「えーと、それじゃまずは
「押忍! お願いします!」
勢いに押された感はあるが、モチベの高さを利用しない手はない。
早速イッセーの
「
「最強の姿……」
目を閉じて、自分の腕をもう片方の手で掴みながら思い描いているらしいイッセー。
やはり原作と変わらずドラゴンのボールっぽい作品の孫悟空だろうなって人物だろうか。
「波ァーッ!」
「うおっ、眩しっ!?」
「何の光!?」
やがて気分が乗ったのか、前世でも有名な作中のワンシーンを真似したタイミングで、イッセーの左手に光が集まる。
そしてそれが収まると、そこには赤い籠手が装着されていた。
ハッキリ言おう。成功するとは全く思ってなかった。
うーむ、ここでダメだったのをもう少し鍛えて再挑戦だー的な予定だったんだがなー。アドリブは苦手なんだが、どーすんべ。
「これが……俺の……」
「そう、それが
「『
「おォ?」
なんか教える前に名前を口にしたんだが。もしや精神世界的なサムシングでドライグと会話した系か?
いかんな、同じ二天龍の
つーか原作ってアレだろ、むしろ最初はクウガのグローイングフォームとか未契約の龍騎みたいな状態というか、二倍までの汎用
あるいはドラゴンの魂が封印されてるって教えたせいで認知が影響したか? やらかしは二次創作の華だぁな(震え声)。
「これは、驚いたな」
「まさか本当に……」
ご両親も聞かされていた内容と同じ点違う点が混じった事態に驚き、上手く言葉が出せないようだった。正直すまんかった。
「あー、イッセー君。何かあったか?」
「えっと、不思議な場所で赤いドラゴンと話をしました」
「なるほど。内容は覚えてるかい?」
「はい、まだまだ実力不足だから鍛えろって言ってました。あと、強くなれば女に困らないって」
「扱い心得るの早すぎだろ『
それでいいのかドライグ。まさか転生者に憑依乗っ取りされたパターンじゃねぇよな?
まぁやる事は変わらんから別にいいが。仮に問題になるようなら生ハム投下しとけば余計に混沌として向こうの思惑も何もあったもんじゃなくなるだろうし。
「えっと、あとは俺が弱い内はあまり長く起きてられないみたいで、喋るのもすごく疲れるみたいです」
「そうか。互いに望んだわけじゃないし存在に気づいてなかったが、生まれたときから一緒にいた相棒だ。仲良くやれるならそれに越した事はないし、そうなるためにも頑張って強くなろうな」
「……! 押忍! よろしくお願いします!」
こうして無事に当代の赤龍帝が誕生し、世界に二天龍が揃った。
これも各神話体系に報告しとかんとダメな案件だよなぁ。オーフィスと合わせたら何を企んてるんだって変な疑いを持たれそうなんだが、どーするんべ。まぁ正直に話すが。
ただイッセーを強くしようにも、煩悩塗れで仙術適性皆無だし、勉強は苦手でエロが絡まないと頭脳の回転も控えめなんで魔法に関しても期待はできない。
つまり残されたのは
問題点としては、鍛えた成果をセクハラに活かされると責任がなぁ。ほぼ確定だろうし。
解決策としては緊箍児みたいなの作って……ちと時間が足りんな。闘戦勝仏を経由して須弥山に依頼する方がいいか。ワンチャン生前ではあるが更生って考えたら日本地獄から拷問器具を取り寄せも可能か。
「……!? な、なんか今、すごい寒気が!?」
ほう、勘が良いな。
「それはきっと既に誕生している二天龍の片割れを無意識に感じ取ったな。
適当な事を言って煙に巻くぞー。ドライグの言葉が届かんから訂正できるヤツはいないってな。
「えっと、それって?」
「君の存在感が増して狙われる確率が上がったという事だ。が、安心するといい。いつか爆発する爆弾が今爆発しただけだ」
「何一つ安心できないんですが!?」
デスヨネー。
とはいえ今なら親や有識者がいるから相談できてお得なんだわ。原作なんて刺されて死にかけてる中で説明される手遅れ感たっぷりな状況のはずだし。比較したらかなりマシっしょ。
「事情もわからず、準備もできず、後ろ盾すらないまま狙われるのと比べたらずっと安全だとも。君を鍛える以外にもフォローするし、ご家族の安全も守ってみせる」
「あー、えーと、お願いします?」
うむ、最低限の事しかわかってねぇなコレ。でもイッセーってなんだかんだ考えるし噛み砕けるところは噛み砕いて飲み込む柔軟さはあるんだよな。今は原作より若く思春期寸前くらいの年齢だし、その性質は更に強いはずだ。
助平心の発達からするととっくに思春期突入してる気もするが、その辺はきっと自室の臭いで判別できそうなんだよなぁ。後処理とか換気とかまで頭回ってなさそうだし。
一般人だし家族以外に友人知人も人質に取られかねないし、原作と違って悪魔になってないから守って貰えるか微妙なんよね。原作もはぐれ悪魔やら下っ端堕天使やら悪魔祓いやらの件数とかを考えるに守られてるとは言い難いが。
アレは新社会人にありがちなタスク抱えすぎて溺れる現象とは違って、そもそもタスクがある事に気付いてないっぽいリアスの実力不足と家やら魔王やらの力には頼らないとかいうプライドと、厳しくして嫌われたくないとか人間の街だから多少失敗してもいいとかのグレモリー側の考えが悪魔合体して起きてるクソ案件なんだよなぁ。
シトリー側のフォローはあるかもしれんが、グレモリー側のガバガバな穴がデカすぎる。そもそもフルメンバーに届いてない眷属しかも全員学生とか人数足りてなさすぎだろ。
