Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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前回最終回と思っている人がかなりいたらしいなぁ!
…………すみません、まだ続きます(´;ω;`)
なんなら、半分くらい行ってるのかどうかくらいです。
はい、すみません。ちなみに、最終回は最終話とつけるのでご安心してください。

今回少し長めです。


第5章 5・15事件
第24話 帝国激怒


 2000/1/10 横浜基地

 

 甲21号作戦の作戦報告書がこの日に公開されることとなった。詳細な被害報告や、戦果、戦闘経緯に戦死者のリストも制作された。戦死者の中には、田島と村上の名前もあった。しかし、A-01部隊はその機密性から死因は事故死となった。もちろん、これに納得できるわけがない。柏木は報告書を片手に、みちるとトンカッチに抗議をした。

 

「大尉、これはどういうことなんです!?何で二人の死因が事故死になってるんです!」

「我々の部隊は、機密性が高い。…………この新聞を見てみろ。」

 

 みちるは新聞を柏木に見せた。

 

『甲21号作戦、失敗か?特殊爆弾を使用し佐渡島を破壊』

『新型爆弾による被害大 使用者は死亡か?』

『新型爆弾を使用!国連の陰謀か?』

『国連軍部隊の大失態 国連は今すぐ撤収せよ!』

 

 このような見出しの記事が大半を占めていた。国民にとっての悲願だった佐渡島奪還が、新型爆弾の使用により最悪の形で失敗になったという認識になっていたのだ。さらに、責任が国連に全て押し付けられていた。

 

「このような状況で死因が、新型爆弾を起爆しに行った・守ったから、などと言ってみろ。…二人は国民の敵として祭り上げられる。」

「でも!…でも、二人のおかげで助かった命だってあるはずです!」

 

 実際に、爆弾の影響は凄まじいもので、BETAの侵攻を遅らせることには成功していた。

 

「それでも、公表できないものはできない。これは、仕方のないことだ。……割り切るしかない。」

 

 みちるは、ふと外を見ると、デモ行動が起きていた。プラカードには、『爆発犯を出せ!』『責任を負え!』『国連は帝国から撤収せよ!帝国を汚すな!』と書かれていた。

 

「…………何も知らないうちは、気楽なものだな。」

 

 思わず、ボソッと言ってしまった。国連軍の衛兵や、戦術機が武力を見せつけて何とか均衡を保っているようだった。

 

「おい、大丈夫か?」

 

 トンカッチが、コーヒーをみちるに差し出してきた。

 

「ああ、ごめん。考え事してたんだ。」

「やっぱり、二人のことか?」

「ええ、何とかしてあげたいが、世論や国連はそれを是としない。」

「それはそうだろうな。無情だが、正しい判断だ。全く、その判断を何で作戦に活かせなかったのだろうか。」

 

 そう、トンカッチは皮肉めいた発言をした。しかし、それに良い反応ができなかった。

 

「そうだ、墓の一つや二つくらい作ってやるのはどうだ?…何も無かったら、あの二人が可哀想じゃないか。」

「…そうだな。じゃあ、いい場所がある。」

 

 そう言うと、二人は外に出た。荒廃したこの世界にも、桜の木は立派に生えていた。

 

「この木の下なら、私たちにしかわからない。どうかしら?」

「いいんじゃないか?…できれば、ここに入る人間がこれ以上いないといいな。」

 

 そして、A-01部隊を全員招集した。田島の遺骨は回収できなかったので、彼の部屋にあったものを埋めることにした。

 

「速瀬以下、A-01部隊全員集合しました!」

「そうか、ありがとう。…全員よく聞け。」

 

 みちるが、少し息を吸ってから喋り始めた。

 

「田島と村上は、最後まで作戦に従事し、人類生存の希望を我々に託した。その結果がどうなるかは誰にもわからない。しかし、彼らが生きていたことを決して忘れてはならない!忘れてしまうことが、真の意味での死だ。それを忘れるな。いいな!」

『了解!』

「…………じゃあ、埋めるぞ。最後に、何か言い残すことがある者は?」

 

 誰も手を上げなかった。全員、覚悟はできているようだった。

 

「そうか……。では、本当に埋めるぞ。」

 

 桜の木の下に大きな穴を開けておいた。そこに、二人は埋められた。

 

