Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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書き溜めシリーズ、ではない!

今回から少し見やすくしてみたのだ


第7章 朝鮮半島戦線
第32話 新戦力


 2000/6/11 11:00 横浜基地

 

 トンカッチは無事帰還し、物資を運ぶことに成功した。

 少し迂回路を飛行したので11日の9:30に到着した。中身は戦術機のパーツのようなものがびっしりと詰まっていた。それはすぐに整備班に渡されて、大規模工事が始まった。

 

 さらにこの日にジェームズも帰還するらしい。ただ、空母を引き連れているとの話だった。そのため横浜基地の隣にある国連軍横須賀臨時軍港に停泊する予定となっていた。

 

 横須賀は元々帝国海軍と米海軍のものだったが、先日の交渉の追加事項として国連への一部供与が命ぜられた。既にメディアを含めた大勢の人間が空母の到着を待っていた。というのも、英国海軍(ロイヤル・ネイビー)所属艦艇が日本に寄港するのは初のことだったからだ。

 

 そして地平線に空母の影が見えた。トンカッチは香月からの命令で村雨による誘導をすることとなった。トンカッチは機体を空母の艦橋の前でホバリングさせた。

 

「こちらは国連軍横浜基地所属A-01部隊のトンカッチ大尉です。貴艦の所属並びに入港目的を述べてください」

「了解した。私はジェームズ少佐だ。我々は英国海軍水上艦隊所属クイーン・エリザベス級1番艦、クイーン・エリザベスだ。入港目的は国連軍横浜基地への特殊物資の運送だ。許可証もあるぞ」

「…………データと許可証の確認した。英国海軍の皆々様、ようこそ横須賀へ」

 

 そしてクイーン・エリザベスから戦術機が発艦し始めた。そこには見たことのない機体が1機あった。それ以外はF-5E(トーネード)だった。見慣れない機体は、一気に上昇しトンカッチの真横に機体を寄せてきた。

 

「俺だよ、トンカッチ」

「その声はジェームズか?この機体は一体…………」

「それは基地についてからのお楽しみといったところだ。とりあえず今は凱旋パレードに付き合え」

「…了解した」

 

 ジェームズの機体とトーネードは曲芸飛行用のスモークを焚き、空にイギリス国旗を描いた。その間にトンカッチはアクロバット飛行で会場をさらに盛り上げた。30分ほどのショーの後、トンカッチたちは横浜基地に帰還した。そこには香月もいた。

 

「ジェームズ少佐、12:00をもって原隊復帰します」

「ご苦労様。で、例のブツは持ってこれたみたいね?」

「ええ、オマケに空母もついてきましたがね」

「まあそれに関しては有効活用させてもらうわ。じゃあ、行きましょ。トンカッチ、伊隅とビルストを呼んで私の部屋に来なさい」

「了解しました!」

 

 トンカッチはみちるを先に呼ぼうとした。しかし、その前にビルストが廊下にいたので先にそっちの方を呼ぶことにした。トンカッチはビルストに声をかけた。そのビルストの顔は痣だらけだった。見ただけだと殴られたようだった。

 

「おいビルスト、お前どうしたんだ!?顔面痣だらけじゃないか!」

「あ、お久しぶりです大尉!実はですね…………」

 

 ビルストはこの休暇の間に温泉旅行に行っていた。しかし魔が差してしまい、女風呂を覗き見たそうだ。最初はバレなかったが5回目でバレてしまい、そこから厳正な調査の結果で芋づる式に余罪がばれてしまったということだ。

 

 さらに運の悪いことに、示談金を払った後に夜道で被害者から襲撃されてしまったそうだ。だから顔面ズタボロとなった。暴行事件を受けたが、その原因となったビルストにも非はあるので、支払った示談金を返してもらうということで手打ちにしたそうだ。

 

「というわけなんですよ。まあ俺が悪いんですけどね」

「うん、圧倒的にビルストが悪いわ」

「…………ですよねぇ」

「まあそれはいいんだが、香月副司令が呼んでる。すぐにあの人の部屋に行ってくれ」

「了解です、大尉」

 

