Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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第9章 神槍作戦
第51話 神槍作戦発令


 2001/12/13 13:00

 

 基地に戻って軽い昼食を済ませてから、司令部まで出頭した。基地司令のラダビノッド司令は別室に案内してくれた。誰もいない部屋で、監視カメラもなかった。あるのは机とプロジェクターのみだった。技術士官のピアティフ中尉もついてきた。手にはノートパソコンを持っていた。すぐにパソコンとプロジェクターをつなぐ。

 

「休暇中に呼び出してすまない。だが、この基地でも重要な存在である君たちには、知らせておかなければならない情報があるのだ」

 

 映し出されたのは佐渡島の地図だった。いつもの戦術マップと同じだ。ここにいったい何の用事があるのだろうか。

 

「現在、国連太平洋方面第11軍は甲21号ハイヴに対しての二度目の大規模反攻作戦を計画中だ。予定では12/25だそうだ。このハイヴの制圧をもって、徐々に戦線を押し上げる目的があるそうだ」

 

 内容は概ね理解できたが、わざわざ一人の兵士に過ぎないトンカッチたちを呼んだのは疑問だった。なぜ呼ばれたのかを質問した。回答は単純だった。『甲21号目標強行偵察任務』、これに当たれとの話だったのだ。参加者は2名だった。この偵察結果如何によっては、反攻作戦は行われないそうだ。責任は重大なものである。

 

「私が中佐たちを呼んだのはそのためだ。まぁ、香月博士は別件があるので呼んだまでだが…」

「では、私はいったん席を離れてもいいでしょうか?すこしやらなければならないことがあるので」

「了解した、博士」

 

 香月は先に退出した。おそらく今朝書いていた書類にまつわることだろう。再び話が始まった。本来なら偵察の必要性はない。なぜなら軌道上に監視衛星があるからだ。ここから得られたデータをもとに本来は作戦行動をするのだ。だが、それが今回はできなかったそうだ。というのも、現在甲21号目標上空は分厚い雲で覆われており、なかなか見ることができないそうだ。

 

 さらに、現地の環境状況はいまだ不明だった。2000年1月に決行された甲21号殲滅作戦で使用された特殊爆弾の影響が未知数だった。公式発表で安全な状況になったとされていたが、最近になって人体にとっての悪性物質が蔓延している可能性があるとのことだった。そのサンプルデータの回収も必要だった。

 

「さすがに君たちも知っているだろうが、あのときの爆弾はG元素由来の爆弾だ。あの影響がいまさらになって発生しているということだ。その影響で監視用の無人ドローンが使い物にならなくなってしまった。そこで今回の有人偵察というわけだ。この基地の中で、実働部隊の最高階級者は君たち二人だ。そこで、作戦参加するための人員を二人選んでほしい」

 

 やはりそういうことだったのかとトンカッチは納得した。この偵察任務の後に行われる反攻作戦の内容についてはまだ決定されていない。だが、ヴァルキリーズは表立った戦闘はしないそうだ。何かしらの護衛任務が主となるらしい。

 

 とりあえず作戦計画書を受け取り、トンカッチたちは退出した。そして、自分の部屋にみちると一緒に戻った。

 

「これさ、別に緊急で戻ってくる必要性無いだろ!?はあ…もっと遊びたかったのによぉ」

「愚痴ばかりではみっともないぞ、トンカッチ。気持ちはわからないでもないけど…」

 

 嫌々書類作業をしながら、任務に就く二人を選定した。ラダビノッド曰く、『できれば中佐たちには出撃してほしくない』だった。指揮官が偵察任務で死んだ場合、後の作戦に支障をきたすからだ。そのため、適任を探し始めた。

 

 3時間に及ぶ論戦の末、二人は決めた。霧雨とヤマメを出撃させることにした。この二人の連携能力は伊達ではない。もともと作戦行動時も、二人は遊撃要員にする予定だったくらいだ。彼らが帰ってきたら、トンカッチが指導することになるだろう。機体も普段の機体では無理がある。特注のを用意しなければならない。すぐに必要なものをまとめて、書類に書き込んだ。

 

 

 12/14 11:00

 

 全員が長野から帰ってきた。どうやら向こうでは熊が出て大騒ぎになったそうだ。その証に、狩りに使ったらしい銃がひしゃげていた。これはジェームズの私物のリー・エンフィールドと呼ばれるボルトアクションライフルだった。高い金を払って3本購入したそうだが、そのすべてが熊に壊されたようだ。

