Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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彩峰中将…………/)`;ω;´)
前回、一部箇所が間違っていたので訂正しておきました。
また、彩峰中将の年齢は分からんのでとりあえずの年齢です。
分かり次第変更します。
秋月と五十鈴の詳細スペックは、次回の前書きにします。


第25話 5・15事件

 2000/5/15 3:00 帝国海軍省

 

 この日は太陽の出ていないこの時間から、海軍省で対策会議が始まった。帝国軍内部にて内乱が発生する予兆を、米国諜報機関(CIA)が確認したのだ。

 

「まったく、彩峰中将暗殺事件の影響ですかな?」

「もっぱらそうでしょうな。にしても、CIAも面の皮が厚いもんだ。自分たちから差し向けておいて、いざ発生するとその情報をリークしてくる。」

「まあ、向こうさんにも派閥ってもんがあるんでしょう。保守派、改革派、中道派。他にも親日派、愛国派とかいろいろだ。」

「そうなると、今回は親日派がリークしたということですかな?」

「そうなりますな。それよりも早く会議を始めましょう。こうしている間にも馬鹿者どもが動いているんだ。」

 

 将官たちは急ぎ足で会議室に向かった。不思議なことに、いつもは閉じられている扉が開いていた。些細なことだったので、特に気にせず部屋に入った。そこには、完全武装をした陸軍と海軍の兵士たちがいた。どちらの兵も、肩から89式5.56mm小銃を提げていた。指揮官らしき男が、軍刀を抜き、将官の一人に突き付けた。

 

「将官の皆々様には、しばらくここで大人しくしてもらいます。抵抗されますと、私の部下が何をするかわかりません。ですので、不用意に動かないことをお勧めします。」

 

 男はニコニコ笑いながら言った。

 

 

 3:05 帝国陸軍省

 

「海軍省のほうは抑えたようです。」

「では、こちらも動くとしよう!全員突入、突入!」

『了解!』

 

 陸軍省には、陸軍兵士のみで突入した。小銃を正面玄関に向け乱射しながら、突入した。正面玄関には衛兵が二人立っており、彼らはすぐに襲撃を悟り非常ベルを鳴らそうとした。

 

「まずい!クーデター発生じゃないか!非常ベルを!」

「させるかぁ!」

 

 非常ベルを押す直前で、衛兵はクーデター部隊に射殺された。

 

「正門クリア!抵抗する様子を見せたら、即射殺しろ!」

 

 彼らの制圧速度は非常に速いものがあった。そして、突入から5分後。クーデター部隊側には死傷者を出さずに、完全制圧を成し遂げた。途中、将官クラスもいたが、もちろん射殺した。奴らは、帝国に根を張る害虫そのものだったからだ。

 

 

 同時刻 帝都城

 

 もちろん、帝都城にも突入した。殿下を保護(という名目での拉致)をし、大義をクーデター部隊側にする必要があった。どれだけ国民や兵士が賛同しても、殿下が反対なされたら詰みである。それが日本帝国という国だった。しかし、どこを探しても見つからなかった。さらに、斯衛の歩兵部隊と戦闘になり、斯衛側に何人かの死傷者が出た。殿下のいる帝都城での戦闘でさえ御法度ではあったが、これに死傷者を出してしまうという失態を犯した。

 

「隊長。全部隊で捜索をしましたが、やはり逃げられたようです。」

「…そうか。早く沙霧大尉に連絡をしろ。『日が落ちた』と。」

「了解!」

 

 

 3:07 帝国軍厚木基地

 

「沙霧大尉、帝都城より連絡です。『日が落ちた』との報告がありました。……残念です。」

「そうか……。殿下は我々の思いにお答えくださらぬとは。無念ではあるが、拉致の可能性もある。すぐに出撃する。全機、発進用意!」

「了解!全機、発進用意!」

『応!』

 

