Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
2001/12/25 3:30 真野湾
真野湾に帝国海軍は侵入していた。戦艦8隻を主軸とした大艦隊だ。各艦艇、AL弾を装填していた。いまだに光線属種の存在を確認しているからだ。
「安倍艦長、真野湾突入艦隊の突入準備が整いました!高速機動戦術機部隊の退避も確認しております!」
「先ほどは一斉射分、よく誤射せずに撃ち込んだ!ここからもその調子で頼むぞ!」
「了解!AL弾装填完了、いつでも撃てます!」
「各艦データリンク照準、主砲交互撃ち方用意!…撃てぇ!」
爆音を真野湾に響かせながら、8隻から大量の砲弾が放たれた。戦域データリンクによる精密な砲撃は、的確に光線属種を狙ったものだった。光線属種の迎撃率は高いものだ。だが、爆撃や先行部隊、重金属雲の影響で命中率は大きく低下していた。迎撃された砲弾は重金属に変化し、迎撃されないものは通常砲弾になる。今回は、通常砲弾としてたくさん着弾した。
「砲撃着弾率75%です。これなら通常弾も有効かと」
「了解した。仮に迎撃されていても、これ以降は通常弾しかないがな。まあいい…九一式徹甲弾を装填!一気に敵を殲滅する!」
安部はこの作戦に並々ならぬ思いを持っていた。前回の甲21号作戦では、戦艦などの海上打撃戦力は地上の援護を満足にできず、結果として2隻も戦艦を沈めてしまったのだ。さらに、その穴埋めのために新造艦を作らせてしまう始末だった。その資源は戦術機や戦車に充てられるべきだったのだ。それを、榊がわざわざ割いてくれたのだ。
彼はもう死んでしまったが、その恩義に報いらなければならない。それが安部の戦いに対する原動力となった。
「砲弾着弾しました!…着弾率は40%、低下しています!光線属種によるレーザー照射が増大しています!」
「通常弾だけ迎撃されているとは思いたくないな…。仕方ない、99式艦載誘導弾を発射する用意をしろ!」
99式艦載誘導弾は、いわゆるクラスターミサイルだ。子爆弾の火力は戦術機搭載誘導弾と同等の威力だ。だが、その弾数が非常に多いのが特徴だった。大和型にはミサイル発射セルはないが、増設された打ち切り式の発射機がある。改大和型には赤城と土佐のみVLSが増設された。
各艦艇からミサイルが一斉発射された。迎撃率が再び高くなっているが、それを補うための牽制砲撃を開始していた。牽制砲撃には光線属種にわざと迎撃をさせる目的がある。これでミサイルの到達度を高くするのだ。砲撃はかなり迎撃されていた。迎撃率80%、重金属雲下にもかかわらず異常ともいえるこの数値は全員を驚かせた。
だが、本命のミサイルの到達までに光線属種のクールタイムは間に合わない。地面すれすれから急上昇し、親爆弾のミサイルカバーをパージする。子爆弾が露出した瞬間、一気に子爆弾が射出されて地上に降り注いだ。着弾地点には鉄の雨が降った。地上にいたBETAは一気に殲滅され、大地は大いに荒れた。
「ミサイル到達率、100%を確認。効果は絶大です!」
「このままいけば我々海上戦力だけでも殲滅することは可能かもしれないが…念には念をだ。第17戦術機甲戦隊はどうなっている!?」
「現在、真野湾沿岸に上陸しました!」
3:40 真野湾沿岸
第17戦術機甲戦隊は真野湾沿岸に上陸していた。艦砲射撃により地面は荒れていたが、
「こちらサラマンダー1、目標地点の確保に成功。上陸を開始してくれ!」
「CP了解、ウィスキー部隊の上陸を開始させる」
作戦が第5段階に移行したことの合図だった。戦車などを載せた揚陸艇が近づいてきた。だが、すぐにレーザー照射により消し炭になった。
「畜生、さっきやられた揚陸艇には何があった!」
「101揚陸艇だから………90式戦車と歩兵です!」
「戦車は貴重な戦力になるんだぞ!?俺たちが盾になってでもあいつらを上陸させろ!」
『応!』
サラマンダー隊は、海神による壁を形成し始めた。この装甲なら、多少ならレーザーを受け止めることができる。そもそも、上陸支援ユニットなのだ。ここで使いつぶしても構わないだろう。そう考えたのだ。
