Muv-Luv 本土戦線異状なし、進撃せよ! 作:tonkacchi
今回の話は結構短いショートストーリになる予定です(書く前時点)
もしかしたらそういうシーン(察して)があるかもしれないのでお気をつけて~
1999/6/11 11:00 国連軍横浜基地軍事裁判所
トンカッチと水月は同時に同じ部屋で裁判を受けていた。理由は、発砲事件に他ならない。手元の裁判用資料にはこのように書かれていた。
経緯
松本CP陥落時に離脱した友軍機と接触、状況を理解したトンカッチ大尉(以下1とする)は松本への前進を提案。その際に米国海軍第103戦術歩行戦闘隊(以下2)は無断で作戦を放棄し、先行。※なおこの件は後日裁判行われるものとする。
それにより、伊隅みちる大尉(以下3)と速瀬水月中尉(以下4)と意見が対立。激昂した1が4に対し銃口を向けた。この直前に1はIFFとFCSを改ざんしている。そして、8発を発砲。全弾命中し、4の戦術機の右肩部を損傷させ、右肩部以下を脱落させた。このすぐ後、甲府CPより前進命令が下されている。
10:25に戦域移動中に4が1にレーザー照射を開始。3が制止するも4はレーザー照射からロックオンに変更し、攻撃態勢に移った。この時に、精神安定剤が注入されたログが残っているものの、悪酔いになってしまった。そして1が4を挑発し、4に発砲させた。4は1に対し、93発を発砲するも全弾命中せず。この際、4の攻撃対象がA-01部隊(以下5)にも向いている。最終的に1が4を追いかけさせる形で隊を離脱。
10:31に1と4は松本に到着。この瞬間を2の生存者全員が目撃している。4は残りの1748発のうち、1007発を1に向けて発砲。いずれも命中せず。1はこの間回避機動を取りつつ、BETAを攻撃。しばらくしたのち、4が悪酔いから回復。この瞬間で発砲事件は終わっていると判断する。
以降の戦闘は別紙戦闘状況記録を参照のこと。 以上
統括責任者:帝国情報省外務一課課長 中山太一
事細かに事件の経緯が書かれていた。ボイスレコーダーも置いてある。少し薄暗い部屋の中には、たくさんの重役が座っていた。目の前に国連軍横浜基地司令ラダビノッド准将、その両脇に帝国陸軍の彩峰萩閣中将と帝国情報省外務二課の鎧衣左近課長が座っていた。他にも高級将校が座っていた。まず、ラダビノッド司令が口を開く。
「まず、一つ目。なぜ、トンカッチ大尉は松本へ行こうと思った?」
「それは、自分が行かなければ救える命を失ってしまうと考えたからです。ボイスレコーダーに録音されている発言に補足してもらえると助かります。」
「なるほどな、では2つ目。なぜ、撃った?」
「あの時点では、自分は極度の焦りがありました。そのため、早く行くには味方であっても障害になると判断しました。冷静さを欠いた行動であると自分も猛省しています。」
その後、複数の質問を受けた。だが、そのどれもが形式上のような気がした。速瀬も同じような質問を受けた。これも何か違和感を覚えるくらいの形式ばった質問ばかりだった。気になったのは途中で鎧衣課長が離席したことだった。そして、重要参考人としてみちるが出てきた。これも司令が追及するようだ。
「伊隅大尉、今回の事件は君が防げたものであったか?」
「はい、防ぐことは十二分に可能でした。しかし、どのみち防ぐことはできなかったと思います。」
「というと?」
「私も内心、トンカッチ大尉と同じでした。そのため、彼が実行する前に少し心に迷いが生じました。それが、本質的原因です。」
「つまり、罪は自分が被るとでも言うのかね?」
「はい、部隊の不始末は部隊長に責任が行くのは軍としての常識と考えます。ですから、彼らの減刑を願います!」
そう言い、みちるは深々と頭を下げてお願いし始めた。これは予想外であった。そもそも、俺は罪を受け入れる気でいたというのにだ。速瀬もかなり戸惑った顔をしていた。