 沙霧含めクーデター部隊には、戦術機部隊も参加していた。クーデター規模は全国規模になっており、最初に帝都で起こす手筈となっていた。そのため、まずは横須賀米海軍基地を叩く必要があった。あの駐留艦隊には、最新鋭の戦術機が搭載されている可能性が高く、それが参戦してきた場合には、米国の手によって鎮圧される恐れもあった。それが、最悪の形であった。

 同時に、国連横浜基地も叩く必要があった。恐らく、あそこからも戦術機が発進する。大概の戦術機部隊は抑えれるが、あそこにはA-01部隊がいた。あの、甲21号作戦の最前線での数少ない生き残りだ。精鋭中の精鋭である。奴らを相手にするのは特に避けたかった。

 

「後藤中尉、貴様は横須賀を襲撃しろ。私が横浜を叩く!」

「了解です、大尉。……ご武運を!」

 

 後藤たちの横須賀班は不知火甲型AS(対艦艇用)装備に、沙霧たち横浜班は不知火甲型ATSF(対戦術機特化型)装備乗り込んだ。

 

「…………彩峰中将、申し訳ありません。やはり、血塗られた外道に進むほか私にはありませんでした。この罪、地獄で償わせてもらいます!」

 

 

 3:15 横須賀米海軍基地

 

「横須賀に到着したぞ!だが……だが艦艇が一つも見当たらん!」

「広範囲レーダーに切り替えろ!………やはりな!金田湾に艦影多数確認!急ぎ攻撃をする!全機、兵器使用自由!」

「このエリアには、BETAは存在していない!高度を上げてでも追いつくぞ!」

『了解!』

 

 横須賀から少し離れた金田湾には、原子力空母4隻、戦艦6隻、イージス艦12隻、巡洋艦5隻の大艦隊が展開していた。それは、第3艦隊と第7艦隊の連合艦隊総戦力だった。

 しかし、帝国海軍も艦隊を出撃していた。大湊と名古屋から挟み込む形で艦隊は展開していた。帝国海軍の戦力は、名古屋の第5艦隊は戦術機空母8隻、強襲揚陸艦1隻、巡洋艦8隻。大湊の第8艦隊は戦術機空母3隻、強襲揚陸艦2隻、巡洋艦4隻、駆逐艦5隻。総勢としては帝国海軍が優勢だった。しかし、イージス艦の攻撃能力ならびに防御能力は高いものがあった。さらに、米海軍は対空陣形の輪形陣で待ち構えていた。

 

「後藤中尉!敵艦隊見えました!…イージス艦からレーダー照射!撃ってきました!」

防空ミサイル(シースパロー)か!チャフ展開!」

「ミサイル第1波を回避成功!92式対艦誘導弾発射!」

 

 不知火甲型が92式を斉射した。もちろん、防空の鬼であるイージス艦には通用しなかった。1方向からの襲撃であれば、さらに簡単に迎撃できた。さらに、艦隊からミサイル第2波が発射された。

 

「敵艦、続けてミサイル発射!こちらのミサイルは全弾撃墜された模様!」

「チャフの残弾に気を付けつつ回避!アタッカーは対艦砲を展開しろ!」

「こちらアタッカー1。アタッカー全機の203mm砲、準備完了!」

「よし、防護形態!アタッカーを援護しろ!」

 

 アタッカーの機体は、クーデター部隊の五十鈴だった。

 

「アタッカー1、対地ミサイル(トマホーク)も接近している!退避しろ!」

「一発でも撃つことができればそれでいい!アタッカー全機、撃てぇ!」

 

 彼らは203mm砲を速射して撃った。命中精度は落ちるものの、十分な弾幕を張ることができていた。アタッカーが4発目を発砲したと同時に、トマホークが接近した。五十鈴の12.7mmにて急いで防空迎撃をした。だが、相手は超音速で飛ぶ飛翔体だ。なかなか撃墜できなかった。そして、12発のトマホークのうち、3発がアタッカーを襲った。五十鈴が重装甲とはいえ、炸薬たっぷりのトマホークは耐えれるものではなかった。

