牙狼-GARO- 金色の光と神薙ぎの巫女   作:究極の闇に焼かれた男

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以前から書こうと思っていた作品です。

連載化するかは未定ですが、面白かったり良かった点が御座いましたらコメントの方をお願いします。


前日譚編
序章


 

 

【荒魂】―――神性なる希少金属である【球鋼】を精製する際に砂鉄から出る不純物【ノロ】が多く集まって結合した存在で、神性たる球鋼を奪った人間への強い憎しみや恨み、憎悪と言った感情によって負の神性を帯びており、ほぼ消滅する事のない荒ぶる神。

 

そんな荒魂を古くから球鋼から生み出される【御刀】を用いて神薙ぎの巫女である【刀使】が、御刀に宿る神力の寄り代となり斬って鎮める。

 

これが古くから続く表側の歴史である。

 

 

だが、この世には未だ知られていないもう一つの歴史が存在していた。

 

 

人間の欲望、業──邪心が芽生えし人間に生じる【陰我】の有るところ、魔界へのゲートが開かれる。

 

ゲートを潜り人間界へと【魔獣ホラー】が現れる時、陰我を宿せし存在へ取り憑き人を喰らう。

 

魔獣は昼間は人間の姿に化け世に紛れるが、夜になると人間を喰らう為に動き出す。

 

 

そんな魔獣の脅威に人知れず立ち向かう者達が居た。

 

 

魔導力を操り、術を行使しながら様々な道具を巧みに扱う術師──【魔戒法師】。

 

そして、魔界の金属である「ソウルメタル」を用いて作られた武器と鎧を使い、身命を賭して戦い続ける男達──【魔戒騎士】。

 

彼等は古の時代から魔獣の脅威に立ち向かい、その血は脈々と次の世代へと沢山の想いと共に繋いできた。

 

魔獣に人知れず戦い続けてきた彼等の事を、何時しか人々は【守りし者】と呼ぶようになった。

 

これから語られのは一人の若き守りし者にして、魔戒騎士の最高位である【黄金騎士 牙狼】の名を受け継ぐ少年と神薙ぎの巫女が紡ぐ物語である。

 

 

 

 

 

 

満月の夜、街外れに位置するある森の中で白いロングコートを羽織った一人の少年が異形の魔物と対峙していた。

 

黒い髪と青い瞳を持つ少年は左手の中指に独特な形状をしたスカルリングを嵌めており、手には細身の刀身の剣を左手の甲に添える様にして構えていた。

 

そんな少年と対峙する魔物は成人男性に似た上半身をした蠍にの様な姿をしており、両腕の鋏をカチカチと音を鳴らしながら構えていた。

 

 

「気配を辿って来てみれば、本当にいるとは……少しは勘が鋭くなったのかな?」

 

〈そんな事を言っている場合じゃないだろ"統牙"。 早く此奴を倒して本来の目的に戻らないとマズイ事になるんだぞ?〉

 

「分かっている。 相変わらず小言が多いい魔導輪だな、"ザルバ"」

 

 

小気味良い音を鳴らしながら口元を動しているスカルリングこと【魔導輪ザルバ】の言葉に対して少年、【蒼月統牙】はそう返しながら【魔戒剣】の切っ先を向けながら視線を魔獣へと移す。

 

 

全身が苔に覆われた猪に似た姿をしているその魔獣は唸り声を上げると、口元に生えた鋭い牙に月光を反射させると統牙目掛けて突進を行いはじめる。

 

 

「フッ!」

 

 

迫り来る魔獣に対して統牙は軽く上に飛び上がると、宙空で一回転しながら上段からの切り下ろしを放つ。

 

重力に従いながら落下する統牙の斬撃は魔獣の表皮を切り付け邪気を血のようにして吹き出す。

 

そこへ空かさず統牙の足刀が魔獣を蹴り飛ばし地面へと押し倒す。

 

 

(おかしい……手応えはあるはずなのに、どうも妙な違和感を感じる?)

