1話 姫島朱乃の強襲!(いや、怖いからっ!海翔)
あの『変態集団襲撃事件』から約9年経った。
俺はあれから小学校、中学校を経てここ『駒王町』にある駒王学園に入学し今じゃ3年生になっている。
それまでの経緯はどうしたって?
別に大したことはないぞ?
小学校に虐めにあっていじめっ子共と『お話』したり…(精神と肉体をへし折って粉々にして登校拒否)…中学校ではしょっちゅう絡まれたり…(絡んだ相手には2度と関わらないように徹底的にヤキ入れして引きこもりにした)…そんな些細な事ぐらいだぞ?
『人はそれをバイオレンスと言いますよ?』
何言ってるんだ、サイフィス。
前世の友人は俺なんかよりも更に苛烈だぞ?
聞きたいか?
『いえ、これ以上聞くと人としての尊厳を疑いたくなりそうなので結構です』
ま、それが懸命かもね?
それよりもだ、サイフィス………。
『えぇ、この学園には悪魔が存在しているようですね?』
何年か前に偶然、ホントに偶然だが悪魔と遭遇したことがあった。
あんまり舐めた口を聞いたもんでちょっと公園の『オブジェ』になってもらったが………。
『…………悪魔よりも悪魔らしいですね、私の主は』
失礼な奴だな、サイフィス………。
只の一人間だぞ、俺は………
『カイトが人間なら他の人間が可哀想でなりませんよ』
言ってくれるね、ホント………。
ここ数年でサイフィスは清楚なイメージからかけ離れて毒舌になった。
何をしたらこんなに変わってしまうのだろうか………。
『おもにカイトのせいですけどね』
知らないなぁ、僕は(遠い目)
そんなこんなで午前中の授業が終わり、昼休みなので屋上でサイフィスと少し駄弁ってから一眠りしようとした矢先の事だった………。
ガチャッ
「やっぱりここにいたんですのね♪」
「んん?…………あぁ、姫島か」
そこにいたのは黒髪をポニーテールにして纏めあげ、高校生離れした身体をした『姫島 朱乃』だった。
…………朱乃って確か9年前にも同じ女の子いたような気もするけど名前だけが一緒で他人の空似でしょ
『………(カイトも存外鈍い人ですねぇ………それにこの少女、悪魔の他にも何か別の力を感じます)』
何かサイフィスが黙考してるけど、気にしないでおこう。
「んで?やっぱりって事は俺に何か用でもあんのか?」
「あら?用がなくては会いに来てはいけないんですか?」
だから上目遣いを止めてくれ………
何か心が痛いから………。
「別にそう言う訳じゃないけど…………あの何時もいるアイツと一緒じゃないのか?…………確か、リ、リ、リアル・ゴーレムだっけ?」
「…………フフッ、リアスですわよ………リアス・グレモリー」
そうそう、そんな名前だったな………。
確か、姫島と二人で『二大お姉さま』だとかなんとか言われてるんだっけか?
………前世と今の年齢足したら完全にオッサンな俺からしたらお子様なんだがなぁ………
「んで、マジで何の用だ?俺、これから寝るんだけど」
「ええ、そうだと思いまして♪」
姫島が隣に座り、自分の太ももをポンポン叩いた。
まさか、膝枕って事かよ………。
「いやいや、そこまでする義理ないだろ?それに俺達ってそんな仲でもないし………」
「あらあら♪」
いや、あらあらじゃなしに………
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
「あら、チャイムが鳴ってしまいましたわ」
「………(結局、寝れんかった)」
その事に内心落ち込みながら、俺と姫島は屋上から出た。
そして放課後………。
「はぁ〜………やっと終わったかぁ」
退屈な授業も終わり、そのまま帰り支度をしていると………
「山崎くん、もうお帰りですか?」
姫島が話し掛けてきた。
そういや、同じクラスだったか………
「あぁ、悪いが急ぐんでな………」
一応社交辞令的な挨拶をして姫島から逃げるようにそのまま教室を出た。
寂しそうに見送る姫島の視線には気付かないまま………。
「はぁ…………ここまで来ればいいだろ」
『カイトはあの姫島朱乃が苦手なのですか?』
苦手、なのかもなぁ………
押しが強いのはどうもなぁ………
『カイトは随分とヘタレなのですね…………』
うっさい、自覚はあるんだから言うな………
それよりもさっさと行かないとタイムセール始まるぞ!
『そうでしたっ!今日は卵のセールでしたっ!』
…………随分と庶民的な精霊になったもんだ………
そんな事を思いながら俺はスーパーまで走った。
まぁ卵に関してはサイフィスの協力があっておばちゃん連中に負けなかったと言っておこう。
…………おばちゃん連中、あなどれねぇ………
そんな帰り道の途中の事だった………
「ぁん?あれは、兵藤か?」
近所の公園を通りがかった時、悪い方で有名な後輩の姿があった。
兵藤一誠………。
駒王学園の変態三人組の一人で覗きは当たり前の事で公衆の面前でオッパイオッパイと言ってるどうしようもない位残念な後輩だ。
その兵藤の隣に黒髪の女子がいる。
まぁ間違いなく美少女の類いに入るんだろうけど………
「兵藤に彼女が出来たって噂、本当なんだなぁ」
『あの変態の事はともかくとして、あの女は堕天使ですよ、カイト』
だよなぁ………あ、兵藤が堕天使の槍に刺された………ってぇ!
