隊長は敵歩兵に三発命中、脱落させている。

「原田、無事か!?」

「大丈夫であります! まだ一発もくらっておりません!」

「よおしっ!」

 

 赤心隊の兵士である原田重一も必死に撃ち続ける。

 特殊部隊だけあって戦果は上々、撃破数は二十人を超えた。

 この事態に最も焦っていたのはジュール指揮官であった。

「これ以上司令部の範囲に入れさせるな! 各自防衛を徹底せよ!」

 

 負けじと司令部の歩兵部隊はジュール指揮下の元、一歩も前線から引こうとはしなかった。

 

 

 ――赤心隊が奮戦している頃、川上連隊は大攻勢に出ようとしていた。

 未だ終息のつかない銃撃戦、遂に川上連隊長は兵士の木口大輔に命ずる。

「木口、突撃喇叭ッ!!」

「はいっ!」

 

 木口は腰に掛けた信号ラッパを持って口に付けた。

 そして高らかに突撃喇叭の音色が鳴り響く。

 

 パッパラッパパッパラッパ パッパラッパパッパラ♪ パッパラッパパッパラッパ パッパラッパパッパラー♪ 

 

「突撃、前へぇーッ!!」

 

 川上連隊長、決死の突撃を敢行せり。

 遅れるなかれと連隊は、川上連隊長の後に続く。

 流石に現代で銃剣突撃は不可能なので、拳銃と粘着型手榴弾を手に持って突撃している。

「土方隊長、相手は突撃をしてきました!?」

「怖気づいてどうする! 俺達も相手に倣って突撃してやろうじゃないか、白兵戦だァァァ!!」

 

 土方連隊、覚悟の雄叫びが平原に響き渡る。

 敵目掛けて夢中になって突撃を敢行する。

 勢いの凄まじさは転生したとはいえ、誠の新選組副長"土方歳三"本人であり、その勇ましさは歴史上の多くの偉人達にも引けを取らない。

 

 ――川上連隊長と土方連隊長、一対一のぶつかり合いが始まった。

 土方連隊長は拳銃を取り出して構え、発砲をする。

 しかし川上連隊長、五発全てをギリギリに避けることに成功。

 さらに川上連隊長は土方連隊長の片足をガシッと掴んだ。

「そりゃあ!!」

「ぐうぉっ!?」

 

 そのまま片足を持ち上げて、思いっきり土方連隊長を転ばせた。

 そして拳銃を構える、川上連隊長の勝ちかと思いきや──。

「ぐ、舐めんなッッ!!」

 

 土方連隊長の至近距離にいたのが災いして、川上連隊長は土方連隊長に横蹴りされてしまう。

「なんと!?」

「薩摩ァァァァァ!!」

 

 なんとか起き上がった土方連隊長は、そのまま川上連隊長を押し倒した。

 両手が効かない、川上連隊長は焦った。

 拳銃を構える、そして躊躇いもなく土方連隊長は発砲。

 川上連隊長の頭部に粘着弾は直撃する。

『──川上連隊長、行動不能!!』

「ハァ……ッ さ、流石に手こずったぞ」

 

 土方連隊長は溜息を吐く。 川上連隊長は起き上がり、やれやれと頭を掻く。

「流石ずっと前線にいた男は違うな、流石に完敗だよ」

「そりゃどうも」

「お前は司令部に行かなくて良いのか? 赤心隊に攻められてるそうだが」

「……いや、行かん。 どうせなぁ──」

 

 その時、スピーカー越しに声が聞こえてきた。

 

『──赤心隊によりジュール指揮官の司令部が占領! よってこの試合は、慶喜指揮官側の勝利!!』

 

「……どうせ今行ったって間に合わん」

「だろうな」

 

 

 

 ──その頃、大洗の戦車道メンバーは慶喜勝利に賑わっていた。

「凄い、これが歩兵道!?」

「まさに戦場って感じだねぇ」

「あの本多って人、凄くかっこいいー!!」

 

 一年生達が楽しそうにしている最中、ひとみ達もホクホク顔で試合の感想を喋っていた。

「まさかあんなに凄い試合が観れるとはなぁ」

「まったくだ、ビデオで録画すればよかったな」

 

 ひとみとエルヴィンが笑顔で言う。

 優花里とおりょうも満面の笑みで隣に立っていた。

「秋山さん、今凄い満足そうな顔してるよー?」

「ハッ!? す、すみませんつい……」

「おりょうの笑顔も凄いな、微動だにしない」

「というか満足で気絶してないか?」

 

 ひとみとエルヴィンは驚きながらおりょうの顔を覗く。

 ※実際おりょうは気絶していたという。

「しかし、これは期待できるな……ここまで強いとは」

 ひとみは嬉しそうに言う、それ対しエルヴィンは頼もしそうに頷いた。

「では次はいよいよ、陸戦道の特訓か」

「一体どういったルールになるんだろうな?」

「それについては特訓前に教えられるそうですよ」

 優花里が話に入ってくる。

 ひとみは「そうか」と言い、特訓場所を地図で確認する。

「先ほどの試合と同じ場所を使うのか……、まあ最初の特訓であれば申し分ない場所だな」

 

 ──こうして歩兵道の模擬試合は終わった。

 大洗と水戸の両学園艦、後に強力な絆をさらに深めることに繋がるだろう。

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