Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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スペース開きながらの公開で書きました。


第19話 通信途絶

 2000/1/5 9:30 ハイヴ前補給地点

 

 

 中部方面軍と関西方面軍は同時にハイヴに突入した。A-01部隊は前線の守りを固めるべく、補給地点を死守していた。BETAはその数を着実に減らしつつあった。

 

「こちら中部方面軍第1部隊、これよりハイヴに突入!」

「関西方面軍も同じく突入!」

 

 彼らは数に任せた戦闘スタイルはBETAの質量を圧倒していた。ハイヴ内にはそれなりの数が存在していたが、多数の戦術機による面制圧型戦闘はBETAに対し効果抜群だった。それは、旧時代における戦列歩兵のような戦い方だった。前列に長刀装備の機体、後列にその倍の数で突撃砲装備の機体が射撃をしていた。

 

「突撃砲の残弾は気にするな!後方から補給しに誰かが来る!」

「残弾がそろそろ心もとなくなってきたな。補給申請!」

「こちら地上管制、補給部隊派遣要請確認。速やかに補給部隊を送る!」

「感謝する!」

 

 補給部隊にはA-01部隊の一部が護衛していた。補給部隊にはジェームズが護衛についていた。

 

「こちら第13補給中隊。護衛に感謝する!」

「ああ、よろしく頼むぜ。」

 

 補給部隊には最速で向かうため装備がなかった。そのため、戦闘に出くわすと大変なことになる。なので、ジェームズはMk-57の代わりに紅茶の国特製、M1873prototypeを持っていくことにした。元々は米国が開発した戦術機用ショットガンだったものの、英国がそれらを改修した(いじくりまわした)モデルとなる。下部マウントレールを増設し、120mm中折れ装填式迫撃砲を装備。これは単発なので、リロード時は一発一発装填する必要がある。さらに、ショットガン本体はマガジン式となっている。英国の銃であるステン短機関銃のように、マガジンが横付けされている。しかし、ここに英国(紅茶をキメてる)要素があった。それは、マガジン式にもかかわらず、レバーアクションを搭載していた。なので、スピンコックを戦術機でもすることができた。もちろん、関節負荷は強大なものとなった。

 ジェームズは、この変態銃を3丁も装備していた。弾種は水平拡散弾であるため、小型種の掃討に向いていた。

 

「おいおい、アンタの戦術機の装備、本当に大丈夫なのかよ!?」

「俺たちは丸腰なんだぜ!そんな弱そうな装備で戦えるのかよ!」

「…………黙って、運搬しろ!うるせえんだよ!俺はこれがお気に入りなんだよ!」

「「ええ…………。」」

 

 しかし、その活躍ぶりは本物だった。水平拡散弾がハイヴ内の地形に対し有効だったのだ。本来なら通常拡散のほうが、ハイヴ内の通路では有効だった。しかし、現在移動しているのは横に開けた通路だった。さらに、天井も低かった。小型種のみが攻撃を仕掛けてくる。それはジェームズにとっては最高の状況だった。

 

「オラオラどうしたBETAどもぉ!この紅茶砲は体に染み渡るだろぉ!?」

「護衛機、もう結構だ!合流完了まで1000m…800…500…100…0m!合流完了!補給作業開始!」

「よし、よく運んでくれた!さっさと補給を済ませて、再補給の準備をしに戻るぞ!」

 

 

 9:55

 

 突入部隊はハイヴ第5層まで到達していた。既に3回ほどの補給を実施。未だ損害はなかった。しかし、音響センサーが異音を感知した。

 

「こちら、中部方面軍第3部隊。我々の担当区域に異音を感知した。現在データベースより照合中。」

「我、関西方面軍第4部隊。恐らく同じ音を拾った。これは…………BETAの大規模移動だ!」

「誰でもいいから、地上部隊に連絡を!」

 

 何人かがコンソールパネルから通信回線を開こうとした。しかし、何も反応がなかった。無線がダメでも有線は生きているはずだった。しかし、これもダメ。突入部隊は地上との連絡が不可能となった。

 

「畜生、無線も有線も死んでやがる!」

「おい、このままじゃ俺たち死んじまう!」

「補給部隊が来るはずだ!そいつらを待って、伝達するしかない!よって、侵攻を停止、現状を維持せよ!」

 