妨害するがごとくBETAは湧き出始めた。先ほど上陸可能と判断したのは、ミスだった。だが、今それを責めている場合ではない。彼らの上陸までレーザーを受け止め、BETAを駆逐しなければならないのだ。
「くそっ、120mmはもうそろそろつきそうだぜ!」
「36㎜持ってこい!」
「自分で何とかしろ、サラマンダー4!こっちは――うわぁぁぁぁぁ!」
「サラマンダー2どうした!?応答しろ!……あれは、要塞級?」
「ぼーっと突っ立ってんじゃねえ!こちらサラマンダー1、要塞級が前線に出現した。艦砲射撃を要請!」
「CP了解、艦砲射撃は30秒後に開始される。それまで待機せよ」
残弾の消費が思ったより早かった。耐えることはできるが、補給まで持ちこたえられるかどうかはわからない。全てはこの場所の死守と、揚陸部隊の上陸数次第だ。必死に耐えに耐えていると、砲撃が降り注いだ。先ほどの全力射撃に比べて局所的だったが、十分な効果を発揮した。要塞級が一瞬で爆発し、地上を這いつくばるBETAどもは根こそぎ土に返っていった。
このチャンスを逃せば再びBETAは地点を奪還しに来る。
「上陸部隊、早く来い!早く陸に上がって来いって言ってんだよ!」
「馬鹿野郎、急かすんじゃねえ!……90式戦車、出撃!」
ついに戦車戦力が上陸を開始した。先ほどの砲撃により、付近一帯のBETAは殲滅されたのだった。これにより、安全に上陸地点を確保することができた。だが、先ほどまでいなかったBETAが急に現れたというのが不可解な点であった。その疑問点はあったが、些末な問題だろうと忘れることにした。
「こちら真野湾臨時指揮所、以降真野湾CPとして活動を開始する!」
真野湾CPにより、上陸がスムーズに行われ始めた。次々と戦車や榴弾砲、装甲車や歩兵がずらずらと上陸を開始した。後方の海上からは戦術機の発艦も始まっていた。打撃艦隊の戦艦による砲撃と高速機動戦術機部隊の光線級吶喊により、光線属種の確認個体数は大幅に減っていた。なので、上陸中にレーザーで狙われることは少なくなっていた。もちろんゼロではないので、先ほどの101揚陸艇のような例もある。
VF-01の
「レイピア1より各機、誘導弾を前面に全力射撃。そこに突っ込むように吶喊するぞ!」
『了解!』
「こちらソード1。いいかお前ら、レイピア中隊みたいな熱血馬鹿野郎になるなよ~?ああいう奴から早死にしてくんだぜ!?……ま、俺たちも同じことをするのは内緒だがな。全機、俺のケツについてこい!」
『了解!』
西部戦線は順調に戦線を押し上げて行っていた。レイピア、ソードのどちらの隊もすさまじい活躍だった。戦乙女の名に恥じぬ戦いぶりだった。
同時刻 両津港
国連海軍第1打撃艦隊は持てる最大数の戦艦を導入していた。いずれも過去の大戦で活躍した武勲艦ばかりだった。特にモンタナ級は強大な戦力となった。アイオワ級と異なり、低速大型戦艦たるモンタナ級は、16インチ砲を4基12門という過剰火力を持っていた。圧倒的な火力の手数で、両津港一帯はすぐに制圧された。
上陸可能と判断し、帝国海軍第4戦術機甲戦隊は先行上陸をした。本来なら海神を使用している彼らだが、今回は五十鈴を使用していた。両津港の現在の地形が、海神にとっては良くない地形に変形していたのだ。五十鈴は普通の戦術機と同様の使用感で行動ができる。だから使われたのだ。
無事に上陸地点を確保することに成功した。
「こちらヘイロー1、上陸地点の確保に成功した!いつでも上がってきてくれて構わんぞ!」
「了解した。上陸部隊、全ユニット出撃!繰り返す、全ユニット出撃!」
少々苦戦させられた真野湾と異なり、両津港には大型種は存在していなかった。代わりと言っては何だが、戦車級などの小型種がうじゃうじゃといた。上陸予定の全部隊が対抗できる装備を所有しているが、若干数が多かった。何より、真野湾と同様に急に地上に現れたのだ。
「ヘイロー1より上陸部隊に緊急連絡!BETAの野郎、急に出てきやがった!」
「馬鹿、テメエらが対応するんだよぉ!?それもできねえなら戦術機なんか降りちまえ!」