いやまぁこの世界じゃ駒王町で人外案件が起きた場合の被害者は日本地獄で裁判受けるわけで、死因が判明する度にはぐれ悪魔を出したり契約のお仕事をして残滓を始末せずに悪魔祓いを呼び寄せた悪魔陣営、
日本神話のスタンスは無関心だけど好感度自体は底を突き破ってるって知らんのだろうなぁ聖書勢力。
ちな、悪魔召喚は外法なんで利用者はそれ単体で邪見扱いになり焦熱地獄辺りへ送られる罪になりそうなもんだが、叶えられる願いの範囲がネットショッピングや家事代行に収まる程度にショボすぎるんで、現在は判決に影響させないんだとか。
「とりあえず、まずはコレをこなしてもらうかな」
とりま、言質は取ったし事前に組んだ一般人向けトレーニングメニューを渡しておこう。
「あ、はい……って、なんじゃこりゃあー!?」
「どうしたイッセー?」
「そんなに無茶な内容なの?」
「い、いや、むしろ思ってたより普通すぎて逆にびっくりしたっていうか」
叫ぶイッセー、心配する両親。しかして実態は筋トレや柔軟体操、可能であればマッサージや食事メニューのお願いである。
「
「うへぇ」
この感じだとヒーロー作品よろしく劇的な変化を期待してたっぽいな。まぁ気持ちはわかるが。
だが人生そこまで上手くはいかんのよ。コツコツ習慣になるまで続けて、そこから更に続けていけば少しずつ前または上に進める。
「それに、急激な変化は周囲から怪しまれるからな。意外と人間社会に紛れている人外は多い。噂話から知られる可能性だってある」
「あの、イッセーがトレーニングを始めたら十分に異常事態なんですが」
「……平日は内容減らして家の中だけで済む程度にしましょうか。睡眠と宿題の時間は確保してもらわないとですし」
そういう事になった。
「ドライグ、見つけた」
なお、この後すぐにオーフィスが襲来する事件があった。何故か
「えっ、どちら様です?」
「あー、知人、ですかね。ご子息の
「なるほど、こんな感じで来客が増えそうなんですね」
「ご迷惑をおかけします」
親御さんは一瞬取り乱すも、すぐさま調子を取り戻していた。強い。
「……あ、あの!」
「?」
「結婚して下さい!!」
そしてイッセーの性癖センサーが
「? よくわからないけど、それならグレートレッド、倒す」
「グレートレッド? とにかくそいつを倒せばいいんですね!?」
「ん」
「よっしゃああああ! やるぞーっ!」
よくわかってないオーフィスは次元の狭間を取り戻すためグレートレッドの撃退を条件に出し、グレートレッドをよく知らないイッセーはモチベを天元突破したのであった。
『おいいいい!? 何を言ってるんだ、少しは身の程を知ってくれ! 全盛期の俺より強いんだぞ!?』
信じたくない結論として、ドライグが宝玉越しに会話できるようになった。
つーか一般人なはずのイッセーが明らかにドラゴンらしきオーラを放ってるんだが。アレか、体の一部を置換したのか? 思い切りが良すぎるだろ。
「いやー、
「私も驚いてます。色んな意味で」
「未来のお嫁さんを見つけたのはいいけど、まさかこんな小さな……」
「あ、そこは龍神なので年齢問題はクリアしてます。姿形も気分一つですからご安心、というのも変ですが、まぁそういった感じです」
「そうなんですか、ならまぁ」
いいんかい。両親はコレ懐が広いってより事態についていけてないんじゃねえの。まぁ変に話が拗れるよりは良いか。
「あァ、ちなみにドライグ。当代の白龍皇はとっくに覇を御してるぞ」
『なん……だと……』
「アルビオン、悪魔と混血だった」
『混血、そういうのもあるのか』
「そこはヴァーリって呼んでやれよ。ラーメン食わせてもらっただろ」
「ん、滋味に富んでた」
『なんて?』
「当代の白龍皇は麺類が好きでな。自分で麺を打ちスープも作る本格派だ。最近はチャーシューや味付け卵にも挑戦してるな」
『なにそれこわい』
ヴァーリとアルビオンには赤龍帝の話を教えてたっぽいし、不公平にならん程度の情報は与えておかんとな。
何やら混乱しているようだが、まぁ今までの宿主やら二天龍の関係性やらを考えると異常事態扱いされて当然な感じはあるんでしゃーないんかね。
まぁ、そんな感じで無事に当代の赤龍帝が覚醒した事は領内や各神話体系に知らせておいた。一応聖書勢力にも。
まぁ、話の流れで
ちな、近しい面子には一般人ながら紆余曲折を経てグレートレッドを撃退するべく挑むために猛特訓している旨を追加で知らせてある。これにはヴァーリもにっこり。
いやね、健康診断で事故が起きない程度に上手く体をドラゴンに置換したイッセーの基礎スペックがモリモリ上がってるんよ。
つーか余りに速いペースで上がりすぎて、ほぼ人外の領域に達した事を知ったアタシは頭を抱える事になった。ヴァーリは大喜びだったが。
現状、総合力というかほとんどの項目でヴァーリが上だが、成長率に関しては初期値の低さもあってイッセーのが上になっている。ここから頭打ちして壁を越える段階になってどうなるか……いやマジどうなるんだろうな。
もう
原作を気にしないとは言ったが、いくらなんでも程度ってもんがあるだろ。熟女趣味からオーフィスロックオンでグレートレッド討伐のために人間辞めるとか予想できるかって話だよ。
ちな、主犯の生ハムは、アタシからの報告に顎が外れそうなくらい驚いているアザゼルの横で大笑いしてたらしい。後でドロップキックの一つでもかまさんとやってられねぇんだわ。