Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
大和改二欲しいがために死ぬ気で改装設計図集めてます
楽しい(わけないだろいい加減にしろ)
さて現在のこちらの小説はエンドルートがかなりありまして、決め切れておりません
何とかしなきゃ・・・
2000/12/3 13:20
「私ね、あなたと会えて本当によかった。……これだけはしっかりと言っておきたかったの」
徐々にではあるが彼女の声は弱々しくなっている。限界も近いというのに無理してしゃべり続けていた。何度も口を閉じるように伝え続けたものの、それを無視するかのように会話を続けた。
「実は今まで言ってなかったけどね、初めて会ったのは佐渡島の時じゃないの。多分あなたは知らないと思うわ」
どうやらみちるの訓練校に臨時教官として在籍していた期間があったそうだ。確かに軍の要請で1週間程度は教育をしていた覚えはある。と言ってもトンカッチは男性ばかりの教場にいた。だが、戦術機の訓練となると話が変わる。その時に女性衛士とは戦った覚えがある。さらに、その中で一人だけトンカッチの機体にダメージを与えた奴がいた。
「まさか、あれがお前か?あの時はかなり油断していたからな、本気を出していたら余裕で勝っていたぞ?」
「ふふっ、油断する癖は今でも抜けてないのね?」
自分でも気づいていない致命的な点を指摘され、驚いてしまった。
「まあいいわ。その時に、こんな人と一緒になれたらいいなって思えたの。そして運命の導きか、佐渡島であなたに会えた。ここで離れたら二度と会えないだろう、そうとさえ思ったわ。だから私はあなたに近づいた。………ちょっと幻滅した?」
「いや、幻滅してないさ。ただなあ、初めて知ったことが少し多すぎる!」
二人は気づかないうちに笑っていた。しばらくしてメディックが到着した。遅れての到着に少々苛立ったが、ひとまず安心した。これで何とか助かるだろう。そう思っていた。
「ふぅ、やっと来たのか。おい、メディックが到着したから安心しろ」
トンカッチの言葉にみちるは反応しなかった。目を閉じており、顔色もとても悪かった。血は流れ過ぎたのか止まってしまっていた。腕も力なくだらりとしている。しかし、その顔は安らかに笑っていた。
トンカッチはそれを見て呆然としてしまっていた。何かの悪い冗談だろう。そうでなければ、あまりにも惨すぎる結末だ。一度冷静になるために辺りを見渡す。そこかしこで戦闘が続いている。そのはずなのに、なぜか音が聞こえない。硝煙の臭いでさえ分からない。視界も徐々に黒く染まっていく。わずかに見えていた彼女の顔でさえぼやけて見える。
「…………おいおい、笑えねえよ。冗談なら、今のうちだぜ?なあ、早く起きてくれよ」
トンカッチは自分が泣いていることにようやく気付いた。
「…………早く起きろよ、起きてくれよ!」
「メディックです!大尉、そこをどいてください!」
救助の邪魔になりかねないトンカッチを、メディックは半ば強引に引きはがした。しかし、それに抵抗するように体は動いていた。『ここで離れたら二度と会えない』彼女が言った言葉が重くのしかかる。今まさにその時なのだ。
「ダメだ…………今離れたらダメなんだ!こう、なんて言ったらいいか分かんねえけど、ダメなんだよ!頼むから………俺から彼女を奪わないでくれ!」
メディックはこれ以上何を言っても意味がないと判断し、トンカッチをせん妄状態下にあるとして強力な鎮静剤を投与した。激しい眠気と、体が冷えていく気分で体が満たされていった。そして、トンカッチは深い眠りについた。
同時刻
瑛都は徐々に押されつつある戦線に焦っていた。現状、ローパー隊の損耗率は30%を超えており、弾薬・燃料ともに限界を迎えていた。A-01Aも犠牲こそ出てはいないものの、ボロボロだった。現場の最高指揮官であった韓国義勇軍の中佐が死んでしまったことにより、代理指揮官は次に階級の高かった瑛都になった。
戦況としては悪化している。頼みの綱だった大邱基地の壁は既に上られ始めている。高い壁をBETAが這い登るところを壁上から撃ち下ろしていたが、それによる死体の坂が出来上がっていた。そこをBETAは登って侵入しようとしていた。