 ちょうど補給が完了した状態だったので、戦闘自体は継続可能だった。さらに、主広間だったので大量の部隊が展開するには都合がよかった。そして、全機が輪形陣をとった。

 

 

 同時刻 地上補給地点

 

 同時刻に、補給部隊が地上まで帰還した。もちろん、彼らは内部の状況については知らなかった。A-01部隊は現状待機のままだった。しかし、ハイヴ突入部隊からの連絡が急に途絶えたのを彼らも感知した。さらに、トンカッチの村雨が、ある音を拾った。

 

「まったく暇だな………ん?これは、何の音だ?」

「どうした、トンカッチ?私の時雨には何の反応もないぞ?」

「本当か?おい、他のやつも聞こえないのか?」

 

 もちろん、他の機体もその音は捉えることはできなかった。

 

「おいおい、マジで言ってるのかよ。じゃあ、照合でもしますかな!?」

 

 すぐに、データベースと照合した。そして、結果は1秒とかからず出てきた。それは、BETAの大規模移動音だった。速やかにトンカッチは考えた。

 

「…………これ、まずいんじゃねえか!?HQに通信を開け!BETAの大規模移動音を感知!なおハイヴ突入部隊との連絡途絶!」

 

 トンカッチはすぐにHQとの通信を開こうとした。しかし、通信回線に激しいノイズが発生し、まともに通信できる状況ではなかった。すぐに、トンカッチはみちるに提案した。

 

「みちる、ちょっといいか?」

「何?まさかだけど確認のためハイヴに行くつもり?それなら、部隊指揮官としては認められない。現状維持が最終命令だ。」

「確かにそうだが、どうも内部の連中が気になる。頼むから行かせてくれ!」

「…………時間は15分。それまでは自由に行動してかまわない。ただ、それを過ぎれば緊急時命令書に従う。それでもいいなら、行って構わない。まあ、あと一人くらい同行させておくといい。」

 

 その一人にある男が答えた。

 

「…如月中尉です。トンカッチ大尉の同行を許可してもらいたい!」

「了解した。トンカッチ、並びに如月はハイヴに侵入。15分以内に突入部隊の状況を把握しろ。いいな!」

「「了解!」」

 

 2人はタイマーをセットし、すぐにハイヴに侵入した。時刻は9:57を指していた。

 

「……………生きて帰って来い、2人とも。」

 

 

 10:00 ハイヴ第5層主広間

 

 突入部隊の弾薬は半分まで減っていた。BETAの攻撃も徐々に激しくなっていた。最初は戦車級だけだったのが、突撃級や要塞級も出現し始めた。さすがに、状況が厳しくなっていた。少しづつではあるが、戦線を後退しようとしていた。しかし、後退しようにも新たにBETAが道をふさぐようにしていた。そのBETAの様相は、包囲陣形だった。

 

「くそっ!補給部隊がなかなか来ねえ!もう来る時間だろ!」

「上の連中は俺たちが死んじまったと思ってる。死んだ奴に補給する馬鹿なんでいねえだろ!?」

「戦闘に集中しろ!各機、輪形陣を解くな!防衛戦闘継続!」

『了解!』

 

 しかし、彼らにもプライドがあった。この作戦参加者の中には、この佐渡島出身の兵士も多くいた。無論、この突入部隊にもだ。彼らの故郷を、領土を、国を絶対に奪還し、守り通さなければならない。それを糧にし戦い続けるしか、彼らにはない。だが、それでも状況は変わらなかった。既に、部隊の何機かが損傷しており、立っているのがやっとの機体もあった。そして、大量の突撃級の群れが襲い掛かってきた。横一文字で、2層ほどが突撃してきた。完全にひき殺す気のようだ。もちろん、上空に出れば光線級の餌食となる。

 

「…全機、覚悟をしておけ。…………すまない。」

 

 もはや、生き残ることは不可能だった。彼らにできることは、無意味であっても突撃砲を乱射することのみだった。どんどん、距離が縮まっていく。全員が死を覚悟したその時だった。

 目の前で爆発が発生した。それは、後方から来た2機の攻撃だった。

 

「こちら、国連軍A-01部隊所属のトンカッチ大尉と如月中尉だ。突入部隊の生存を確認!繰り返す、生存を確認!」

 