 ビルストを招集した後はみちるの元へ走っていった。今度は扉をノックした。

 

「えーと、トンカッチです。みちるさん、部屋に入ってもよろしいでしょうか!?」

「…………」

「あ、あのー?トンカッチですよ?入ってもいいですかねぇ?」

「…………」

 

 部屋の中からは一向に返事がなかった。しかし、多少の物音はしていた。そして大きな物音がした。何かが落ちた音だった。それもかなり大きめの。

 

「…!どうしたんだ?もう入るからな!」

 

 トンカッチは勢いよく扉を開けた。開けた先には、みちるが倒れこんでいた。と言っても着替えていた時に転んだようだ。私服からC型軍装に着替えている最中だった。

 

「痛たた……トンカッチ!?」

「……俺はノックはしたぞ」

「べ、別に気にしてないわ。もう慣れてるし?」

「お、おう」

 

 トンカッチはみちるに用件を伝えて、一緒に部屋に向かった。部屋に入ると、ビルストの他にジェームズとジェームズと何故か沙霧大尉がいた。現在は懲罰部隊に所属していたが、今回はオブザーバーとして来てもらっているそうだ。

 

 香月は説明を始めた。内容は1つ目が荷物の話、2つ目がOSの話だった。沙霧は2つ目の話のために来たそうだ。

 

 1つ目の話だったが、まずトンカッチが持ってきた荷物はYF-22Xのパーツだった。こいつを研究して村雨の強化を図るそうだ。また、新型兵装のパーツもあるそうだ。これについては香月もよくわからなかった。次にジェームズの持ってきた荷物だが、これは新型戦術機の試作機だった。

 

 機体名は『テンペストⅡ』だった。帝国軍が英国軍と共同開発している試作機らしい。沙霧が昔聞いた話によれば、機体性能は不知火と同等といった性能だそうだ。最新機としては少々物足りなかった。見た目はラプターとミラージュを足して2で割ったようなものだった。だが、本機の特徴はそこではなかった。

 

 システムズ・テンペスト、これがこの機体の最大にして唯一無二の機能だった。母機である本機から、無人の戦術機を母機のコンピュータによる自動制御により遠隔操作するといったものだ。通常の自律機の機動より強化されているのが特徴だ。程度としては新米衛士より動ける程度だった。今は試作のためこの程度ではあったが、将来的にはベテラン衛士と同等の機動をすることを目指している。最大で5機を同時操作可能となっている。自律機には現在はF-5Eを使用しているが、他の戦術機もOSを書き換えることにより自律機として利用することが可能となっている。

 

 武装はEUのものを転用しているが、Mk.1重突撃砲を専用兵装としていた。見た目はWW2のルイス軽機関銃そのものだった。口径は57㎜で発射間隔は毎分90発と劣悪な連射性能だったが、代わりに支援突撃砲と同程度の高精度砲撃が可能だった。

 

 この新型機をジェームズは空母とともに持ち帰ってきた。これは英国政府公認となっていた。というのも、米国政府からの圧力があって実現したことだった。

 

 しかしながら、クイーン・エリザベス級は正常な運用をする場合、最大で6機の戦術機しか運用できない。無理やり詰め込んでも8機が限界だった。どうやら英国は近々、新型戦術機運用空母を建造する計画があった。そのため、払い下げのような形でもあった。だが、1個部隊にとっては十分な戦力だった。

 

「で、ここまでが1つ目の話よ。何か質問とかあるかしら?」

 

 香月はそう問いかけると、全員が納得しているようだった。

 

「それじゃあ次はOSね。トンカッチと伊隅、ビルストと沙霧大尉殿に特に関連があるわね」

 

 そう言うと、香月はパソコンを見せてきた。そこには、新型OSについての詳細が書かれていた。XM1、XM1J、Marsといった歴代の特殊OSの更なる発展形として考案されているそうだ。