 

「アタッカー、全滅!」

「くそっ!…砲弾の弾着は!」

「…………今です!」

 

 砲弾のほとんどがイージス艦に命中した。12隻のうち、2隻が爆沈した。さらに、3隻が被弾し防空能力を低下させていた。ちょうど帝国海軍も攻撃可能地点に到達していた。

 

「こちら第5艦隊、対艦ミサイル(ハープーン)発射始め!」

「1番発射用意…………撃てぇ!」

「第8艦隊も攻撃を開始する!ハープーン、発射!」

 

 両艦隊からハープーンが発射された。その際に、戦術機空母から戦術機が発艦し始めた。しかし、米海軍にはゲームチェンジャーとなる戦術機が原子力空母に搭載されていた。

 

「イージス艦ラッセン、スタウト撃沈!本艦以下5隻も被弾!イージス艦が集中攻撃を受けています!」

「砲撃か!?……できれば手の内は見せたくなかったが、やるしかあるまい!こちらイージス艦アーレイ・バーク。作戦参加のニミッツ級原子力空母に対し命令する。F-18X(ミラージュホーネット)の使用せよ!一気に終わらせる!」

 

 すぐに命令は伝達された。空母の艦長たちは、かなり驚いていた。というのも、ミラージュホーネットは小型核弾頭付ミサイルを装備している機体だった。さらに、性能としてはF-22をはるかに上回るものだった。対戦術機に特化しており、戦域を一気に支配することができた。その存在は、この艦隊と設計局、上層部しか知らない情報だった。それを使うということは、各国家に手の内を見せるということだ。

 

「アーレイ・バーク、本当に使うんだな?」

「大統領からの許可を頂いているだ。盛大にやってくれ!」

「…了解!」

「こちら、航空甲板!発進準備は完了しました!」

「よし、ホーネット隊は全機発進!」

「ホーネット1、ラジャー。………GO!」

 

 F-18Xは全機、発艦に成功した。直前に、特攻覚悟で不知火が突入していたものの、迎撃に成功していた。イージス艦は空母の盾になっていた。

 一方、クーデター部隊はなかなか攻撃できずにいた。というのも、長距離ミサイルは無く、フレアも少なくなっていた。

 

「後藤中尉、帝国海軍の戦術機が戦域に突入していますが、防空網を抜けられない模様です!」

「なんだと!?艦隊からの攻撃はどうなってる!」

「どうやら、米艦隊にアイオワ級戦艦が多数展開しており、わが海軍はそっちの対応に追われているそうです!」

「くそっ!これでは、作戦が台無しだ!」

「一度、補給を………これは、艦載機!?中尉、空母から戦術機が発艦されました!」

「…了解した!ただ、こちらは数で押し切る!」

 

 新型機の数は14機、対するクーデター部隊は不知火甲型が27機もいた。艦隊から発艦した機体も含めれば40機になる。圧倒的な数の暴力で新鋭機は刈り取る。後藤は、そう考えることにした。

 

「米艦隊への攻撃は、洋上艦隊に任せるほかない!我々は新鋭機を撃墜する!」

『応!』

 

 対艦攻撃を一通り済ませたのち、AS装備を投棄した。投棄したのちは、通常の甲型と同じ性能を有していた。F-18Xは縦一文字に突入してきた。それを囲うように展開する。その囲いに誘い込まれ、F-18Xは包囲された。

 

「よし、引っかかったな!撃てぇ!」

 

 甲型が36㎜を発砲した。包囲状態にあったので、誰かの射撃は当たる。しかし、それを奴らは全弾回避した。

 

「やはり、日本人は固定概念に囚われる人種だな!」

「逆に窮地に立たされていることも知らないのが、可哀想だぜ!」

 

 F-18Xは消えたかと思えば、甲型の真後ろに立っていた。

 

「な、なに!早すぎる!」

Get shot down(堕ちろ)!」

 