「公衆の面前でなにしとんじゃぁぁぁぁっ!」
「ぶはぁっ!?」
そのまま勢いで堕天使の顔面目掛けて飛び蹴りしてしまった………。
まぁこんなのでもうちの後輩だからな、あんな事されたら流石に目に余る。
『素直じゃないと言うかなんというか………』
サイフィスが何か言ってるけど無視無視!
「くっ!只の人間風情がやってくれるじゃない」
「お〜い、兵藤?大丈夫…………なわけないよなぁ」
「う………や、山崎、先、輩………」
兵藤の傷を見ると腹に大きく風穴空いてるな………。
サイフィス、治せそうか?
『いえ、残念ながら致命傷です………』
…………そうか………
徐々に兵藤の身体から力が抜けていき、目にも光が無くなりつつある中
「さ、最後に………オッパイ、揉みたかった、なぁ………」
そんなことを言いながら兵藤から力が抜け、物言わぬ骸となった………。
「最後までらしいっちゃらしいが………こんなんでもうちの後輩なんだ…………」
「っ!?こ、これは………」
堕天使に向けて殺気をぶつけ、睨み付ける。
「落とし前だけはきっちりとつけさせてもらうぜ!」
手には両刃剣『ディスカッター』を発現させて堕天使に切っ先を向けた……。
「あはははっ!人間風情が何を偉そうにしてるのかしら?」
何か高笑いしつつ俺を見下してる堕天使がいる。
何ともまぁやかましいこって………。
「カラスってのは産卵シーズンはやけにやかましいって聞くけど今のお前は正にそれだな」
ディスカッターを肩でトントンと叩きつつ呟いたのだが、どうやら聞こえたらしく額に青筋立てていた。
「なっ!?き、貴様っ!」
「おや、聞こえたか?まぁ聞こえる様に言った訳だがね」
鼻で笑うオプションも付けてやるとあら不思議、堕天使が光の槍を多数発現させて俺に向かって放ってきた。
ま、こんなもん…………
キィンッバキンッバキンッバキンッ………
「なっ!?」
「おいおい、光り物が好きって正にカラスその物じゃないか」
向かってくる槍をディスカッターで全て破壊してやり、直ぐ様堕天使の背後に近付いて剣先を突きつけた。
「あ、あなた………何者っ!?」
「………人に名前聞くなら自分から名乗れ、親からそう教わらなかったか?」
逆に皮肉で返してやると、悔しさと苛立ちからギリっと歯軋りした。
どんだけ舐められてるんだかな………。
「私はレイナーレよ………名乗ったんだからそっちも名乗りなさいよ!」
「通りすがりの兵藤の先輩だ………別に覚えなくてもいい」
そのままレイナーレの首を切り落とそうとした時だった………!
「っ!」
急に上空から光の槍が振ってきたのでその場から離れた。
上を向くとお仲間の堕天使が二人いた。
「レイナーレ様、ご無事っすか!?」
黒いゴスロリ風の堕天使がレイナーレに近付き、気遣っていた。
これは……………
「三羽烏、もとい三バカ烏だな………」
『プッ…………カ、カイト、急に笑わせないで下さい!』
今まで黙っていたサイフィスが吹き出した。
笑かすつもりは………ちょっと合ったかも………
「っ!!貴様っ!次に会ったときは必ず殺してやるわっ!」
そんな三流の捨て台詞を残してレイナーレ達は飛び去っていった。
…………ヤッ○ーマ○のドロ○ジ○みたいな奴だなぁ………
「ま、いっか………さて、帰ろうかな」
「これは、どういうことかしら?」
そんな声が聞こえたので振り返って見ると赤髪の女が此方を見ていた。
あれは、確か…………
「リ○ル・ゴー○ド………だっけ?」
『リアス・グレモリーですよ、カイト』
そうそう、そんな名前だったなぁ。
確か姫島と仲いいんだっけ?
…………あんまりいい予感しないのは俺だけか………?
「貴方、山崎くんね………朱乃が気にかけてる」
「………何処にそんな要素があったのか知らんけど、山崎海翔は俺だよ………グレモリー」
サイフィス、確かこいつも悪魔なんだっけ?
『えぇ、ですけどあの堕天使達とは違って良識のある人物みたいですよ?』
ふぅん………しかし、元が天使とは言え悪魔の方が良心的てのもおかしな話だ
「そこの彼は貴方が殺したのかしら?」
グレモリーは倒れている兵藤に指差して此方を睨む。
まぁこの場にいる奴は疑うか………
「残念ながら俺じゃない………たまたま通りがかった時に堕天使に殺られたんだよ」
「………………」
何か懐疑的に見られてるなぁ………。
気に入らんけど、黙っとくか
「嘘は言ってないみたいね………ごめんなさい、疑ったりして」
疑いは解けたようで素直に謝ってきた。
謝られたらこっちも許すしかないな
「ま、それはいいや………ところで兵藤の事は………」
「彼の事なら大丈夫よ…………これを使うから」
グレモリーが懐から何かを取り出すと、それを兵藤の身体に向けて掲げた。
それはチェスで使用する駒みたいな物で兵士の駒の形だった。
グレモリーの手から離れ駒は複数輝き、兵藤の身体の中に入っていった。
「何だ、今の………」
「詳しいことはまた後日説明するわ………貴方の事もちゃんと聞きたいし」
まぁ俺から話すことは別に無いけど、適当に相づち打っとくか。
そのままグレモリーに兵藤の事を任せて俺は帰路に着いた。
その際に買った卵が誰かにパクられてしまい、家に帰って泣きを見た海翔だった………。
今日中に感想返信しますので、もう少しお待ちください
キャラ設定は1章が終わり次第投稿します