「馬鹿にしやがってこの野郎!見てろよ!?」
小型種相手には203mm砲は効果が薄い。砲弾も徹甲弾しか積んできていないのだ。榴弾はない。こうなると突撃砲頼みになる。いくら有効だからとはいえ、BETAの数が多すぎる。だが、後方には戦艦が控えている。彼らが必死に砲撃をしていた。
「目標、敵戦車級群。データリンク照準用意!」
「諸元入力完了、16インチ砲発射準備よし!」
「他艦艇も統制射撃の用意ができたそうです。連合海軍の力、見せつけてやりましょう!」
「旧時代の遺物となった戦艦が、再び活躍する機会を与えられたのだ。その恩に報いてやれ!………撃て!」
連動射撃による爆音が海を覆った。全弾通常弾種だが、砲弾数が多かった。光線属種の必死の抵抗が始まる。砲弾は次々と撃墜されていく。だが、辛うじてたどり着いた砲弾は、五十鈴たちに接近していたBETAを木っ端みじんにする。その勢いそのまま、砲撃を継続していた。
「56%の砲弾の命中を確認しました!」
「後方に控えているミサイル駆逐艦に、ミサイル飽和攻撃の要請をしましょう!」
「了解、聞こえていたなアーレイバーク!」
「こちらアーレイ・バーク級イージス艦、アーレイ・バークだ。了承した、すぐにマーヴェリックミサイルを発射させる!」
マーヴェリックミサイルは米国版の99式艦載誘導弾だった。これで一気に殲滅する予定だった。
「マーヴェリック、発射!」
米海軍の方からマーヴェリックミサイルが次々と発射された。先ほどの砲弾による面制圧の効果のおかげで、そのほとんどが迎撃されずに到達した。だが、カバーが外れた直後に迎撃されてしまった。それも全弾だった。
「ミサイル到達せず!高出力のレーザー照射による対空迎撃です!」
「畜生!これ、第2波ミサイルやっても駄目だろうな!?」
「駄目ですね…。光線属種がまだかなり残っていると考えられます」
「真野湾の連中は同様の状況で成功している当たり、こっちには光線属種が多くて、向こうには大型種が多いといったところか…」
その予感は正しかった。高速機動戦術機部隊は確かに光線属種を大量に撃破していた。だが、それはあくまで地上に出ていた奴だけだった。つまり、BETAは地下に戦力を温存していたのだった。だが、光線属種は視認可能範囲外にいる。つまり、直接レーザーを撃ち込んでくることはない。稜線の影に上陸地点はあるのだ。だから、上陸は容易だと判断していた。
「上陸第1波、上陸に成功!やればできるじゃねえか戦術機の衛士!」
「二度とそのクソみたいにでけえ口を開くんじゃねえぞ!?…早く行け!」
次々に戦車が上陸する。両津港のエコー部隊臨時CPが設立された。東部戦線も上陸からの戦闘を開始しようとしていた。そのころ、VFA-01も発艦に備えていた。
3:45 両津港近海
「いいかお前ら、伊隅家がいないからって手抜くんじゃねえぞ?あいつら早起きして必死に戦ってんだからな。こっちは優雅に寝起きのコーヒーをすする余裕はあったから、その分働いて見せろ!」
「あれ、少佐はコーヒーじゃなくて紅茶じゃないんですか?」
「いいか宗像、俺たち英国人が全員紅茶を飲んでると思うなよ?正直に言うとな、俺は紅茶ってもんが大嫌いなんだよ。何なら海に茶箱ごと捨ててやりたいくらいにな」
「よ、三枚舌!味覚も最強か!?」
「そうそう三枚も舌があるから味覚は…って速瀬、テメエ覚えとけよ!?しれっとディスりやがって!」
A-01は出撃に備えて機体に搭乗して待機していた。臨時指揮官としてジェームズが指揮を執ることになった。戦術機母艦の大隅改に彼らは移乗していた。こっちが本来の母艦になるのだ。クイーンエリザベスは、特殊運用されていたにすぎない。しばらく暇つぶしに雑談をして待機していたが、作戦の状況は思ったより順調だった。
「トンカッチのやつ、本当に光線級を駆逐してくれたんだろうな?頑張っているならこんなにレーザーが見えないはずなんだが…」
「こちらヴァルキリーマム、ヴァルキリーズ全機発進!繰り返す、全機発進!」
