Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
…………BETAなんて出ないといいな~
今回、結構長いです。読むときは時間があるときのほうがいいかも~
第15話 交流会
1999/8/1
この日は、久しぶりに全体休暇として、日本領海内の無人島行きとなった。副指令の気まぐれで決まったらしい。持ち物は水着とか、浮き輪とか本当に遊ぶ気満々だった。一応、蛇とかの危険な生物が存在するらしいので、アーミーナイフは必須ともいわれた。トンカッチを除く、数少ない男性隊員2人の田島と村上は、少しでも自分をかっこよく見せるために、少し前から筋トレや自己啓発系の動画を見続けていた。まあ、どちらも衛士にとっては大事なことだから、構わないのだが。
さらに、今回の休暇にはほかの地点ではあるが、別の部隊員もいるらしい。信越防衛戦で活躍したThree idiots隊、横浜動乱の際に活躍したビルスト中尉だった。どうやら彼らの中の何人かには彼女がいるらしい。その話が2人に流れた時、彼らは怒り狂いながら筋トレにより一層励み始めた。
9:30 輸送船上
トンカッチと男性隊員は3人だけで会話していた。女性陣に部屋から追放されてしまったのだ。
「まったく、なんで俺たちが外につまみ出されたんだ?」
そんな考えをよそに、田島と村上は雑談をしていた。
「くそぅ!俺たちも可愛い彼女が欲しいぜ!」
「そうだそうだ!真夏の海、無人島、3日4泊、かわいい子がいっぱい!…けど、俺たちにはそれは回ってこない。」
そんなことをずっとボヤいていた。その会話の途中で、急に田島がトンカッチに話を飛ばしてきた。
「ねえ、大尉もこの気持ちわかってくれますよね?」
「…お前らなあ。モテる男になりたいんだったら、体より性格見直してこい。お前らは言葉遣いが荒いんだよ。もっと、優しく接してやれ。」
「なるほど~。さすが経験者!」
「やっぱり、大尉と付き合ってる男は違いますなあ!もちろん、大尉から言ったんすよね?」
「…………いや、そのなんだ。ほら、その…まあ、う~ん。」
「…大尉?……まさか、いきなりベッドに押し込み!?」
一気にトンカッチの顔が赤くなる。
「馬鹿野郎!そんなわけねえだろ!」
「おお、怖い怖い。けど、どう落としたんです?」
期待の視線が二人から寄せられた。
「…俺は、みちると酒場に行って飲んで、その時に向こうから言われたんだ。」
「…………おい田島、聞いたか?」
「ああ、こいつはビッグニュースだぜ!早速他のみんなに話に行くぞ!」
「おい、馬鹿!絶対にやめろ!」
すると、逃げようとしていた二人が急に止まる。そして、不敵な笑みを浮かばせてきた。
「…じゃあ、提案です。」
「…なんだ。」
「その後はどうしたんですか?つまり、告白された後ですよ。それを話したら見逃してもいいっすよ?」
「…………した。」
「はい?全然聞こえないっすよ!?」
「俺の部屋に連れてって、ベッドに行ったさ!そんで、行為をしたさ!これで満足かよ!」
そう言うと、二人は涙を流し始め、合掌した。
「…………村上よ、尊いなぁ。」
「…ああ、素晴らしい。心が浄化されていく。」
「村上よ、自室に戻って筋トレに励もうぞ!」
「ああ、同志田島よ!我々も続かねば!」
そう言いながら、彼らは自室に帰っていった。
10:10 無人島北側(旧第3号監視拠点)
トンカッチたちA-01部隊は無人島に予定時刻通りに到着した。無人島と言っても、灯台や桟橋、観測施設や建物は整備されていた。元は第3号監視拠点という名で機能していたが、現在は必要性がなくなったため、兵士たちの休養地として機能している。島の面積は約20㎢となっており、そこそこに大きい島だった。キャンプ場も完備されていた。ひとまず、輸送船から物資コンテナをクレーンでおろしてもらった。その中に、食料やテントなどが入っていた。天気予報ではこれから1週間は快晴らしい。
