Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ!   作:tonkacchi

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…またここへ来たんですか
圧倒的感謝!!!!!!!

友情出演組のクレジット表記は毎回出させていただきます。

今回から忘れかけていた日付の要素をしっかりと出します。
それまでの奴は読者諸君の記憶力と読解力に任せる!(無責任)
一応、今の作戦の日付は1999/6/8です。
つまり、トンカッチが病院で起きたのはすぐのことだったんですねぇ
…今度から気を付けます


第6話 共同戦線

 1999/6/8 10:00 諏訪

 

 ジョリーロジャースとA-01部隊は予定通り諏訪まで前進した。この時点で、連合部隊は諏訪までの前進が任務であった。つまり、松本は既に壊滅しており、それを迎撃するといったものの予定だった。しかし、Three idiots隊の救援、彼らの奮戦といった予想外の出来事が発生した影響で松本でBETAは停滞していた。しかし、長野県一帯は現在、重金属雲に覆われており、それによる影響で甲府CPと連絡がつかなくなっていた。また、有線回線が引かれている松本CPとも連絡が途絶していた。そのため、状況が分からず、ただひたすらに来るのを待つばかりとなっていた。あまりに静かすぎる戦場に耐えかねて、トンカッチは通信回線を開いた。

 

「…なあ、みちる。おかしいと思わないか?」

「何がだ?」

「BETAが来ないじゃないか。いくら何でも0体はありえないだろう?」

「確かにそうだが、ここに来る予想時刻はもう少し後だろう?」

 

 戦闘時計を見るとまだ会敵予想時刻の10:07になっていなかった。それでも、静かすぎる。旅団規模なら足音や移動音が少しでも山側からしてくるはずだ。ましてや、戦術機の振動センサーは安物なわけがない。かなり遠くの敵の移動音をとらえることは容易だった。それが、何も反応がない。僅かに風の音を拾っている程度だった。そして会敵予想時刻に到達する。しかし、奴らは来ない。テェリーニ中佐が通信をしてきた。

 

「A-01部隊には日系アメリカ人がいたよな。確か、トンカッチとかいう名だったはずだよな。」

 

 急なご指名に若干戸惑いつつ返答した。

 

「はい、自分がトンカッチ大尉であります。何が御用でしょうか?」

「そうか、君がトンカッチか。この話を今するのは多少違うのかもしれないが、話さなければならないことがある。」

 

 何だろうか、不調でもあったのだろうか。

 

「…私は君の父上の部下だったんだ。あの時は、すまなかった。俺たちが、いや俺が殺したようなものなんだ!」

 

 いきなり父親の話をし始めたので驚いた。それも、父親の部隊の部下だった人の話だ。俺の知らない話をたくさん知っているに違いない。そう思ったが、今は作戦行動中だった。さすがに、私情で会話を続けるわけにはいかなかった。そこに、みちるが割って入った。

 

「話を遮ることを申し訳なく思いますが中佐、その話はまた帰ってからにしましょう。今は作戦行動中です。」

「…すまなかった。少々私情を挟みすぎた。作戦を継続、周辺警戒を怠るな!」

 

 せっかくの話の聞ける機会でもあったが、また後でも恐らく聞けるはずだ。今は作戦に集中しなければならない。

 

「ん?ゴルフ1、レーダーに戦術機の反応あり!…数は3機で、いずれも松本の防衛部隊です!」

 

 どの戦術機も損傷が激しかったが、管制ユニットは無事なようだ。しかし、松本で何が起こっているのだろうか。

 

「こちら帝国軍松本臨時防衛部隊だ!そこの戦術機部隊、応答してくれ!」

「こちらは米国海軍第103戦術歩行戦闘隊のテェリーニ中佐だ。松本で何があったか説明せよ!」

「わかった、今説明するから待っててくれ!」

 

 そういうと、データを共有してきた。そこには事細かにBETAや今の状況をまとめた地図が映し出されていた。

 

「現在、松本防衛線は瓦解寸前だ。しかし、Three idiots隊が到着。そこから一時は防衛線を押し上げることに成功したんだが、CPのある松本城が落城した。」

 

 このとき初めて彼らは連絡がつかない理由を知った。

 