「総員、敬礼!」

 

 二度と、ここに入る人間が出ないように。もう、悲しむことがないように。そう願いながら、全員その場を離れた。

 

 

 3/10 第4戦術機格納庫

 

 甲21号作戦から2か月ほど経った。この間に、BETAは大規模上陸作戦を展開しておらず、つかの間の平和が訪れていた。それに呼応するように、帝国は徐々に内乱の様相を見せ始めていた。帝都では毎日のようにデモが行われ、横浜基地にもそれは飛び火していた。その矛先は、在日米軍にまで及んでいるらしい。噂によれば、海軍がクーデターを画策しているとかしないとか。A-01もそれに備え、対BETAではなく、対戦術機の訓練が主になっていた。

 そのような状況下で、A-01に新型戦術機が配備されることになった。甲21号作戦の際に失った、時雨の補填機だった。

 

「お~い、班長~!」

「……ああ、トンカッチ大尉たちですかい!こっちです!」

 

 この日はちょうど、A-01のほとんどが休暇で外出していた。居残りになったのは、トンカッチとビルスト、もちだった。そのため、新型機の立会人にとして呼ばれていたのだった。

 

「これが、新型機ですよ!はい、マニュアルとデータです。」

 

 データに書かれていた戦術機は、98式戦術歩行戦闘機『秋月』であった。秋月は量産型戦術機として計画されていた第3世代戦術機だった。不知火より低コストかつ同性能を求められていた。その要望に対し、日本企業は全力で応えようとした。しかし、あまりにも要求値が高すぎた。傑作機ともいえる不知火でさえ、ほどほどのコストであったのに、それをさらに安くする。ただでさえ、切り詰めた設計思想の不知火をだ。そのため、日本企業は米国企業の技術支援を受けることにした。主に、跳躍ユニットや装甲材質を変更することになった。それにより、提出書類には不知火の8割のコストで12割の性能を担保することが記載されていた。

 もちろん要求値にはギリギリ届いていなかったが、軍内部での働きもあり採用となった。装備は共用装備だった。しかし、もちはこれに疑問を持った。

 

「とはいっても、全然使ってる部隊いないよな?初めて見る機体だぞ?」

「ええ、それはそうです。これを作るくらいだったら、不知火のほうが安く済むんですよ。」

「どういうことだ?安いのは秋月なんだろ?なんで高い不知火のほうが安くなるんだ?」

 

 整備班長は図面を見せた。

 

「ここです。この跳躍ユニットをよく見てください。」

「…………さっぱり分からんな。ビルスト、分かるか?」

「すまねえ、俺は爆薬以外に興味がないんだ…。」

「「お前に聞いた俺たちが馬鹿だった!帰れ!」」

「振ったのアンタたちじゃねえか…。」

 

 その間に、トンカッチは問題点を見つけていた。

 

「機体の各所が、F-22(ラプター)のものになっているじゃないか!あれはかなり高価なものだろ!?」

「そうなんです。実は企業は帝国に隠蔽をして提出をしていたんですよ。」

「で、バレちまったってことか?」

「そういうことです。だから、制式採用は白紙。現存するのは初期生産の15機のみですよ。」

 

 確かに、ペーパープラン上では安くできるように設計はされていた。しかし、それに耐えれる強度や生存性がなかった。であるならば、強化をする。そうすれば、高くつく。結果として不知火1.5機分のコストになる。それを聞いて、3人とも落ち込んでしまった。

 

「ま、まあ性能はいいじゃないですか!ね!」

「…………けど、時雨より劣化してるだろ?」

「…乙型とほぼ同じだろ?」

「…C型より少し強いだけだろ?」

「「「それじゃあ、伊隅大尉は喜ばないよぉ!?」」」

「…そんなこと、整備班長の俺に言わないでくださいよ!俺は、戦術機を整備する班長!調達するのは上層部!分かりますか!?」

「「「そこを何とかするのがお前らだろ!」」」

「無茶言うなよ!」

 

 少々乱闘騒ぎになった。3対1でトンカッチたちは襲い掛かったが、整備班長は柔道を極めていた。そのため、一瞬で無力化された。

 

「…………まだ文句ありますか!?」

「「「…ありません。」」」

「あとね、もう少し人の話を聞きなさい!…はい、これ。」

 