唐突に発艦命令が下された。戦術機が甲板に上昇していく。地上を望遠して見ると、上陸部隊が上陸地点を制圧完了している姿が見えた。マップでは、付近のBETAは殲滅されているようだ。だが、すぐ先の稜線を超えたところに大量に控えているのが確認できた。そのせいで彼らは前線を上げられずにいた。
「目標は確か、凄乃皇の進路確保だっけか?時間は…まだ間に合うか。よし、これより我々ヴァルキリーズはエコー部隊とともに前線を押し上げる!全員で生きて、中佐殿と合流するぞ!」
『了解!』
ヴァルキリーズは全機、大隅改から発艦した。光線級の抵抗なくすぐに上陸地点に到達した。ここから先は、大量の光線級の射線が待ち構えているだろう。装備ステータスを確認した。ポジションごとに本来なら装備は変わるものだが、全機に92式多目的自律誘導弾システムを搭載させていた。長期戦になることを見越した装備構成だったのだ。
正直戦艦の火力ですべて補えるので、ミサイルの必要性は薄かった。だが、支援砲撃をいつでも要請できるわけではない。その時のための面制圧武装だ。
「さて、自律機もしっかりついてきてくれてるな!?」
テンペストの自律機には、F-5Eが4機選択されていた。前には不知火を使用していたが、借り物にもかかわらず破壊したため供与が打ち切られてしまったのだ。そのため、残っていたF-5Eを引っ張り出してきたのだ。だが、システムズ・テンペストは徐々に成長していた。人が乗らない戦術機の機動は、機体への負荷を除けば1個上の世代と同等の動きを見せつけることもできるとこまで進化した。
本来の開発目的とは少々異なってはいたが、十分な結果としてジェームズも満足していた。テンペストも改修を施されており、砲撃戦でのアップデートがされていた。本体の性能も上昇し、もはや試験機とは言わせない性能にまで仕上がった。
「まず、F-5Eの1機を先行させるか。こいつが蒸発しちまったら、請求は国連軍に飛ばしておかなきゃな!?」
先行させると、稜線を超えた瞬間にF-5Eは照射された。すぐに回避したので、無傷だった。確認できた射線数は4つだった。稜線の影に隠れて待機する。気分は塹壕戦だ。他の部隊もなかなか進行できずに、同様の姿勢で待機していた。艦砲射撃の効果も薄く、迎撃率が跳ね上がっているそうだ。マップを見ても、その状況は一目瞭然だった。だが、ここで待機していても埒が明かない。
「こちらジェームズ少佐だ。打撃艦隊による支援砲撃を要請!」
「こちらアイオワ、砲撃申請了解!場所の指定を頼む!」
「了解した。…北緯38.060170, 東経138.420382だ!前方の湖対岸にいるBETA群になる!」
「了解、支援砲撃開始する。着弾報告から10秒以内に前進せよ!」
後方から戦艦が砲撃を開始した。ミサイルは無かったが、戦艦からの支援砲撃は強力だった。仮にこれが迎撃されれば、光線級がクールタイムに入る。迎撃されなければBETAは肉片に変わるのみだ。そして、稜線の向こう側でレーザーが光りはじめた。同時に、着弾の音も大量にした。
「こちらアイオワ、砲撃は成功した。着弾率86%だ。各部隊、前進開始せよ!」
号令が出ると同時に、全部隊が稜線の影から飛び出した。対岸には光線級の残敵がまだいたが、すでに残党程度だった。すぐに狙撃し撃破する。湖を突っ切るのが一番早い経路だが、なるべく遮蔽の多いところを他の部隊は通っていくことにしていた。だが、ジェームズはあえて湖を飛ぶことにした。
「いいかお前らぁ!こうやって湖を飛んでいればな、どこかのアホが俺らに初期照射をするはずだ。そこをカウンタースナイプで撃ち殺してやれ!できなければ死だ!突撃ぃ!」
『了解!』
他の部隊はそれを見て気でも狂ったのかを思った。そして初期照射が開始された。すぐにカウンタースナイプで撃破していく。報告は早く正確に、攻撃も同様に。この基礎的な動きで敵は倒せるのだ。それができない奴から戦争は死んでいくのだ。基礎というレールから外れれば、待つのは死のみだ。
連続して跳躍ユニットを使うと、オーバーヒートしてしまう恐れがある。なるべく連続使用は控えたい。すぐに着地地点を決める。だが、そこには大量のBETAが待ち構えていた。先ほどまではいなかった大型種もそろっていた。