「そこで奴らは我々に撤退命令を代理指揮官として下した。それで、我々は命からがら逃げてきたというわけだ。なので、申し訳ないがすぐに松本まで向かってくれ!命令と恐らく違う気がするのは承知の上だ!」

「…3分くれ。」

 

 中佐とみちる、トンカッチの3人で早急に会議が始まった。

 

「伊隅大尉、君はどう思う。」

「はい、我々に与えられた任務は最終目的はBETAの横浜侵攻阻止。現在は諏訪並び甲府の防衛です。陥落寸前の松本に余計な戦力を割くよりも、ここに残るほうが合理的と考えます。」

 

 やはり、みちるは現実主義者であることには変わらなかった。最小限の犠牲で、大勢の人を救う。もちろん正しいことだ。しかし、それでいいのか?松本に残った彼らはきっと増援を期待し続けて戦っているに違いない。でなければ、たった3機で防衛を継続するなど不可能だからだ。なら、俺のやることは一つしかない!

 

「意見具申!中佐、速やかに前進し松本の救援に行くべきです!」

「…理由は?」

「俺が合理主義の仮面をつけただけの感情で動く、俺が最も嫌いな人間が自分だった、ということがはっきりと分かりました。それだけが理由です!」

 

 二人は唖然としてしまった。それもそうだろう。こんなのが理由になるわけがない。そもそも、返答としておかしいものだった。そして、しばらくの間沈黙が続いた。それを破ったのは中佐だった。

 

「伊隅大尉、ここは彼の意見を採用してみないか?」

 

 会議から2分が経過していた。時刻は10:17を示していた。

 

 

 

 同日10:10 松本

 

「おい、ジェームズ!本当に増援は来るんだよな!…ああ、戦車級ごと機がウザいんだよ!」

「うるせぇ!黙って仕事しろよヱルム!もちもさっさと前線上がれよ!」

「ばーか、ヱルムが全然道を作らないのが悪いんだろ。おい、早く道を作れよ。お・れ・の・た・め・に!」

「何だとこの野郎!?てめえからぶっ殺してやろうか!」

「貴様ら黙って働け!おれがまとめて殺すぞ!」

「「何だよ!やってみろよ!」」

 

 やっぱり暴言とケンカが絶えなかったが、しっかりと戦果はたたき出していた。既に第1次上陸のBETAは殲滅した。しかし、わずかに聞こえた通信では、追加で5個師団規模がすぐに到達すること。また第2次上陸のBETAもこちらに向かっているということだ。弾薬があれば防衛継続は可能だったが、そのすべてが燃えてしまった。もう彼らに残っている武器は長刀と短刀、わずかに弾が残った突撃砲だった。燃料も節約していたが通常の戦闘機動で残り5分飛ばせるかどうかまで追い込まれていた。。さすがに厳しい。ジェームズが二人に話しかける。

 

「…なあ、もうふざけてる場合じゃないよな、ヱルム、もち。」

「ああ、さすがに調子に乗りすぎた。そろそろ本気出すぞ。」

「そうだね。…じゃあ逝こうぜ、兄弟!」

「「おう!」」

 

 今までの動きと異なり、3人の動きが一つの塊の動きに変化していた。それは戦闘機動(アタックマニューバ)というよりは武芸(パフォーマンス)に近かった。そのため、最小限の動きで燃料を抑えつつ最大限の火力を投射し続けた。ヱルムが長刀を居合切りの格好で一閃、それによる間隙を敢えてそのままにする。その穴を埋めようとするBETAを二刀流のもちが一気に切り刻む。しかし、満足に機体が動かせない2機は大きな隙を晒してしまう。その背中を狙うBETAをジェームズが1㎜の誤差もなく突撃砲で狙撃する。その疎かになった足元を狙うBETAを、ヱルムともちが華麗に切り刻む。誰かが攻撃の起点となり、それを残りがカバーする。まさに武芸であった。

 

「まだだ、まだ終わらんよ!」

「そうだ!BETAは滅殺!」

「おいおい、また元に戻ってるじゃねえかヱルム!けど、ここで終われねえよな!滅殺滅殺!」

 