 さらに新しい書類をトンカッチに渡してきた。

 

「…89式戦術歩行戦闘機『五十鈴』?カテゴリーが攻撃機だと!?」

 

 89式戦術歩行戦闘機『五十鈴』は、世界中でも数少ない攻撃機だった。陽炎がベースとなっているが、主碗と主脚が太くなり、背部が大きく変更されていた。最大の特徴として、背部は兵装担架を排除し、203mm戦術支援砲を2門装備している点にあった。砲の銃身を二つ折りにした展開式により、移動にも困らないようになっている。また、頭部に12.7mm防護機銃を増設している。最大速度は500km/hとなっているが、本機は増加装甲式なのでパージが可能となっている。パージ後は普通の陽炎となる。

 

「まあ、いわゆる強化プランですよ。もともと陽炎ができるときに発案されてた構想なんですよ。」

「第2世代の強みを完全に捨てているような気がしないでもないな。」

「もち少佐、それは言っちゃダメですよ!…事実ですけど。」

 

 それでも、これで火力が必要とされる戦闘においても活躍ができる。村雨も時雨も不知火も、単独火力は低かった。そもそも、戦術機は群れて戦うものだ。だが、A-01は特殊任務を行うこともある。その時には必要となること間違いなしだろう。しかし、トンカッチには懸念点があった。そのため、3人はコソコソと話し始めた。

 

「なあ、もち、ビルスト。これでみちるは納得する思うか?」

「いやぁ?あの人、結構時雨気に入ってたしな…。」

「破壊した時、大尉少し泣いてましたよ?」

「マジかぁ…。何とか説得してみるか?」

「それしかないよ、トンカッチ。」

「大尉、ファイト!」

 

 とりあえず、賄賂の一つや二つくらいは用意しておかなければ。そうトンカッチは思った。

 

 

 4/30 帝国陸軍省第5会議室

 

 この日、帝国陸軍省では月例会議が行われていた。名だたる将官クラスが勢ぞろいしており、1か月先の方針を決めていた。今回は4月ということもあり、年間計画について話していた。

 

「それでは、会議を始めましょうか。今日は誰が司会でしたかな?」

「確か、彩峰中将ではなかったですかな?」

「ああ、失礼!すっかり忘れておりました!特に準備もしていないのですがよろしいですかな?」

「まあ、何となるでしょう。ハハハ!」

 

 こんな感じで会議はいつも和やかな雰囲気だった。全員出身こそ違えど、目的は一つだった。もちろん、反対意見はしっかり言っている。お友達ではなく、良きライバルとしてだ。

 

「では、始めましょうか!…まず、そうですね、甲21号作戦についてもう一度話しましょうか。」

「そうだな。結局、前回だけではまとまりきらなかったからな。」

「殉職者に対しては、伏せたままにするとして、責任者の香月副司令には抗議をするべきだな。」

「しかし、もう国民も少しづつ落ち着いているこの現状を鑑みれば、もはや不問でも良いのでは?」

「…それを聞いた佐渡島出身の人間はどう思うかな?」

「それはそうだが…。」

 

 朝の9時に始まった会議は、15時になっていた。ここまで、休憩も昼食も取っていない。それを鑑み、司会の彩峰が発言する。

 

「まあ、いったん休憩にしましょうか!腹がすいては何とやらです。」

「そうだな、では1時間ほど休憩ということで。」

 

 1時間の休憩が始まった。彩峰は少し外を歩くことにした。向かう先は、行きつけの定食屋だった。白昼堂々、護衛も部下も付けずに歩いていた。不用心に見えるが、これが彼のやり方だった。殺すなら、殺してみろ。そういう信念だった。もちろん、危機にさらされるようなことはなく、定食屋に着いた。

 この定食屋は彩峰の友人が経営しており、陸軍省の人間がよく通っている。そのため、敷地はかなり広く座敷席もカウンター席もテーブル席も完備してある。値段も安く、どちらかというと職員や下士官が多く来ている。しかし、この時間だと人はいなかった。

 

「いらっしゃいませー!…ああ、中将ですかい?いつもの席、空いてますよ。あと、沙霧さんも来てますぜ。」

「おいおい、中将呼びは止めてくれよ。堅苦しいじゃないか。普通に彩峰でいいよ。昔馴染みじゃないか?」

「まあ、そうですなぁ。じゃあ、彩峰、席に座ってくれや。」

「そうそう、それでいいんだよ。」

 