 トンカッチは通信をしたものの、やはり通信が途絶してた。

 

「大尉、やっぱり通信できませんよ、これ!」

「さすがにまずいよな、如月!?」

「ええ、ヤバいっすよこれ!あと9分しかないっすよ!」

 

 トンカッチは選択を迫られていた。このまま防衛に加わるべきか、戻るか。そもそも、通信ができる前提での突入だった。しっかりと、通信中継器も敷設しながらの侵攻だったはずだったのにだ。やはり、BETAは分からないものだ。考えながら、指はトリガーを引き続けていた。何を思ったのかわからないが、BETAは2人に進路を変えた。もはや、帰ること叶わずというわけだった。

 

「如月ぃ、帰れないかもなぁこれ!」

「…腹くくるしかないみたいですな。お供しますよ、大尉!」

 

 精鋭中の精鋭であった2人は獅子奮迅の活躍を見せた。たった2機、されど2機。圧倒的弾幕の村雨と、近接の鬼と化した如月の不知火甲型。圧倒的な力にBETAも少し侵攻速度が落ちているように感じられた。もちろん、突入部隊もそれを黙ってみているだけではなかった。BETAの背後が彼らの正面にあった。

 

「あの二人が道を切り開いた!全機、攻撃。攻撃!」

 

 彼らも最後の力を振り絞り、全力で攻撃をした。その空間は地獄の様相であった。しかし、無情にもタイマーは進んでいった。

 

「大尉、もう時間がない!」

「まずいな、ここも俺たちで持たせてるくらい酷いしな…。」

「……………大尉、行ってください。ここは、俺が何とかしてみます!」

「馬鹿野郎!死ぬ気か!?」

「もとより覚悟の上!帝都奪還の先駆けとなれるのならば本望であります!」

「駒木中尉を残す気か!?」

「まだ、死ぬを決まったわけではありません!早く、早く行ってください!」

「…畜生、俺はどうすれば!?」

 

 トンカッチは最後の最後まで判断に迷っていた。残された猶予は30秒だった。早く決断しなければならない。その気の迷いが機体を動かさせてしまった。それは、動かしてはいけないものだった。急に、機体が操作を受け付けなくなった。

 

「な、なんだ?機体が操作を受け付けなくなったのか!?」

「大尉、なんで棒立ちしてるんです!」

 

 そして、機体は動き始めた。それは、トンカッチの意思に反した動きだった。網膜投影された画面には文字列が表示され始めた。

 

 

 

 OS NAME:XM1

 ……………………  

 再起動開始

 ……………………

 ……………………

 再起動確認

 ……………………

 状況確認

 ……………………

 ……………………

 ……………………

 特殊状況1:検知

 特殊状況2:検知

 特殊状況3:検知

 全特殊状況:検知

 ……………………

 操縦系統移行準備

 搭乗者操作:全面拒否

 操縦状態:手動→自動

 ……………………

 ……………………

 ……………………

 XM1 フェイズA→フェイズD移行開始

 殲滅戦闘開始

 ……………………

 ……………………

 ……………………

 ……………………

 現搭乗者トンカッチに対し、敬意を表す

 GOOD LUCK

 

 

 そして、村雨各部のセンサーが真っ赤に染まり、機体から赤い炎のような煙を吐き出し始めた。




まるでアレのような演出ですなあ
頑張れ、トンカッチ!
…………お気づきの方もいますが、この小説は結構ガバが多いので、早めに指摘していただけると幸いです。補足説明は後書きにて行います。

補足説明
この世界では、明星作戦は1年早まっています。全体的に1年早まった世界です。
ただ、存在しないクーデター事件など1年早まった影響がここに出ています。
つまり、死ぬ予定のキャラも変わったりするということです。
補足ここまで!
X(Twitter)でも、もしかしたら補足説明を投稿するかもしれません。


今回の友情出演組です。(敬称略)

ヱルム・ビャーチェノワ(@ElM_Su37UB)
もち(@mochi02913)
ジェームズ・スミス(Lt_smithFFR41mr)
ビルストと戦術機好きの男(@Yuki90300757993)
如月中尉(@KSRG_TSF94)

出演許可を頂き、感謝しております。ありがとうございます。

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