 さらに彼らの動きは加速していった。

 

 

 同時刻 諏訪

 

「しかし、中佐。それでは松本崩壊の時はどうされるおつもりですか!」

 

 いまだに会議は終わっていなかった。もうそろそろ約束の3分を迎える。

 

「…なあ伊隅大尉。俺は昔、今と同じ状況に立たされたことがあった。中国大陸の時だった。その時は大尉と同じ意見を採用した。結果はどうなったと思う?」

「それは、少なからず犠牲が出たものの作戦通りに進んだのではないのですか?」

「残念ながら不正解だ。結局、救援を求めていた部隊は8時間無補給で耐え続け、最後は唯一残された武器であるS-11(自爆)を使用した。その瞬間まで俺たちは動かなかった。いや、動けなかった。」

 

 ついに約束の3分が過ぎた。それでも会議は続いた。後2分の延長を許可された。それを受け、みちるが反論する。

 

「しかし、我々は軍人です。感情に左右されていては軍は、崩壊します。さらに、これは結果論かつ、誰も予想できなかった結果です。今回も同じ現象が起きるとは限らない!」

 

 みちるのあまりに鋭い事実に対し、中佐が吹っ切れた。

 

「それでも!それでも、あの時に俺たちは絶対に助けれたんだ!…だから俺は二度と、二度と同じ過ちは繰り返さない!」

 

 そう中佐が言い放つとともにタイマーを止めた。

 

「これより誇りある米国海軍の名において宣言する!現時刻をもって我々、米国海軍第103戦術歩行戦闘隊は作戦を放棄、現場判断により独自にて作戦を開始する!ジョリーロジャース、出撃!」

 

 これに、ジョリーロジャースの全員が応えた。彼らの背中は誇らしくもあり、死の雰囲気もまとっていた。みちるは制止しようとしたが止まる気配がなかった。そのため、彼らを通すことにした。ジョリーロジャースは松本防衛線に全力噴射滑走(フル・ブーストダッシュ)をした。そのすぐ後、通信が入る。みちるからだ。

 

「……………おい、トンカッチ。貴様はとんでもないことをしてくれたな!」

 

 本気で怒っているらしい。顔が怒りに満ちた表情だった。さながら鬼のようだった。

 

「だが、俺も中佐の意見にしたがう。このまま現状を維持するなら、ここにいるお前ら全員を殺してでも俺は行くぞ!」

「トンカッチ大尉、やめてください!一回冷静に!」

「黙れ速瀬!これで落ち着いていられるか!…FCSロック解除!A-01部隊をエネミー表示しろ!」

 

 ポンと軽い音ともにマーカーが上書きされ、周りは赤い丸で埋め尽くされた。

 

「…俺は本気だ、どけ!」

 

 突撃砲の36㎜を速瀬機に発砲する。着弾地点は速瀬機右肩部に全弾着弾。その弾数は10発に満たないものではあったが、破壊するには充分であった。撃たれた速瀬機はバランスを崩す。その崩れた先に銃口を向ける。それに対し、速瀬は逆にその銃口を自分の管制ユニットに押し当てた。

 

「伊隅大尉!私に構わずに!トンカッチ大尉を止めてください!」

「やめろ、トンカッチ!速瀬も下がれ!」

「俺が、撃たないとでもおもってるんだろう?…俺は今までに何人同僚を、先輩を、上官を、部下を殺してると思っているんだ!」

 

 トンカッチがトリガーに指を再びかけようとした、その時だった。

 

「……ら甲…………A-01部……えるか。速…かに松本…前……よ。繰りかえ……前進せよ!」

 

 それは甲府CPからの前進命令だった。




今回は試験的に文章量を長くしてみました。短いほうがいいのか長いほうがいいのか、ぜひお聞かせください。
にしても、今回の話で主人公のくせしてトンカッチ君だいぶヤバいことしてますねぇw
これからどうなるのかご期待ください!


今回の友情出演組

ヱルム・ビャーチェノワ(@EIM_Su37UB)
もち(@mochi02913)
ジェームズ・スミス(@Lt_smithFFR41mr)

出演許可を頂き、感謝しております。ありがとうございます。
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