 F-18Xは、視界に現れたと思えば消え、消えたと思えば後ろを取っており、回避すればその先に待ち伏せていた。戦場の悪夢そのものであった。言ってしまえば、蜃気楼(ミラージュ)と戦っているのだ。だから、ミラージュと名付けられた。

 F-18X相手に次々と甲型は撃墜されていた。40機もいた大編隊は、ついに残すところ10機となった。F-18Xも4機は撃墜されていたが、30機を使って4機だった。状況としては最悪だった。そう思ったが、6機が離脱し、更に二手に分かれて艦隊に向かっていった。

 

「ホーネット隊全機、核は使用しても構わん。被害は無い区域である。」

「ラジャー!」

 

 後藤は何か嫌な予感を感じ取った。しかし、目の前のF-18Xを相手にするので精いっぱいだった。そして、艦隊に向かったF-18Xは、小型核弾頭付ミサイルを発射した。爆発半径は1㎞とかなり小さいものだった。しかし、核はどこまで行っても核だった。一瞬の閃光の後、第5、第8艦隊を消し炭にした。圧倒的な熱量に艦艇が耐えれるわけがなかった。対光線被膜を施していた戦艦もいたが、核の熱量はそれを軽く上回った。もちろん、後藤たちクーデター部隊もそれを目視した。

 

「やはり…………米国はどこまでもぉ!」

 

 自国以外での戦略兵器を、米国は何度も使用していた。ついに、その刃を人間に向けたのだ。通信回線を相手に開く。

 

「貴様ら米国は、やはりクズ野郎だ!死にさらせぇ!」

「お前らが反乱など起こさねば、こちらも撃つ必要はなかったんだぞ!それを理解していっているのか!?」

「貴様らが仕掛けた内乱だろうに!」

 

 後藤は通信をしていたF-18Xを、長刀で叩き切った。さらに、それを援護しに来たもう1機も95式環状攻撃短刀で撃墜した。しかし、性能差はなかなか覆せなかった。ついに、後藤の機体のみになった。対面中の敵機はあと2機だけだったが、艦隊はいまだに健在。さらに、艦隊を攻撃したF-18Xは全機残っていた。しかし、打開策があった。

 後藤は一気に甲型をF-18Xに近づけ、ミサイルの部分だけ切り落とした。急襲だったので、F-18Xは対応できず、核を奪取された。

 

「ホーネット1、核を奪取されました!」

「何だと!?奴を早く撃墜しろ!」

 

 急いで後藤を追いかける。しかし、なかなか攻撃できずにいた。というのも、後藤が海面ギリギリを飛んでいた。通常なら危険とされている高度だ。だが、海面の光の反射でカモフラージュとなった。機械は騙せなくても、人は騙せる、といったことだ。

 

「艦長!敵機接近!核を抱えています!」

「CIWS起動!早く!」

「迎撃、間に合いません!」

 

 後藤はもう、艦隊の懐まで迫っていた。こうなると攻撃をすることはできなかった。

 

「我が国のために、一足先に行かせてもらいますよ、大尉!」

 

 そう言い、後藤はミサイルを手放し、海中に捨てた。そして、急速上昇した。もちろん、それを見逃すわけがなく、すぐにシースパローとCIWSの的になった。後藤と不知火甲型は、オーバーキルともいえる攻撃で爆散した。

 

「…………敵機撃墜。奴はいったい何がしたかったんです?」

「………敗北だ。」

「はい?」

「…核を使った、我々の敗北だ。奴はそれを示すために、攻撃をわざとしなかったんだ!くそっ!くそっ!くそったれが!」

 

 

 3:30 横浜基地周辺

 

 沙霧たちは横浜基地の周辺に包囲する形で展開した。この至近距離まで来て気づかれていないのは、沙霧たちの機体がステルス機能を有しているATSF装備だったからだ。全機が、戦術機格納庫をロックオンした。あそこに戦術機が待機している。それを叩けば、あとは雑魚どもを相手にするだけだった。そのようなときに、緊急通信が入った。