 

 だが、戦利品として熊の肉を持ち帰っていた。今日は熊肉鍋になるだろうと確信した。他にもスキーや宴会を開いていたそうだ。楽しそうで何よりだった。彼らが自室に戻る際に、霧雨とヤマメを呼んだ。例の偵察任務についてだった。

 

「すまない、この任務に就いてもらえないだろうか」

「…………了解しました。絶対に成功させて見せますよ!ヤマメもいいだろ?」

「ええ、もちろんよ丙ちゃん。私、丙ちゃんの行くところだったら地獄でも付き合う自信あるから!」

 

 本人からの承諾を得たので、署名をしてもらい、計画書を提出した。内容が極秘故、ラダビノッドに直接渡すことになった。

 

「そうか、最近入ってきた彼らか…。彼らの無事の帰還をもって作戦成功と認める。我々も最大限のバックアップは用意しておく」

「了解しました!」

「すまない…若人を死地に送る我々を許せ」

「…………そういうのは、すべて終わってからにしましょう」

「…そうだな、中佐」

 

 トンカッチは部屋を後にした。そのあと強化装備に着替え、すぐに格納庫に向かった。すでに、霧雨とヤマメは待機していた。彼らが乗る機体がそこにあるからだ。

 

「さすがに早いな。さて、貴様ら二人が乗る機体はこいつだ!」

 

 天幕代わりの布を外した。そこには、彩雲があった。あの佐渡島を偵察したトンカッチの機体とは少し変わっていた。さすがに近代化改修がされており、機体名も『彩雲改』と改められていた。機体強度と速度は上昇しており、衛士の生存性も高まっている。センサー系統も強化されている。それ以外は全く同じだった。

 

 元々この機体は帝国軍からの供与品だった。だが、村雨のパーツでもあるので、国連軍が最近追加で多めに購入していたのだ。その数は6機だった。そのうちの2機を与えた。もし壊されようものなら、村雨の補修パーツは枯渇することになるだろう。といっても彩雲のパーツは、村雨・弐型になると外装は使われておらず、内部フレームがほとんどだった。国連軍は、村雨の補修理由のために、偵察機が欲しかったのだろうと容易に推察できた。

 

 今日はそのような彩雲改の実機での訓練だった。過去のトンカッチの飛行データを参考にしたルートを飛ぶというものだ。もちろん、場所は横浜だが。

 

「今日は俺が先導役で飛んでやる。お前らは俺のケツにしっかりついて来いよ?あくまで慣熟飛行が今日の目標だ。分かったか!?」

『了解!』

 

 三人は彩雲改に乗り込んだ。起動画面はXM3となっていた。どうやら制式採用OSになったようだ。あの事件があっても、実用性は認められたようだ。思うところはあったが、とにかく戦闘訓練を開始した。

 

 最初は慣れない機体特性に二人は翻弄されていたが、徐々にうまく制御し始めていた。機体の速度も最大限出して飛ばしたが、それでもしっかりくっついていた。どうやら実力はかなりあるようだ。訓練中にトンカッチは追加データを送信した。

 

「今勝手にこっちで新しいルートを作らせてもらった。このルートを通りながらサンプルを回収するという訓練だ。マップに示したポイントで、機体に装備されている採集ユニットで採集、その後ここまで戻ってこい」

『了解!』

 

 適当に作ったルートだが、検定用にはもってこいだった。急カーブ、悪路、高度制限、戦場に不可欠な要素の盛り合わせだった。だが、彼らは的確な動きで訓練を終えた。途中で意地悪く光線級の訓練データを入れ込んだが、それすらも難なく対応してしまった。完璧と言わざるを得ない。これでは仮免許ではなく本免許合格レベルだ。

 

「お前ら…すげえよ。一応作戦まで時間はあるから、それまで継続して練習しておけよ」

 

 そういって解散した。にしてもここまで完璧だと逆に不安になるものではあった。訓練でできたことは本番でもできる、そう喧伝したいが現実は甘くない。実戦で生き残るのは、能力が高く、冷静で居続け、運の良い人間だけだ。彼らがこの要素を満たした衛士であることを願った。

 

 帰って仕事をし始めた。気づけば夜になっており、食事をとるためPXに向かった。いつもにぎわってはいるが、今日は特段盛り上がっていた。真ん中のテーブルで何かがあるようだ。人混みで全く見えなかったが、階級章を見た兵が次々と道を開ける。そこに広がっていたのは湯気だった。周りにはほかのヴァルキリーズの隊員もいた。