基地の電力も復旧しておらず、混乱を極めていた。市街地エリアにいた住民は、すでに鉄道により退避が開始されていた。
そして、オットーは決断を迫られていた。発電機の復旧が見込めない以上、基地としての戦術的価値が大いに下がっていた。さらに敵の侵攻は未だとどまることを知らない。戦闘可能戦力も減りつつある。となれば、取るべき措置としては基地放棄・完全撤退だ。しかし、大邱は朝鮮半島の中でも大規模な基地だ。ここを失陥することは、朝鮮半島の戦線を大いに後退させるだけでなく朝鮮半島自体を失うことに直結する。だからオットーは迷い続けていた。
だが、覚悟を決めた。
「
そう言い、オットーは全体通信回線を開いた。通信状況が不安ではあったが、前線の兵士の一人だけでも届いてくれればいい。
「私だ、オットーだ。大邱防衛の任に当たっている総員に通達……現時刻をもって、大邱要塞市全域の放棄並びに自爆をすることを通達する!これは独断によるものであり、責任は私が取る!繰り返す、総員撤退!大邱から遠くへ離れろ!」
オットーはそう言い終わると、作戦参加の全部隊に撤退方向の指示を出した。撤退方向先は釜山・蔚山方面に設定した。司令部要員も全員退避を始めさせた。滑走路に次々と輸送機が収容準備を開始し始めた。自爆を決意した理由としては、爆発半径の広さが圧倒的であり、一気にBETAを殲滅できるからというものだった。どうせ落とされる拠点を無傷で明け渡すよりかは、大量の敵と引き換えたほうが良い。そう考えたのだった。
「さて、私も最後の仕事をしなければな」
そう言うと、衛兵を3人呼んだ。彼らには、自分たちが生きて戻れる可能性がほぼ無いことを先に伝えた。目的は地下にある基地自爆装置の起爆だった。遠隔では操作できなくなってしまったので、仕方なく手動で操作するしかなかった。その時には2人以上で操作をしなければならない。一人でもできないことはないが、危険度が高かった。というのも、安全装置などの起動シーケンスに手間がかかるのだ。さらに、BETAは内部に潜入している可能性が高かった。そのため、援護の必要があった。だから3人ほど必要だったのだ。彼らはそれを快諾してくれた。
いつも治安維持のための活動ばかりで自分たちは果たして人を守れているのか、そのような思考に囚われ続けていた人生だった。そこにやってきた一世一代のチャンスかもしれない。ようやく生きている意味がみつかる、そう彼らは思ったのだ。だから快諾した。
オットーは司令長室の隣にある空部屋に招待した。そこにはオットーの趣味で集められていた様々な種類の銃火器や装備が置かれていた。そこから愛用している装備を選ぶ。ヘルメットとボディアーマーは持って行かず、チェストリグのみ装備していた。武装はメインアームにM14、サブアームにはGlock18Cを採用した。M14はショートバレルタイプのものに換装し銃剣も着剣することにより、室内戦に最適化させた。どちらも国連軍の制式採用装備ではない趣味のものであったが、性能は大いに期待できるものだ。衛兵たちにも好きなものを進めたが、彼らは使い慣れているからとその誘いを断った。
4人は部屋を出たのち、地下階段を下っていった。何度か基地司令のみ知っているパスコードを解除しながら下へとどんどん深く潜っていった。階段がようやく終わったのちに、最下層の厳重なドアを開放した。その先には薄暗い廊下が続いていた。その先にコントロールルームがある。そこで爆破作業をしなければならない。しかし、普段なら廊下には明かりが灯っており電源がなくなれば非常灯に切り替わるはずだった。しかし、なぜか明かりがなかった。つまり、何かしらの不具合か、BETAが先行して入っている可能性があるということだ。
4人は銃を構え、懐中電灯をつけた。そこには闘士級の群れがいた。歩兵の装備で十分に対処可能ではあるが、いかんせん数が多かった。グレネードで牽制する。音に気付いて一斉にBETAが階段に殺到する。すかさずフラッシュグレネードを投擲し、BETAの目を潰す。効果があるのかは知られていなかったが、足が止まったので実際に効果があることが証明された。その隙に一気に制圧射撃を開始する。M14は連射性能こそ劣るものの威力は高いため、闘士級を木っ端みじんにしていった。2マガジン分を使い切ったところでようやく掃討し終わった。急いでコントロールルームに入ろうと廊下を駆け抜ける。ドアを開けようとしたときに、廊下の真ん中の天井が崩落した。そこから、兵士級と闘士級がなだれ込んできた。