「村上、田島、手伝え。モテる男になりたいんだろ?じゃあ頑張ってみんなの荷物を持たなきゃな!」
そして、トンカッチは二人に大量の荷物を押し付けた。それに二人が反抗してきた。
「大尉こそ、運ばなくていいんですか?伊隅大尉に嫌われるかもしれませんよ?」
「何だと?」
「伊隅大尉がこういった雑用を押し付ける男って知ったら、俺たちが女だったらだいぶ失望しちまいますぜ?」
「…………おい、半分ずつ俺によこせ。」
「へへ、すんませんね!」
「ありがとうございます、大尉殿!」
「…お前ら覚えとけよ!」
こうして、トンカッチは二人より大量の荷物を運ぶことになってしまった。合流地点までは少し距離があった。足の負担を少し気にしたが、そこまでひどくはならなそうだと確信した。
同時刻 無人島南側
ジェームズたちは無人島南側に上陸した。メンバーはThree idiots隊とビルスト、他に、ジェームズと行動を共にしている斯衛軍の崇宰恭子や、ヱルムの嫁であるクリスカ・ビャーチェノワもいた。ジェームズが話しかけ始めた。
「にしても、日本の夏は暑いな。もちと恭子、アンタら毎年こんな感じなのか?」
ジェームズとヱルム、クリスカ、ビルストは日本の夏は初経験だった。ちょうど今年の夏は歴代最大級の暑さと言われるほどだった。そのため、無理もなかった。そして、恭子がジェームズの問いに答えた。
「そうね、いつもの夏はこれくらい暑いけど、今年はちょっと異常ね。」
「そうだね~。俺もこんなに暑いのは初めてだな。」
そんな雑談をしながら荷物を降ろしていた時に、急にヱルムがもちに話をする。
「にしても、お前彼女出来たらしいじゃん?それも、あのA-01部隊の一員らしいじゃねえか!?すげえじゃねえか!」
「まあ、いろいろあったんだよ。それよりも、早く準備済ませようぜ!」
「おいおい、逃げるんじゃあないよもちくん!このままだと速瀬さんに話してもらうことになっちまうぜぇ!?」
それを、クリスカが制止する。
「ヱルム、趣味が悪いぞ。…すまない、もち少佐。
「いや、そこまで気にしてないさ!…後で話すさ、それでいいだろヱルム?」
「ああ、話してくれるならいつでもいいぜ。楽しみにしてるよ、もちくん!?」
ビルストも遅れてやってくる。
「おいおいおいおい、俺抜きで始めちゃってんの?さみしいじゃないか!」
「「「いや、お前船酔いしてたじゃねえか!」」」
「そういえば、そうだったな!ははっ!」
「「「ははっ、じゃねえぞ!お前の粗相を俺たちが始末したの忘れんなよ!」」」
そして、彼らも移動の準備をし始めた。彼らはこの後合流地点に向かい、A-01部隊と合流する予定だった。ここからのほうが距離は近いので早めに行って設営の手伝いをしようと考えた。
10:20 合流地点
合流地点にはほぼ同時に到着した。お互いのチームリーダー同士が軽く挨拶をしあった。
「こちらはA-01部隊の伊隅みちる大尉です。3日間よろしくお願いします。」
「俺たちは、う~ん、なんて言えばいいんだ?まあ何でもいいか。とりあえずチームリーダーのジェームズ・スミス少佐だ。よろしく。」
そして、二人はこれからの予定を示し合わせた。とりあえず、ここをキャンプ地とし、BBQでも始めようと考えた。ちょうど、この地点は開けており、海まで一直線だった。最高の立地といえた。そして、互いにBBQコンロを設営し始め、食材も出し、肉などを焼き始めた。もちろん、焼くのは男性組。彼らはどれだけ女性組、彼女や嫁によく見られるかを第一に考えていた。それは、トンカッチも例外ではなかった。一番最初にトンカッチがトングに手を伸ばす。それをジェームズが止めた。
