Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
13:30 5番演習場併設格納庫
トンカッチはかなり出血はして倒れていたが、気絶はしていなかった。何とかタックルをした際に、当たりどころが悪かったのか発砲した奴は気絶していた。
「…………さすがに、血が出すぎたか。」
どうやら、みちるは腕に被弾したのみで済んだようだ。早くここから脱出しなければならない。腰につけていたポーチから医療品を取り出す。敵は周りにはいないらしいので、さっそく使用した。腹部の痛みはかなり軽減されたが、少し目眩がした。
「トンカッチ!大丈夫か!」
「ああ、なんとかな。お前こそ大丈夫だったか?」
「ええ、私は腕に当たっただけ。問題ない。それよりも、あなたのほうが心配よ!」
「俺は、気にするな。とりあえず状況確認と安全のために、移動するぞ。」
そして、二人は拳銃を取り出し白兵戦に備えた。目標は通信機のある管理室か、戦術機。恐らく、どちらも確保されているだろうがこのままでは出血多量で死ぬ。早く情報を集めなければ。
13:40 5番演習場併設格納庫管理室前
二人は特に抵抗を受けずに、管理室まで迫った。中からは何かを話している声がした。どうやら、リーダーを話しているらしい。少し耳を澄ませて聞いてみた。
「そうです、ボス。衛士が二人逃げました。まだ格納庫にいると思います。」
「他の衛士は殺せたか?」
「はい、全員始末しました。そのときにこちら側の被害はありませんでした。」
「戦術機は?」
「とりあえず動かせそうです。今、燃料を補給しているので後5分はかかります。」
「了解した。では、こちらも仕掛けるとしよう。場所は分かっているな?」
「はい、横浜ですね。速やかに向かいます。それでは失礼いたします!」
「ああ、うまくやれ。」
通信が終わった。どうやら奴らは横浜基地を襲撃するようだ。早く手を打たねば。扉を蹴り飛ばす。
「
「ちっ、ここに来るのかよ!」
敵が机に置いてあった銃に手を伸ばした。その手を撃ち抜く。
「やめろと言ったはずだ!次はない!」
痛がりながらも敵はもう片方の手で取ろうとした。次は手と足を撃った。
「ぐわぁぁぁ!い、痛ぇ!わかった、もう動かねえから撃つな!」
さすがに両手を挙げた。殺してしまっては内部事情などの情報がつかめなくなってしまう。
「貴様らの所属と目的はなんだ。」
「…言わなかったら?」
「殺す。最も地獄とされているやり方でな!」
「…わかった。全部話そう。」
そこから奴は全てを話した。まず、彼らは帝国陸軍の部隊だった。現状の政府と国連軍の存在を嫌っていた者たちが集まって決起をしたらしい。つまるところ、テロリストというわけだ。首謀者は青年将校らしい。格納庫を襲ったのは、村雨と時雨が目的だった。強大な戦力を欲していたようだ。既に不知火は管制ユニットを爆破処理したらしい。もうすぐ、時雨は起動するようだ。
「これで俺の知ってる話は全部だ。他には知らねえ。本当だ!」
「…そうか、よく話してくれた。感謝する。命は助けてやる!」
そう言いながら、足を机にあったナイフで突き刺した。さらに、肩も刺した。ついでに腹も引き裂こうとした。その時にみちるに止められた。
「馬鹿!殺したくないって言ったのはトンカッチでしょ!ここで殺してどうするの!」
少し冷静さを欠いてしまっていた。相手は恐れの目をこちらに向けていた。これ以上の抵抗はできなそうだった。
「すまん。少し、怒りに飲まれた。」
そして、彼を縛り付け通信機を使用した。
「こちら5番演習場併設格納庫のトンカッチ大尉だ。横浜基地、応答せよ。繰り返す、横浜基地応答せよ!」
「こちら、横浜基地です。大尉ですか!ご無事で何よりです!現在、当基地は反乱勢力に襲撃を受けています!速やかに戻ってきてください!」
「わかった!もしかしたら、時雨は盗まれているかもしれない。だから、時雨には気を付けてくれ!」