 

 暴走をよくするXM1、結局暴走した簡素なつくりを謳ったXM1J、発動厳禁のフェイズDがあるMars、この発展型などロクなものではないだろう。

 

 しかし、その概念は当該OSを使用した衛士たちによりフィードバックされ、ブラッシュアップされていった。

 

 新型OSの名は『XM2』。これはXM1が最期に香月に送ったデータを基にして制作されている。XM1は役目を終えるその瞬間まで学習をし続けて、バグを極限まで減らし、精度を高めていた。さらに、機体制御を全自動でサポートしていた。また、学習機能を初期から搭載しており、暴走状態には任意で陥ることも可能となっている。メタ的には暴走とは言えないが。

 

 帝国軍向けにはXM2Jが、ビルストの不知火C型にはMars.Mk-2が搭載された。XM2Jは量産型XM2で、機能的にはXM2と同等だった。だが、暴走状態には陥ることがないように多数の安全装置がかかっている。Mars.Mk-2はフェイズDを衛士の制御下に置くことに成功したモデルだった。

 

 沙霧は先行してその3つのOSを体験している。懲罰兵だから死んでも構わないということで乗せられたそうだ。

 

「では沙霧大尉、ご感想をどうぞ」

「了解しました。ではXM2とXM2Jから話させていただきます」

 

 XM2はXM1Jよりも扱いやすくなっており、タイムラグが極限まで減らされて後隙が少なくなっていることも魅力的な点だと述べた。それと同時に欠点もあった。

 

 まず、未だにピーキーすぎるといった点だった。いくら扱いやすくなっているとはいえ、あまりにも過敏な動きになってしまう。その分格闘戦には特化していると言える。

 

 次に、燃費の問題だった。高機動性を追求しているがため、燃費は最悪だったと沙霧は語った。これはXM2Jでは何故か問題なかった。シミュレーターでXM2を搭載した村雨にも乗ったが、こちらでも燃費は良かった。

 

 沙霧はこれらからXM2は村雨専用だと感じた。恐らくそれを狙ってのことなのだろう。XM2Jもベテラン衛士の機体にのみ搭載するべきと考えた。一方でMars.Mk-2に関しては良好だったという。操作性、自動制御能力などの性能面において扱いやすかった。つまり、新兵でもしっかりとした戦果を挙げることができるということだ。

 

「以上がOSについての評価といったところです」

 

 沙霧がそう言うと、トンカッチは質問をした。

 

「では大尉、XM2について質問がある。甲21号作戦と同様の現象は見られたか?」

「いや、暴走状態の再現には至らなかった。だがXM1搭載時の動きより良好だったことは認める」

 

 やはりXM2はトンカッチもとい村雨専用ということだった。香月はそれ以外の諸連絡をしてから解散命令を下した。また、みちるには残るように命じていた。

 

「伊隅、あなたにはこれを渡しておくわ」

「これは…編成表ですか?」

 

 渡されたのは再編成用の編成表だった。2、3枚ほど用意してあった。香月曰く、隊の人数が多くなりすぎたため、分担しておく必要があるとのことだった。

 

 そもそもA-01部隊は特殊任務などを主としていたのにもかかわらず、気づけば都合のいい遊撃部隊となっていた。なので任務によって柔軟に対応できるように部隊を分けておく必要があった。

 

 一応分担しなくてもいいという話だった。だがこのことはみちるも最近考えていたことだった。とりあえず3日以内に決めるように指示された。

 

 みちるはすぐにトンカッチのもとに向かった。

 

「トンカッチ、これどうする?」

「あ~これか。やっぱり再編成する必要あるのか?正直人数が多いほうが戦闘面では楽になるんだが」

「まあそうなんだけどね。だけど私たちって元々は香月副司令の直轄特殊任務部隊だったのよね。それがトンカッチが来てから大分性質変化しているのよ」

 