 

「なんだこれ?湯気?てか何の匂いだよこれ!」

「あ、トンカッチ。遅かったじゃない。これ食べる?」

 

 みちるが何かを器に入れた。湯気で全く見れなかったが、知るものであることははっきりと分かった。

 

「みちるか?これ何だよ!食えるものなのか!?」

「何って…ほら、少佐たちが持って帰ってきた熊肉の鍋よ?食べないの?」

 

 どうやら熊肉鍋パーティーが開かれていたそうだ。これだけ混んでいたのは、鍋の配給待ちの列だった。どうやらPXにいる京塚さんも協力のもとだそうだ。匂いはかなり良かった。肉の臭みもない。だが、知らされていなかったので若干疎外感を感じてしまった。

 

「こんな美味そうなもの作ってるなら、教えてくれてもいいじゃんかよ…」

「だって、あなた仕事で忙しいでしょ?邪魔しちゃいけないじゃない。それに、後で持ってくつもりだったから大丈夫よ?」

 

 さらに小声で、「持っていくって口実で二人きりになれるしね」とも言っていた。みちるは聞こえないつもりでしゃべったが、周りの聴覚は冴えていた。とくにジェームズと速瀬は地獄耳だった。

 

「おいおいおいおい、聞いたかテメエら!伊隅中佐殿はイチャイチャするためにトンカッチ中佐に何も言わなかったんだってよ!」

「いや~中佐もお人が悪いですね!おまけに二人きりですって!?キャー!」

「…みちる、それマジで言ってる?」

 

 みちるは顔が真っ赤になり、逃走を図った。その腕をしっかりとトンカッチが掴んだ。

 

「まあまあ、落ち着いて鍋でも食って話でもしようや」

「…………このような辱めを受けるなら、一緒にトンカッチも堕ちなさい!」

 

 思いっきりみちるはキスをした。死なばもろともだ。急な行動に、周りも思わずドン引きする。そして、ジェームズが二人の頭にチョップをくらわした。

 

「痛てっ!てめえ何すんじゃゴラァ!」

「おめえこそ何やってんだよ!公衆の面前でキスするアホがあるか!?」

「いや俺はやってねえよ!みちるが勝手に―――」

「少佐、このアホを懲らしめてやってくれ!」

「何で俺なんだよ!ふげっぇ!?」

 

 トンカッチは首を絞められ始めた。食堂の盛り上がりは変な方向に高まっていった。

 

 

 12/17 9:00 ブリーフィングルーム

 

 今日から追加で新しく人員が追加された。第207訓練小隊からだそうだ。その中にはもちろん、武もいた。今まで何度か戦場で見ている仲だ。意外だったのは先任のヴァルキリーズのメンバーも、どうやら知り合いが多くいるようだ。軽い自己紹介の後、今後についてみちるが話始めた。みちるはこの前日にとある指令書を預かっていた。

 

「これは国連軍第11方面軍からの指令書だ。よ~く聞いておけ?」

 

 

 宛 国連軍横浜基地第1特殊戦術機甲大隊 同部隊大隊長:伊隅みちる中佐

 

 2001年12月25日0630より、甲21号ハイヴへの大規模反攻作戦を開始する。貴官の部隊は作戦要綱に従い、甲21号ハイヴの撃滅に死力を尽くして戦いに望め。

 

 発 国連太平洋方面第11軍作戦司令部

 

 ついに甲21号ハイヴ殲滅作戦が開始されることが決定されたのだ。だが、みちるは意外なことを言った。

 

「今回の作戦では、我々は表立って行動することは無い。VF-01のうち、第2中隊と第3中隊は通常戦闘に加わり、ハイヴの制圧を目指す。だが、我々第1中隊はとあるブツの護衛任務だ」

 

 そういうと、香月が部屋に入ってきた。ホワイトボードに貼られた写真には、大型の機械が写っていた。戦術機にしてはあまりにも大きすぎるのだ。サイズは戦術機5個分以上のデカさだ。

 

「これの名前は、凄乃皇・弐型。元々はXG-70bと呼ばれていたものね。区分は戦略航空機動要塞といったところかしら」

 

