Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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お久しぶりです
久しぶり過ぎて設定をほぼほぼ忘れかけた状態で書いています
がんばります 

恐らく前に書いた通り更新頻度が死ぬほど遅くなっています
消えることは9割くらいの確率でないので、その点はご安心ください

以上をもって前書きとします……………


第34話 危篤状態

 2000/12/3 13:15

 

 

 瑛都は応答の無いままに発砲を続けるローパー隊の不知火を止めようとし、距離を置いたのちに指揮官権限で機体の制御権を奪おうとした。しかし、反応がなかった。不明なエラーが発生しアクセス拒否され続けるのだ。そうこうしているうちに、また別の不知火が撃墜された。こうなると、もうどうしようもない。瑛都はやむを得ず不知火を撃墜した。

 

「………胸糞悪い奴だ、クソが!」

 

 一方、A-01Aはボロボロの村雨・壱型丙と宗像機を援護するので手一杯だった。触手攻撃がいちいち嫌なところを攻撃してくるのだ。前に詰めることもできず、後退することもままならない。しかし、いくつか彼らは分かったことがあった。それは、触手自体にハッキング能力は無いということだ。触手の先端からは粘液が出ており、村雨との接触時にもその粘液が内部に少量噴射されていることが確認された。要するに粘液にさえ触れなければいいわけだ。変な空気感染タイプのウイルスの類ではないということだ。

 

 まあそれが分かったところで対策をすることはできないのだが。

 

 10分ほど交戦を継続しているうちに、増援部隊が到達した。状況は理解しているため交戦を避けながらの退避行動に移った。第一に村雨と宗像機を基地まで連れ帰させた。2機とも戦闘能力を有している程度で、本来の戦いはできそうにはなかった。一旦後方に戻し、最低限の整備を終えたのちに前線に復帰してもらう算段を付けた。残念ながら電源の復旧しないために、手作業でできる範囲内とはなる。

 

「みちる、後は頼んだぞ!」

「了解!いいか貴様ら、長期戦になる可能性が高い。覚悟して臨め!」

 

 A-01Aは防御陣形を解き、速やかに攻撃陣形へと展開した。外角が硬くとも懐にさえ潜れば長刀や短刀、零距離射撃といった必殺の一撃がある。みちるは周辺の部隊に陽動を仕掛けるように要請をした。ローパー隊が牽制射撃を開始した。未確認個体はそれにつられて触手を飛ばした。

 

「粘液が触れなければいいだけだ!ならば!」

 

 そう言うと瑛都は92式多目的追加装甲を前面に構えながら長刀でガードした。これにより触手に触れる場所は最低限にすることに成功した。しかし、粘液は酸性物質のようで少々融解していた。と言っても貫通するレベルではない。要塞級の触手粘液ほどではない。アレは装甲を容易く溶かしてしまう。

 

 触手の攻撃先がローパー隊に向けられた隙にA-01Aが肉薄した。速度を殺さないようにするために、展開速度の速い短刀を選択した。

 

「もらったぁ!」

 

 みちるの秋月の短刀は、恐らく急所であろう頭部に突き刺さった。どうやら頭部には酸性物質は含まれておらず、普通のBETAの返り血を大量に浴びた。周辺にいたBETAも他の部隊が食い止めていた。早く前線に復帰しなければと思いつつ、この未確認個体を回収するための回収班を要請した。到着には少しかかるが放置しても構わないだろう。その時、機体から警報が鳴った。

 

「これは、レーザー照射警報!?」

 

 照射方向は前方からだった。推定距離は0m、目の前だった。さっきまで明後日の方向を向いていた頭部が、いつの間にか管制ユニットに顔を向けていた。その瞳は光線級のレーザー初期照射と同等の光を発していた。すぐに機体に回避させるようとするが少し判断が遅れてしまった。

 

 レーザーが管制ユニットに照射された。

 

 細々としていたレーザーがジワジワと装甲を焼き溶かしていき、緊急防護シャッターまで作動した。

 

 しかし検討虚しく、レーザーはみちるの秋月を貫通した。

 

「伊隅大尉?…うそ、そんな!……………大尉ぃぃぃ!」

 

 みちるのバイタルモニターは反応していなかった。

 

 

 同時刻 基地臨時整備区画

 

 大邱基地には臨時の整備区画が展開されていた。どの機体も重度の損傷を負っていたが、せいぜい誘爆を回避するための処置程度でとどまっていた。トンカッチの村雨も同様の処置を取られるだろう。宗像の機体は関節の調整で済みそうらしい。ボロボロになった主脚を上手く制御しながら、味方機に支えられながら倒れこむように着陸した。すぐに整備班が消火器を村雨に噴射する。跳躍ユニットから火が出ていたそうだ。それほどまでに酷使していたとは気づかなかった。

 

「どれくらいでこの機体は復帰できるか?」

 

 そう尋ねると、3時間はかかると返答された。3時間のうちに戦闘の大勢は決してしまうのだ。一刻も早く復帰したいと思い何とかしてもらえないかと懇願した。

 

「………ならあそこの格納庫に使っていないF-4が1機だけある。ただしアイツはB型(ガラクタ)だ。それでもいいなら使っていい!」

 