 そうなると再編成することが必要だった。現在のメンバーは、初期A-01部隊である伊隅・速瀬・宗像・風間・柏木・涼宮茜の6人、トンカッチやThree idiots+αチームの5人、保護者枠のサンダーク中尉、ビルストと帝国軍からの出向組の2人の大所帯だった。2人は午後の時間の全てを割いて考えた。

 

 結果として、初期A-01部隊とトンカッチをA-01A部隊、Three idiot+αチームとサンダーク中尉、ビルストと出向組がA-01B部隊とした2部隊体勢とすることとした。これからはA-01A部隊が香月副司令の直轄部隊として継続、A-01B部隊は国連軍横浜基地所属の部隊として扱われることとなる。これからは、基本的には遊撃部隊としてはA-01B部隊が派遣されることとなる。

 

 

 2000/11/27

 

 しばらくの間、帝国に対してのBETA侵攻はなかった。その間にトンカッチとみちるは結婚式を挙げ、ついに二人は夫婦となった。夫婦別姓という選択肢も一応あったが、トンカッチの希望で伊隅家に婿入りすることになった。これからトンカッチは伊隅トンカッチと名乗ることとなった。違和感MAXのために部隊員からは凄く笑われてしまった。

 

 そしてこの日、再編成されて初の任務がA-01A部隊に課された。任務内容は、BETA調査任務だった。A-01A部隊の戦術機は不知火から更新されて秋月になった。OSには沙霧の意見をフィードバックして改良されたXM2Aが搭載されていた。トンカッチの機体は村雨・壱型丙へと進化を遂げていた。

 

 村雨・壱型丙は村雨の大規模改修型だった。機体部品の5割は村雨だったが、それ以外は新規製造パーツだった。機動性能は主機出力が20%増加、関節強度は15%補強されていた。ステルス機能はオミットされており、純粋な対BETA特化型戦術機として再設計されていた。無論、対戦術機戦闘も可能だった。

 

 砲撃戦能力よりも近接戦闘能力を強化しているが、時雨譲りの多目的兵装担架装置もあるので十分な性能は有していた。

 

 専用武装には試製99式対要塞級大型長刀があった。大型長刀は長さ14mにも及ぶものだった。これは要塞級の頭部を一撃で切断するほどのものだった。他にも予定されていたが、この作戦には間に合わなかったそうだ。

 

 今回の任務は村雨・壱型丙並びに秋月の慣熟を兼ねたBETAの調査だった。しかし、調査対象のBETAは未確認個体の可能性があるそうだ。その報告を残して前任部隊は全滅していた。油断しているとすぐに死へと直結してしまう。

 

 そしてA-01A部隊は調査地点である朝鮮半島まで向かった。




トンカッチとみちるの結婚式はあっさり書き終わっちゃったけど、いつか外伝を作ったり、オマケ集を作ったりしたときに書いてみたいな~。

後このまま平和な話ばっかり書いてると私の限界ガガガ…
また友情出演組に関しては少しお休みしてもらうために今回はあのような形をとりました
すまんな、君たちバフかけ過ぎたんよ…
もっとうまく活用しなきゃ……………

クイーン・エリザベスは6機までのはずなんですけどね、ちょうどA-01A部隊を乗せようとするとギリギリ無理なんですよね~
だから無理やり詰め込めば8機まで乗っけれるようにしたってことなんですわ!
すみません……………

また涼宮茜と柏木が明らかに早くに着任していますよね
あれ実はですね……………僕のミスなんですよね!
(こいついっつも年代把握ガバばっかしてるよな、一回絞めたほうがいいって)
なんとか整合性取れるようには頑張るんで許して、許してぇ!

最後に一つ
しばらく更新できないかもしれないし、できるかもしれないしであります。
リアルが忙しいんですよ


今回の友情出演組です。(敬称略)

ヱルム・ビャーチェノワ(@ElM_Su37UB)
もち(@mochi02913)
ジェームズ・スミス(@Lt_smithFFR41mr)
ビルストと戦術機好きの男(@Yuki90300757993)
如月中尉(@KSRG_TSF94)
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