「大尉、君は参考人として呼ばれただけに過ぎない。だから、我々の質問にのみ答えよ。減刑は、まあ、…考慮はしておく。期待はするな。」
「はい、大変失礼いたしました。」
再び、形式的な質問が始まった。どうも、茶番的要素を受ける裁判だった。いわゆるドラマのような感じだ。そして、彩峰中将が最後に二人に質問をする。
「君たちは、今でもあの瞬間時点での判断、言い換えれば友軍との戦闘行為が正しいものだと思っているか?」
これに先に水月が答える。
「私の行為は、到底許される行為ではないと思います。これは、私刑的要素を含んでいます。それは、軍としてあってはならないものと思います。」
続いてトンカッチが答える。
「自分は、先ほどとは矛盾してしまいますが、正しい選択だったと思います。」
「ほう、どうしてだ?」
「先ほどは、冷静さを欠いた行動を反省していると自分は発言しました。しかし、あの時、もしも甲府CPからの連絡がなければ、より甚大な被害が出る可能性がありました。そのため、それを妨害するものであれば味方であろうと排除する必要が出てきます。それが、国を守るものとして、私なりの覚悟です。」
「なるほどな、よくわかった。判決はすぐに出す。いましばらく待たれよ。」
そう言って、彼らは扉の奥へ出て行った。心なしか、中将は口元が笑っていた。
10分後
彼らが戻ってきた。本来判決はもっと時間をかけて審議されるはずだが、ここまで早いのを見ると、やはり茶番らしい。司令が判決文を読み始める。
「判決、トンカッチ大尉並びに速瀬水月中尉は本件に関して不問とする。以上!」
不問?以上だと?あれほどの大罪を犯しておいて不問だと?逆に納得がいかない。
「司令、何故これほど減刑されたのですか!自分は大罪に大罪を重ねているのですよ!」
「ふふっ。君は厳罰を求めているのだろう?ならその逆のほうが自分を苦しめることができる。そう考えたからだ。後、数々の部隊や人員から減刑を求める抗議文が届いている。せっかくだから、全部君たちに渡そう。」
そういうと司令は大量のファイルを二人に渡してきた。その中には、みちるの名前の入った文章もあった。
「勘違いしてもらっては困るが、不問にしたからといって、罪は罪である。それを忘れるな!…これからも人類のために頑張ってくれよ。」
そう言い残して、司令たちは帰っていった。
「ねぇ、トンカッチ大尉。正直、私も罪を受ける覚悟をしていました。けど、不問にされたのって、つまりそれだけ失った人たちの思いを受け止めて戦えってことなんじゃないですか?」
「…………そういえば聞こえはいいが、実際は彼らしかわからん。恐らく速瀬の言った通りではないと思うがな。」
不完全燃焼ではあったが、後ろのMPが拘束を解いてくれたので、宿舎に戻った。宿舎には特にこれといったものはおいていなかったが、机にメモが置いてあった。そこには『21:00にジャンヌにて待っている』と書かれていた。
22:00 BARジャンヌ
寝過ごしてかなり遅刻してしまった。そこにはみちるが座って待っていた。どうやら、もう酒を飲み始めているらしく、だいぶ酔っているようだった。マスターに前回と同じものを注文する。
「すまん、遅れた!」
「気にしてないよ、私も今来たところだし。」
「…………それで、今日はどうしたんだ。」
「私に言わせる気?」
どうやら酒の入ったみちるはいつもよりタチが悪い気がしてならない。
「そうだな。わざわざ、俺と速瀬のために動き回ってくれたんだろう?ありがとうな。」
「…確かに、それもある。けど、そんなことはどうでもいい。」
そうなると、心当たりが一気に無くなった。
「他に何かあったか?」
「もう!わかんないの!私は怒ったぞ!あれよ、あれ!せっかく私がお前たちを止めようとしたのに、アンタが勝手に飛び出しちゃったことよ!」