「全機、ランチャースタンバイ!目標、前方の要塞級!…撃て!」
肩のミサイルが要塞級に向かって飛翔した。数撃てば当たるとはよく言ったものだが、全弾が要塞級に命中した。残りのミサイルも投入し、着地地点に叩き込む。すぐにミサイルコンテナをパージし、機動力の回復に努める。装備はまだ、追加武装の92式をパージしたのみで、突撃砲はほぼ使っていなかった。推進剤も無論、大量に余っている。
「着地後、次の強襲地点に向かうぞ。まだ前哨戦に過ぎないということを忘れるな!?」
マップを見れば、エコー本隊は順調に戦線を上げている。新型の01式戦車が大活躍しているそうだ。さすが対BETA特化型戦車だ。まだ生産数は少ないが、量産された暁には地上戦力の増強につながることだろう。
エコー部隊の戦線は安定していた。そのため、ジェームズは予定より早く南下することに決定した。凄乃皇は佐渡島南海岸の赤泊から進軍してくるそうだ。その付近一帯を掃討する必要がある。現状、そこのエリアには砲撃が2回されていた。だが、まだ殲滅しきれていない。ここで叩いておく必要がある。それに、このエリアの光線属種が殲滅されていない。
殲滅しに行くためにヴァルキリーズは向かった。
同時刻 真野湾
真野湾はようやく安定化が図ることができた。あれから何度か地下からの奇襲を受けたが、ギリギリ真野湾CPは壊滅せずに済んだ。上陸も順調に行われていた。だが、前線に出ているウィスキー部隊の調子はあまり良くなかった。上陸後、大量の突撃級に襲われ、上陸第1波は壊滅的被害を受けていた。
「こちら第4機甲部隊、敵の抵抗激しく前進が困難だ!90式戦車が何両か食われちまった!誰でもいい、援護を!」
「こっちだってギリギリなんだ!テメエのケツはテメエで拭きやがれ!くそっ、そっちに戦車級が行ったぞ!」
「馬鹿、それを迎撃しろってんだ!戦車に取りつかれたらもうどうしようもねえよ!…ああ、クソっ!こんな時に機関砲が弾詰まりになるなんて!」
すぐに弾詰まりを直そうとガチャガチャと動かすが、全く直りそうにない。そうしている間に、目の前に戦車級は迫っていた。
「…………これまでか!」
そう思ったが、目の前で戦車級は肉片に変わった。
「そこの戦車、確かキューマルシキだっけか。大丈夫か!?」
援護に来た戦術機は、見たこともない機体だった。面影としてあるのは不知火だろうか。だが、真っ白だった。その後ろから他の戦術機も来ていた。そのほとんどが、帝国で見たことが無い機体ばかりだった。西側の機体であることは推察できたが、それ以上はわからなかった。
「援護感謝する!…ところで、アンタたちはどこの部隊だ?」
「俺たちか?…俺たちはアルゴス試験小隊だ。アラスカの方から来たんだが…ここは地獄そのものだな」
アルゴス試験小隊、アメリカのユーコン基地を拠点として活動している。主に戦術機の開発・試験部隊として活躍していた。今回は、実戦テストを兼ねた戦闘参加だったのだ。
「おいユウヤ、あんまり先行しすぎなよ!?今回は俺たちもついてきてるってこと忘れるんじゃねえよ!」
そう言った機体の肩部には部隊章がマーキングされていた。ユーコン基地でともに開発部隊として活動していた、イーダル試験小隊のエンブレムだった。
「
「すみません、お義父さ――」
「私はまだ認めていないぞ、
「はい、同志サンダーク中尉!自重します!」
ヱルムの機体はSu-47ELと呼ばれる機体だった。ユーコンなどで培われた戦闘データからのフィードバックで完成された、最新型のSu-47だった。名前は『オホートニク』、ロシア語で狩人という意味を持ち合わせている。ユウヤやヱルムを含めた部隊は、臨時中隊として戦闘をしていた。ただ、便宜上アルゴス試験小隊として動いていた。
「アルゴス1より各機、このまま苦戦しているエリアを優先的に攻撃する。全機、突撃!」
『了解!』
次はネームドキャラ大集合会の予定()
今回の友情出演組です。(敬称略)
ヱルム・ビャーチェノワ(@Elm_564)
ジェームズ・スミス(@Lt_smithFFR41mr)