「了解しました。無事の帰還を!」
どうやら、向こうでも始まったらしい。早く行かなければ。その時、格納庫内に轟音が鳴り響く。
「…これは、時雨のエンジン音!まずいぞ!」
噴射ユニットの音もし始めた。どうやら、発進するようだ。二人は急いで戦術機の元まで走っていった。そこには、軽い歩兵用防塁線が敷かれていた。テロリストの数は、歩兵で8人ほどだったが、全員が
「畜生!目の前だってのに!」
「どうする、このままじゃ時雨は!」
「ああ、わかってる!わかってるが…!」
何とか物陰に隠れているのが精一杯だった。そして、時雨が格納庫から飛び立っていった。その時、噴射による煙で辺り一帯は視界不良となった。
「…!今しかない!」
トンカッチは一気にテロリストとの距離を詰める。その後ろをみちるが続いた。煙の晴れるころには、防塁に到達していた。近接戦になった。
まず、一人を残弾僅かの拳銃で射殺する。もう、殺らなければ殺られる。その状態だった。後ろから襲い掛かった敵をナイフで抉る。そいつを盾にしながら、銃を持った敵に突進する。しかし、躊躇せずに撃ってきた。
「味方ごと撃つのかよ!」
「それほどの覚悟がなければ、このようなことは起こさん!」
「正気かよ!」
何発か貫通してトンカッチに当たり始めた。それでも、前進をやめずに無理やり敵に投げつけた。ひるんだところを再びナイフで突き刺す。これで3人。テロリストが2人がかりで銃剣突撃を観光してきた。マガジンが無いことから撃ち尽くしたらしい。なんとか一人目を回避したところに、二人目が襲い掛かってきた。さすがに、完全には避けきれなかった。足に深々と刺さってしまった。相手をこれ以上攻撃させないため、足に力を入れ、ライフルを抑え込んだ。
ちょうどみちるも一人を気絶させ、腕を折らせたらしい。さらに、一人目の銃剣突撃をしてきたやつも、射撃で戦闘不能にしたようだ。そんなみちるに援護を受けようと思った。しかし運の悪いことに、みちるからの援護射撃をもらうと、自分も被弾する位置にいた。しかし、躊躇していられなかった。
「みちる、俺ごと撃て!」
「でも、それじゃあトンカッチが死んじゃうじゃない!」
「そんな簡単に人が死ぬか!3カウントで撃て!」
「嫌よ、私は撃ちたくない!死んじゃう!」
「死なないって言ってんだろうが!…いくぞ!3、2、1、
「嫌ぁぁぁぁ!」
そして、みちるは3発、トンカッチに撃ち込んだ。その瞬間、トンカッチは体の全ての力を抜き、体勢を崩した。弾着するころには敵の体が露になっていた。その弾丸はトンカッチの肩や腕を貫通しながら、敵に命中した。そして、敵歩兵戦力は全滅した。
「…な?簡単には死なないって言ったろ?」
「…………まったく、お前というやつは!」
泣きながら、抱き着いてきたがそうしている暇はなかった。軽く頭を撫でてから、すぐに戦術機に乗り込む。怪我が酷くなってきたので、みちるに操縦は任せた。追加で薬を投与したが、あまり効き目を感じなかった。
「この後はどう動く?」
「…とりあえず基地の病院まで直進。恐らく、テロリストは掃討されているはずだからな。」
みちるは頷きながら機体を動かした。さすがに、出血がひどいからか、視界がかなり霞み始めた。もしかしたら、死ぬかもしれない。
「……みちる、あんまり言いたくはないんだが話しておきたいことがある。」
「遺言かしら?なら、言わないで。…絶対にあなたは私が助ける。」
「…そうか、じゃあ俺は少し寝る。」
「…ええ、わかった。…………ちゃんと起きなさいよ。」
「…………そうする……つもり…だ。」
そして、トンカッチは気絶するように深く眠った。それはまるで、死人のようだった。
はい、というわけでまた書けませんでした。いい加減設定書かねえとわけわかんなくなっちまうだろ!
本当にすみません。
恐らく次の話の時は、友情出演組が出てきます。
またクレジット表記させていただきます。