 この超兵器は様々なオーバースペック機能を有しており、簡単に言えば、空中に浮遊し、光線級のレーザーを湾曲させ、超強力な荷電粒子砲を発射するというものだ。さしずめ、空飛ぶ戦艦だ。これのテスト兼護衛が第1中隊に与えられた任務だった。そのため、オルタネイティブ計画の独立した部隊として動く必要性があった。なので、VFA-01に戻ることになった。

 

 こんなものが量産されていれば戦争など簡単に終結しそうなものだが、そう簡単にはいかない。00ユニットと呼ばれる物の専用拡張機能だったからだ。この00ユニットというのは、『人間の魂を機械の体に入れた「生物根拠0生体反応0」の非炭素擬似生命体』というものだった。

 

 実はA-01のメンバーは、この00ユニットの候補者だったそうだが、トンカッチという圧倒的イレギュラーのせいで断念していたそうだ。とにかく、佐渡島はこの凄乃皇の実戦テスト場でもあるのだ。この結果が有効であるなら、今後のオルタネイティブ計画に大きな進歩をもたらすそうだ。

 

 仮に凄乃皇が致命的打撃を受けた場合、戦闘を放棄し撤退することも考えられているそうだ。つまり、凄乃皇は実験をしているものの、作戦の要でもあるということだ。とはいえ、護衛部隊としてはあまりにも過剰な戦力だった。そのため、同時並行作戦がA-01に与えられた。

 

 それは作戦の詳細説明の際に話すといった。それから、基地司令のラダビノッドが入室した。作戦説明のためにわざわざ来たようだ。神妙な面持ちだった。

 

「今回の作戦には、君たちの挺身が必要不可欠である。おそらく犠牲者も出るだろう。だが、今回の戦闘の結果が今後の世界に影響を及ぼすことになる!…諸君らの健闘を祈る!」

「総員敬礼!」

 

 ラダビノッドは作戦を説明し始めた。作戦は多段階に分けられていた。第1段階は、作戦前日の強行偵察からだ。霧雨たちが行うことになるものだ。他の部隊からも出撃するらしい。現在の天気は良好で、監視衛星からでも多少観測することは可能になっているそうだ。現状の測量進捗は30%で、開始までには80%に到達する予定だ。残った20%と、G元素の影響調査を偵察班が行うということになった。

 

 第2段階は、国連宇宙総軍の装甲駆逐艦隊並びに海上戦力によるAL弾での飽和攻撃だ。重金属雲の発生を確認後、作戦は第3段階に移行する。

 

 第3段階は、高速機動戦術機部隊による光線級吶喊だ。これは、作戦参加部隊の中でもトップクラスの人員のみが集められている。以前、トンカッチとジェームズがアメリカに向かう際に使用していた大型跳躍ユニットの改造品を利用する。

 

 それを実戦用に調整、改造したのが今回使われる『夜襲急行(ナイトレイド・エクスプレス)』と呼ばれるユニットだった。名前の由来は、過去の大戦で行われた作戦の『東京急行(トーキョー・エクスプレス)』からきている。実際に、作戦が開始される前である、夜間に襲撃する目的から夜襲の部分はつけられている。

 

 ブースターが大型化したことによる推力の余剰のため、ウェポン・ベイを増設された。主にミサイルやロケット弾を搭載可能だ。今回は面制圧目的のため、マイクロ・ミサイルを大量に装填していた。それとは別に、村雨・弐型には新たに外装の追加予定があった。それはまだ完成していないそうだ。これは別件なので、トンカッチたちは高速機動戦術機部隊には参加しないだろうと考えていた。何はともあれ、この高速機動戦術機部隊が光線級吶喊を行い、のちの被害を減らすというものだ。

 

 第4段階は、帝国海軍第1、2、第3戦隊が真野湾に突入し、同地域一帯を面制圧。同時刻に米海軍臨時太平洋艦隊並びに、国連太平洋艦隊第1打撃主力部隊が両津港に侵入。真野湾からは帝国海軍第17戦術機甲戦隊が真野湾沿岸に上陸し、両津港からは帝国海軍第4戦術機甲戦隊が同地域一帯を確保し、橋頭保を作り上げる。

 

 第5段階で、西部方面主力部隊のウィスキー部隊と東部方面主力部隊のエコー部隊が上陸を開始。ウィスキー部隊は旧沢根までBETAを引き付ける陽動役を買い、手薄になった本陣をエコー部隊がすりつぶす。エコー部隊はその後北上し、旧鷲崎まで戦線を押し上げて、BETAの海底からの再上陸に備える。