そこで衛兵2人がオットーともう1人のために陽動を買うことにした。オットーたちは敬礼しながら扉を固く閉じた。これでしばらくはBETAが入ってくることはないだろう。外の廊下では銃声が鳴り響いていた。この音が聞こえている間は、彼らが生きているということだ。その彼らの献身のために、急いで自爆装置の起動準備をした。3分ほどしてからようやく準備が完了した。カウントダウンが開始された。その時間は5分だった。
地上要員から通信があり、全員退避が完了したとのことだった。戦術機部隊も撤退を開始しつつあった。爆発による影響は基地全体がきれいに吹き飛び、周辺3㎞以内も影響下に入っている。だが、これで味方が巻き込まれる心配はなかった。
タイムリミットが来るまで、廊下からは銃声が鳴り響いていた。途中でグレネードの音もしており、余程の激戦と見た。しかし、残り1分でその音も止んでしまった。代わりにドアを破壊しようとする音が始まった。残り30秒でBETAがコントロールルームに突入してきた。必死に応戦する。ここの部屋の装置を破壊されると、自爆は一切行うことができなくなる。扉は一つしかない。だから迎撃は最初のうちは余裕だった。しかし、数が多すぎた。なだれ込まれ遂に手に負えなくなり、衛兵が必死に肉壁となった。しかし、すぐに四肢をもぎ取られた。パネルを見ると残り時間は5秒となっていた。オットーは勝利を確信した。しかしその瞬間、右胸部を貫かれていた。だが、タイマーは0秒になった。
「………へっ、遅かったな」
そう言い放ち、オットーと大邱要塞市は吹き飛んだ。
30分後 蔚山
A-01Aとローパー隊は蔚山に逃げることにした。その間にメディックがみちるに対して懸命の治療をしているが、未だに危険な領域だった。もはや延命に過ぎなかった。トンカッチは寝ていたままだったので、無理やり速瀬の機体に入れ込んでいた。大邱での大規模自爆により、辺り一帯の大多数のBETAの排除には成功した。これにより、蔚山・釜山の平和は保たれることとなるだろう。他の部隊も釜山方面に逃れているようだ。それでも、多数の犠牲を払い過ぎていた。
大邱は消失、BETAは依然健在、未確認個体の回収にも失敗している。挙句の果てには、みちるが致命的ダメージを受けている。作戦としては大失敗であった。
横浜からは命令ではなく任意として、トンカッチ、みちるを残してA-01Aに対して帰還指示が出されていた。任意指示だったので、彼女たちは残ることにした。
そして、半月ほど経った12月20日にトンカッチ以下のA-01A部隊は帰国することとなった。みちるの容体は、全身骨折並びに意識不明の重体だった。さらに医者曰く、記憶喪失の恐れありとのことだった。
そう、これまでの記憶は全て無に帰してしまったのだ。
ちょうどTwitterのFFさんから言われたんですよ
「どうして推しのキャラなのにここまでひどいことができるんや(´;ω;`)」って
アンサーを返してあげよう
推しキャラだからだ。正直に言ってやろう。完全ハッピーのままずーっと話が続いてみたらと想像してみたまえ。
そうするとどうだ?全く感動もしない、面白味もないクソみたいな物語ができてしまう。
だが曇らせてみたまえ。するとどうだ?物語に緩急が生まれる。そして最後の方でその曇りを晴らせてやればいい。そうすると今までの苦しみから解放される!
というポリシーでやっていると思います、多分………
あ、ちなみに今ので朝鮮半島編は終わりです。未確認個体くんは次回で命名されます。
また、次回からは日常回です。最近殺伐としてたからね、そろそろ癒し欲しいよね。
…………みちるさんが意識不明で記憶喪失の可能性も示唆されている状態で日常回ができるんですか、だと?
……………………お黙りっ!
今回の友情出演組です。(敬称略)
瑛都 [ZGK0]帝国元帥 元大佐(@ZGK088)