 

 

魔獣の姿を見据え続ける統牙は不意に感じた違和感に疑念を抱いたその時、魔獣の身体が突如として破裂すると次の瞬間には異なる姿へと変わっていた。

 

 

「何だっ!?」

 

〈なるほどな……統牙、こいつは魔獣リブロス。戦いが長引けば長引くほど成長を続ける、厄介な奴だ!〉

 

「魔獣リブロスって確か、大昔に幾つもの集落を一匹で滅ぼした奴か!」

 

〈それで間違いない。統牙、このまま成長させるのはマズイぞ!〉

 

「そうだな……なら、一気に決める!」

 

 

ザルバの言葉にそう返した直後、統牙は手にしていた魔戒剣を頭上に翳すと円を描く様に振るい空間を切り裂く。

 

切り裂かれた空間は光円へと変わり眩い光が降り注ぎ始めると、光円の先に繋がる魔界から光を帯びた鎧のパーツが召還され、統牙の全身へと装着されると辺り一帯を眩い光が照らし出す。

 

光が徐々に治まると、そこには異形の甲冑を身に纏う1人の騎士が立っていた。

 

青い瞳を持つ狼の顔を模した頭部、金色の輝きを放つ黄金の鎧、細身だった魔戒剣は両刃状で大型の柄頭と刀身に紋様が描かれた一振の長剣へと変わっていた。

 

旧魔界語で希望を意味する言葉を名前に持った最高位の魔戒騎士【黄金騎士 牙狼】が、武器である一振の大剣【牙狼剣】を携えながら立っていた。

 

 

『時間が惜しいからな……速攻で決める!』

 

 

そう告げると同時に魔獣リブロスへと駆け出して行く牙狼は自身の武器である牙狼剣を通り過ぎ様に横一閃に振り抜く。

 

たった一瞬の交差と共に放たれた斬撃はリブロスの体を真っ二つに両断するとそのまま四散し邪気が牙狼剣の刀身へと封印され、一瞬だけ光を放つと同時に牙狼の鎧が魔界へと送還される。

 

 

「何とか一撃で終わったな」

 

〈これで一先ずは安心だな……それよりも統牙、そろそろ本来の目的に戻らないとマズくないか?〉

 

「そうだったな……急いで戻るとしよう」

 

 

ザルバの言葉に返事を返した統牙は魔戒剣を赤い鞘に納刀してコートの内側に仕舞うと、森の外を目指して走り去るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森を抜けた統牙が人気の無い道を暫く歩いていると、不意に足を止めて視線を動かさずに背後に向けて声を放った。

 

 

「……いい加減、下手な尾行はやめて姿を見せたらどうだ? そこに居るのは分かってるぞ、"姫和"」

 

「……やはり気付かれていたか、統牙」

 

 

暗闇の中からそう返しながら姿を現したのは緑を基調とした制服を着た黒い髪をロングにした赤い瞳の少女【十条姫和】だった。

 

 

「刀使になったと聞いていたが、まさか本当に母親の跡を継いだみたいだな。 まさか篝さんの使っていた小烏丸を、実際にこの目で見る日が訪れるとは思わなかったよ」

 

 

統牙は姫和が携帯している鞘に納刀されている御刀を見てそう吐いた。

 

 

「そんな事はどうだっていい……私の用件は分かっているのだろう」

 

 

そう言うと姫和は鞘から小烏丸を抜刀し上段に構えると切っ先を統牙へと向ける。

 

 

「はぁ……何度も言うが、これは俺たち兄弟の問題だ。 例え幼馴染であっても口出しされる筋合いは無い」

 

「だとしても……お前の手を家族の血で染めさせる訳には行かない!」

 

 

そう叫んだ姫和は小烏丸を手に統牙へと向かって行くと、それを見た統牙はため息を零しながら鞘に納めてある魔戒剣で受け止めて鍔迫り合いとなる。

 

 

「相変わらず頑固な幼馴染だよ、お前は……しょうがないから少しだけ相手をしてやろう」

 

「望む所だ!」

 

 

そう言って互いに距離を取り構えると、2人は目にも留まらぬ速さで駆け出しぶつかり合う事となった。

 

 




主人公プロフィール

名前:蒼月統牙
性別:男性
年齢:15〜16歳辺り
特技:不明
趣味:不明
苦手な物:不明
容姿:黒髪青眼で細身の筋肉質な身体付きをしているが着痩せするタイプらしいとの事

現在まで判明している交友関係については以下の通り

十条姫和:幼い頃からの付き合いがある幼馴染

実兄:訳あって行方不明らしく、見つけ次第斬ることが目的らしいのだが理由は不明
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