 

「…………何だ?攻撃開始時刻だぞ!」

「はっ、申し訳ありません!ですが沙霧大尉、後藤中尉が!」

「まさか…………!作戦が失敗したのか?」

「はい…。」

「そうか……。いいか、諸君。先ほど、後藤中尉が戦死した。だが、彼は見事に我々の精神を体現するような死にざまだった。我々もそれに準ずる覚悟で臨め。いいな!」

『応!』

 

 沙霧たちは、ミサイルの発射ボタンを押した。

 

 

 3:00(沙霧がミサイルを発射する30分前) 第4戦術機格納庫

 

 トンカッチとみちるは、秋月の調整をしていた。

 

「どうだ、秋月の調子は?」

「さすがに慣れてきたが、やはり時雨のほうが好きだな。…………ねぇ、トンカッチぃ!?」

「悪かったって。あれ、そんなに気に行ってたのか?」

「当たり前よ!なんか、こう自分の思った通りに動くのよ!?こう、ね?」

「ね?って言われてもなぁ…。」

「別に、秋月も嫌いじゃないの。なんだけど、量産型戦術機だからなのかしら。操縦系がやっぱり固いのよねぇ。」

 

 みちるは、やはり秋月に対し文句を言っていた。納入してから既に2か月近く経っているが、未だにこれなのだ。流石に、トンカッチも怒り始めた。

 

「あのなぁ!まだ第1世代の撃震で戦っている奴もいるんだぞ!?なのに、俺たちは優先して最新鋭の第3世代機を回してもらっているんだ!……少しは理解してやれ。」

 

 トンカッチは、帝国軍時代にずっと撃震で戦わされていた。そのため、彼らの苦しさは十二分に理解していた。だからこそ、みちるの発言は許せないものがあった。今までなるべく言わないようにしていたが、さすがに堪忍袋の緒が切れた。久しぶりにキレたトンカッチに、みちるは思わずたじろいでしまった。

 

「ご、ごめんなさい。そうよね…………もう少し考えてから言うべきだったわ。」

「分かればいいんだよ、…分かれば。」

 

 少し、お互いに冷静になってから話し始めた。

 

「…急なんだけど、いいかしら?」

「どうした?みちるらしくない言い方するなぁ。」

「そんなことないでしょ!?…………私たち、そろそろ結婚式挙げない?」

 

 あまりに急すぎる提案だった。

 

「おいおい、今の情勢を鑑みてみろよ。いつ後ろから刺されても文句言えない状況なんだぜ?」

「分かっている!……だけど、ダメかしら?」

 

 少し考えてみた。確かに、式はトンカッチも挙げたかった。帝国の状況も少しずつ落ち着いていた。以前よりいいタイミングと言える。

 

「…………わかった。じゃあ」

『警報 第2種戦闘配置 A-01はブリーフィングルームに集合せよ』

 

 いいタイミングで、これだ。突如として基地内に警報が流れた。

 

「…………すまないな。この答えは帰ってきてからだ!」

「…そうね!必ず帰ってくるわよ!」

 

 二人は急いでブリーフィングルームに駆けていった。

 そこには、既に隊員たちが待っていた。

 

「すまない、遅くなった!状況は!?」

 

 恭子が軽く説明し始めた。

 

「帝都で、クーデターが発生したのよ!既に陸・海軍省と帝都城が襲撃されたわ!」

「何ですって!?」

「何人か死傷者も出ているそうよ…。」

 

 そこに、香月副司令がやってきた。

 

「あら、もう集まっていたの?早いわね~。」

 

 相変わらず変な人だ。招集をかけたのはアンタだろうに。トンカッチは質問をした。

 

「副司令、俺たちA-01はどうするんです?帝都まで行くんですか?」

「いや、ここの防衛よ。国連上層部の命令で、別命あるまで待機ですって。」

 

 やはり、甲21号作戦のこともあり慎重になっている。香月は続けた。

 