 そう言いながら、沙霧の座っている座敷席に座った。

 

「中将、お先に座らせていただきました。」

「ああ、構わないさ。沙霧君は何を食べるかい?」

「そうですね、では私は日替わり定食でお願いします。」

 

 彩峰は店主を呼んで、注文を取ってもらった。

 

「俺は、豚の生姜焼きにするよ。ごはん大盛りで頼む。で、沙霧君は日替わり定食で。」

「あいよ!今日はトンカツだけど、味噌かソースが選べるんだがどっちにするかい?」

「では、味噌にしてもらってもいいですか?あと、大盛りで。」

「了解!少し時間かかるけど大丈夫かい?」

「構いません。今日は非番なので。」

 

 そう言うと、店主は定食を作り始めた。

 

「沙霧君、今日非番なのか?」

「ええ、と言っても書類作業があって、この時間に昼食をと。」

「俺も、ちょうど会議が休憩になったところだ。全く、あれ疲れるんだよ。」

「お気持ちは分かります。」

 

 二人は定食が来るまでの間、雑談を楽しんだ。新型戦術機、戦術。家族や、思い人。そのようなことばかりではあったが、それは二人にとって気の休まる時間だった。少しして定食が机に並べられた。

 

「おお、いつもにも増してうまそうじゃないか?」

「馬鹿野郎、いつも通りだよ!お前はもっと俺の店に来い。」

「ハハッ、それはそうだな!」

「では、いただきましょうか。中将。」

「ああ、そうすることにしよう。いただきます。」

「いただきます。」

 

 二人には暗黙のルールとして、食事中にはよほどのことでない限り喋らないことにしていた。そして、黙々と食べ10分ほどで食べ終わってしまった。

 

「ごちそうさま。」

「ごちそうさまでした。」

「やっぱり、軍に入ってると食事も早いもんだな。」

「まあ、俺は元から早いほうだからな。沙霧君は昔、早食い勝負みたいなので優勝してたっけ?」

「中将、その話は少しお控えいただけると。少々恥ずかしい年少期のことですので…。」

「あ、そうだったのか。これは失礼したな。」

「いえ、お気になさらず!…では、そろそろ戻るとしましょうか。」

「そうだな。ま、少し歩いていくか。じゃあ、俺たちもう出るわ。」

「あいよ!またのお越しを!」

 

 そう言って、二人は店を後にした。そして、葉桜となった桜並木を通った。なかなか風情はある景色であった。そして、沙霧が話し始めた。

 

「…中将、少しお話したいことがあります。先日の調査の依頼の結果です。」

「そうか……。白か?黒か?」

「…………残念ながら黒でした。力及ばずといったところです。」

 

 沙霧が調査していたのは、帝国陸軍内での反乱の予兆だった。反乱分子には部下である第1連隊の隊員も含まれていた。

 

「彼らの気持ちは痛いほどわかる。確かに、国連の行為は到底許されるべきではない。だが、あの方法しかなかったとも言える。現場判断としては最適だった。これもまた事実だ。」

「ええ。彼らの結構予定日は5/15だそうです。もちろん、私にも要請が来ました。」

「…………行くのか?」

「正直迷っていました。ですが、それは血塗られた外道。我々は、帝都の守りを預かる者であります。外道に落ちぶれてはならんのです。」

「そうだな。それを聞いて安心したよ。であれば、最後まで説得はしてみてくれ。できる範囲で構わない。」

「承知しました。」

「それとだ。…そろそろ、考えてくれたか?」

「は?」

 

 話が急に変わった。流石に沙霧も驚いた。

 

「ほら、娘の慧のことだ。将来的にでも構わん、もらってくれんか?君になら信頼できる!」

「い、いやぁ私にはまだ少し考える時間がですね?」

「そう言い続けてから、もう5か月たっているぞ?」

「いや、それはそうですが…。というか、まだ慧さんは学生ですよ!?感情が多感な時期にそのようなことはお止めになられたほうがよろしいかと?」

「それがな、慧も君のことを気になっているそうだ。これなら断る理由もないだろ?」

「…………それを踏まえたうえで再検討させていただきます!」

 