 

 第6段階は、国連軍第6軌道降下兵団が軌道降下を開始する。同部隊は甲21号ハイヴに突入し、第4層到達を合図に他の地上部隊も突入を開始する。

 

 VF-01は第2中隊と第3中隊はウィスキー部隊とともに上陸することになる。第1中隊はエコー部隊とともに上陸するが、途中で南下して凄乃皇の進路を確保する。凄乃皇は横浜からの出撃となるからだ。この段階で第1中隊はVFA-01として行動を開始し、独立指揮系統に切り替わる。

 

 仮に降下兵団が突入に成功すれば、ハイヴの調査に移り変わる。失敗すれば、荷電粒子砲で地上部分を吹き飛ばすことになる。その後に、ウィスキー部隊と合流してハイヴを制圧するというものだった。結局A-01は、ハイヴの制圧と調査を目的としているのだ。

 

 合計6段階にも及ぶ大規模多重段階作戦によるハイヴ攻略戦闘は、人類史を見ても前例のないほどの大規模作戦だった。前回の甲21号作戦との差別化のため、作戦名は『神槍(しんそう)作戦:オペレーション・グングニール』。穿たれた槍は敵を貫き、再び戻ってくる。北欧神話に登場するオーディンの持つ槍と、その性質から名づけられた。

 

 参加組織は、日本帝国・斯衛軍、在日米軍並びに臨時派遣軍、国連軍、ソ連軍、英国軍、統一中華戦線と多岐にわたっていた。他国家からの支援は各国家ごとに戦術機1個小隊ほどだったが、十分な戦力だ。

 

 前回の甲21号作戦と比べて、作戦参加人員は2倍以上になっている。戦術機も、温存していた戦力のすべてがあてられるそうだ。そのため、本土の防衛はがら空きだ。後方増援部隊として各地に最低限の防衛部隊は残されているが、少ししかいない。あてになるものではない。

 

 地上戦力も強化されており、戦車の他に、MLRS部隊や榴弾砲部隊もいるそうだ。新型の01(マルヒト)式戦車や、新設された対BETA特技兵部隊もいるらしい。

 

 海上戦力もそれに負けじと増強されている。帝国海軍第2戦隊は前回作戦で喪失した加賀と美濃の代わりに、改大和型戦艦の赤城と土佐が新造され補充された。設計データと作業の効率化のおかげで、たった1年で完成できたそうだ。米国海軍は海軍戦力を総動員する。つまり、原子力空母がわんさかと出撃するわけだ。ニミッツ級は8隻、エンタープライズやキティホーク級も4隻配備されていた。つまり、米海軍は空母からの戦術機運用がメインだ。

 

 国連海軍はアイオワ級戦艦を6隻、モンタナ級戦艦3隻、ソビエツキ―・ソユーズ級戦艦1隻、ヴァンガードやH級戦艦といった他国の超大型戦艦を臨時艦隊として編成している。

 

 各国家ともBETAとの戦闘で忙しかったはずにもかかわらず、ここまで支援を出せたのには理由があった。出撃している戦力のうち、米国以外は海軍戦力や1個小隊程度の戦術機のみだった。他の国ではここまで海軍の戦力を現状必要としていないのだ。実質お役御免のものを押し付けたのだ。だが、今回はそれが役に立つはずだ。

 

 そのような大戦力を用いてハイヴを叩くのだ。きっと凄乃皇に頼らなくても勝てそうなものだ。だが、相手はBETAだ。何をしてくるかは読めない。万全の態勢を整えておかなければならない。補足事項などを聞いたのち、ヴァルキリーズは解散した。

 

「田島、村上。必ずお前らの仇はとってやる。一匹でも多くのBETAを地獄に送ってやる。…二度と貴様らのような犠牲が出ないように、祈っててくれ!」

 

 トンカッチは、拳を固く握りしめて部屋を出た。




懺悔します。作戦経過はかなり本編の甲21号作戦と同じように進行します。それしか思いつきませんでした。許してください。

代わりに、ところどころ別段階が入れられたり、戦力の変更など頑張って変えたつもりです。結果もおのずと変わるはずです。これで許してください。


今回の友情出演組です(敬称略)

ジェームズ・スミス(@Lt_smithFFR41mr)
霧雨アロナクス壱型丙(@Ke78684Hasunuma)

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