「既に在日駐留艦隊は横須賀から逃げるように退避し始めたわ。米国は一戦交えるつもりでいる、としか見えないけどね。」

 

 しかし、A-01は国連所属だった。軍は常に上の命令に従わなければならない。そうでなければ、軍としての体を保てなくなるからだ。

 

「まあ、何もしないのはさすがに危なっかしいわ。だから、自分の機体をいつでも出せるようにしておきなさい。なんなら、滑走路に出てもいいわ。それはトンカッチ、アンタに任せるわ。」

「了解しました。全員聞いたな。すぐに解散し、準備をしておけ!」

『了解!』

 

 トンカッチが号令をかけ、解散させた。トンカッチもそれに続いて行こうとした。その時、ジェームズたち三人に止められた。

 

「おい、トンカッチ。本当にこのまま行くつもりか!?」

「…?何か問題があるのか、ジェームズ?」

「あまり大声でいけないけどよ、如月たち帝国軍の連中だよ。噂に過ぎないが、あいつらの所属してた第1連隊もいるらしいんだ。」

「何だと!?それは本当か、もち!」

「シーっ!声がデカいんだよ!…だから、一応それだけは伝えておいたほうがいいと思ってな。アンタは副隊長だろ?だから、どうするか嫁さんと話してこい。いいな!」

「…いや、俺は二人を信じる。今まで共に戦ってきた仲間だろ?」

「…………そうだな。ただ、背中を撃たれても俺は知らないぞ。警告はしたからな?」

 

 確かに、そのことを忘れていた。しかし、彼らに限ってそのようなことはないだろう。トンカッチはそう思うことにした。

 

 

 3:29 第3滑走路

 

 A-01は第3滑走路に展開していた。国連上層部からは抗議の連絡がひっきりなしに来ていたが、香月はそのすべてを無視していた。金田湾での戦闘の状況は逐一報告されていた。どうやら、決着はついたようだった。ただ、米国の核の使用はあまりにも愚かすぎると思った。それを使えば、クーデター側に正義があると示しているようなものだった。そして、クーデター部隊に沙霧が参加していることも発覚した。トンカッチは如月と駒木に回線をつないだ。

 

「………おい、二人とも。抜けるなら今のうちだぞ。俺らは別に止めやしない。」

「…………大尉、如月です。俺は、出向している身です。ですが、沙霧大尉たちの行いはあまりにも無茶苦茶すぎる!俺にはそれをやめさせる義務があります!だから、残ります!」

「駒木はどうする?」

「私は……私も残ります。如月が残るなら、私はそれについていく。確かに、沙霧大尉の行動には賛同するところもあります。ですが我々は、国民のための剣となり、国民を守る必要があります。彼らは、その解釈を誤った。だから、私も彼らを止めたい。その思いで私は残ります。」

 

 どうやら、二人とも覚悟は決まっていたようだった。

 

「そうか。…………なるべく貴様らの仲間は殺さないようにしておく。お前らは説得をし続けろ。恐らく、それが最短の解決方法だ。」

「「了解!」」

「全機に通達。敵機が出現してもなるべく殺すな。説得に応じさせる。いいな!」

『了解!』

 

 少し深呼吸をした。その時、警報が鳴り響いた。ビルストが一番先に気づいた。

 

「大尉!長距離ミサイル群接近!数は、計測不能!?小型ミサイルの可能性大!着弾地点は戦術機格納庫です!」

「全機、迎撃急げ!」

「無理です、間に合いません!」

 

 ミサイルが、戦術機格納庫に複数弾着した。横浜も戦火に包まれ始めたことを、彼らは知覚した。




今回の友情出演組です。(敬称略)

ヱルム・ビャーチェノワ(@ElM_Su37UB)
もち(@mochi02913)
ジェームズ・スミス(@Lt_smithFFR41mr)
ビルストと戦術機好きの男(@Yuki90300757993)
如月中尉(@KSRG_TSF94)

長すぎてこれであってる分からん()
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