 思わず語気を強めて言ってしまった。そして、互いに大笑いした。桜並木が終わり、正面玄関前まで到達した。

 

「それでは、自分は宿舎に戻ります。」

「ああ、そういえば非番か。すまないね、付き合わせてしまって。」

「いえ、有意義な時間でした。こちらこそ、ありがとうございます。」

「そうか。なら良かったよ。では、また頼むよ。」

「はい!」

 

 その時、玄関から見慣れない顔の男が出てきた。沙霧は陸軍省にかなり通っている身が故、ほとんどの人間は把握している。それこそ、清掃係のレベルまでだ。しかし、その男は階級章が大佐だった。所属も陸軍省を表していた。そのような存在を、沙霧が知らないわけがなかった。でも、分からなかった。沙霧に嫌な予感と冷や汗が流れる。そして、一つの結論に達した。

 

「中将、その男から離れて!」

 

 奴は暗殺者だ。そう断定できた。叫ぶとともに、彩峰を助けようと沙霧は迫った。しかし、少し遅かった。暗殺者の手元には拳銃が握られていた。そして、引き金はひかれた。

 省内に乾いた銃声が7回も響いた。彩峰は力を失い、だらりとその場に崩れ落ちた。

 

「貴様ぁぁ!このクソ外道がぁ!!!」

 

 沙霧は怒りに任せ、暗殺者を殴り飛ばした。奴は腰からナイフを取り出したが、それを奪い取る。そして、暗殺者の太ももに深く突き刺した。

 

「貴様ぁ!どこからの命令だ!反乱分子か!?国連か!?答えろぉ!」

 

 顔面を何回も殴りながら叫んだ。それを、彩峰が制止した。

 

「…………や、めないか。さぎ…り!」

 

 既に、彩峰は地面に大きな血の池を作っていた。誰の目から見ても助かることはなかった。すぐに、沙霧は駆け寄った。

 

「中将!中将!お気を確かに!沙霧はここにいます!ご安心ください!」

「さ…ぎ…り。ゴハッ!…………外道には…落ちるな!」

「…わかっております!ご安心ください!ですから、喋らないでください!傷に障ります。」

「…もう、持たんよ。…………慧を、たの……………む。」

 

 彩峰の目は光を失い、体の体温が徐々に冷たくなっていくのを感じた。沙霧の体に、彩峰の血がどんどん染み込んできた。早く、応急手当てをしなければならなかった。だが、動けなかった。あまりの衝撃に、沙霧は正気を失ってしまっていた。

 

「沙霧大尉、どいてください!メディックです!メディックが来ましたからどいて!」

 

 しかし、動けなかった。それを引きずるような形で他の職員がどかした。

 

「やめてくれ…………。中将が、離れていくのは。やめてくれ…………!」

 

 すぐにメディックが応急処置をした。救急車もすぐに来たものの、その中で死亡が確認された。死亡時刻2000/4/30 15:52 享年45だった。

 

 

 取り調べの結果、犯人は国連軍所属の衛士だった。しかし実際には、米国諜報機関からの差し金であった。命令としては、帝国軍将校を暗殺し、帝国内を混乱に陥れ、内乱を誘発させる目的があった。そして、彩峰中将の暗殺の報は帝国中に渡った。無論、犯人の情報もだ。そのため、帝国の世論は反米国に大きく傾くこととなってしまった。そして…………。

 

 

 5/15 0:15 帝国軍厚木基地

 

 ついにクーデターの当日となった。そこには、覚悟を決めた者たちが整列して並んでいた。そして、ある男を待っていた。

 

「…!来られました!全員、敬礼!」

 

 男は、敬礼を返した。そして、自分たちの前に置かれた盃に注がれた酒を飲んだ。 

 

「全員招集完了しました。作戦決行可能です、沙霧大尉!」

「…了解した。」

 

 その男とは、沙霧尚哉であった。彼もまた、血塗られた外道を歩むこととしたのだ。




ふぃー、疲れた疲れた。
…………ついに原作キャラが死んじまったよ。
最悪の形で殺しちまったよ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

……やっちゃえ沙霧!悪の米国を打ち破るんだ!()

今回の友情出演組です。(敬称略)

もち(@mochi02913)
ビルストと戦術機好きの男(@Yuki90300757993)
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