「どうしたんです、少佐?肉とかは俺が焼くんで、少佐たちは休んでてください。村上たちも休んどけ。」
「トンカッチ大尉、それはつれないなあ。俺が焼くよ?君こそ疲れてるだろう?」
「少佐たち、待ってくださいよ!上官に焼かせるわけにはいきません!俺たち下士官に任せてください!」
「いいや、君たちは下がってなさい!ここは、このヱルム様が焼こうってんだよ!滅殺!」
「ヱルムどけ!天下の肉焼き人こと、このもち様に譲らんか!」
「おいおい、醜い争いをするんじゃない。ここは間を取って、ビルストおじさんが焼こうじゃないか!」
「「「「「「お前は黙ってろ、このクソじじい!」」」」」」
「……俺だけ扱い酷くない?」
それを女性陣は後ろから見せられていた。
「…まったくあの人たちときたら。呆れてしまいますわ。伊隅大尉もそう思いませんか?」
「え、ああ、そうですね。まあ、そこが良いところでもありますけど。」
「あらそうなのですか?お優しい方なのですね。」
「恭子様に仰っていただけるとは、感謝の極みです。」
「そんな敬語で話さなくても大丈夫ですよ!…今ここにいるのは休養中の衛士、一個人としての崇宰恭子なのですから。」
そして恭子は驚きの提案をみちるにしてきた。
「差し支えなければ、ここにいる間だけでもいいので恭子と呼んでください。敬語も使わないでほしいのです。私はいつも皆から距離をどうしても置かれてしまいます。なので、たまには気兼ねなく過ごしたいのです。…ダメでしょうか?」
少なくとも彼女は五摂家崇宰家当主だ。そんな彼女にお願いをさせるなど、普段だったら非難の的になるに違いない行為だ。こうなってしまうと逃げることができなくなってしまう。
「……………わかりました。せめて、さん付けはさせてもらってもよろしいですか?さすがに呼び捨ては緊張してしまいます。」
「…うぅ、わかりました。」
彼女の顔は少し寂しそうだった。全くズルいお方だ。そんな顔をさせてしまってはいけない。そうみちるは思い、覚悟を決めた。
「…はぁ。わかったわ、恭子。ここにいる間だけよ?」
「はい!ありがとうございます!」
彼女の顔は一気に笑顔になった。やはり、笑顔が似合っていた。そこには、戦場で『鬼姫』と呼ばれているが、目の前にいるのは『女神』だった。それからしばらく談笑している間も、
「「ちょっと、お話ししましょうか。お二人さん。」」
みちると恭子は顔こそ笑っていたが瞳が死んでいた。本気で怒っているようだ。そして、少し離れたところで説教を始めた。それをみた男性陣はそそくさと譲り合い、結局ビルストにやらせることにした。
「不本意だけど、ビルスト。お前やれよ。」
「えぇ…。まあ、やるけどさあ。何かなあ…。」
少し気まずそうにビルストは焼き始めた。しかし、その腕は本物だった。肉の焼き加減はレアからウェルダンまでオーダー通りに焼き上げた。野菜は素材の良さが引き立つように、具材ごとに焼き方を変えており、たくさん設営されたコンロは全て温度を変えて使っていた。
もちとヱルムがクーラーボックスから缶ビールを取り出して、配り始めた。村上たちが、ビルストの焼いたものを配る。圧倒的な分担作業だった。配り終えるころには説教も終わっていた。どうやら、かなり絞られたようだ。二人ともげっそりしていた。そして、恭子が乾杯の音頭を取った。
「それでは、皆様。乾杯!」
『乾杯!』
そこから、2時間近く楽しい食事の時間を過ごした。ビールで酔っ払った速瀬ともちの悪乗りはだいぶひどかったが、それさえも楽しい思い出となった。
19:00 炊飯所
夜はカレーを作ることにした。作り方はシンプルな