ああ、そのことか。至極どうでもよかった。それこそ、最善の判断じゃないか。けど、少し反省するべき癖ではある。それは、自分で何とかしようとする癖だ。他人に頼らずに生き続けてきた弊害と言える。
「すまなかった。あの時は、だいぶ焦ってたんだ。これからは、気を付ける。もっとお前らを信じるよ。」
「むふー!わかればよいのだっ!」
これは相当出来上がってるらしい。ベロンベロンになったみちるは、話を変え他の愚痴をこぼす。俺もストレートのワイルドターキーをダブルで頼んだ。
「なにが、高身長系デカ乳お姉さんだ!あのアメリカ人の女、ちょっと私より背が高くてオッパイがあるだけのくせに、見下してきたんだぞ!」
「…あの国は食ってるものが日本とはだいぶ違う。あそこはハイカロリーなものが当たり前だ。こっちはヘルシー志向の食事だ。ま、こっちのほうが俺にはあってるがな。」
そんな、話をしているとマスターがおつまみを持ってきた。
「はい、ハイカロリーなおつまみだよ。」
「ほう、鶏のから揚げにカマンベールチーズを溶かしてかけたのか。ぜひ頂こう。」
「へへへ~、これで私もボンキュッボンだぞ~!」
「…太るだけだぞ。食い過ぎ注意だ。」
「これはお代には入れとかないんで、もっと欲しかったらお酒と一緒に注文してくださいな。」
「わかったよ、じゃあもう一杯同じの、お願いするよ!」
「あたしも~!」
「かしこまりました。少々お待ちくださいね。」
酒を出してからマスターは「あとは若い二人でお楽しみくださいな」などと言って奥へと戻っていった。
「…あの人の行動は読めんな。」
「そうだね~。へへへ~。」
そう言いながら、みちるは俺の腕に絡み付いてきた。
「おい、ちょっと酔いが回り過ぎじゃないか?あんまりこういうことは男にやるもんじゃないぞ?」
「そう?こういうのは好きな男にやるものじゃないの?」
「そうだ、好きな男に…ちょっと待て、好きな男といったか?」
「うん、言ったよ~。」
あまりの不意打ちに驚いてしまった。何かの冗談か?
「確認で聞くぞ、みちる。お前はこの目の前にいる俺のことが好きだと言ったか?」
「うん、そうだよ。ふふっ、私は本気だよ。」
…………おいおい、マジかよ。トンカッチは酒が入って錯乱していることをいくらか願ってしまった。なぜなら、まだたったの数回しかあっていないのに、おまけについ先日最悪の仲違いしたはずじゃないか!
「だから、私はあなたのことが本当に好きなの。これは酔ってない。本音よ。」
「…ちょっとだけ整理させてほしい。外に風当たってきてもいいか?」
「…ダメ。」
そう言うと、みちるはトンカッチにキスをした。やわらかい唇の感触がトンカッチに伝わる。それは、時が止まったかのように続いた。しばらくして、ようやくお互いに離した。
「…本気なんだな。」
「…うん。」
正直、救出してくれた時から少なからず恩義にも似た好意はあった。今、それが昇華し、愛情へと変わった。少なくとも、みちるは俺のことを愛してくれている。その気持ちに応えなければ男ではない。
トンカッチはお代を少し多めに置いてジャンヌを出た。
そして、二人でトンカッチの部屋に入っていき、同じベッドの中で甘く優しい一夜を過ごした。そこで二人は愛を確かめ合った。
一応書いてて思ったが、話がめちゃくちゃだな…
けどこれ以上直せる気もないので投稿するゾ
補足説明として、ジョリーロジャースは1週間の作戦行動禁止(緊急時は対象外)を言い渡され、Three idiots隊は特に問題がなかったので彼らの許諾を得たのち、横浜基地所属となりました。
Xとか他の小説だと彼らに嫁がいますので、その辺を少しばかり触れるかもしれないですねぇ~。
また、初めてのキスシーンです。あの辺はわたくしの実体験と空想の融合です。描写不足許して…。