 整備員に礼を言い、すぐに格納庫に駆け込み推進剤を補給しようとした。推進剤ケーブルは奇跡的に稼働しており、補給はできるようだ。そして機体に火を入れた。OSも旧世代のもので、シートにも若干埃が被っているほどだった。しばらくしてからエンジンを起動すると、若干咳き込むような音までし始めた。機体の簡易チェックを済ませると、機体各所に動作遅延が発生していた。これはOSにも問題があったが、関節のベアリングが劣化していたことによるものだった。それでも戦闘は可能だった。

 

 すぐに推進剤注入ケーブルをパージし、機体固定装置を物理破壊して解除した。しばらく機体を慣らすために、武装補給地点まで歩行をしながら各種データリンク調整をした。だがノイズが激しく使えたものではなかった。IFFは機能していたので誤射の心配はなかった。しかし、戦術マップを見ると、みちるの機体のマーカーが消失していた。

 

「まさか…アイツに限ってそんなことはない、よな?」

 

 一気に不安が押し寄せたが、落ち着いて武器を手に取り、最低限の慣らし運転をしてから戦場へと向かおうとした。宗像も整備が完了したため同時発進となった。

 

「宗像、みちるはどうなっている?俺の機体ではどうにも通信が上手くいかんのだ」

「トンカッチ大尉、落ち着いて聞いてください。…………先ほどA-01A戦闘地域にてレーザー照射警報が発生し、その直後に伊隅大尉のバイタルモニターの反応がロストしました」

「……………宗像、つまらん冗談は止めろ。とにかく現地に戻る、いいな?」

「…了解」

 

 トンカッチは現場に急行した。

 

 

 3分後

 

 最前線は徐々に押され始めていた。そしてA-01Aの交戦区域まで到達した。そこでは速瀬の機体のみが停止しており、他の機体がそれを守るようにしていた。宗像には戦闘参加するように促し、トンカッチも機体から降りた。走って向かった先は、管制ユニットから煙を上げていたみちるの秋月だった。

 

「トンカッチ大尉!伊隅大尉が…!」

 

 管制ユニットは酷く融解していた。レーザー照射を受けたというのに原形をとどめているならまだマシだ。しかし、煙で何も見えず近づくことも困難だった。すぐにF-4から消火冷却材を持ち出し、噴射させた。しばらくすると煙が晴れた。もう少ししたらメディックが到達する。ただその間にできる限りに処置は施しておきたい。最悪の場合、ここで一生の別れということもあり得る。急いで管制ユニットに飛び乗る。内部にまでレーザーは到達したようだ。といっても小規模のものだろう。誘爆の危険性が無いことを確認したのちに外部からのベイルアウトを試みたが、フレームが歪んでいたために断念した。とりあえず防護シャッターを開放して外部に出せる状態にしなければならない。

 

 フレームの歪みのせいで開けるのに一苦労したが、2分ほどして何とか開くことに成功した。内部からおびただしいほどの煙が出てきた。さらに血と肉の焼けるような嫌な臭いがしてきた。

 

 煙が落ち着くと、内部の状況が分かった。管制ユニット内部は壁面が剥がれ落ち、配線が無数に垂れ下がっており、感電の恐れも考えられるほどだった。そして、その真ん中にはボロボロになってうなだれていたみちるの姿があった。強化装備はほとんど破損しており、裸同然だった。機体の破片がかなり刺さっているようで、出血もひどいものだった。内部右側は融解していたものの、消火装置と強化装備のおかげで冷却と防護されており、レーザーによるみちるに対してのダメージはなかった。

 

 バイタルモニターに反応がなかったのは、ギリギリまで耐えていた強化装備が破損してしまったことによるものだったのだろう。その時、みちるはぐったりしながら目を覚ました。

 

「トンカッ…………チ?」

 

 そう言うと吐血してしまった。肺の方もダメージが深刻らしい。体を動かそうとしていたが、そのたびに痛みによるうめき声をあげていた。一旦、携帯医療キットから鎮痛剤と呼吸器を使用した。痛みは和らいでもダメージはそのままだ。だが、彼女から苦悶の表情は消えた。少し落ち着いてから、みちるは話し始めた。

 

「………まったく不甲斐ないものだな。倒したとばかり思っていたからにこうなってしまった。……私の油断だな」

「その話は今はいいから、安静第一だ!いいな!?」

「ああ……だが、話せるうちに話しておきたい。この手の怪我は……助からない可能性が高いからな」

 

 感覚としては、全身骨折していて血の味しかしないらしい。外見では分からないほどのダメージのようだ。そうなると先ほどの発言が出てくるのもうなずける。しかし、それを許せるトンカッチではなかった。

 

「だが、諦めるのはまだ早いだろ!?今までだって何度も危険な状況になったが生きてきた!今度だってきっと!」

 

 トンカッチは泣きそうになる自分を押し殺しながら話した。それをみちるは遮る。

 

「いいのよ………もう。だから、お願い。聞いて?」

 

 

 

 そして彼女は、最期になるかもしれない言葉を語り始めた。

 

 

 

 




は~い、今回はここまでぇ!
リアル忙しすぎてとりあえず生存報告代わりの投稿です
この後の展開?

…………知らないよ、こんな展開!(書いてる本人が分からなくてどうする)

また次の更新までしばらくお待ちください。
…………すまぬ


今回の友情出演組です。(敬称略)

瑛都 [ZGK0]帝国元帥 元大佐(@ZGK088)
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