Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
やったぜ☆
ちなみに原作だと5/25の段階で崇宰恭子は戦死しますが、この時空ではそもそもその戦闘自体が発生していないので死ぬことはありません。なので、恭子は生きています。
ええ、生きていますよ。…………今はね?
トンカッチは2週間近くの休暇をアメリカで過ごし満喫した。何度か第1戦技研部隊と模擬戦をしたが、最新鋭機のはずの村雨がF-15Eに負けるといった戦闘もあった。その時の衛士はユウヤだった。サプライズとして何度かサングスマンが戦闘に乱入してきてタイマンをしていたトンカッチとユウヤの二人を滅多打ちにすることもあった。
模擬戦をしない日はアメリカ旅行をしていた。
2000/6/7 アメリカ合衆国サンディエゴ州エルカホン
この日、トンカッチはエルカホンにあった自分の生家へも行った。今はだれが住んでいるのだろうと思ったら、表札に見慣れた名前があった。そこにはテェリーニの名前があった。あのジョリーロジャースの隊長だ。トンカッチは思わずインターホンを鳴らしていた。すると中から男の声がした。
「何だ、誰か来たのか?」
「すみません、俺です。トンカッチです」
「トンカッチ…ああ、あの大馬鹿野郎か!」
「それは言わんといてくださいな…」
テェリーニはトンカッチを家に招いた。彼は現在長期休暇のため帰省をしていたそうだ。しばらくしたら原隊復帰するらしい。家族もいて、妻と17と10になる息子がいた。どちらも米軍衛士志望だった。トンカッチはしばらく談笑をしていたが、ついに本題に入った。
「…テェリーニ中佐、お聞きしたいことがあります」
「ん?まさか…」
「はい、俺の父さんについてです」
「…………分かった、ついてこい。少し静かなところで話そう」
テェリーニは車を出してリバーサイド国立墓地まで向かった。テェリーニ曰く、そこに父は埋葬されているそうだ。駐車場に車を止めてしばらく歩くと、白い十字架が並んでいる墓地に着いた。そこの真ん中にトンカッチの父は眠っていた。十字架の下の石碑には『
「トンカッチ、俺は信越防衛戦の時に話しかけたことなんだが」
「ああ、確か父さんの部下だったとか」
「そうだ。あの日のことなんだがな…」
1984/11/11 9:00 中華戦線米軍第1戦術機補給所
この日は中国戦線においては初めてとなる米軍主導の対BETA作戦だった。作戦名は
「大佐。今日は自分が大佐の機体の航法士担当になります。よろしくお願いします!」
「お、そうか。俺の機体の航法士はみんなゲロ吐いて降りてくるから覚悟しとけよ!」
「お、お手柔らかにお願いします、大佐」
「できたらな!」
テェリーニはすぐに自らの機体のデータリンクなどの機体チェックを急いで済ませた。すべて異常なし、いつでも出撃できる状況にあった。武装にはフェニックスミサイルも搭載されていた。戦場のマップも確認済み、作戦概要もはっきり覚えている。準備万端だ。そして作戦開始の時刻となった。
「こちら大苗代、現時刻9:30をもって作戦を開始する!」
15:30
ジョリーロジャースは最前線配備されていた。弾薬補充は最優先で行われていたが、戦闘経過からすでに6時間も経過しており疲労度はMAXだった。さらに、部隊の何人かが戦死していた。テェリーニは卓也からの命令でHQに連絡をした。
「こちらジョリーロジャース。HQ、撤退の許可を!」
「こちらHQ。撤退は認められない。死んででも担当区域を守れ。死守せよ。以上。」
HQから一方的に死守を命令された挙句、通信もつながらなくなった。
「大佐、HQの奴らは俺らを見殺しにする気です!」
「………OK。部隊全員に回線を開け」
テェリーニは回線を開いた。
「さあて由緒正しき
「大佐、何を言い始めるんです!?」
「見捨てられたって…そんな!」
「まあ落ち着け君たち。この天才衛士の卓也様はとあることを考えたのだ!…今からデータを送る」
送られてきたデータには撤退作戦の概要が書かれていた。内容としては、最初に部隊員全員を1機のF-14Aに乗せる。次に無人機となった他のF-14Aと卓也が残って殿を務める。折を見て卓也も離脱するといったものだった。しかし、追加で迫ってきていたBETA含め現状対応する必要があるBETA総数は約2個旅団。これをたった一人でやって見せようというのだ。あまりにも無茶が過ぎる。
「大佐、あなたの腕前は十二分に買っております。ですがそれとこれは違います!さすがに2個旅団を一人で相手にするのは無茶です!」
「そうですよ!自律機がいても耐えられるとは到底思えません!」