この日はこれ以上のイベントは特になかったので。全員がテントに戻っていった。もちろんテントは男同士、女同士でしっかり分けられていた。しばらくして、トンカッチは寝れずにいた。どうやら、食後のコーヒーを飲み過ぎたのかもしれない。全く寝れない。一旦外に出ようと思った。一緒に寝ていた村上がとても邪魔だったので、どかして外へ出た。外は満月が出ており、月明かりが海を照らしていた。そこに、人影を見つけた。ジェームズだった。
「少佐も寝れないんですか?」
「…ああ、トンカッチ大尉か。まあ、寝れないわけではないんだがな。少し話さないか?」
「ええ、お願いします。あと、自分はトンカッチと言ってくれて構いません。」
「俺もジェームズでいいし、敬語じゃなくていい。堅苦しいのが嫌いなんだ。」
「なるほど、了解した。これからはフランクに話させてもらうぞ。」
「ああ構わないさ。それで、トンカッチは伊隅大尉とはどんな仲なんだ?」
「そうだな。…恋人だな。ただ、戦友でもある。」
「そうか。それは、いいな。」
「そういえば、ジェームズにも恋人はいるのか?」
そう言うと、ジェームズは少し思案してから言った。
「…いない。だが、気になっている奴はいる。」
「少し当ててみたいな。」
「やめてくれ、無粋ってもんだろ?」
「そうだな。じゃあ当ててくぞ。」
「…お前話聞いてたのか?」
それからいくつかの質問を経て、候補を絞り上げた。そして、答えをトンカッチは言った。
「まさか、崇宰大尉なんじゃあないか!?」
「……………ビンゴ。まだ話してはないがな。」
「おいおい、行っちまえよジェームズ!」
「馬鹿野郎、身分と出身を考えてみろ!俺はイギリス出身の一般衛士、向こうは五摂家の崇宰家当主だ。さすがに無理がある。」
「……それはそうかもしれんが。」
「そもそも向こうが俺のことを好きかどうかが分からん。」
さすがにこの発言にはあきれた。恐らく、2か月くらい前の俺もこんな感じだったのだろう。改めて、みちるには申し訳ないと思った。
「…多分だが、向こうも同じ思いだと思うぜ。じゃなきゃわざわざ、ここまで同行してこないだろ?」
「…………だが!」
「だがじゃねえ、言いに行って来い!それが実らぬ恋だとしてもだ!玉砕上等、覚悟決めろ、ジェームズ!」
「わかったわかった!行くから少し黙ってくれ!…………それで、トンカッチはどうやって伊隅大尉と結ばれたんだ?参考にはしたい。」
「あ、あ~それなんだがな、秘密というかなんというか。」
「…おい、人にあれだけ言って自分は言わないとかは無しだよな?」
「その、あれなんだ。…みちるに告白されたんだ。だから、自分から言ったわけじゃなくてだな。」
そう言うと、ジェームズは手をゴキゴキ鳴らした。
「てめえ、一発殴らせろ。」
「ま、待て!話せばわかる、交渉を!」
そして、右ストレートを食らった。だいぶ手加減はしているようだが、よろけはした。
「痛ぇな!ほんとに殴るなよ!」
「…もう一発欲しいのか?」
「すみません、もう言いません。…どうすんだよ、ジェームズ。」
「……………言ってくる。うまくいくことを願ってくれると助かる。」
「そうか、覚悟決めたんだな。…頑張って来い。」
「ああ。じゃあ失礼する。」
ジェームズはそう言い、恭子のもとへと行った。まだ、起きてるかどうかは分からないが、彼女はなんとなく起きていそうな気がした。
「さて、俺もみちるに会いに行くか。」
そう思い、みちるを探しに行ったが、見つからなかった。どうやら寝てしまっているようだ。少し寂しい思いはしたが、眠くなってきたのでテントに戻って就寝した。
こんな長いの初めてやぞ!
…日常回って難しいね
今回の友情出演組です。(敬称略)
ヱルム・ビャーチェノワ(@ElM_Su37UB)
もち(@mochi02913)
ジェームズ・スミス(Lt_smithFFR41mr)
ビルストと戦術機好きの男(@Yuki90300757993)
出演許可を頂き、感謝しております。ありがとうございます。