「はあ…君たちねぇ。いいかい?俺がやるのはあくまで君たちの撤退までの殿だ。撤退を確認したらすぐ離脱するさ。ほら、早く準備しろ!時間はもう無くなるぞ!」
「でも!」
「でも、じゃない!…………テェリーニ、君も機を降りろ。」
「……了解!」
テェリーニはサバイバルパックを装備して機外に出ようとした。その背中に卓也は封筒を託した。
「……テェリーニ、これをいつか俺の息子に渡してくれ。すぐには渡さないでほしい。だが、アイツには絶対に必要になる」
「分かりました、絶対に渡します。ただ、それはあなたの役目ですからね?絶対に生きて帰ってきてくださいよ!」
「当たり前のことを言うんじゃない!……任せろや」
そうしてテェリーニたちジョリーロジャースは戦線を離脱した。
「さて、ここからもうひと踏ん張りするかね!?」
これがテェリーニが最後に聞こえた通信だった。その後、HQまで帰投したジョリーロジャースは再編成の要請、並びに卓也の救援を求めた。しかし、HQはこれを認めずに放置した。それから数時間の間に数多くの戦術機部隊が帰還してきた。恐らく卓也が救援した部隊だろう。彼らも再編成を求めていた。だが、一向に卓也の機体が帰ってこなかった。
11/12 23:30
再三支援要請を受け、HQはようやく重い腰を上げて再編成を開始し出撃準備がなされた。しかし、その出撃準備は徒労に終わった。なぜなら爆発音とともに、バイタルモニターがフラットになり、機体マーカーも消失したからだ。以降、BETAの侵攻は確認できなかった。つまり、卓也は周囲を巻き込み自爆をしたのだ。ここにいたるまでの間、およそ8時間もの間の戦闘だった。卓也は8時間もの間、単身でBETAと交戦し続けていた。
「大佐…………申し訳ありません!」
恐らく日本帝国軍と思われる女性が懺悔をしていた。しかし、それを気にする余裕はなかった。その自爆のすぐ後にHQは作戦終了を宣言した。結果として作戦は失敗。卓也はジョリーロジャースの責任を一身に請負い、歴史から名を消された。テェリーニは死んだ卓也の後継としてジョリーロジャースの部隊長となった。その間に息子であるトンカッチを探し続けていた。しかし、一向に情報が集まらずにいた。そして、信越防衛戦に時間は進み、トンカッチの存在を知った。そして時は今に戻る。
「ここまでが君の父さんの話だ。あとだな、さっき話したこの封筒を渡しておく」
その中には、ごくありふれた遺書とペンダント、そして鍵が入ってあった。鍵の場所は現テェリーニ宅の地下2階の倉庫の鍵だった。トンカッチとテェリーニは墓地に別れを告げて家へと戻った。
鍵を開けると、そこには卓也の遺品の他、家族の思い出のものがびっしりと並べられていた。軍人であった卓也はトンカッチとあまり接することができなかった。彼なりの償いだろう。さらに机には1丁の猟銃と拳銃、ナイフが置かれていた。この猟銃は昔トンカッチが卓也とともに狩りに行ったときに使用したものだ。消耗品にもかかわらず、卓也はそれを大事にしまっていた。また、拳銃とナイフにはトンカッチの名前が刻印されてあった。
「…君の父さんは十分に父親としての役目を果たせていると、私は感じたよ。たとえ不器用な形であったとしてもね」
「…………ええ、私もそう思います」
トンカッチは拳銃とナイフ、ペンダントのみを持ち帰ることにし、残った猟銃はテェリーニの息子たちに与えた。そうしてトンカッチは家を離れて、エドワーズ基地に戻った。トンカッチはこの時もう一枚読んでいなかった手紙を確認した。そこには自分の名前の候補がたくさん書かれていた。唯一、自分の名である『トンカッチ・オノシロ』がはっきりと大きく書かれていた。
6/10 9:00 エドワーズ基地
ついにトンカッチが帝国に帰還する日がやってきた。最初の厳粛なムードとは打って変わり、パーティーに近い状況になっていた。出発20分前だというのに未だにバニー衣装にこだわる大馬鹿野郎までいた。そして定刻通り出発の時間となった。背部にはコンテナが設置され、その大きさは村雨の3倍はあった。だが、それに見合ったブースターを増設しているおかげで何とかなりそうだった。そして、トンカッチはエドワーズ基地に別れを告げた。
途中までユウヤの乗るF-15Eがエスコートをし、海岸線に入ったと同時に加速していった。
こうしてトンカッチの帰省は終了したのだった。
本当はトンカッチが純系日本人だったみたいな話にしようと思いましたが、どうにも裏付けや理由が思いつかなくなったので諦めました(⌒∇⌒)
ちなみに日本人だった場合の名前は大苗代隼人になる予定です。
…この設定、ワンチャンまたいつかのときに使えるかも!?
とりあえず帰省編は終わりです!